連載小説
[TOP][目次]
U:陽と陰と【Double persona】 2章
この国は嫌な国だった。

魔界で生まれ、純粋な『幸せ』を知っている私は、
この国に渦巻いている『偽りの幸せ』が嫌いだった。

力で無理やり奪う幸せ
金で取引される幸せ
他人を不幸にすることで生まれる幸せ

たとえ幸せの感じ方が人それぞれだったとしても、
どうしてこんなに歪な形でしか幸せになれないのだろう。


でも…


この国には私を必要としている人がいるみたい。
だから私はその人のために役に立ってあげたいから。
傷を癒し、疲れを癒し、悲しみを癒したいから。
私は、このいやな空気が渦巻く夜道を進む。

大丈夫、夜空に輝くお月様も応援してくれてる……






――――――――――――――――――――――――――――――――――





「こんばんは、クルト……会いたかった……」
「クリス…様?」

赤いドレスをまとった、美しくそれでいてかわいらしい姿。
クリスティーネがそこにいた。


「少し、話がしたいの。いいかしら?」
「…ええ、どうぞ。玄関で立ち話をするのも難ですので、こちらに。」
「ありがとう。」

クルトマイヤーはまだ少し警戒感を抱きつつも、
クリスティーネを居間に案内し、簡素な椅子に座らせた。

「クリスティーネ様。」
「クルト…今は私のこと、クリスって呼んでくれないかしら。」
「さ、左様ですか。では…クリス様、このような夜分にどのような御用事で?」

クルトマイヤーは勤めて冷静に対処してはいるが、
内心は非常に混乱していた。
なにしろあれだけ自分のことを嫌っていて、なおかつ
高慢で不遜な態度のクリスがとてもしおらしくしているのだから。
一方でクリスティーネもまた、非常に緊張しているのか
椅子に座っていながら顔を赤らめて、縮こまっている。

「実はね……クルトに謝りたいことがあるの。
もう、許してもらえないかもしれないし、
何をいまさらって思うかもしれない。
でもね、だからといってこのままじゃ……クルトに申し訳なくって…」
「………………………」
「ごめんなさいクルト!あのとき…思い切りあなたを叩いてしまった。
長い間離れて暮らして…やっとあえたのに、あんなことしたなんて……!
私は…わたしはっ!あなたを傷つけてしまったの!」
「クリス様…そのような……」

クリスティーネは謝りながら泣き出していた。
目から涙がこぼれ、彼女のほほを伝う。

「私もね…あなたとまた会ったときに、立派になったってほめてもらえるように
お姫様としての勉強もいっぱいしたわ。毎日毎日…辛い事も多かったけど…
クルトとまたあえるならって思えば…我慢できた。
でもね…私たち貴族の教養って……本当にくだらないもの……
だって、結局は人を見下すためにしか使わないものだったから!」

とんでもないことを口にするクリスティーネ。
口調から察するに、本心から出た言葉であることは間違いない。

「私の心が弱かったから…くだらない見栄のために…
クルトのことを嫌うように……周りから強要されたの……
でも…悪いのは私だから…!クルトも私のために努力してきたって知ってるのに
素直になれなくて!傷つけることしかできなくて!でも……でもっ!!」
「クリス様……そのようなことが……」


クルトマイヤーは涙を流すクリスティーネの言葉からようやく気づかされた。
彼女は自分との約束を裏切ったわけではなかった。
むしろ、努力するあまり方向を失ってしまい、
気付いたら自分にうそをついて生き通すことになってしまったのだろう。

クリスティーネは悪くない。
なぜなら、自分も似たようなものだから。


「俺…いや、僕もあの日から、騎士になるために必死に努力しました。
それもクリス様に再び会えるようになるには並みの努力では不可能です。
余計な望みは一切捨て、ひたすら強くなるためにすごす日々は、
子供の自分には耐え難く、辛いものでした。
笑うことも泣くことも許されず、ただ戦うために今の俺は有るのです。
しかし…その日々を支えていたのは…ただクリス様に再び会いたいがため…」
「そんな…もしかして、クルトも………」
「馬鹿なのはむしろ僕のほうです。いくら強くなっても、
こんな死神のような僕では…クリス様に嫌われて当然でしょう。
クリス様は悪くありません。むしろ約束を破ったのは僕のほうで…」
「違うの!クルトは悪くない!わたしが……っ!」


と、ここで二人は同時に気がついた。
結局自分たちはただすれ違っていただけだということに。
そして今でも、お互いが抱いている気持ちに代わりがないことに。


「ふ…ふふふっ……クリス様、また会えたこと、とてもうれしく思います。」
「っ!!クルト!」

クルトマイヤーが見せた、子供のときのままの笑顔が
彼女の感情を押さえ込んでいた何かを決壊させた。
クリスティーネもまた小さな女の子のごとく、
勢いよくクルトマイヤーの胸に飛び込んだ。

「クルト…くるとぉ!!今度こそ本当に会えた……!うっく……
だめ…嬉しい……嬉しいのに…なみだ、とまらない……」
「遅くなりましたクリス様。もう少し早く会いにいけたなら…」

胸に顔をうずめ、喜びで顔を乱すクリスティーネのからだを
壊してしまわないようやさしく抱きしめる。
自分のことをこれほどまで待っていてくれた人がいる。
それだけでクルトマイヤーは胸が張り裂けそうだった。


「クルトっ…好き!好きっ!大好きぃっ!!」
「僕も…クリス様をお慕いしております…」
「嬉しい…私、もう抑えられない……」

そのまま二人は自然に顔を近づけ、唇を重ね合わせた。
はじめの一回は少し触れただけの軽いキス。
しかし、再び唇を重ね合わせると今度はお互いに探りあうように
深く長いキスとなり、それは息が苦しくなるまで続いた。

「ぷ…ぁ……クルト、もっと…キスして……」
「いいですとも。クリス様が望む限り、何度でも……」

何度も触れ合う二人の唇は、重ねれば重ねるほど欲深くなり、
どこまでも相手を求め続けた。
二人ともなれない舌の使い方に若干苦戦しながらも、
本能で舌を絡ませあう。だが……


「んんっ…クルト……、わたしまだ満足できない…!
お願いクルト……わたしを抱いてほしいの…!」
「そんな…ですがクリス様……」
「お願い!もう私の体が…んっ、クルトのものになりたいって…
それにほら……クルトの『ここ』だってもうこんなに……」

クリスティーネは大胆にも、クルトマイヤーのズボン越しに
彼の屹立に触れ、ゆっくりとなぞる。

「うっ!?わ…わかりましたクリス様…
十年間も待たせてしまった責任を、果たさせていただきます。」
「うん♪」






――――――――――――――――――――――――――――――――――





あの人…だよね。私を呼び寄せたのは。
きれいな鎧を着た、深紅の髪の毛の男の人。
一目見たとき…一瞬「怖い」と反射的に思ってしまった。
気の弱い魔物なら、視線を向けられただけで気絶するかもしれない……

でも、
どこか悲しそうだった。
どこか辛そうだった。
私が呼ばれたということは、彼の想いが『破れた』ということ。
あそこまで強そうな人が、どうして…?
ますます気になって、彼の心の中を覗いてみた。



バシィン!!


「……っ!!そんな…ひどい……」



思わず呟いてしまうくらい…痛い気持ちが伝わった。
ずっとずっと…この人のことだけを想い続けて…
ずっとずっと…この人のためだけに頑張ってきたのに…

それを、裏切るなんて……


「そう……だから私が……。」

私は、あっという間に自分の姿を変えた。
サラッとした茶褐色の長髪に、繊細な肌、
シンプルだが、それでいて着ている人を引き立てるドレス。

「私が、クリスティーネ・マイユス・グランベール。
今から私は、十年間も待たせてしまった恋人の元に向かいます。」


自分に言い聞かせるように、つぶやいた一言。
その何気ない一言が私の体に急速に染み渡り、
『十年会えなかった重み』をしっかりと感じることになった。


「あ……はぁ…会いたい。早く会いたい!
待っててね、クルト!いま…会いにいくから…!」

身も心もクリスティーネ…
いや、恋する乙女クリスになった私は、
疼く体を奮い立てて、クルトの寄宿舎に向かっていった。





――――――――――――――――――――――――――――――――――






二人は、クルトマイヤーの寝室に場所を移すと、
ベットの上に腰かけ、先ほどの続きを行った。
クリスティーネは両手をクルトマイヤーの頬に添えて、
クルトマイヤーの瞳を覗き込みながら、そっと唇を重ねた。

「クルト…………んっ…好きっ!大好き…!」
「僕も………クリス様のことが大好きです。」

お互いにゆっくりと身体を抱きしめ合い、
そのままクルトマイヤーはクリスティーネの上に
覆いかぶさるようにして、彼女を押し倒した。

「く、クルト………っ!」
「クリス様、僕ももう我慢の限界のようです。」
「うん…早く来て!たくさん愛し合いたいから…」

しっかりと愛しい人の瞳を見上げてくるクリスティーネの柔らかい唇に、
何度も思いを重ねるようにして唇を押し付けていく。
丁寧に唇を吸い上げ、より深いキスを求めて舌を絡み合わせる。
そして、その体勢のままクルトマイヤーはクリスティーネの
上半身の服をゆっくりと解きはだけさせる。
そこには、大きさこそ控えめだが、艶のある肌に彩られた膨らみが見えた。

「そ……その、大きくなくて…ごめん……」
「そのようなことを仰らないでください…。十分に綺麗ですから。
それに、僕はクリス様の胸であれば、大小は関係ありません。」
「あ…ありがとう…」

自虐的な言葉など言わせないとばかりに、クルトマイヤーは薄桃色の蕾を指で摘む。
指先で転がすように擦りあげると、その都度、
クリスティーネの身体が跳ね上がった。

「あ、んっ……んんっ…、なん…か、痺れちゃうぅ……」
「ふふっ、感じてくれているのですね。
では……こちらはどうでしょう?」

とうとう下のドレスにも手をかけ、下着だけの姿にさせると、
下着の隙間から手を入れ、ゆっくりとクリスティーネの股間を指でなぞる。
彼女の膣口はすでにねっとりと湿っていて、
クルトマイヤーから与えられる快感に喜びの涙を流している。

「ひうんっ!く…くると……だ、だめ…なんか……おかしく…なっちゃうっ!
で、でも…私ばっかり気持よく…なるなんて………そんなの、だめ…」
「え、ああっ…クリス様!」

クリスティーネもまた仰向けの状態で彼のズボンを下着と共に一気に脱がす。
既に興奮のあまり硬くなっているクルトマイヤーのそれが目の前にある。
初めて見る男性器を、クリスティーネはゆっくりと包み込むように触れた。

「すごい……これが、今から私の中に……
クルト、私の方は……もう、準備万端ですから…んんっ…いつでも。」
「……クリス様、よくもまあ僕をここまで誑かせるものですね…。」

一日あっただけで、十数年間も離れて暮らしていたひとが、
ここまで自分を好きになってくれる。
それがどれほど奇跡的で、どれほど嬉しいことかを
二人はともに感じ合った。

二人を抑えるものはもう何もない。
今まさに、生まれたままの姿で抱き合おうとしている。

「痛かったら、言ってくださいね。出来る限り優しくしますから。」
「……うん。」

クリスティーネが小さく…けれど、しっかりと頷くのを確認したクルトマイヤーは
はやる気持ちを抑えつつ、自分自身をクリスティーネの秘裂をなぞる。
そして、中心に入口を見出すと徐々に腰を入れて押し進む。
やわらかい肉壁がクルトマイヤーを包み込むのを感じながら、
一気に彼女の膣内へと挿入った。

「ぅっ……!!んああっ!!」
「すみません、やっぱり痛かったですよね?」
「あ、謝るのはなしよ……。これで…これでやっと、クルトと一つになれたんだから。」

クリスティーネの表情には多少苦痛の色が見えるが、
それ以上に愛する人と繋がることが出来た喜びが、笑顔になっていた。

「じゃあ、少しずつ動きますね。」
「う…んっ」

出来る限り苦痛を与えないよう心掛け、ゆっくりと膣内を往復する。
先端を子宮にキスさせ、また引き離す。
そんなことを何度も繰り返しながら、彼女の中を少しずつ掻き回した。

「も、もっと動いても……んくっ!だ、大丈夫よ……クルト!」
「……わかりました。」

クルトマイヤーは求められるがままに、それまでよりも強く腰を使う。
屹立を出し入れする度に、痺れるような快感が
背筋を駆け上がっていくようだった。

「ねぇ……クルトは感じてくれてる?」
「ええ、クリス様の中、とても狭くて気持ちいいです。」

室内に、愛液の溢れる艶めかしい音が響き、
そこにベットが軋む音も加わる。
淫猥な感情に支配され、彼は徐々に腰の動きを加速させた。

「う……んんっ、い、いいわ……クルトっ!
もっと…動いてっ!私を感じてほしいの!」
「じゃあ、いきますよ…クリス様。」
「あっ!!いいっ!激しいっ!」

甘い吐息をもらしながらクリスティーネが声を上げる。
彼女のあえぎ声は心地よい膣の締め付けと相まって、
クルトマイヤーの意識を徐々にと化していった。
クルトマイヤーはクリスティーネに覆いかぶさるように体重を乗せると、
熱くうねる膣奥へ屹立をより深く沈みこませていった。
最奥を突く刺激にクリスティーネの膣壁が波打ち、
それが心地よい旋律となって脳髄まで響いてくる。

「や、あぁ……お、奥に、奥に当たって……くうぅっ!」

長い髪を振り乱しながら、クリスティーネの首が左右に揺れる。
クルトマイヤーを受け入れ、悦びに身を捩らせる姿は、
気高き姫君の姿とはまるで別人のようだった。

「く、ると……クルト、好きっ!んんっ、好きっ、大好き!!」
「僕も大好きです……クリス………様!」

甘い吐息に促され、クルトマイヤーは何度も腰をうちつける。
唇を貪り合いながら、二人は一つに溶け合ってしまいそうなほどに相手を求め続けた。
クリスティーネも無意識のうちにクルトマイヤーの腰のあたりを足でがっちりと抱え、
自分からクルトマイヤーの動きに合わせて腰をくねらせていた。
怪しく絡んでくる膣壁が、クルトマイヤーの全てを搾り取ろうとしていた。

「あ……や、な、何か…変、………あたま、の中が…真っ白に……
なって………いくっ!あっ!だめっ…わたし……イクっ!イっちゃう!」
「なっ!く……クリス様!いけ…ない!今抜きますから…足を!」

かろうじて、中に出すことの危険性を理解していたクルトマイヤーだったが
もうクリスティーネは聞いていないようで、膣が逃がさないとばかりに
容赦なく締めつけてくる。足もきっちり固定して、抜くことを許さない。

「ああっ!!クルト!あっ!あああぁあぁっ………!」
「く………はっ……出るっ!」

クルトマイヤーはクリスティーネの中から脱出することは叶わず、
子宮口から直接精を一滴残らず流しこんでしまった。

「ああっ……なんて、ことを……。くりす様……申し訳ありません。」
「ううん、いいの……私こそ、クルトの精子……欲しかったから…
あやまるのは、むしろ私の方かもしれない。」

そう言いつつも、クリスティーネはクルトマイヤーを離そうとしない。
唇を寄せて、まだ足りないとばかりに求めてくる。

「ね……気持ちよかった?」
「はい……、何といいますか…今まで僕がしてきた苦労は
今日この日のためにあったんじゃないかって……思うくらい。」
「私もね…気持ちよすぎて、もうわけもわからなかったの…
だから……んっ、もう一回……できるよね?」

クリスの膣内が再び蠢くと、
たちまちクルトマイヤーの屹立は強さを取り戻したようだ。

「ええ…では、もう一度だけ……」
「んっ、嬉しい♪クルト、また…もっと奥に……んんっ!」

再び交わり始めた二人。

その後、二回で収まるどころか五回六回と続き、
お互いに腰が抜けるまで愛し合ったという。





――――――――――――――――――――――――――――――――――




人に見つからないように。私は闇夜を駆け抜ける。
私はもう見た目は一国のお姫様。
だから、ここにいるのを見られたら一巻の終わり。
もし魔物だってことがばれたら、
戦闘能力のない私はたちまちやられてしまうだろう。

急いで、かつ慎重に……

彼が住む、城の中の一角に辿り着く。
まだまだ不安は沢山ある。
もし見破られてしまったら?
もし私の想像以上に私に悪意を抱いていたら?

あのルビーのような瞳が私を優しく迎えてくれるか、
はたまた心臓まで射抜くような鋭い眼光になるか。
やってみないとわからない。

自信を持とう。そのほうがきっとうまくいく。
深呼吸の後に決意を新たにし、玄関をノックする。


トントントンッ トントントンッ


「こんな時間に誰だ。」

やや警戒交じりの声が返ってくる。
無理もない、こんな時間なんだから。

「私です。クリスティーネ……いえ、クリスです。」
「何!?」

続いて驚いたような声。よほど想定外だったらしい。
少し間を置き、玄関のドアが開く。
いよいよ……私の出番…

「こんばんは、クルト……会いたかった……」
「クリス…様?」

初めてクルトと向き合った瞬間。
私は本当の意味で、彼に恋してしまった。




――――――――――――――――――――――――――――――――――



朝……
陽が少しのぼった時間。

「クルト……ねぇ、クルト…ちゅっ」
「んっ…あ、クリス様。お目覚めですか?」

クリスティーネのキスでクルトマイヤーは目が覚めた。
当然二人は生まれたままの姿だ。

「私ね、そろそろ部屋に戻らないといけないの。」
「そうですか……、もっと色々話したいこともあったのですが、
残念ですが、仕方ありませんね。」
「私だって…本当はずっとクルトのそばにいたいのに……」
「クリス様…」

こんなことを言われて喜ばない男性などいないだろう。
思わずにやつきそうになったクルトマイヤーだったが、
失礼がないように笑顔を保つ。


「これからは夜になればまた会いに来れると思うの…。
だから、また夜伽を楽しみにしててね♪」
「そんな…夜伽だなんて……」
「いいのいいの、むしろ私の方が楽しんでるくらいだし。
それと……なんだけどね。クルトには悪いけど、昼間は
今までのように私とはそっけなく接してほしいの。」
「と、言いますと?」
「私ね、どうやらお父様からクルトとの関係を疑われてるみたいなの。
だから疑われないように…私も辛いけど、分かってもらえるかしら。」
「……そうですね、考えてみればその通りです。
分かりました、昼間の間は昨日までと同じようにふるまいましょう。」
「ごめんね…まだ辛い思いさせちゃうかもしれないけど…」
「いいんです。僕たちは…こうして繋がったのですから。」
「ふふふ、そうね♪じゃあ、私はもう行くね。」


そのままクリスティーネは玄関から帰っていった。










「あぁ…本当に気持ち良かった。
また今夜も、クルトと愛し合えるよね♪」

玄関を出たクリスティーネは物陰で姿を変え、
全身黒ずくめの小さな少女の姿になった。


「でも……いずれはばれちゃうかもしれない。
その前に、何かしら手を打っておかないと。」


ドッペルゲンガー
それが彼女の正体だった。

本物のクリスティーネは今頃自分のベットで
何も知らず寝息を立てていることだろう。

「クルトは…これから私が守る!
クルトには誰よりも幸せにならなきゃいけないの!
こんなちっぽけな私だけど…きっと!」




軍事大国グランベルテ崩壊の2週間前のことだった。


12/01/28 17:38更新 / バーソロミュ
戻る 次へ

■作者メッセージ
と、言うわけで正解は『ドッペルゲンガー』でしたっ!
もしかしたら題名を見てわかった方もいるのでは?
話はまだまだ続きますが、ここからが非常に長くなりますので
更新には少し時間がかかるかもしれません。


さて、余談ですが、濡れ場を書いているときにふと思ったのですが
中世の人々はどんな下着を着けているのだろか気になりまして、ちょいくら調べてみました。
そしたら、ブラジャーっぽいものは中世にあるようですが、
現代のような性能ではなく、ただ単に胸を抑えるためだけにあったようです。
日本ですと、さらしを巻くのが一般的だったようです。
ですが図鑑世界はあくまでファンタジーですので、
正直そこまでこだわらなくてもいいのではという結論に達しました。
18禁ゲームだとどうなってるのかはよく分かりませんので何とも言えませんが。

ちなみに、男性の下着はパンツですが、中世の頃からすでに社会の窓があったようです。
ですが、現在と違って常に開きっぱなしなので『コッドピース』という
覆いのようなものをしたそうです。ですが、これが……その…
小物入れにもなったそうで、別名『股袋』とも言われています。
股間から物を取り出すとかどんなギャグかと………

その上、時代が進むと形状にもこだわるようになったそうで、
女性がブラジャーで胸を強調するのと同じように、
男性は股袋でもっこりをこれでもかと強調していたそうな。
リボンやレースをつけたものもあり、中には防弾性のものもあったらしいです。
もちろん現代で装着したら軽犯罪だと思われますので、
できれば妄想程度にとどめておいてください。

……一体長々と何を書いているのでしょう私は。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33