未確認ぼっち物体
「んうっ・・・はっ・・・あっ・・・」
暗い魔界の夜空の下、月明かりに照らされた一つの黒い影が見える。
夜の街に溶け込むような長い黒髪、一糸まとわぬ一人の少女。
そして少女の足元に黒い球、それは少女の全身へと、無数の黒い触手を絡ませ、犯し続けている。
『魔界でも滅多に見ないと言われる魔物、ダークマター。『闇の太陽』と恐れられし魔物。
魔界を空から見下ろし、地上で行われている、ヒトと魔物の淫らな行為を観察し続け、自身も快楽を貪り続ける・・・。』
とかそんなカッコいい状況かと思ったけど、そういうわけではなさそうだ。
「うっ・・・!!あっ、あぅ・・・っーー!!」
触手が彼女の一番奥深くを貫き、同時に少女は絶頂に達する。
びくびくっ、と身体を震わせ、荒い息で前のめりに球体へと倒れ込む。
秘所から触手が引き抜かれると、小さく音を立てて潮が吹き出した。
「はぁ・・・はぁ・・・・・・・・あー・・・うー・・・」
球体に身体を預け呼吸を整えると、うらめしげな目線で地上を見下す。
「うがーー!!!毎日こんな触手で自慰したって、なんにも満たされないよー!!!!うぐっ、ひっく・・・男ぉ、男をよこせぇ・・・」
悲しき心の叫びが魔界の夜空にこだまする・・・。彼女は泣きながら身体を起こすと、再び触手にまたがる。そしてまた、満たされない夜を過ごすのであった―――
―――かつてこの土地には平和な町があった。少し前、その町に大量のサキュバスが押し掛け、町は一夜にして魔物の巣窟となった。
もはや日夜関係なくヒトと魔物が交わるような場所になったそこでは、大量の魔物の魔力が溢れかえり、ひとつの性欲の塊、新しく魔物を生み出した。
彼女は、そうして生まれたダークマターだった。
本来なら、魔界を照らす太陽、この地も大いに栄え、ヒトと魔物が溢れかえっているだろう。
だが、この町には誰ひとりいない。ただ、一人の少女と、黒い球体だけが存在する町だった―――
―――朝、魔界の分厚い雲の隙間から薄い日の光が届く。
魔界の空でぷかぷかと浮かびながら睡眠を取っていた彼女が、むくりと身体を起こした。
一つ大きく伸びをすると、まだ開き切っていない目をこすりながら、ぺちぺちと球体を叩く。
球体を起こしたのだろうか、ぷかぷか漂っていた球体はぴたっ、と止まり、高度を一定に保つ。
少女はしばらく、ぼーっと遥か彼方を眺めていたが、何かを諦めたように下を向き、地上へと高度を落とした。
向かった先は町の農民が使っていた畑。無人の町で食糧がぽんぽんと手に入るわけがない。彼女自身が作っているのだ。
「・・・畑・・・もうちょっと広くないとお腹空くかな・・・広げよっか・・・」
そう独り呟いてからぺちぺちと球体を叩くと、球体は触手を伸ばして農具を取り、畑を耕し始めた。
球体はまた別に触手を伸ばすと、今度はニンジンやらじゃがいもやらの収穫も同時に行う。
「んー、今日のご飯は野菜スープかな?」
再び独り言。無人の町での聞き相手と言えば、下の球体ぐらいか。
少しの期待を込めて球体を見るが、球体が返事もするわけもなく黙々と作業を続ける。
拗ねたような、それでいて諦観気味な表情でため息をつくと、ばたん、と球体に倒れ込み目を閉じる。
「うー・・・やっぱまだ眠い。黒いの、作業続けててね・・・おやすみ・・・」
そう言って、少女は眠りについてしまう。
静かに寝息を立てる少女をのせた『黒いの』と呼ばれた球体は、特に文句を言う様子もなく布団代わりに触手をかぶせると、畑仕事に戻ったのだった―――
―――暗い、闇の底で目を覚ます。
自分は誰か、ここはどこか、何もわからない。
ただ、胸の奥から感じる、強い欲求。何かを求めて、自然と体が動く。
足元には、黒いヘンな球体と、触手。
周りからは、魔物の嬌声と、男性の荒々しい声が聞こえていた。
辺りが真っ暗になり、別の光景が浮かぶ。
自分も混ぜて欲しい、そうサキュバスに言ったが、聞いてもくれない。
邪魔だから、と家から追い出される。家の中からサキュバスの艶めかしい声が聞こえだす。
少し、自分が生まれるのが遅かった。町の男は全てサキュバスを始めとする魔物が抱え込んでしまっていた。
「ダークマターが旦那を横取りしようとしている」いつしかそんなウワサが流れ、気がつけば一人ぼっちになっていた。
生まれてすぐの自分は、ただ男性(の精)がどういうものかを知りたかったのに。
再び暗闇、また別の光景。
町の外で何かあったらしい。町のサキュバスや、他の魔物たちが、男を連れ一斉に町から逃げ出す。
理由を聞いても、誰も相手をしてくれない。訳も分からず茫然としていると町に取り残されてしまった。
そして、魔界に大量の騎士やら勇者やらがなだれ込んできた。
今まで男毛がなかった自分には絶好のチャンス!これを逃してたまるか!!
・・・と思ったが、数が多すぎる。
あのサキュバス達が逃げ出した理由が分かった。いくら強い魔力を持つ魔物と言えども、おびただしい人の数を前に戦いを避けたのだ。
私だって殺されるわこんな数!!
建物の隅っこでガクガク震えながらヒトがいなくなるのを待つ。
外からは断片的な声が届く。「ヒトはいない」 「危険な場所」 「封印すべき」
しばらくしてヒトはいなくなった。残ったのは自分が一人。
慌てて町の外に出ようとしたが、見えない何かにぶつかる。
結界。ヒトは、魔界と化したこの町そのものを、封印してしまったのだ―――
―――夕方、日も傾きだしたそのころ、少女は再び目を覚ました。頬には薄く涙の痕、何か悲しい夢を見ていたのか。
少女はいつも通りの大きくひと伸び、あくびもおまけに付けて目をこする。
まだ寝ぼけ気味な瞳で辺りを見ると、一つの民家の中だった。
球体は伸びた触手が器用におたまを持ち、火にかけた鍋をかき回している。
「おー、おいしそうに出来てきてる・・・。火通しただけの野菜はもう食べ飽きたのよね、よかったぁ」
目覚めから最高のものを見た少女は、よくやったと言わんばかりに球体をよしよしと撫でる。
スープのいいにおいで空腹を思い出したのか、お腹がぐぅ、と音をたてた。
「お・・・お腹空いた・・・うー、エネルギー節約で寝てばっかだけど、それでもお腹減るなぁ・・・」
それを聞いたのかどうかは定かではないが、球体は一本の触手を伸ばすと、テーブルに置いてあったチーズを一つ取り、手渡す。
夕ご飯の完成まで、これを食べておけ、ということなのか。
「ん?あ、ありがと。えへへ、チーズ好き、分かってるじゃん黒いの。あ、あとどれだけ残ってるの?これ」
そう言われて球体は一瞬触手の動きを止める。悩むようにしばらく静止したあと、そっと部屋の隅の袋を指す。
中には小さな欠片一つ無かった。
「・・・あー、チーズも底をついたの・・・、まぁ、牛乳腐らせるより長く楽しめたしね、よかったよかった!」
はーっはっはー、チーズにすることを思いついた私の勝利だ!!とか何とか叫んで、がっくりとうなだれる。
触手にチーズの欠片を渡し、机の上へと置くように命じた。
「くっ、最後の一欠片・・・最後の晩餐にはちょうどいいじゃない・・・私がこの生活に飽きて死ぬ時に食べてやるから、せいぜい今を楽しむがよい・・・ふははははは!!!はは!ははは・・・・は・・・はぁ」
そんな強がりの一人芝居を一通り終えたころ、球体は出来あがった野菜スープをお皿に盛りつけ、少女に手渡す。
お皿とスプーンを受け取った少女は少女は、ありがと、と小さくお礼を言うと、げんなりとした表情で一口一口を噛みしめるように晩御飯を咀嚼したのだった。
「よし、お腹も膨れたし、今日も町の探索に行くかなぁ」
(球体の触手が)食器を洗い終えた後、いつもの独り言。
晩御飯を食べた後は毎日町の探索。残っている食糧や、暇つぶし道具を探しに行く。
始めの数日間は魔物でもヒトでもいいから、誰かいないかと探しまわった。
だが決して大きくも無い農村。誰もいないことなど、1週間もしないうちに分かってしまった。
「えと・・・まだ行って無いところ・・・うーんうーん、ちっちゃい病院ならあったよね。食べれるものとか無さそうだから後回しにしてたけど・・・薬とかならかな」
そう言うと食器を片づけた球体は進路を変え、ドアを開けると家の外へと飛びだした―――
―――すっかり日は落ち、辺りは真っ暗。
魔界特有の不気味な雰囲気(ヒトにとってそう見える、のでこの少女にはそう見えてはいないだろうが)の人一人いない町、おまけに病院、となれば何か出てもおかしくはない雰囲気だ。
病院の入り口前で浮遊し、病院の中を睨みつける。
「お化け・・・出ろ!!!」
一人に飽きた様子の少女は気合を入れて一言。むしろお化けが出てくれれば一人でなくなるという思考になってしまっていた。
その後、もちろん臆する様子もなく病院へと踏み込んだ。
当初の予想通り、病院内には食べ物らしきものは見つからない。あるのは、恐らく魔物とヒトが交わった跡だろう乱れたベッドがあったぐらいだった。
「たーべもーのたーべもーの、出っておいでー。あ、ヒトが出てきてもいいんだよー、怖がらないでいいよー食べないからー。あ、性的な意味では食べたいんだけどね」
空しく響く冗談を言いながら、部屋の一つ一つを周り、棚の中のものなど細かくチェックをしていた。
食べ物はおろか、薬すら使えそうなのは見つからず、ただ時間だけが過ぎていく。
しかし、その一つの部屋で、
「ん・・・?何だろあれ・・・?ちょっと取って」
少女が一つの何かを見つける。被っていた埃を払いのけ、窓辺に移動して月明かりに照らす。
「・・・電マ?」
サキュバスが残していったものなのか、それとも健康目的なのかは今となっては不明だが、落ちていたのは電動マッサージ機。
ただ、電動、ではなく魔物の魔力を人工的に注入して起動するタイプです。
少女はしげしげと電マを眺め、スイッチを入れてみる。起動し、ヴヴヴヴヴヴ、と音を立てて振動を始めたそれを見て、パァッと表情が明るくなる。
「ふにゃ!動く!!!動いた!!!!魔力入ってる!!!!!すっごい近未来!!!」
嬉しそうにキャッキャ言いながら電マを振りまわす。一通り喜んでから、今度は真剣な顔で電マを睨む。
「つ、使い方は分かってるけど・・・、ど、どうなんだろ・・・やっぱ気持ちいいのかな・・・」
ごくっ、と生唾を飲んでから一度スイッチを切る。
そしてその場所にあてがうと、目をつむり深呼吸。
小さく呼吸をしつつ、知識しかない、初めての快感に身構える。
そして緊張の中、意を決して、スイッチを入れる・・・。
「あ゛あ゛あぁぁぁぁ肩こりによぉぉ効くわ゛ぁぁぁごれやこれ゛ぇぇ良い゛わぁぁぁ・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
って違う!!!合ってるけど違う!!!」
球体が伸ばした触手で持っていた瓶を落とす。
もし球体が体を持っていたならば、華麗なズコーを見せてくれていただろう。
しばらく電マの正しい使い方をした後、少女は誇らしげに「我ながら良いボケだった」とうなずく。
「んー、よくよく見ると電マだけじゃないみたい?ローターとかディルドとか・・・」
部屋のあちこちに散らばっている大人の玩具。どうやらこの部屋ではこういった物による行為が行われていたようだ。
おもむろに手に持っていた電マを球体の中に突っ込むと、どぷっ、と音を立てて中に収納される。球体の中はどうなっているのか・・・。
床に落ちていたディルドの一つを触手に拾わせると、空いた両手で受け取る。
まだ見ぬ男根に思いをはせているのか、そっと手でなぞってみる。
「ん・・・男のヒトのモノって・・・こんな形してるのかぁ・・・け、結構大きいんだ・・・」
少し火照った表情でディルドを観察する。手で握ってみたり、舌で舐めたりしてみたりしているうちに段々と熱が入って来てしまった。
「ん、これも振動するのかな・・・どんな・・・感じなんだろ・・・」
キョロキョロと辺りを見回して、誰もいないかを確認する。魔物として、まだ知らぬ快感があることを恥と思うらしい。
「ってまぁ誰もいるわけないんだけど・・・。ちょっと・・・試してみよっかな・・・。あ、黒いの、あなたはもう少し部屋の探索しててね」
上に乗っかっている少女に触手を伸ばそうとした矢先、そう釘を刺されてしまう。球体は大人しく部屋を移動してまた何かないかと探し始めた。
「入るかな・・・これ・・・」
小さく呟くと、その形を見ていただけですでに愛液で濡れきっている秘所にあてがう。
ゆっくりと挿入を始めると、極太の触手にいつも貫かれているせいか、大した抵抗もなく一番奥まで入ってしまった。
「はっ・・・くぅ・・・・触手とは、また別の感じ・・・。動かしたら・・・また違うかな・・・」
体感したことのない感覚に少し戸惑いながらも、ゆっくりと抽送を開始する。
「んっ、あっ・・・何これっ・・・膣が・・・引きずり出されちゃうっ!」
新しい快感になれていくと、徐々にスピードを速めていく。静かな病院内に淫らな水音と少女の喘ぎ声が鳴り響き渡る。
「んんっ!やだっ、気持ち良いっ!!はっ!んあっ!!これがっ!男のヒトの・・・っ!!すごっ・・・!!いっ!あっ、んあぁっ!!」
突然身体を硬直させ、びくびくっ、と数度震える。ギュッと目を瞑り、快感の波に耐える。
慣れない物の感覚に、早々にイッってしまったようだ。
挿入したままの状態でしばらく余韻を味わいながら、肩で呼吸をしつつゆっくりと目を開いた。
「っ・・・はぁ・・・っはぁ・・・これ・・・バイブのスイッチ入れたらどうなっちゃうんだろ・・・」
まだ絶頂の興奮冷めきらぬまま、興味本位でスイッチに指をかける。
カチっ、とスイッチを入れると同時に、ディルドが振動を始める。
「ひあああ!!!!んああっ!!!ら!らめえぇっ!!!!強すい!!!ふああっ止めっ・・・!!!!」
未だ体感したことのない予想外の快感に、敏感になっていた身体は早くも二回目の絶頂へと達する。
それでもなお動きを止めないディルドは、さらに敏感になっていく身体に容赦なく次なる快感を叩き込む。
「らえっ!!こ、これ、ふあぁぁ!!!止めっ!!!止めれえぇぇ!!!!ひうぅっ!!!おかひくなっらううぅぅっ!!!」
続けざまの絶頂、そこに新たに絶頂の波が押し寄せ、頂から降りられなくなってしまう。
少女は物を引き抜こうと腕を伸ばしかけるが、すぐさま押し寄せる絶頂の快楽によって思考を途切れさせられ、思い通りに身体を動かせない。
そこにまた、新たな絶頂の波が加わり、と悪循環で、ただただ襲いかかる快楽に耐えるしかなかった。
「イッっちゃうのとまんなひいぃ!!頭の中っ真っ白にっ・・・!!やぅ!!ま、またっー!んああああぁ!!!」
さすがにこれはマズイと判断したのか、球体が触手を使って彼女を貫いている物を勢いよく引き抜く。
その快感にまた大きく身体を跳ねると、ダムが決壊したかのように秘所から大量の潮を吹いてしまった。
身体を前のめりに倒し、とぎれとぎれの荒い呼吸で身体を大きく震わせる。
体の水分が無くなったのではないかという程の潮吹きは余韻を残すように身体の跳ねに合わせてぷしゅっ、と軽く吹き出し、黒い球体に降り注ぐ。
気絶してしまったのか、しばらく身体を跳ねさせるだけで、荒い呼吸音だけが残った。
やがて意識を取り戻したのか、目は閉じたまま荒い呼吸の中声を絞り出した。
「はぁっ・・・はぁっ・・・、気持ちよすぎて死んじゃうかと思った・・・すごい・・・これ・・・病みつきになっちゃいそう・・・」
さっきの快感を思い出したのか、膣がきゅっと締まると、中から愛液が溢れ出る。
まだ体の心配をしているのか、触手が彼女の背中を優しく撫でた。
「ん・・・ふぅ・・・、これすごい良い、触手に犯されるのよりずっと気持いかも・・・今晩から自慰するのにも触手はもう要らないかもね!」
そう、冗談を一つ飛ばすと、背中を撫でていた触手の動きが一瞬止まる。思わせぶりに少し間をおいた後、またゆっくりと体を撫で始めた。
「?」
ほんの些細なことではあったが、少女は少し怪訝そうに球体を覗き込むが、表情も何もない黒い球面に、薄く自分の顔が映るだけであった―――
―――結局他に何か見つかるわけでもなく、今回の探索を終えることとする。
一日の終わり、いつもの習慣通り、町全体が見える程の上空に舞い上がると、町を見下ろしてひとつため息。
「今日も変わり映えのない一日でした。・・・んー、さっきもちょっと遊んだばっかだけど・・・また今日もよろしく・・・♪」
いつもの習慣、つまり夜寝る前に一通り触手に蹂躙され、疲れたところで寝る。
なんとも荒っぽい睡眠方法だが、本人いわく一番ぐっすり眠れるそうだ。さすがは魔物と言ったところか。
片腕を支えにして身体を少し後ろに倒すと、もう片方の手で自分の秘所を広げる。
毎日同じことをくり返しているせいか、身体が記憶してしまったのかそれだけで愛液が滴り落ちる。
ここで触手が全身を愛撫しながら挿入を始める、というのが日課だったのだが、今日は少し様子が違った。
いつもなら少女に触手を伸ばす球体が、ピクリとも動かずに沈黙を続けたのだ。
「・・・ん?どうしたの黒いの?早くぅ・・・」
いつもと違う反応に戸惑う少女。再び前かがみに戻ると、火照った身体が冷めてしまうと言わんばかりに球体をぺちぺちと叩く。
しばらく沈黙を続けた球体だったが、観念したのかついに一本の触手を生やす。
「あっ、ほら早く早くーいっぱい気持ちよくしてよぉ」
球体から生えた触手は、じらすようにしばらく少女の前でふよふよと揺れた後、
突然先端を球体に突き刺した。
驚く少女の目の前でしばらく何かを探すようにうごめいた後、球体の中から一つの物を取りだす。
それは、今日見つけ、収納してあった電マであった。
「・・・はい?えーと、どゆこと?・・・・・・ってああ!そういうことね!今日は玩具も使っての新しいプレイを・・・」
触手は言葉を遮るように電マを少女の胸元に押しつける。
思わず両手で受け取ると、触手は球体の中へと戻っていってしまった。
「な、なに?どうしちゃったの?ねぇ!ねぇってば!!」
そう少女は問いかけるが、球体は全く返事を返さない。
その様子がまるで拗ねた子供のような反応のように見えて、少女は少し前の記憶を思い出す。
「も・・・もしかして・・・バイブが触手より気持ち良いって言ったから・・・拗ねちゃった?」
そう言われても、相変わらずの沈黙。ただ、少し動揺したかのように微弱に球体がふらつく。
「・・・嫉妬・・・?機械に嫉妬するのねあなた・・・。あはは・・・」
少女はそう言うと前に倒れるようにして身体を球体に預けると、球体を優しく撫でながら静かに語りかける。
「あなたは私が生まれた時からずっと一緒、私が町のみんなにいじめられてた時も、人間が攻め込んできた時も、その後今の生活だって、一緒にいてくれて、守ってくれたでしょ?私はひとりじゃ何も出来ないけど、一緒だったから今まで頑張って来れたんだよ。すごく感謝してるんだから・・・」
一呼吸置いて、薄く瞳を開ける。
「そんなあなたとするんだもん、道具なんかより、ずっと気持よくて、嬉しいんだよ?だって・・・」
再び瞳を閉じると、倒れ込んだまま球体にちゅっ、と軽く口づけをする。
そして少し照れくさそうに口を開く。
「大好きだから・・・」
しばらくの沈黙。
やがて、球体から一本の触手が伸びると、少女の髪をゆっくりと撫で始めた。
「えへへ、何勘違いしてるのかこの黒いのは!」
球体は複数の触手で少女の身体をゆっくりと起こすと、今度は少し後ろに倒れ気味な角度で固定する。
数本の触手が少女のまだ未熟な胸に愛撫を開始し、別の数本が開き切った股の間の小さな蕾を刺激し始める。
「ふあぁっ!!そんな急に弄りださないでよっ、はんっ!てっ、照れ隠しのつもり!?」
一本の触手がその花弁を舌で舐めるような動きでなぞり、細い触手が蕾を集中的に攻め立てる。
少女の性感帯を知りつくした触手は、確実に敏感な所を刺激し、そのたびに少女の身体がビクッ、と震えた。
「っひゃ!!!やっ!そこっ、だめぇ!!クリ弄られるの好きぃ!!」
次第に少女の全身の力が抜けていき、手に持っていた電マを落としそうになる。
それを一本の触手が受け取ると、スイッチを入れ他の触手が入り混じるその上から押しあてた。
「あっ!!やぁぁっ!!そんなっ!んあぁっ!!いっぺんにされるのっ気持ち良すぎ・・・っくあぁっ!!!」
電マによる振動に加え、細い触手が激しく蕾を扱きあげる。秘所からは大量の愛液が吹き出し、小さく震える。
最も敏感な部分に集中的に快感を叩き込まれた少女は、急速に上りつめていく。
「だめっ!激しすぎ・・・っ!!もうっ!!もうイッっちゃっ!!!っはあぁっ!あぁっーーーー!!!!」
身体を大きく弓なりに反らし、電撃が走ったかのようにビクッ、と何度も震える。
同時に大量の潮を吹き、花弁を弄っていた触手と球体を濡らしていく。
蕾を扱いていた触手が拘束を解くと、蕾は小さくヒクついた。
少女はしばらく天を仰いで一通り喘ぐと、球体に倒れ込み、荒い息のまま語りかける。
「触手と電マに同時に攻められるのすごい・・・も、もう・・・いきなり意識飛びかけちゃったじゃないっ・・・、私の弱いとこばっか攻めるんだから・・・」
荒い呼吸を整え、絶頂の余韻に浸った後、身体を起こしてさらなる行為に備える。
両手で自分のものを膣内が見える程に広げると、数滴の愛液が滴り落ちた。
「んっ・・・今度は・・・ナカもいっぱい犯して・・・、太いのでぐちゃぐちゃにかき混ぜて、もっと気持ちよく・・・して?」
甘えるような声色でささやくと、それを聞いた球体が彼女の身体に不釣り合いなほど巨大な触手を一本生やす。
成人男性の腕ほどのサイズの触手を、彼女の両手で開かれた秘所へとあてがうと、ゆっくりとその先端を埋め始めた。
「んむうぅぅぅっ!!!!お、おっきいっ・・・!はっ・・・熱い・・・私の中・・・触手でいっぱいになってくっ・・・!」
膣を押し広げるように深く入り込んでいった触手は、子宮口にまで辿り着くと、いったん動きを止めた。
ヒトであれば苦痛を伴うようなサイズを自身の中に収めた少女は、火照った顔で期待の表情を浮かべた。
少女が無言で小さくうなづいた後「動いて」とささやくと、触手は愛しい人にするように、ゆっくりと抽送運動を開始した。
「はぁっ・・・、あぁぁん、・・・ふぁぁ、んうぅぅぅっ・・・」
ゆっくりと抜き差しをくり返す度、少女の口から喘ぎ声が漏れ出す。
触手はさらに本数を増やすと、彼女の胸や太ももの愛撫する。
「あんっ!いっぱい弄られてるっ・・・!乳首擦られるの好き・・・んぁっ、はっ!!」
同時に少し膣が触手に慣れ、動きやすくなってきたのかピストン運動のスピードを少しずつ速めていく。
接続部分からお互いの愛液が飛び散り、激しさを増していく。
「ひぅっ!おっきいのがっ!!私の中で暴れてっ!!好きっ!!これ好きなのっ!!いっぱい感じる・・・っくぁ!!」
リズミカルな抽送運動に加えて、胸や身体全体への愛撫で、まさに全身を犯されている気分だろう。
さらに球体は細めの触手を生やすと、彼女の小さな肛門にもあてがう。先端から潤滑液をまき散らすと、一気に突き入れる。
「やうぅぅぅ!!!お尻まで犯されてっ!!はぁっ!奥にっ入って・・・!!やぁっ!!ふあぁ!!」
すでに身体の全てと言っていいほどに触手を巻き付け、全身を蹂躙するが、
まだ飽き足らないと言わんばかりに今度は膣に細めの二本目の触手を無理やり挿入する。
細めの触手は奥までは突き入れず、中頃辺りで侵入を止め、膣の壁の最も敏感な部分を弄りだす。
あまりの快感に一瞬意識を持っていかれかけるが、極太の触手が身体全体を揺らすほどのピストン運動で、遠のきかけた意識を強制的に覚醒させる。
「そえっ!!!りゃめぇ!!!おかひくなっちゃっ!!!あぁぁっ!!!っはぁ!!やっ・・・!!」
開け放たれた口からは絶え間なく唾液が溢れ、ろれつの回っていない舌から滴り落ちる。
いつしか触手は抜ける限界まで引き抜き、それを一気に子宮口へとぶつける、と言う荒々しいピストン運動へと変わっており、一突きするたびに彼女の身体を蹂躙する。
それに加え、胸への愛撫、肛門へのピストン運動も激しさを増す。
あまりの強い快感に、再び絶頂へと突き上げられていく。
「またイクっ・・・!!!ひっ!!イッちゃうよぉ!!!!身体全部っっ!!気持ひよくなっ!ってぇ!!」
ここで更に触手はさきほどの電マを蕾にあてがい、同時に別の触手で激しく扱きあげる。
限界寸前の少女に、不意打ちでさらなる追い打ちをかけていく。
「っぅぅぅぅぅーーーーー!!!!」
声にならない叫びを上げ、一気に感情の頂上へと飛ばされる。
少女の絶頂にタイミングを合わせるようにして、各所の触手がそれぞれの性感帯をこれまで以上に攻め立てる。
「あっ・・・!!!!!かはっ・・・!!!!!来ちゃ・・・・・・・っ!!!!!」
膣に挿入された極太の触手が子宮口を突き上げた、その瞬間、
「あ、あ、あっ!!!ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!!!!!!!」
最大級に溜められた快感の波が、一気にあふれかえった。
両目からは涙がこぼれ、全身をきつく硬直させ、過去に経験したことのない激しい絶頂による快感が走り抜け、
触手を咥えた膣がキュゥっときつく収縮し、隙間から大量の潮と愛液を吹き散らした。
一度に全身が絶頂を迎えたような感覚に急激に脳内が真っ白になり、思考と言う思考を全てストップさせられる。
倒れ込む身体をそっと抱きとめてくれた触手の感覚を、薄れゆく意識の中感じたのか、意識が途切れる寸前で、かすかに満足そうな笑みを浮かべた―――
―――「・・・えー・・・また野菜スープなの?」
次の日の夕方までぐっすりと眠っていた少女は、目が覚めた時、目の前で作られている料理に不平の声を漏らす。
寝起きの頭でしばらく何か考えた後、球体に部屋の隅に置いたチーズを取るように促す。
触手に取らせたチーズを受け取ると、少しの思考のあと、それを鍋の中へと投げ込んだ。
「最後の一個!どうせ食べるならいつも通りじゃなくて新しい味になるんだっ!!」
彼女なりのアレンジのつもりなのか、貯蔵してあった最後のチーズで味付けをする。
完成した野菜スープは、見事なチーズの匂いがする、温かいスープとなった。
さっそく両手を合わせ、頂きます!と言うと、スプーンを手に取り口に運ぶ。
だが口に入る直前で動きを止め、球体の方をちらっ、と見る。
「そういえば黒いのも食べ物って食べるの?・・・ほら、食べる?」
そう言われて球体は一本の触手を伸ばしたが、スプーンに触れることを躊躇する。
「一口ぐらいだったらなんてことないよ、ほら、食べてみて」
どうやら少女の好意を素直に受け取ることにしたようで、スプーンに触手を這わせ、ぬるりとスープを絡め取る。
はたから見ると決して見ていて気分の良い光景ではないものの、少女は嬉しそうな表情を浮かべる。
スープを絡め取った触手は球体の中に戻ると、咀嚼するようにもごもごと動いた。
「どう?おいしいの・・・?」
動きが止まったところでそう球体に問うと、一本の触手が彼女の髪の毛を優しく撫でた。
おそらく、感謝の気持ち、と言うことなのだろう。
「えっへへ、これからもずっと一緒に生きてくんだから、あなたもずっと元気でいてもらわないと。ちゃんと私の面倒見るんだよ?」
そう言って、少女も食事を再開する。
彼女たちは限られた空間と食べ物の中、これからも大変な生活を送るだろう。
だけど、絶対に不幸な人生では無い。たとえ辛くても楽しく笑顔で生きていってくれるだろう。
互いに大切な、大好きなパートナーに寄り添って生きていくのだから。
暗い魔界の夜空の下、月明かりに照らされた一つの黒い影が見える。
夜の街に溶け込むような長い黒髪、一糸まとわぬ一人の少女。
そして少女の足元に黒い球、それは少女の全身へと、無数の黒い触手を絡ませ、犯し続けている。
『魔界でも滅多に見ないと言われる魔物、ダークマター。『闇の太陽』と恐れられし魔物。
魔界を空から見下ろし、地上で行われている、ヒトと魔物の淫らな行為を観察し続け、自身も快楽を貪り続ける・・・。』
とかそんなカッコいい状況かと思ったけど、そういうわけではなさそうだ。
「うっ・・・!!あっ、あぅ・・・っーー!!」
触手が彼女の一番奥深くを貫き、同時に少女は絶頂に達する。
びくびくっ、と身体を震わせ、荒い息で前のめりに球体へと倒れ込む。
秘所から触手が引き抜かれると、小さく音を立てて潮が吹き出した。
「はぁ・・・はぁ・・・・・・・・あー・・・うー・・・」
球体に身体を預け呼吸を整えると、うらめしげな目線で地上を見下す。
「うがーー!!!毎日こんな触手で自慰したって、なんにも満たされないよー!!!!うぐっ、ひっく・・・男ぉ、男をよこせぇ・・・」
悲しき心の叫びが魔界の夜空にこだまする・・・。彼女は泣きながら身体を起こすと、再び触手にまたがる。そしてまた、満たされない夜を過ごすのであった―――
―――かつてこの土地には平和な町があった。少し前、その町に大量のサキュバスが押し掛け、町は一夜にして魔物の巣窟となった。
もはや日夜関係なくヒトと魔物が交わるような場所になったそこでは、大量の魔物の魔力が溢れかえり、ひとつの性欲の塊、新しく魔物を生み出した。
彼女は、そうして生まれたダークマターだった。
本来なら、魔界を照らす太陽、この地も大いに栄え、ヒトと魔物が溢れかえっているだろう。
だが、この町には誰ひとりいない。ただ、一人の少女と、黒い球体だけが存在する町だった―――
―――朝、魔界の分厚い雲の隙間から薄い日の光が届く。
魔界の空でぷかぷかと浮かびながら睡眠を取っていた彼女が、むくりと身体を起こした。
一つ大きく伸びをすると、まだ開き切っていない目をこすりながら、ぺちぺちと球体を叩く。
球体を起こしたのだろうか、ぷかぷか漂っていた球体はぴたっ、と止まり、高度を一定に保つ。
少女はしばらく、ぼーっと遥か彼方を眺めていたが、何かを諦めたように下を向き、地上へと高度を落とした。
向かった先は町の農民が使っていた畑。無人の町で食糧がぽんぽんと手に入るわけがない。彼女自身が作っているのだ。
「・・・畑・・・もうちょっと広くないとお腹空くかな・・・広げよっか・・・」
そう独り呟いてからぺちぺちと球体を叩くと、球体は触手を伸ばして農具を取り、畑を耕し始めた。
球体はまた別に触手を伸ばすと、今度はニンジンやらじゃがいもやらの収穫も同時に行う。
「んー、今日のご飯は野菜スープかな?」
再び独り言。無人の町での聞き相手と言えば、下の球体ぐらいか。
少しの期待を込めて球体を見るが、球体が返事もするわけもなく黙々と作業を続ける。
拗ねたような、それでいて諦観気味な表情でため息をつくと、ばたん、と球体に倒れ込み目を閉じる。
「うー・・・やっぱまだ眠い。黒いの、作業続けててね・・・おやすみ・・・」
そう言って、少女は眠りについてしまう。
静かに寝息を立てる少女をのせた『黒いの』と呼ばれた球体は、特に文句を言う様子もなく布団代わりに触手をかぶせると、畑仕事に戻ったのだった―――
―――暗い、闇の底で目を覚ます。
自分は誰か、ここはどこか、何もわからない。
ただ、胸の奥から感じる、強い欲求。何かを求めて、自然と体が動く。
足元には、黒いヘンな球体と、触手。
周りからは、魔物の嬌声と、男性の荒々しい声が聞こえていた。
辺りが真っ暗になり、別の光景が浮かぶ。
自分も混ぜて欲しい、そうサキュバスに言ったが、聞いてもくれない。
邪魔だから、と家から追い出される。家の中からサキュバスの艶めかしい声が聞こえだす。
少し、自分が生まれるのが遅かった。町の男は全てサキュバスを始めとする魔物が抱え込んでしまっていた。
「ダークマターが旦那を横取りしようとしている」いつしかそんなウワサが流れ、気がつけば一人ぼっちになっていた。
生まれてすぐの自分は、ただ男性(の精)がどういうものかを知りたかったのに。
再び暗闇、また別の光景。
町の外で何かあったらしい。町のサキュバスや、他の魔物たちが、男を連れ一斉に町から逃げ出す。
理由を聞いても、誰も相手をしてくれない。訳も分からず茫然としていると町に取り残されてしまった。
そして、魔界に大量の騎士やら勇者やらがなだれ込んできた。
今まで男毛がなかった自分には絶好のチャンス!これを逃してたまるか!!
・・・と思ったが、数が多すぎる。
あのサキュバス達が逃げ出した理由が分かった。いくら強い魔力を持つ魔物と言えども、おびただしい人の数を前に戦いを避けたのだ。
私だって殺されるわこんな数!!
建物の隅っこでガクガク震えながらヒトがいなくなるのを待つ。
外からは断片的な声が届く。「ヒトはいない」 「危険な場所」 「封印すべき」
しばらくしてヒトはいなくなった。残ったのは自分が一人。
慌てて町の外に出ようとしたが、見えない何かにぶつかる。
結界。ヒトは、魔界と化したこの町そのものを、封印してしまったのだ―――
―――夕方、日も傾きだしたそのころ、少女は再び目を覚ました。頬には薄く涙の痕、何か悲しい夢を見ていたのか。
少女はいつも通りの大きくひと伸び、あくびもおまけに付けて目をこする。
まだ寝ぼけ気味な瞳で辺りを見ると、一つの民家の中だった。
球体は伸びた触手が器用におたまを持ち、火にかけた鍋をかき回している。
「おー、おいしそうに出来てきてる・・・。火通しただけの野菜はもう食べ飽きたのよね、よかったぁ」
目覚めから最高のものを見た少女は、よくやったと言わんばかりに球体をよしよしと撫でる。
スープのいいにおいで空腹を思い出したのか、お腹がぐぅ、と音をたてた。
「お・・・お腹空いた・・・うー、エネルギー節約で寝てばっかだけど、それでもお腹減るなぁ・・・」
それを聞いたのかどうかは定かではないが、球体は一本の触手を伸ばすと、テーブルに置いてあったチーズを一つ取り、手渡す。
夕ご飯の完成まで、これを食べておけ、ということなのか。
「ん?あ、ありがと。えへへ、チーズ好き、分かってるじゃん黒いの。あ、あとどれだけ残ってるの?これ」
そう言われて球体は一瞬触手の動きを止める。悩むようにしばらく静止したあと、そっと部屋の隅の袋を指す。
中には小さな欠片一つ無かった。
「・・・あー、チーズも底をついたの・・・、まぁ、牛乳腐らせるより長く楽しめたしね、よかったよかった!」
はーっはっはー、チーズにすることを思いついた私の勝利だ!!とか何とか叫んで、がっくりとうなだれる。
触手にチーズの欠片を渡し、机の上へと置くように命じた。
「くっ、最後の一欠片・・・最後の晩餐にはちょうどいいじゃない・・・私がこの生活に飽きて死ぬ時に食べてやるから、せいぜい今を楽しむがよい・・・ふははははは!!!はは!ははは・・・・は・・・はぁ」
そんな強がりの一人芝居を一通り終えたころ、球体は出来あがった野菜スープをお皿に盛りつけ、少女に手渡す。
お皿とスプーンを受け取った少女は少女は、ありがと、と小さくお礼を言うと、げんなりとした表情で一口一口を噛みしめるように晩御飯を咀嚼したのだった。
「よし、お腹も膨れたし、今日も町の探索に行くかなぁ」
(球体の触手が)食器を洗い終えた後、いつもの独り言。
晩御飯を食べた後は毎日町の探索。残っている食糧や、暇つぶし道具を探しに行く。
始めの数日間は魔物でもヒトでもいいから、誰かいないかと探しまわった。
だが決して大きくも無い農村。誰もいないことなど、1週間もしないうちに分かってしまった。
「えと・・・まだ行って無いところ・・・うーんうーん、ちっちゃい病院ならあったよね。食べれるものとか無さそうだから後回しにしてたけど・・・薬とかならかな」
そう言うと食器を片づけた球体は進路を変え、ドアを開けると家の外へと飛びだした―――
―――すっかり日は落ち、辺りは真っ暗。
魔界特有の不気味な雰囲気(ヒトにとってそう見える、のでこの少女にはそう見えてはいないだろうが)の人一人いない町、おまけに病院、となれば何か出てもおかしくはない雰囲気だ。
病院の入り口前で浮遊し、病院の中を睨みつける。
「お化け・・・出ろ!!!」
一人に飽きた様子の少女は気合を入れて一言。むしろお化けが出てくれれば一人でなくなるという思考になってしまっていた。
その後、もちろん臆する様子もなく病院へと踏み込んだ。
当初の予想通り、病院内には食べ物らしきものは見つからない。あるのは、恐らく魔物とヒトが交わった跡だろう乱れたベッドがあったぐらいだった。
「たーべもーのたーべもーの、出っておいでー。あ、ヒトが出てきてもいいんだよー、怖がらないでいいよー食べないからー。あ、性的な意味では食べたいんだけどね」
空しく響く冗談を言いながら、部屋の一つ一つを周り、棚の中のものなど細かくチェックをしていた。
食べ物はおろか、薬すら使えそうなのは見つからず、ただ時間だけが過ぎていく。
しかし、その一つの部屋で、
「ん・・・?何だろあれ・・・?ちょっと取って」
少女が一つの何かを見つける。被っていた埃を払いのけ、窓辺に移動して月明かりに照らす。
「・・・電マ?」
サキュバスが残していったものなのか、それとも健康目的なのかは今となっては不明だが、落ちていたのは電動マッサージ機。
ただ、電動、ではなく魔物の魔力を人工的に注入して起動するタイプです。
少女はしげしげと電マを眺め、スイッチを入れてみる。起動し、ヴヴヴヴヴヴ、と音を立てて振動を始めたそれを見て、パァッと表情が明るくなる。
「ふにゃ!動く!!!動いた!!!!魔力入ってる!!!!!すっごい近未来!!!」
嬉しそうにキャッキャ言いながら電マを振りまわす。一通り喜んでから、今度は真剣な顔で電マを睨む。
「つ、使い方は分かってるけど・・・、ど、どうなんだろ・・・やっぱ気持ちいいのかな・・・」
ごくっ、と生唾を飲んでから一度スイッチを切る。
そしてその場所にあてがうと、目をつむり深呼吸。
小さく呼吸をしつつ、知識しかない、初めての快感に身構える。
そして緊張の中、意を決して、スイッチを入れる・・・。
「あ゛あ゛あぁぁぁぁ肩こりによぉぉ効くわ゛ぁぁぁごれやこれ゛ぇぇ良い゛わぁぁぁ・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
って違う!!!合ってるけど違う!!!」
球体が伸ばした触手で持っていた瓶を落とす。
もし球体が体を持っていたならば、華麗なズコーを見せてくれていただろう。
しばらく電マの正しい使い方をした後、少女は誇らしげに「我ながら良いボケだった」とうなずく。
「んー、よくよく見ると電マだけじゃないみたい?ローターとかディルドとか・・・」
部屋のあちこちに散らばっている大人の玩具。どうやらこの部屋ではこういった物による行為が行われていたようだ。
おもむろに手に持っていた電マを球体の中に突っ込むと、どぷっ、と音を立てて中に収納される。球体の中はどうなっているのか・・・。
床に落ちていたディルドの一つを触手に拾わせると、空いた両手で受け取る。
まだ見ぬ男根に思いをはせているのか、そっと手でなぞってみる。
「ん・・・男のヒトのモノって・・・こんな形してるのかぁ・・・け、結構大きいんだ・・・」
少し火照った表情でディルドを観察する。手で握ってみたり、舌で舐めたりしてみたりしているうちに段々と熱が入って来てしまった。
「ん、これも振動するのかな・・・どんな・・・感じなんだろ・・・」
キョロキョロと辺りを見回して、誰もいないかを確認する。魔物として、まだ知らぬ快感があることを恥と思うらしい。
「ってまぁ誰もいるわけないんだけど・・・。ちょっと・・・試してみよっかな・・・。あ、黒いの、あなたはもう少し部屋の探索しててね」
上に乗っかっている少女に触手を伸ばそうとした矢先、そう釘を刺されてしまう。球体は大人しく部屋を移動してまた何かないかと探し始めた。
「入るかな・・・これ・・・」
小さく呟くと、その形を見ていただけですでに愛液で濡れきっている秘所にあてがう。
ゆっくりと挿入を始めると、極太の触手にいつも貫かれているせいか、大した抵抗もなく一番奥まで入ってしまった。
「はっ・・・くぅ・・・・触手とは、また別の感じ・・・。動かしたら・・・また違うかな・・・」
体感したことのない感覚に少し戸惑いながらも、ゆっくりと抽送を開始する。
「んっ、あっ・・・何これっ・・・膣が・・・引きずり出されちゃうっ!」
新しい快感になれていくと、徐々にスピードを速めていく。静かな病院内に淫らな水音と少女の喘ぎ声が鳴り響き渡る。
「んんっ!やだっ、気持ち良いっ!!はっ!んあっ!!これがっ!男のヒトの・・・っ!!すごっ・・・!!いっ!あっ、んあぁっ!!」
突然身体を硬直させ、びくびくっ、と数度震える。ギュッと目を瞑り、快感の波に耐える。
慣れない物の感覚に、早々にイッってしまったようだ。
挿入したままの状態でしばらく余韻を味わいながら、肩で呼吸をしつつゆっくりと目を開いた。
「っ・・・はぁ・・・っはぁ・・・これ・・・バイブのスイッチ入れたらどうなっちゃうんだろ・・・」
まだ絶頂の興奮冷めきらぬまま、興味本位でスイッチに指をかける。
カチっ、とスイッチを入れると同時に、ディルドが振動を始める。
「ひあああ!!!!んああっ!!!ら!らめえぇっ!!!!強すい!!!ふああっ止めっ・・・!!!!」
未だ体感したことのない予想外の快感に、敏感になっていた身体は早くも二回目の絶頂へと達する。
それでもなお動きを止めないディルドは、さらに敏感になっていく身体に容赦なく次なる快感を叩き込む。
「らえっ!!こ、これ、ふあぁぁ!!!止めっ!!!止めれえぇぇ!!!!ひうぅっ!!!おかひくなっらううぅぅっ!!!」
続けざまの絶頂、そこに新たに絶頂の波が押し寄せ、頂から降りられなくなってしまう。
少女は物を引き抜こうと腕を伸ばしかけるが、すぐさま押し寄せる絶頂の快楽によって思考を途切れさせられ、思い通りに身体を動かせない。
そこにまた、新たな絶頂の波が加わり、と悪循環で、ただただ襲いかかる快楽に耐えるしかなかった。
「イッっちゃうのとまんなひいぃ!!頭の中っ真っ白にっ・・・!!やぅ!!ま、またっー!んああああぁ!!!」
さすがにこれはマズイと判断したのか、球体が触手を使って彼女を貫いている物を勢いよく引き抜く。
その快感にまた大きく身体を跳ねると、ダムが決壊したかのように秘所から大量の潮を吹いてしまった。
身体を前のめりに倒し、とぎれとぎれの荒い呼吸で身体を大きく震わせる。
体の水分が無くなったのではないかという程の潮吹きは余韻を残すように身体の跳ねに合わせてぷしゅっ、と軽く吹き出し、黒い球体に降り注ぐ。
気絶してしまったのか、しばらく身体を跳ねさせるだけで、荒い呼吸音だけが残った。
やがて意識を取り戻したのか、目は閉じたまま荒い呼吸の中声を絞り出した。
「はぁっ・・・はぁっ・・・、気持ちよすぎて死んじゃうかと思った・・・すごい・・・これ・・・病みつきになっちゃいそう・・・」
さっきの快感を思い出したのか、膣がきゅっと締まると、中から愛液が溢れ出る。
まだ体の心配をしているのか、触手が彼女の背中を優しく撫でた。
「ん・・・ふぅ・・・、これすごい良い、触手に犯されるのよりずっと気持いかも・・・今晩から自慰するのにも触手はもう要らないかもね!」
そう、冗談を一つ飛ばすと、背中を撫でていた触手の動きが一瞬止まる。思わせぶりに少し間をおいた後、またゆっくりと体を撫で始めた。
「?」
ほんの些細なことではあったが、少女は少し怪訝そうに球体を覗き込むが、表情も何もない黒い球面に、薄く自分の顔が映るだけであった―――
―――結局他に何か見つかるわけでもなく、今回の探索を終えることとする。
一日の終わり、いつもの習慣通り、町全体が見える程の上空に舞い上がると、町を見下ろしてひとつため息。
「今日も変わり映えのない一日でした。・・・んー、さっきもちょっと遊んだばっかだけど・・・また今日もよろしく・・・♪」
いつもの習慣、つまり夜寝る前に一通り触手に蹂躙され、疲れたところで寝る。
なんとも荒っぽい睡眠方法だが、本人いわく一番ぐっすり眠れるそうだ。さすがは魔物と言ったところか。
片腕を支えにして身体を少し後ろに倒すと、もう片方の手で自分の秘所を広げる。
毎日同じことをくり返しているせいか、身体が記憶してしまったのかそれだけで愛液が滴り落ちる。
ここで触手が全身を愛撫しながら挿入を始める、というのが日課だったのだが、今日は少し様子が違った。
いつもなら少女に触手を伸ばす球体が、ピクリとも動かずに沈黙を続けたのだ。
「・・・ん?どうしたの黒いの?早くぅ・・・」
いつもと違う反応に戸惑う少女。再び前かがみに戻ると、火照った身体が冷めてしまうと言わんばかりに球体をぺちぺちと叩く。
しばらく沈黙を続けた球体だったが、観念したのかついに一本の触手を生やす。
「あっ、ほら早く早くーいっぱい気持ちよくしてよぉ」
球体から生えた触手は、じらすようにしばらく少女の前でふよふよと揺れた後、
突然先端を球体に突き刺した。
驚く少女の目の前でしばらく何かを探すようにうごめいた後、球体の中から一つの物を取りだす。
それは、今日見つけ、収納してあった電マであった。
「・・・はい?えーと、どゆこと?・・・・・・ってああ!そういうことね!今日は玩具も使っての新しいプレイを・・・」
触手は言葉を遮るように電マを少女の胸元に押しつける。
思わず両手で受け取ると、触手は球体の中へと戻っていってしまった。
「な、なに?どうしちゃったの?ねぇ!ねぇってば!!」
そう少女は問いかけるが、球体は全く返事を返さない。
その様子がまるで拗ねた子供のような反応のように見えて、少女は少し前の記憶を思い出す。
「も・・・もしかして・・・バイブが触手より気持ち良いって言ったから・・・拗ねちゃった?」
そう言われても、相変わらずの沈黙。ただ、少し動揺したかのように微弱に球体がふらつく。
「・・・嫉妬・・・?機械に嫉妬するのねあなた・・・。あはは・・・」
少女はそう言うと前に倒れるようにして身体を球体に預けると、球体を優しく撫でながら静かに語りかける。
「あなたは私が生まれた時からずっと一緒、私が町のみんなにいじめられてた時も、人間が攻め込んできた時も、その後今の生活だって、一緒にいてくれて、守ってくれたでしょ?私はひとりじゃ何も出来ないけど、一緒だったから今まで頑張って来れたんだよ。すごく感謝してるんだから・・・」
一呼吸置いて、薄く瞳を開ける。
「そんなあなたとするんだもん、道具なんかより、ずっと気持よくて、嬉しいんだよ?だって・・・」
再び瞳を閉じると、倒れ込んだまま球体にちゅっ、と軽く口づけをする。
そして少し照れくさそうに口を開く。
「大好きだから・・・」
しばらくの沈黙。
やがて、球体から一本の触手が伸びると、少女の髪をゆっくりと撫で始めた。
「えへへ、何勘違いしてるのかこの黒いのは!」
球体は複数の触手で少女の身体をゆっくりと起こすと、今度は少し後ろに倒れ気味な角度で固定する。
数本の触手が少女のまだ未熟な胸に愛撫を開始し、別の数本が開き切った股の間の小さな蕾を刺激し始める。
「ふあぁっ!!そんな急に弄りださないでよっ、はんっ!てっ、照れ隠しのつもり!?」
一本の触手がその花弁を舌で舐めるような動きでなぞり、細い触手が蕾を集中的に攻め立てる。
少女の性感帯を知りつくした触手は、確実に敏感な所を刺激し、そのたびに少女の身体がビクッ、と震えた。
「っひゃ!!!やっ!そこっ、だめぇ!!クリ弄られるの好きぃ!!」
次第に少女の全身の力が抜けていき、手に持っていた電マを落としそうになる。
それを一本の触手が受け取ると、スイッチを入れ他の触手が入り混じるその上から押しあてた。
「あっ!!やぁぁっ!!そんなっ!んあぁっ!!いっぺんにされるのっ気持ち良すぎ・・・っくあぁっ!!!」
電マによる振動に加え、細い触手が激しく蕾を扱きあげる。秘所からは大量の愛液が吹き出し、小さく震える。
最も敏感な部分に集中的に快感を叩き込まれた少女は、急速に上りつめていく。
「だめっ!激しすぎ・・・っ!!もうっ!!もうイッっちゃっ!!!っはあぁっ!あぁっーーーー!!!!」
身体を大きく弓なりに反らし、電撃が走ったかのようにビクッ、と何度も震える。
同時に大量の潮を吹き、花弁を弄っていた触手と球体を濡らしていく。
蕾を扱いていた触手が拘束を解くと、蕾は小さくヒクついた。
少女はしばらく天を仰いで一通り喘ぐと、球体に倒れ込み、荒い息のまま語りかける。
「触手と電マに同時に攻められるのすごい・・・も、もう・・・いきなり意識飛びかけちゃったじゃないっ・・・、私の弱いとこばっか攻めるんだから・・・」
荒い呼吸を整え、絶頂の余韻に浸った後、身体を起こしてさらなる行為に備える。
両手で自分のものを膣内が見える程に広げると、数滴の愛液が滴り落ちた。
「んっ・・・今度は・・・ナカもいっぱい犯して・・・、太いのでぐちゃぐちゃにかき混ぜて、もっと気持ちよく・・・して?」
甘えるような声色でささやくと、それを聞いた球体が彼女の身体に不釣り合いなほど巨大な触手を一本生やす。
成人男性の腕ほどのサイズの触手を、彼女の両手で開かれた秘所へとあてがうと、ゆっくりとその先端を埋め始めた。
「んむうぅぅぅっ!!!!お、おっきいっ・・・!はっ・・・熱い・・・私の中・・・触手でいっぱいになってくっ・・・!」
膣を押し広げるように深く入り込んでいった触手は、子宮口にまで辿り着くと、いったん動きを止めた。
ヒトであれば苦痛を伴うようなサイズを自身の中に収めた少女は、火照った顔で期待の表情を浮かべた。
少女が無言で小さくうなづいた後「動いて」とささやくと、触手は愛しい人にするように、ゆっくりと抽送運動を開始した。
「はぁっ・・・、あぁぁん、・・・ふぁぁ、んうぅぅぅっ・・・」
ゆっくりと抜き差しをくり返す度、少女の口から喘ぎ声が漏れ出す。
触手はさらに本数を増やすと、彼女の胸や太ももの愛撫する。
「あんっ!いっぱい弄られてるっ・・・!乳首擦られるの好き・・・んぁっ、はっ!!」
同時に少し膣が触手に慣れ、動きやすくなってきたのかピストン運動のスピードを少しずつ速めていく。
接続部分からお互いの愛液が飛び散り、激しさを増していく。
「ひぅっ!おっきいのがっ!!私の中で暴れてっ!!好きっ!!これ好きなのっ!!いっぱい感じる・・・っくぁ!!」
リズミカルな抽送運動に加えて、胸や身体全体への愛撫で、まさに全身を犯されている気分だろう。
さらに球体は細めの触手を生やすと、彼女の小さな肛門にもあてがう。先端から潤滑液をまき散らすと、一気に突き入れる。
「やうぅぅぅ!!!お尻まで犯されてっ!!はぁっ!奥にっ入って・・・!!やぁっ!!ふあぁ!!」
すでに身体の全てと言っていいほどに触手を巻き付け、全身を蹂躙するが、
まだ飽き足らないと言わんばかりに今度は膣に細めの二本目の触手を無理やり挿入する。
細めの触手は奥までは突き入れず、中頃辺りで侵入を止め、膣の壁の最も敏感な部分を弄りだす。
あまりの快感に一瞬意識を持っていかれかけるが、極太の触手が身体全体を揺らすほどのピストン運動で、遠のきかけた意識を強制的に覚醒させる。
「そえっ!!!りゃめぇ!!!おかひくなっちゃっ!!!あぁぁっ!!!っはぁ!!やっ・・・!!」
開け放たれた口からは絶え間なく唾液が溢れ、ろれつの回っていない舌から滴り落ちる。
いつしか触手は抜ける限界まで引き抜き、それを一気に子宮口へとぶつける、と言う荒々しいピストン運動へと変わっており、一突きするたびに彼女の身体を蹂躙する。
それに加え、胸への愛撫、肛門へのピストン運動も激しさを増す。
あまりの強い快感に、再び絶頂へと突き上げられていく。
「またイクっ・・・!!!ひっ!!イッちゃうよぉ!!!!身体全部っっ!!気持ひよくなっ!ってぇ!!」
ここで更に触手はさきほどの電マを蕾にあてがい、同時に別の触手で激しく扱きあげる。
限界寸前の少女に、不意打ちでさらなる追い打ちをかけていく。
「っぅぅぅぅぅーーーーー!!!!」
声にならない叫びを上げ、一気に感情の頂上へと飛ばされる。
少女の絶頂にタイミングを合わせるようにして、各所の触手がそれぞれの性感帯をこれまで以上に攻め立てる。
「あっ・・・!!!!!かはっ・・・!!!!!来ちゃ・・・・・・・っ!!!!!」
膣に挿入された極太の触手が子宮口を突き上げた、その瞬間、
「あ、あ、あっ!!!ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!!!!!!!」
最大級に溜められた快感の波が、一気にあふれかえった。
両目からは涙がこぼれ、全身をきつく硬直させ、過去に経験したことのない激しい絶頂による快感が走り抜け、
触手を咥えた膣がキュゥっときつく収縮し、隙間から大量の潮と愛液を吹き散らした。
一度に全身が絶頂を迎えたような感覚に急激に脳内が真っ白になり、思考と言う思考を全てストップさせられる。
倒れ込む身体をそっと抱きとめてくれた触手の感覚を、薄れゆく意識の中感じたのか、意識が途切れる寸前で、かすかに満足そうな笑みを浮かべた―――
―――「・・・えー・・・また野菜スープなの?」
次の日の夕方までぐっすりと眠っていた少女は、目が覚めた時、目の前で作られている料理に不平の声を漏らす。
寝起きの頭でしばらく何か考えた後、球体に部屋の隅に置いたチーズを取るように促す。
触手に取らせたチーズを受け取ると、少しの思考のあと、それを鍋の中へと投げ込んだ。
「最後の一個!どうせ食べるならいつも通りじゃなくて新しい味になるんだっ!!」
彼女なりのアレンジのつもりなのか、貯蔵してあった最後のチーズで味付けをする。
完成した野菜スープは、見事なチーズの匂いがする、温かいスープとなった。
さっそく両手を合わせ、頂きます!と言うと、スプーンを手に取り口に運ぶ。
だが口に入る直前で動きを止め、球体の方をちらっ、と見る。
「そういえば黒いのも食べ物って食べるの?・・・ほら、食べる?」
そう言われて球体は一本の触手を伸ばしたが、スプーンに触れることを躊躇する。
「一口ぐらいだったらなんてことないよ、ほら、食べてみて」
どうやら少女の好意を素直に受け取ることにしたようで、スプーンに触手を這わせ、ぬるりとスープを絡め取る。
はたから見ると決して見ていて気分の良い光景ではないものの、少女は嬉しそうな表情を浮かべる。
スープを絡め取った触手は球体の中に戻ると、咀嚼するようにもごもごと動いた。
「どう?おいしいの・・・?」
動きが止まったところでそう球体に問うと、一本の触手が彼女の髪の毛を優しく撫でた。
おそらく、感謝の気持ち、と言うことなのだろう。
「えっへへ、これからもずっと一緒に生きてくんだから、あなたもずっと元気でいてもらわないと。ちゃんと私の面倒見るんだよ?」
そう言って、少女も食事を再開する。
彼女たちは限られた空間と食べ物の中、これからも大変な生活を送るだろう。
だけど、絶対に不幸な人生では無い。たとえ辛くても楽しく笑顔で生きていってくれるだろう。
互いに大切な、大好きなパートナーに寄り添って生きていくのだから。
11/09/11 06:06更新 / 如月 玲央