お兄ちゃんはわたしのヒーロー
「あ……あぁ……」 「うぐぅ……」 「ぐぁ……」 「あ、あわわ……」 わたしの周りには、呻きながら倒れている男子が沢山いた。 全員がまともに意識を保っておらず、一部は鼻血を出していたりもする。 つまり、わたしの周りに倒れている男子は、強い衝撃を受けて倒れているのだ。 「バフォ様、大丈夫だった?」 「えっ、う、うん……」 もちろんこの惨状はわたしが引き起こしたものではない。 この場で唯一立っている見知らぬ男子……わたしに話し掛けてきたこの男子が、ここにいる他の男子を殴り倒したのだ。 それと……わたしの事をバフォ様と呼んだのは…まあわたしがバフォメットという山羊のような魔物だからだろうけど…何故知らない相手から様付けで呼ばれたのだろうか? 「怪我は……なさそうだね」 「えっ、あ、うん……」 というか……そもそもなんでわたしは今こんな状況になっているのだろうか…… |
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