連載小説
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真相 悪戯心
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「――と、言う話なんだけど」

薄暗い洞窟の中で、ミリアは自信満々な表情を浮かべながらミルが読み終わるのをワクワクしながら待っていた。
ミルが手に持っているのは数枚の紙切れ。
そしてそこには、ビッシリと文字が書き詰められている。

「………蛇って、こんなに陰湿な動物なの?」

「ふぁっ?!」

読み終わったらしく、紙を束ねて膝でトントンと叩いてピッシリと合わせる。
彼の口から飛び出して来た感想は、彼女の書く物語の陰湿さを評価する物だった。
災害から始まり主人公が寝取られて精神崩壊、ヒロインも奴隷にされてしまう物語。
ご丁寧に名前が主人公の方は「ミル」でヒロインの方は「ミリア」と書かれていた。

「だいたい、こんなの誰が読むって言うのさ…」

呆れつつも溜め息を吐き、ミリアの残念そうな表情を思い浮かべながら彼女の方を向く。
すると彼女は、残念そうな顔をするでもなくまして泣きそうな顔や怒った顔をするでもなく下を向いてブツブツと呟いている。

「そうなのよ……そうに違いない……これであのチビっ娘を…フフフ…」

「あ、あの〜……ミリアさん…?」

壊れたマリオネットのようにカタカタと震えながらブツブツと何かを呟き続けるミリア。
狂気しか感じさせない彼女を、しかしミルは放ってはおけない。
何故なら、それが夫婦と言う物なのだから。

「……ミリア!」

「フフフ…フフ……はひっ?!」

不気味な笑みを浮かべる妻を、夫はしかし呼び止める。
一体、普段はその「チビッ娘」とやらにどれだけ酷い事をされている事やら。
そう思える程に、物語の内容は酷い物だった。

「全く……またリンシーちゃんに何かされたの?」

「っ!?よくっ……よぉく聞いてくれたねぇ〜!」

呆れたミルが聞いてみると、ミリアは泣き崩れるようにしてミルに抱きついてくる。
構図が酔っ払いに絡まれた若者と酷似しているが、別に酔ってなど居ないし酒も飲んじゃいない。

「なんかあの子、最近私に絡んでこないと思ったら、男見つけてらぶらぶしてたのよ!」

「らぶらぶしてたって……まぁ、それはそれでおめでたい話じゃないか」

「そうじゃないのっ!あの子、これでまた私から遠ざかっちゃうじゃない!しかも旦那が全くHしてくれないって言うし!」

指の関節をクネクネさせながら、ムキーッと金切声のような声にならないような声を上げ、ミリアは思いの丈をぶちまける。
そんな妻の姿を見て、ミルは密かに「あっ、これは今度のSEXの時にその恨み辛みぶつけられるだろうなぁ」と思っていた。

「……」

「あぁ、そうそうHと言えば私たちも最近シてないよね?今しようか?すぐしようか?」

そう言うとミリアはあっと言う間に自分の着ていた(元から大胆なまでの薄着だったが)服を脱ぎ始める。
一気にスルッと脱いでしまったミリアは、あっという間にミルを尻尾で包み込んでしまう。

「いやいや、それ見せてくれる前にもシたでしょ?また今度ね?」

「むぅ……そうだったよね……ミルのけちんぼ……」

ボソッと呟いて、尻尾での拘束を解くとミリアはその場からスッと離れる。
何が悪いという訳でもないのだが、強いて言うならば暴走していた彼女自身が悪いだろうか。

「ふぅ……それで、その小説、リンシーちゃんに見せる気なの?」

「うn「やめなさい」…ふぇ?」

補足しておくと、リンシーというのは彼女の友達でリャナンシーという魔物娘の一種だ。
妖精でありとても小さな体躯を持つ。
その多くが子供っぽい、綺麗な言い方をすると純粋無垢な性格をしており、見た目相応に子供である。
彼女たちは物語や作品などと言った「創作物」を糧としているらしい。
つまり…

「こんな性悪な物語あげちゃったらお腹壊すんじゃないかな?」

「しょ、性悪……ひくっ……えぐっ…」

ミルのいう事もそうだが、少し言い過ぎたかもしれない。
見れば、彼女の瞳は潤むどころか涙をポロポロと零していた。
自分なりに真剣に考えた作品をこうも言われればショックにもなるだろう。

「あぁ、ごめん。性悪って言ったのは取り消すよ。だからほら、ね?」

「ひくっ……なんでもしてくれる?」

「ん?いいよ?ミリアの為ならなんだって……あっ」

「よっしゃぁ!じゃぁSEXしよう!ヘビらしくグルグルに絡み合うような濃厚なSEXをしましょう!」

完全に、ミルの失敗である。
多分ミリアはこうなる事を見越して意地らしく泣いていたのだろう。
ヘビとは、とても狡猾な生き物である。

「はぁ…はぁ……さっきはけちんぼなんて言ってゴメンね?実はあれ「おちんぽ」って言おうとしたの…」

「ちょっ!全然似てないんd…ぐへぁ!?」

「無駄口を叩く悪い子だーれだ?えいっ!それっ!」

ミルに無理矢理絡みついたミリアが、ミルの身体を必要以上に締め付ける。
丁度いい程度に体がボキボキと鳴る程度にまで力を入れると、暫くもがいていたミルの腕がダランと垂れて動かなくなる。
指先が痙攣するようにピクピクと震えているが、ミリアはそんな事など全くお構いなしにミルの服を蛇腹を使って器用に脱がしていく。

「……」

「んふふ〜♪それじゃまずは大きくさせなきゃ……って、もう随分な大きさね…」

蛇体に絡みつかれて身動きできないミルの逸物は、これでもかという程の大きさを主張していた。
赤黒くなるまで鬱血して、時折ビクビクと揺れて脈動が触らずとも伝わってくる。
触っただけで火傷しそうな熱さをしていたソレを、ミリアはあっという間に自分の股間へと持っていく。
ミリアの方も準備は万端であり、その膣穴は少し前までミルの逸物を咥えていたにも関わらず、これでもかと思う程に濡れ滴っていた。

「それじゃぁ、いただきまーす♪」

「……」

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それからの性行為は、体感時間だけでも半日を軽く過ぎる程だった。
いつまでたっても収まらないミルのバッキバキに腫れ上がった逸物は、やがてはミリアの体力を限界まで削り取って、それでも尚暴れ続けた。
一体何度、ミリアの膣の奥へ思いっきり精液をブチ込んだか分からない。
途中から数える事も止めてしまい、ただ本能のままに体を重ね合わせ続ける。
彼女が体力の限界を感じて途中で止めようと逃げようが、尻尾を掴んで手繰り寄せて逃げようとする彼女の膣へとモノを叩きこむ。
勝敗は最初から決していたのである。

「……ふぅ………お疲れ様、とっても良かったよ…」

「うぅ……ひぐっ…あひんっ……はっ、らめぇ…」

テーブル代わりに使っている洞窟の岩肌に置いてあるコップの飲み物を飲みながら、ミルは寝転がるミリアの頭を優しく撫でる。
だが彼女は、それだけの刺激で体中をブルッと震わせたかた思うとプシャーッと潮を吹く。
洞窟の中にはイカ臭い匂いが充満していてとてもいやらしい扇情的な空間が出来上がっていた。

「……所々にヒビあるなぁ……そろそろ引っ越し時かな…」

ミルが天井や壁を見回してみると、ミリアが性行為の際に暴れて尻尾を激しく打ち付けたのが原因らしく、何か所もヒビや亀裂がそこかしこに走っていた。
別の洞窟への引っ越しを検討しながらも、ミルはミリアの介抱に明け暮れるのであった。


なお、彼女の書いた作品は件のリンシーへ見せる事はせず放置していたのだが、ミリアの別の友人に当たった所、短編作品として掲載してくれるとの話が上がる。
それからしばらくして、彼女の作品はダークさが好評を得て飛ぶように売れたのだとか。
15/04/13 19:04更新 / 兎と兎
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■作者メッセージ
言っておくがこの作品の間は「か〜な〜り〜」デカい!

メチャクチャ間を開けての、やっとこさ完結となります。

最後に、「世の魔物娘達に平穏のあらん事を」

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