連載小説
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もしも、こんな寿司屋の大将がいたら・・・
外食で、たまに行きたくなるお寿司屋さん。

そこで食べるお寿司はまた格別な物です。

と言う訳で、今回の悪乗りもしもシリーズ。


4回目は“もしも、こんな寿司屋の大将がいたら・・・”



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〜CASE1〜 つぼまじん


《寿司処  壷娘》



ガラガラ・・・・・



「あ、いらっしゃいませ〜!」



「こんばんわ、大将。どうです?調子の方は?」



「まぁ、ぼちぼちってところですね〜?・・・で、何にしましょう?」




「まずはビールだね」



「はい、ビールですね?ちょっとお待ちを・・・・・」




ゴトリ。





「あ、そういや・・・旦那さん、聞きました?例のアレ」




「あぁ、なんか最近何処かの寿司屋が全く新しい商売の仕方始めたってヤツかい?」




「えぇ。何か凄いらしいですよ?お客さんにバカウケなんだとか・・・」




「へぇ〜?しっかし、最近は何処も彼処も変わっちゃったねぇ」




「そうですねぇ・・・ってわけで、ウチも何かやってみようって思って昨日からちょっと変わったことやり始めたんですよ〜」





「変わったこと・・・?何ですか?」




「あ!ちょっと待った!その前に先に何にするか、言ってもらえません?」





「・・・・・・?じゃあ、海栗貰える?」




「は〜い!海栗ですね?・・・よっこらせっ・・・・と!」




(大将は“自身の壷”から“海栗?”を取り出した!)




「・・・・・・・!?大将?それって・・・・?」





「えへへ〜、どうです?新鮮な海栗・・・・・・・って、コレ、“栗”じゃない!?アイタタタタタタ!!」




(栗はものすごく痛かった!)






「あ〜んもう!“また”間違えちゃった〜!ふぇぇ〜〜〜〜〜ん!」






「・・・・・・だめだ、こりゃ ><;」





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〜CASE2〜 アヌビス


《寿司処 わんわん亭》


ガラガラ・・・



「こんばんわ大将!今、良いかい?」




「ああ、お主か。良いタイミングだ。さっき客が帰って丁度暇だったのだ」



「よっこらせっと・・・」



「さて、お主はまずはビールだったな」



「お?流石大将!気が利くねぇ〜」



「なに、常連だからな、そうなるだろうと思ってな(ニッコリ)」


ゴトリ



「さて・・・ネタは何にするのだ?」



「え〜っと、そうだなぁ・・・・あ、じゃあタコ貰おうかな?」



「ああ、タコだな・・・・・・きゃいん!?」



「え?どうしたんですか?」



「あ、あわわ・・・タコさんが居なくなっちゃったワン!?何処へ行ったワン!!」



「お、落ち着いて!取り敢えず落ち着いて!」




「あ、ああ、そうだな・・・す〜・・・は〜・・・」




「タコは一杯しか居ないの?」



「そうなのだ。むむぅ・・・どうしたものか・・・・・」



(モソモソ・・・・)



「ん?」



(モソモソモソ・・・・・)



「ん?何か足元に・・・・・・・きゃいん!?」



「あ!?タコが何でそんなトコに!?」



「何でそこに居るんだワン!!わわわ、取れないワン!!」



(スポン!タコが足から外れた!)



「ふう・・・取れた・・・・って、わわ!?」


(ベチョ!タコは大将の顔に張り付いた!)




「もがが〜!フゴガフフガフガフ!フガフガ!フガガガフガ〜!」

(あわわ〜!前が見えないワン!くるしい!助けてくれ〜!)




「・・・・・・・・だめだ、こりゃ ><;」




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〜CASE3〜 サハギン



「寿司処 すくみず亭」


ガラガラ・・・


「・・・・・・・・いらっしゃい」



「・・・えっと、開いてますよね?」



「・・・・・・・・・・・・(コクッ)」




「その〜・・・注文いいですか?」




「・・・・・・・・・・・・(コクッ)」




「じゃあ、マグロね」



「・・・・・・・・・・・・(コクッ)」



(スタスタスタ・・・・・)



大将は、“釣竿”を持って店の外へ出て行った!



「あれ、大将!?・・・どこいくんだろ?」






〜数時間後〜





ガラガラガラ・・・・・・



(ようやく店に帰ってきた大将。その背中にはマグロが縛り付けてあった!)




「・・・マグロ・・・・・・・釣って来た・・・(ゲソ)」




「何か遅いと思ったら、釣って来たんだ!?」




「・・・・・・でも、疲れたから・・・今日は・・・もうお終い・・・また・・・明日・・・」



(大将はマグロを背中に縛り付けたまま、眠そうな表情で店の奥へ引っ込んでしまった!)




「・・・・・・だめだ、こりゃ ><;」





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〜CASE4〜 稲荷


《寿司処 キツネいろ》



ガラガラ・・・・



「あら、いらっしゃいませ」



「どうも、こんばんわ」



(・・・・・ここの大将は稲荷か・・・・ん?尻尾は一本か・・・・)



「・・・あの、私に何かついてます?」



「・・・尻尾が付いてますね」



「そんなの当たり前じゃないですか、私は稲荷なんですから・・・」



「あ、あぁ・・・どうも失礼しました・・・ジロジロ見てはいけませんよね」



「そんな事より、注文、早くしてもらえます?」



「あ、あぁ・・・えっと・・・」



「って言っても、ウチにはいなり寿司しかありませんけどね」



「えぇ!?」



「ウチは創業以来コレ一本で勝負してるので・・・なにか文句でも?」



「いえいえ、滅相も無い!じゃあ、お任せしますよ」



「あら、良いんですか?知りませんよ?どうなっても・・・ふふふ・・・」



(何か怪しい笑みを浮かべる稲荷)




〜数分後〜




「お待たせしました。さぁ、どうぞ」



「あぁ、どうも・・・では早速・・・・・・」



(モグモグと食べ始める男)



「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!?」



(いなり寿司の中身は“大量のワサビ”だった!)



「〜〜〜〜ッ!?ゲホッ!ゲホッ!」



「あらあら、大丈夫ですか?ささ、このお茶をどうぞ・・・」



(ゴクゴク・・・・)




「ブフゥ〜〜〜〜〜ッ!?」



(お茶はすご〜〜〜く苦い事で有名なセンブリ茶だった!!)



「あらあら・・・いけませんねぇ〜?フフフ・・・・」




「・・・・ゴホゴホ・・・だめだ、こりゃ ><;」




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〜CASE5〜 河童



《寿司処 かっぱ巻き》



ガラガラ・・・・



♪かっ○ぱ○っぱ、かっ○のマーク♪か〜○ぱ寿司♪



(ズルッ!!店内に入るなり、聞こえたBGMに男はズッこけた!)



「あ、いらっしゃいませ〜・・・って、あれ?どうしたんですか、お客様?」



「いや、アンタ・・・そりゃ、まずいでしょ・・・・・こう・・・“ナニ”的に・・・」



「いやぁ〜、やっぱりマズかったですか?・・・って、そんな事よりいつまで床で寝てるんですか?早く席についてくださいな♪」



「まったくもぅ〜・・・」



「ささ、まずは蕎麦茶ですね♪はいどうぞ〜、よく冷えてますよ〜♪」



「お、気が利くねぇ〜」


(ズズズ・・・)


「コレだよコレ!やっぱコレがなきゃな!」



「ですよねぇ〜」



「さ〜て、まずはどれからいこうかなぁ〜・・・・・ん?」



(“只今、オススメの新メニュー提供中!詳しくは大将まで!”ん〜、何だろう?気になるな・・・・?)



「大将、あのオススメ新メニューって何?」



「え?あぁ〜アレですか?・・・・・・気になります?」



「どんな物か、気になりますね〜」



「わかりました〜、ちょっと待っててくださいね〜♪」



(そのまま店に引っ込んでいく大将)








〜数分後〜




「お・・・お待たせ・・・しましたぁ〜」



「・・・って、ええ!?」


(店の奥から大将が出てきた。何故か“簀巻き”状態で)



「私のオススメ、“かっぱ巻き”ですぅ〜・・・って、きゃあ!?」



(大将は躓いて転んでしまった!)



「や〜ん!起きられないよ〜ぅ!!誰か助けて〜〜〜〜!?」



(テレレッテレ〜ン♪ここに“かっぱ巻き”が完成した!!)



「・・・・・・だめだ、こりゃ ><;」
12/09/18 20:39更新 / 四爺麓参
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■作者メッセージ
面白そうな寿司屋さんだことw

まぁ、実際居るわけ・・・ないよな orz

気が強い娘ってどんな感じか、実はあまり分かってない私です、ゴメンナサイ(泣)

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