連載小説
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19.単位は数時間
魚の燻製に、ドライフルーツと乾パン。
保存食のストックが少し過剰になっていたので、消費する事にした。

「むぐむぐ・・・」
「んぐ・・・んん・・・」

黙々と食べ進める二人。
会話は無いが、食べる事に意識を注いでいるだけであり、険悪さは一切無い。

(相変わらず美味しそうに食べるな、エトナさん)
(何でだろ。シロが食べてるとこ、何でちょっとエロいんだろ)



二人同時に水を口にし、食事を終える。

「・・・ぷはっ。ごちそうさまっと」
「ごちそうさまです。さて、歯磨きしますか」

水の貯蔵量も十分。
飲用以外に使っても、何ら問題ない。

「それにしても、馬車そのものも凄いですけど、馬も上質なものを頂けましたね」
「考えてみれば、アタシらとこれだけの荷物引きながら普通に歩けるって相当だよな。
 領主さんには感謝してもしきれねぇよ」

他愛のない会話を挟みつつ、歯を磨く。
数分かけて、きっちり口内をきれいにした。

歯の健康を保つことは勿論だが、二人にとって、歯磨きをする理由はもう一つある。

「んじゃ、どうするシロ?」

食後のエトナの問いかけ。それが意味する事は。



「食後の運動、ヤるか?」



食欲を満たすついでに、もう一つの欲も満たそうという誘い。
一応、シロも多少は考えるが、出てくる結論はほぼ毎回同じである。

「・・・お願いします」

まだ恥ずかしさは抜けない。
しかし、性欲の増す一方で、必要以上に遠慮する気持ちも徐々に捨てつつある。

「ふふっ、シロも大分、アタシ好みになったな♪」
「・・・あはは」

歯磨きの理由の二つ目。
食後の魅力的な誘いを受ければ、高確率で口付けを交わす事となる。
その時に魚やら肉やらの臭いがしては興が冷める。それを防ぐ為だ。



「で、今回の希望は?」

ベッドの中にて。
シロにかけられた呪文の発動条件は未だ定かではないので、情事の際、エトナはシロのやりたいようにさせている。
今の所、この形で呪文が発動した事は無い。

「口か? それとも胸? 勿論、いきなりマンコでもいいぞ?」

どれを選んでも、脳が焼け爛れるか、もしくは蕩けるかのような快楽による暴力が襲い掛かるのは明らか。
目の前に横たわる、メリハリの利いた艶めかしい肢体を思いのままに貪る事が出来るという、男としてこの上ない至福。
その権利を持つのは、たった一人の少年。

「その・・・えっと・・・」

胸の高まりが止まらない。
色々な事が頭に浮かんでは消える中、エトナの身体のある一部分に、シロは目を向けた。

(・・・綺麗)
「どうしたー? ・・・お」

エトナも気づく。視線の先は、股間のすぐ下。

日々の鍛練が生み出した、脚線美の上半分。
引き締まっていながらも、女性的な色気に満ち溢れた、肉付きの良い太腿。
そこに、シロは釘付けになった。

(ここ・・・ここでしてもらえたら・・・)

健康的であるのに、どうしようもなくいやらしい。
正負の魅力が凝縮された、エトナの脚。
下着で覆う必要も無い場所なのに、それは生唾物だった。

「あの・・・エトナさん」

心は決まった。
顔を真っ赤に染めながら、喉奥から声を絞り出す。



「この・・・ふとももに、僕のを、挟んで下さい」



短く、荒い呼吸。
羞恥に震えながらも、快楽をねだる甘い声。

犯罪的な、可愛らしさ。

「・・・了解っ!」

華奢で柔らかなシロの身体を抱きしめ、満面の笑みを浮かべる。
力加減をするのが遅れて、シロの意識が一時的に薄らいだが、
彼はもうその感覚すら性感になっていた。



「にしても、妙なとこ選んだな。まさか太腿とは」
「あはは・・・何か、すごい、惹かれたんで・・・ごめんなさい」
「謝るなって。むしろこんなとこでまで欲情してくれて嬉しい」

ゆっくりと、優しく頭を撫でる。
緊張をほぐし、安心感を与えるこの行為を、シロとエトナはとても好んでいる。

しかし、シロの様子が何かおかしい。
どことなく、複雑な表情を浮かべているように見える。

「・・・具合悪いのか?」
「えっ? いえ・・・あっ、その・・・」
「どうした?」
「えっと、その・・・お願いが」
「うん」

「もうちょっと、くしゃくしゃってしてもらえませんか?
 その・・・少し乱暴にされた方が、エトナさんを感じられるんで・・・」

年端もゆかない少年からの、軽い被虐の要求。
それが生み出す背徳感は、エトナの脳細胞一つ一つに染み込むようにして、
いとも容易く、理性の箍を壊した。

「・・・っっっ!!!」

くしゃくしゃ、ぐしゃぐしゃと、頭を強く撫でる。
可愛い。大好き。大大好き。もう想いは止まらない。
水分をしっかりと含んだツヤのあるシロの髪を掻き分けるようにして、エトナは応えた。

(うん、やっぱり・・・こっちの方が好き♥)

静かに目を閉じ、感覚を頭部に集中させる。
エトナを抱きしめる腕に力を込め、シロは頭を撫でられ続けた。



数分後、頭を撫でる手が止まる。
シーツの上には、摩擦に耐えられずに抜け落ちたシロの髪の毛がいくらか散乱した。

「アタシを悶え殺す気か!?」

開口一番、シロを抱きしめながら、エトナは叫ぶ。

「お前自分がどんだけ可愛いか分かって無いだろ!? 死ねる! 普通に死ねる!
 こんだけ可愛い顔してこんなに小っこい身体してんのにあんな事言われたら国が動くわ!
 その前にアタシがその国滅ぼすけどな! シロを狙うクソ野郎とか皆殺しにしてやるわ!
 どこだ!? シロを狙う野郎はー!!!!!」
「ちょ、おち、落ち着いて下さい! いませんから、誰もいませんからそんな人!?」

堰を切ったように喋るエトナの話は瞬く間に明後日の方向に飛び、シロを思いっきり慌てさせた。
エトナは完全に混乱状態で、もう収拾がつかない。
最終的に。

「シロが欲しいならアタシを倒してがぎぃっ!?」
「エトナさん!?」
「あ・・・うぉ・・・あ・・・」
「・・・無茶苦茶に喋るから・・・」

エトナが舌を噛み、事態は強制終了した。

「・・・いや、その、うん・・・ごめん」
「落ち着いて下さ・・・あ・・・うぅっ」

自分も落ち着いてみた所、よくよく考えたら相当恥ずかしい事を言われていた事を、シロは思い出す。
赤面した顔を見られないように、咄嗟にエトナの胸に顔を埋めた。

「あぁもうっ、エトナさんなんて嫌いですっ!」
「いや本当にごめん。シロが可愛い過ぎてつい」
「うぅぅっ・・・」

いくら顔を強く押し付けた所で、むにゅりとした感触に反応して下半身に血が集まるだけで、顔の紅潮は治まらない。
結局、観念したかのようにしてシロは顔を上げた。

「これでも僕は男なんですから、そんなに可愛い可愛い言わないで下さいよ・・・」
「えー、アタシ嘘吐きになりたくない」
「そんなレベルの事言ってます!?」
「だからさ、しっかり男の子扱いしてやるよ。ココで、な」

すでに大きく隆起したシロの陰茎を握り、上下にしごく。
単純な摩擦刺激ではあるが、力加減、動かし方共に、シロの快楽神経を最も効率よく刺激していた。
そして、そのまま亀頭を太腿に宛がう。

「ははっ、ここはもう男の子っつーか、『男』だな」

誤魔化されている事は分かる。
が、襲い来る快楽に逆らってまで反論する事でもないので、この事案は放棄する事にした。

そして、いよいよ始まる。
どんな欲望も受け入れ、叶えてくれる魔物娘による、最高の奉仕が。

「んじゃそろそろ、ヤるか。・・・ほら」

僅かに脚を広げ、シロの肉棒を迎え入れる。
内側の高密度の筋肉によってしっかりと支えられた、外側のむにりとした脂肪。
そしてそれらを包む、すべすべで温かな肌。

太腿は、本来男のモノを挟む為に出来ている部位では無い。
しかし、エトナのそれは、むしろこれ以上に活かす方法が存在しないほどに、一物を刺激し、
蕩けさせることに特化していた。

「ふわあぁぁぁぁぁ・・・♥」

脚肉が、陰茎を揉みほぐす。
膣のような襞も無ければ、舌のように蠢くものも、胸のように柔らかいものもない。
なのに、そこはとてつもなく心地よく、力の抜ける場所だった。

鍛えているだけあって、感触は少し固い。
しかし、それはマイナスの意味を全く持たない。というより、『固い』という表現がすでに誤り。
『丁度いい』と言う方が遥かにしっくりくる。

「はぁ・・・はぁ・・・」
(ああもぅ可愛い・・・)

根元まで埋まったのを見て、ゆっくりと両脚に力を入れる。
シロの一物が余す事無く圧迫され、それに反応して限界まで膨張した。

「こんな感じでいいか、シロ?」
「最高、です・・・♥」
「ん。それじゃ好きに動け。ちゃんとイカせてやるから」

言われるまでも無かった。

(・・・うぅっ)

既に、限界は近い。肉厚な両脚の太腿の狭間に突き入れられたそれは、今にも愛欲の塊を放出しかねない。
もっと、この至上の空間を楽しみたい。しかし、もう保ちそうにない。

(これからが、本番なのに・・・)

僅かにでも動けば、漏らしてしまう。まだ、まともにこの感触を味わってもいないのに。
腰に力を入れてこらえようとした所で、感覚が鋭敏になり、その時が近づくだけ。

(・・・ごめん、なさい)

根元から射精感が込み上げる感触が伝わる。
最後まで、必死に抵抗したが。

「うう・・・んあぁぁぁっ!」

止めどなく湧き出る白濁液が、エトナの太腿を汚していく。
その量は凄まじく、ぴっちりと閉じた脚の間から溢れだした。

最後の最後まで、ペニスを大きく脈動させながらの射精は、普通のそれとは全く違う。
根元よりさらに奥深く、まるで、肛門から鈴口までを串刺しにされたかのような、鋭い快楽を伴う。

・・・が。

(出しちゃった・・・)

1分すら、耐える事が出来なかった。
むちむちの脚に扱かれて、簡単に精を放ってしまった。

出来るだけ長く、太ももの感触を楽しみたかったのに、自分の肉棒は意に反して、射精欲に負けた。
何とも言えない喪失感が、シロを襲う。

だが、シロは失念していた。
至極単純な事であり、今の自分なら可能である事を。



「んじゃ、次はどこでヤる?」



「・・・!」

『次』。
本来、男は一度射精した後は、ある程度のインターバルを挟まなければ、まともに行為は出来ない。
しかし、シロは既にインキュバスになりつつある身。連続で精を注ぎ込む事等、造作も無い。
更に、相手はお互いに愛し合う魔物娘のエトナ。身体を重ね合う事に、何の抵抗も無い。
むしろ、続けられるだけ続けたいと思っている。

それを思い出した途端、シロの一物は一気に硬さを取り戻し、臨戦態勢に復帰した。
望むのは、もう一度。

「・・・ふとももで、もう一回、ぎゅってして下さい」

今度は、もう少し長く感触を楽しみたい。
そう思いつつ、提示した願いは。

「分かった!」

二つ返事で、受け入れられた。



太腿に陰茎を挟み、脚を上下に擦り合わせるようにして扱く。
パイズリのような感覚でありながら、手コキのように強い刺激を与える責め。
ただ圧迫するだけでも気持ちいいというのに、ここまで技巧を凝らされてはたまらない。

「あぁっ・・・あぁんっ!」

狂おしいまでの快感に堪え切れず、嬌声を上げるシロ。
それを見て、エトナは耳元で囁く。

「我慢とかするなよ? 何回でも好きなだけ好きなトコで射精させてやるから。
 シロが望むなら、一日中だって付き合う。むしろアタシがそうしたい」

時間は無制限。発射回数制限無し。相手は全身全てが欲情を掻き立てる魔物娘。
最高級のソープランドですら、経験する事は叶わないであろう、悦楽の底なし沼。
一度足を踏み入れたら、二度と這い上がる事は出来ない。

「射精しながら、次はどうしたいか考えろ。もう一回太腿で挟んでみるか、口で奥の精子まで吸い取られるか、
 おっぱいでむにゅむにゅっと搾り取られるか、マンコに突っ込んでイキまくるか・・・」

魅力的かつ蠱惑的極まりない快楽責めのフルコースが、目の前にある。
それらに目移りしながら、股間では今もなお、筋肉と脂肪の黄金比で構成された極上の太腿による責めが続く。

刺激はかなり強い。しかし、痛みは一切無い。
痛覚の閾値ギリギリまで強く扱き、絶頂までの道を快楽で埋め尽くす。
己の身体をしっかり理解しているからこそ出来る、太腿コキの最適解である。
極限まで性感を刺激されたシロの陰茎は、たちまち次発の装填を完了した。

「あぁ・・・あぁぁぁぁ・・・!!」
「ほら、またイけ! まだまだ搾り取ってやるから!」

射精を妨げる物は何も存在しない。そのまま臨界点に達し、二度目の絶頂を迎えた。
びゅるびゅると精液を放出する肉棒を締め付ける太腿は、射精中で敏感になっている事を考慮し、
亀頭・カリ周辺はやわやわと撫でるようにしながら、時折竿の根元から先端に向かってぎゅっと締め付け、
快楽がより深く、長いものになるよう促し続けた。

「ふぁぁぁぁぁ・・・・・♥」
「あーもう可愛い! 可愛いよシロー!!!」

だらしなく表情を綻ばせ、吐息の一つ一つも快楽に染まるシロ。
小動物的可愛らしさの少年には不釣り合いなその姿に、エトナの興奮は増すばかり。

「次! つーぎっ! どうやってイきたい!?」

頭の中は、シロをどうやって気持ちよくさせるかでいっぱい。
次の要望を急かされながら、シロはぼんやりとした頭で、

「また・・・ふとももで、むにむに・・・♥」

言語能力を失いながらも、希望を伝えた。

「分かった! 今日はもうとことん太腿で搾り尽くしてやるから覚悟しろ!」

依然として硬度を失わない肉棒が、またエトナのふとともの隙間に浸かる。

(これ・・・病み付きになる・・・♥)

エトナの身体は、どこでも気持ちいい。
新たな発見をしたシロの太腿コキおねだりは、意識を失うまで続けられた。
14/10/26 19:43更新 / 星空木陰
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■作者メッセージ
愛し合う男女が同じ部屋の中です。自然な事です。
むしろ何事も起きない方がどうかしてます。

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