連載小説
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第8章 トリアの子育て奮闘記
ミアからマイが生まれて今日で丁度一週間が経過した。どうやらマイのエネルギーの使用頻度はとても高いらしく、その度にすり減った魔力をトリアの精液を吸収する事によって体を保っていた。何が言いたいかと言うと、今現在のマイの姿は女の子も同然なのだ。ロリコンよ来たれ!ロリコンよ来たれ!今此処にペドいスライムがいるぞ!しかも丁度良いくらいにバカだ!親子そろってバカだ!

「ふにゅぅ・・」
「ふにゃぁ・・」
マイとミアが同じような呻きを上げながら伸びをした。しかもポーズも揃っている。シンクロにも似た動きの連携性には一種の感動すら覚える。そしてマイとミアの二人は揃ってベッドから起きた。そして寝ぼけたまま扉を空けると、その真ん前にあるトリアの部屋のノブを回して入った。

「むにゅぅ・・」
「にゃうぅ・・」
二人して行進しながらトリアのベットへ向かっている。しかもトリアはスヤスヤと寝息を立てて起きる気配が全くない。これでは二人に好きなようにサレてしまう。しかし、そんな心配は不要だった。マイもミアも、トリアをそのまま犯すような事は無く、そのままトリアの入っている布団の中にもぐってトリアに抱き付くとそのまま安心して深い眠りに着いた。

「・・・・・んんっ・・」
寝息を小さく立てて眠っていたトリアだが、両腕に感じた違和感に目を覚ましかけたが、その違和感の冷たさと人の手のようにも感じられる固さを考慮してマイとミアだと分かったトリアは、そのまままた眠ってしまった。暫くするとアカネが無言でやってきてトリアの布団に潜り込んだだが、それでもトリアは慣れてしまっていて起きそうになかった。

「・・んみゅぅ・・・」
暫くして一番先に目を覚ましたのは、マイだった。今の彼女は、体から抜け出た魔力のお陰で5歳児程度の体つきになっている。精神的にもまだまだ幼いマイ故に、一層ロリ・・否っ!ペドっぽさが際立っていた。今にも倒れてしまいそうなほどフラフラしているが、これもただ単に眠たいだけなのでなんら問題は無い。

「・・みゅぅ・・ぱぱぁ・・・(チュッ」
寝ぼけているマイが、トリアの寝ているその口にキスをした。数拍を置いて何度かくっつけるだけのキスをしたマイは、そのままトリアに頬擦りしながらもう一度眠りに着いた。それから暫くは、4人の寝息が空気を走るだけの世界になっていた。それから更に暫くしてから、トリアは目を覚ました。

「・・うぅぅん!・・はぁっ・・・どうしようかな・・みんな・・」
伸びをして目を覚ましたトリアは、とりあえず最初にこの場に居るスライム達を何とかしようとした。マイは自分の左肩に捕まっているのを外したところ、寝言で喘いでしまっている。それ以来息が少々荒い。ミアはトリアを抱く様に眠っていた所を取り払ってやると、体を震わせて気持ち良さそうにしている。お漏らししたのかとも思ったトリアだが、結局その是非は確かめていない。アカネは最初からトリアの近くで眠っていただけなので無害。そしてトリアの部屋には、一人の人間と二人のスライム、一人のレッドスライムが眠っている訳である。実に不思議な光景だ。良く考えればスライム系統は少々頭の良い奴がいても結局は本能の赴くままに男性に襲い掛かる種族なのだ。しかしミア達にそれらは見られない。多少はブレーキが利いているように見えた。だが、そのブレーキも緩い物でトリアが誘ったり、外部から誘惑的な言葉を聞いてしまうとリミッターは外れてトリアを襲うようになる。

「仕方ない・・朝御飯でも作ってあげよ・・・んしょっ・・」
トリアは、ベットから起き上がるとミア達を見つめて少し顔を綻ばせた。そしてそのまま一つため息を吐くと、台所へ向かって料理を作り始めるのだった。その匂いを嗅ぎつけたかのようにミア達は、トリアが起きた十数分後に起床した。こうして、いつもと同じようにトリア達の朝は続いて行くのだった。
10/11/03 08:15更新 / 兎と兎
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■作者メッセージ
唐突ですが、書くのも面倒なので今回で最終回にしちゃいます。でも、誰かにお願いされたりしたら続き書いちゃうかも?と言う訳で、他の作品にも盛りだくさんの面白さを詰め込んでいるので、そちらもぜひ読んでいってくださいね!それではまた!

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