巫女と弟と触手。そして悪魔な少女
日差しが強く、外にで歩くのも苦労する夏。
なんの変哲もない山に二人組みの男女が歩いていた。
もうすぐ中学生になるであろう短髪の男の子は、ごく普通の夏らしい薄着姿だ。
だが女の方は違う。
白衣に緋袴、黒の長髪を束ねてその手には何やら呪文が書かれているお札や鈴などをもって歩いていた。
「なあ、姉ちゃん。本当にここに魔物がいるのかよ?姉ちゃんの勘違いじゃないか?」
「そんな事は無いわ。しっかり下調べをしてここに来たんだから。
最近この街に漂っている魔力が一番溜まってるのがこの山だって」
彼女は巫女だ。それもしっかりと力を残し続けている本物の巫女だ。
「でも本当に、ここ数ヶ月で人が行方不明になってるのかよ?ニュースにもなってないじゃん」
「そうよ、ニュースにすらならないのよ。私も意識しないとそんな事は無いと思うもの。
担任二人に、不良と風紀委員が居なくなっても」
二人は最近の行方不明事件…、いやそもそも事件にすらなっていなかった出来事を調査しにきた。
魔が関与している事件を解決する、それが彼ら対魔の一族の務めだった。
「でも、そんなに人の認識をを変えれる様なヤバい奴が相手で、姉ちゃん大丈夫かよ」
「大丈ぶい!お姉ちゃんがどれだけ強いかわかぅてるでしょ?カズ君は心配なんてしなくていいんだから」
「し、心配なんてしてねえよ!?」
今まで二人は、魔物退治の修行をしてきた。弟の方はまだ未熟だが、姉の方は十分に魔物を倒す事も可能だろう。
「照れちゃって…、ってカズ君あれ!あそこに人が!!」
「おい!大丈夫か!?」
そんなたわいもない会話をしながら歩いてゆくと、目の前に女の子が倒れているではないか!
「大丈夫!?怪我してない!?」
「イテテ……、ありがとう、お姉ちゃん、お兄ちゃん」
急いで近づいて少女の体を見てみると、以外に怪我はなさそうだ。
「怪我がなくて良かったな。どうしてこんな所に一人でいるんだ?」
「人を探してるの…」
「人?お母さん?お父さん?」
少女は人を探してるらしい。こんな少女が探すものといえば両親だろうか…
そう思い、彼女は少女を訪ねる。
「ううん。探してるのは……、お姉ちゃん達だよ♪♪」
ビリビリッ!
そんな音がなったと思ったら次の瞬間、二人の意識は刈り取られていた。
地に倒れ伏した彼女達を少女達は無邪気な笑顔で見下ろす。
その手にスタンガンを持って。
「やっぱり人間相手には、人間が作ったものが一番だよね♪」
姉は目を覚ました。
岩肌が周りを覆っている。
体は動かない。十字架に貼り付けにされている様だ。
服も着ていない。どうやら脱がされたみたいだ。
そこで彼女は思い出す。
「カズ君は!?カズ君は無事なの!?」
「まずは、自分の心配しないと♪お姉ちゃん♪」
奥の暗闇から少女が現れる。
先程見たのとは違う、淫靡な雰囲気漂う青色の肌の少女が。
「あなたが・・・!あなたが黒幕なのね!!」
「そうだよぉ♪魔物娘のデビルの私の計画なのでーす♪パチパチ♪」
少女はその魔性を隠そうともせず、彼女の質問に答える。
「あっ!そういえば、お兄ちゃんの方だけどねぇ、無事に返して欲しい?」
「当たり前よ!私が捕まったのは自分の注意力不足だから良いわ!でもカズ君は……、カズ君は私を心配して来てくれただけなんだから!!」
そんな彼女の必死の叫びを、少女は……。
「なら♪代わりにお姉ちゃんであーそぼ♪」
そんな可愛らしくも恐ろしい言葉を告げながら、縛られている彼女に近づく。
「きゃあ!ちょ、や、やめて!何を、ひうん♡塗ってるの!?」
「とろけの果実などなど配合の特別ローションでーす♪ぬりぬりぃ♪ぬりぬりぃ♪♪」
少女は何処からか、取り出したローションを彼女の体にしっかりと塗っていく。
「お姉ちゃんって、以外におっぱい大きいんだねぇ♪羨ましいなぁ♪いじめちゃえ♪」
「んん♡おっぱいでぇ、遊ばないでぇぇ♡そこ♡!つまんじゃらめぇ♡♡」
ローションを塗る手は彼女の乳房に、そして
「ああ!そこはダメ!!クリトリス弄っちゃダメェ♡♡どうして初めてなのに気持ちいいのぉ?」
「だーって半年もかけたんだよ♪巫女の力を弱めるために、半年間薬や果実、魔力にアレも埋め込んだんだから♪♪」
「な、何ですって!半年!?」
確かに少し肌寒い。
何か甘い香りの香を焚いていたから気づかなかったが、そんなに時間が経っていたとは・・・
「そ、そんな!?ああ♡イクゥ♡♡」
「キャッ!もうお姉ちゃんのおマンコ、びしょ濡れ〜♪
さあてこのお姉ちゃんの愛液を使ってぇ・・・♪」
絶頂し、だらしなくその蜜は地面へと垂れてゆく。
その下にある魔法陣の中心へと。
「な、何を・・・、きゃあ!!」
「だって、ねぇ?私達の邪魔をするなら・・・死んでもらわないと、ね♪」
魔法陣が光る。
巨大な狼の頭が魔法陣から出ようとしている。
餌を前にして涎を垂らして。
「や、やめて!!私を食わないで!!いやぁぁぁ!!」
「そ・れ・はだーめだよ♪じゃあねお姉ちゃん♪♪」
必死の命乞いも少女は無邪気な笑顔で断る。
イタズラ好きな少女の顔で
(ああ……、ごめんね、カズ君……。私のせいで……。ごめんね……。駄目なお姉ちゃんでごめんね……)
彼女の脳裏には、生意気で照れ屋で優しい弟の姿がよぎる。
弟を助けるどころか危険に晒してしまった自分が情けなくて涙が止まらない。
(ごめんね……、さよなら……、カズ君……。あなたは生きて……!)
魔物の大きな口が彼女を飲み込もうとする。
彼女は覚悟する。
自分の末路を。
大好きな弟を想い浮かべながら。
「うおおおおおおおおお!」
「ギィ、ギィヤアアアアアアア!?」
だがその口が閉ざされる事はなかった。
なぜなら……、
「ネエチャンハァァ!オレガ、マモルンダァァァァ!!」
彼女の最愛の弟が、魔物を滅ぼしたのだから。
「カ、カズ君!?どうしてここに!?」
「ヤクソク、シタカラ。オレガネエチャンをマモルッテ」
彼女は思い出す。
あれは5年以上前だろうか?
彼女が蛇に襲われそうになった時だったか。
蛇が苦手で動けなかった彼女の前に、割って入って棒を振り回し蛇を追い払ったのだ。
『ありがとう、カズ君!!』
『オレ!姉ちゃんがピンチの時は絶対に守るから!絶対に!!』
彼女は嬉しかった。
あんな子供の時の記憶を大切にしてくれたのだから。
「ありがとう…、カズ君」
「…ヨカッタ。ネエチャンをタスケラレテ……、ガァ!?アアッ!?アアカラダガァァァァ阿亞唖Aaaaaa!?」
だがその喜びも束の間だった。
突如彼は苦しみだす。
奇声を上げて。
「カズ君!?カズ君!?体が溶けていってる!?カズ君、死んじゃダメェェェ!!」
「大丈夫♪死なないよ♪だってあのお兄ちゃんはお姉ちゃんの為に人間をやめちゃっただけなんだから♪」
彼の体が溶けてゆく。
そんな姿を見て彼女は激しく取り乱す。
だが少女はそんな彼女に笑顔で残酷な事実を告げる。
「この半年間、お兄ちゃんには薬をずっと飲ませてあげたの♪
だってお兄ちゃんはお姉ちゃんの事が大好きなんだもん。
だから私が大好きなお姉ちゃんを守れる力をあげたんだ♪
この薬を飲めば、怪物に襲われているお姉ちゃんを助けられるといったら、迷わず飲んでくれたんだよ♪」
「そ、そんなぁ!?私の為に!?」
彼女は絶望する。
自分のせいで最愛の弟が、変わり果てていく、この現状に。
「後□縺韓c縺。縺?>菴輔b閠?∴繧峨l縺婆輩耶猿喩!!」
弟だったものは皮膚がただれ、筋肉がむき出しに、骨が露出していく。
既に人としての原型は失われ、その肉のかたまりは中心を除き紐状に変化してゆく。
目も腕も足も口も耳も鼻も毛も、そんなものはもはや必要ない。
そこにあるのは、見るもおぞましい醜い肉のかたまりとそこから無数に伸びる男性器を模した触手のみ。
「カ、カズ君……」
もはや声が出ない。
思考が追いつかない。
目の前の事を理解するのを脳髄が拒否している。
「繧ゅ≧縺薙l縺ァ3莠uァ義虞鬨……、駕播環≦々\a阿泰駕!!」
「きゃああ!!やめて!やめて!!触らないでよ!!クリトリスを吸わないでぇぇ!!」
彼女の体に触手が伸びる。
縄が既に触手の肉汁で溶けていた。
その代わりに触手が彼女の体を縛っていく。
胸も腕も尻もあらゆる所を触手が這っていく。
「熱い!!さっきよりも体が熱いのぉ!!胸も尻も敏感にぃぃぃ♡♡触らないでぇぇ♡」
「郡犠瑜流露流卯<|gk1!郡犠瑜流縷々>gbg2!!」
彼女は知らない。
先程から焚かれている香、触手の肉汁、そして今まで蓄積されてきた魔力により、体は堕ちきっているという事を。
「や、やめて!そこには入れないで!まだ誰にもあげてないんだからぁぁ♡嫌い!触手なんて嫌いよぉ!!」
そして触手は彼女の大切な女の象徴にすら入り込もうとする。
彼女はなりふり構わず触手に訴えるが…
(ドウシテ?ドウシテオコルノ?)
「!カズ君の・・・声?」
突如彼女の脳に直接声が聞こえる。
まだ彼女に甘えてばっかりだった頃の弟の声が。
(ドウシテ?ボクハ…ダイスキナオネエチャンヲマモリタイダケナノニ…)
「あ…♡そうだよね…、カズ君は私を守ってくれたんだよね♡
ごめんね、酷いこと言っちゃって……」
急激に彼女の中から触手への嫌悪感が失われてゆく。
その表情には弟を見守ってきた母性溢れる姉の顔あった。
「カズ君はどんな姿でも、私の大好きなカズ君だもんね♡良いよ…♡好きにして良いよ、カズ君なら良いよ♡♡」
「義i祐n藍竈那唖%<ak羅多泰!!」
「アアァ♡カズ君のが入ってくるぅぅ♡♡」
彼女の言葉が終わると同時に触手の中で特に大きい触手が彼女の性器へ入ってゆく。
「アハァ♡処女膜、カズ君に破られちゃった♡♡アアァ!?私も溶ける!?私も溶けていくぅぅぅぅ♡♡」
彼女の姿も溶けるように変わる。
少女に埋め込まれていたローパーの種が開花したのだ。
足はゼリー状の物体に、体からは触手が生えてゆく。
「ああぁ♡私も触手が生えちゃった♪これでお揃いだね♪」
(キレイ、キレイダヨ、トテモエロクテキレイダヨ)
「ありがとう♡でもこれで私もカズ君を気持ちよくしてあげられる!!」
いつのまにか少女の姿が消えていた。
だがそんな事は二人にどうでもいい事だ。
彼女の触手が彼の触手へと伸びてゆく。
愛おしそうに彼の触手を愛撫する。
「縺ヲ縺励∪縺??ュ縺檎汲縺?≧!!義疏旗井杭1p3!!」
「気持ちいいのね!私も気持ちいいぃぃぃ♡ああ♡出る出る出る出る!!カズ君のザーメンがぁぁぁ♡ああああああ♡♡♡♡♡」
雨のように大量の精液が降りかかる。
白濁に染まっていく、体も心も。
悦びに満ち溢れた顔で。
「あはぁ♡♡もう体がドロドロだよぉ♡♡♡
もっとぉ♡もっともっとぉ♡ドロドロにしてぇ♡ほらぁ♡おマンコもお尻でもぉ♡おっぱいでもぉ♡触手おマンコでもぉ♡♡」
「甘田ぃ羅ag湯4答會ィ會1日!!」
性器を、アナルを、口を、そして触手さえもがだらしなく口を開ける。
愛しの彼の触手を受け止めるために。
涎の様に汁をたらしながら。
「會i縺?s縺?菫コ縺ョ霍。蜿悶j縺ッ螟壹!!」
「ひぎぃ!?入ってる!!アハハハハ!!気持ちいいよぉぉぉぉ♡♡♡お尻もおマンコも触手マンコもいっぱいでぇぇぇぇ♡♡♡♡繋がってるよぉぉぉぉ♡カズ君と一つになってるぅぅぅぅ♡♡♡」
触手が入ってゆく。
彼女の穴が埋められてゆく。
二人の触手が神経すらも繋がって一つになってゆく。
その快感が彼女をさらなる悦びの高みへと向かわせる。
「んぎぃぃ!!おっぱいにぃぃぃ!!挿さってるぅぅぅ♡♡♡アアアアアア!!おっぱいの中ぁ♡触手でかき混ぜられてるぅぅぅ♡♡♡
んっ!ングぅぅ♡♡」
「gag縺阪b縺。縺?\縺阪b縺#縺?>縺ゅ≠縺ゅ≠菫コ縺御ソ阿呂壟!!」
だが彼はまだ満足しない。
彼女のより豊かになった乳房の中にも、口にも、耳にも触手を挿入していく。
何も知らない人が見たら、怪物に捕食されてる様にしか見えないだろう。
だが彼女の心は悦びに満ちていた。
(んひぃ!おっぱいぃぃ♡いいにょぉぉぉぉ♡♡
かき混ぜてぇ♡体の中、カズ君のザーメンだけにしてぇぇ♡私はカズ君の為のザーメンタンクなのぉぉぉ♡♡♡)
(ネエチャン!ネエチャン!!ネエチャン!!!)
うめき声しか聞こえない。
だがもはや神経レベルで二人は繋がっていた。
言葉など発さなくても心に直接伝わっていた。
肉塊が先程よりも数倍に膨らんでゆく。
触手もそれに応じて同じ様に膨らんでゆく。
(ネエチャン、ダイスキダヨ)
(あ…♡アアアアアアアアアアアア♡♡♡♡んほぉぉぉぉぉぉぉぉぉ、ぉぉぉぉおおおお♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡)
もはや思考すら成り立たない。
子宮に、腸に、喉に、乳腺に、肺に、脳髄が精液で満ちていく。
お腹も胸も大量の精液で破裂寸前まで膨らんでゆく。
だがまだ精液は止まらない。
(は、はれちゅするぅぅぅぅ♡なのにぃ気持ちいいぃぃぃ♡♡私がカズ君のザーメンになってるぅぅぅぅ♡♡♡あっヒィィィィィ♡♡♡♡♡アアアアアアアアア……♡)
染められている。
細胞一つ一つが彼の精液で。
ドロドロになっていく。
心も体も。
「アハァ♡アハハハ♡カズ君、ありがとう♡チュ♡♡」
数十分たってようやく思考が彼女に戻ってきた。
淫らな牝の思考であるが。
彼女はそっと目の前の弟だった肉塊にキスをする。
とても愛おしそうに優しいキスを。
(マモル…、ボクガマモルヨ…、ズットズットセカイガオワッテモ…)
肉塊から再び触手が伸びる。
彼女を囲む様に、守る様に。
「ありがとう♡ずっとずっと守ってね、カズ君♡♡ずーっと、ずーっと……」
彼女の視界から外の景色が失われてゆく。
だが怖くはない。
ずっと彼が守ってくれる。
どんな時も、どこまでもずっと……。
「だーいすき♡カズ君♡」
それが彼女が最後に発した言葉だった。
後に残るは不気味に蠢く触手の繭とそこから時折聞こえる、悦びに満ち溢れた声のみ。
〜〜〜〜〜
「ようやく、墜とせたの?」
「うん♪それなりに対魔の力を持っていたから半年もかかちゃった♪
街ももうこんなんだしちょうどいいよね♪」
少女とリリムは街の中にいた。
その本性を露わにして。
だがそれを気にするものは誰もいない。
何故なら……
「パパァ♡♡気持ちいい?私のおマンコ気持ちいいのぉ?」
「ああ!気持ちいいよ!こんなエロマンコ初めてだ!!」
「アナタァ♡娘だけじゃなくてわたしにもぉぉ♡」
「ああ!二人とも孕め!親子でパパの子を孕めぇぇぇ!」
「あひぃ、きもちいいよぉ、スライムになったアンタ、最高だよぉ♡♡溺れさせてぇぇ♡♡全身包み込んでぇぇぇ♡ああ、溺れ、ゴボ!ゴゴボォ!」
「もっともっとよぉ♡♡美味しいのよぉ♡貴方のザーメンも、血もぉ!」
「ガ、アアアア!吸え!もっと吸え!俺のザーメンも血もぉ!!」
「授業を始めるわよ。まずは…、相手をどの様に相手を誘うか、よ♪」
「先生、こんなガニ股なんかどうです?」
「ん〜?ちょっと下品すぎるんじゃないかなぁ?」
「キャア!アンタ勝手にぃ♡ああ♡おっぱいまでぇ!」
「そこぉ!勝手にヤり始めない!もう私だってしたいのにぃ♡」
街の至る所で男女の悦び合う声が聞こえる。
教会ではダークプリースト達が、堕落神への祈りを交わりながら行なっている。
老人ホームでは、若返った老人達が激しく交わっている。
既に時間は朝を迎えている。
だが空は黒く濁って澱んで晴れる事はない。
常に瘴気と魔力が満ち溢れ、触れた人々は
発情し猿のように盛りはじめる。
交われば交る程、空は澱み、瘴気と魔力が満ち溢れてゆく。
「ウフフ♪みんな幸せそう♪みーんなお猿さんのように腰を振って♪」
「……そうね」
だが嬉しそうな少女を横目にリリムは街の外へ向かおうとする。
「あれ?どうしたの?」
「もう、私の仕事は終わったもの。あなたこそどうするつもり?」
「私?ん〜と、良い人見つけたから、一ヶ月ずっーとSEXしてもらって……、次は国を堕とすか、一族を堕とすか……、全員スライムにしてドロドロに溶けて混ざり合っているというのも面白そう♪」
少女はリリムの言葉にそう答える。
無邪気におままごとの物語を考える様に、どの様に人を堕とすかを考えながら。
「っ……!」
彼女は恐怖した。
この街の現状にではない。
少女の心の在り方に。
基本魔物娘は愛で生きている。
故に彼女らは恐ろしくも可愛くもなる。
人を堕とすのも基本は愛する故にである。
だが少女は違う。
人を堕とす事、それ自体が喜びなのだ。
無邪気に少女は、人を堕とす。
その堕ちてゆく人間の姿こそが少女にとって一番の快楽だった。
魔物娘になる前のデビルに限りなく性質が近づいていた。
(とんでもない者を起こしてしまったのかしら……?
相手の心を歪めてでも惹きつけるカリスマ、その精神性、まさしくデルエラ姉様の域まで辿り着く事も不可能ではないわね)
「?、どうしたの?」
「あ、別に何ともないわ。ただ少し疲れたの」
彼女はどちらかというと魔物娘の本能が薄かった。
好きな人の精が欲しい、好きな人にめちゃくちゃに汚れたいという想いは、普通の魔物娘と同じようにあるが、彼女の何かがそれで良いのかと言っていた。
「そう……、お姉ちゃんには色々手伝ってもらったもんね。
良いよ。私一人でも大丈夫だから!」
「ええ…、魔力は沢山手に入ったし、暫くは旅でもしようかしら」
少女は、彼女が居なくなることに寂しさを感じるが、大好きなお姉ちゃんだ。
心からの笑顔で送り出そう。
そんな想いを内に元気満開な笑顔を彼女に向ける
「じゃあね、お姉ちゃん!怪我とかしないでね!!」
「ええ、あなたもまだ子供なんだからね。無理だけはしたら駄目よ。じゃあね」
それが彼女と少女が交わした最後の言葉だった。
少女の頬に涙が零れる。
だが彼女の人生は、彼女のもの。
私が邪魔をしてはいけない。
「ようし!次はどうするかな♪
誰が一番長時間射精できるかとかやってみようかな♪
そういやミルクも新しいの貰ってこよう♪
魔界産よりもやっぱり近場の方が新鮮で良いよね♪」
少女は涙を拭って歩き出す。
嬌声と呻き声、瘴気と魔力に満ち溢れる街を
「ウフフ♪ウフフフフフ♪ああ♪良い眺め♪♪」
ある田舎の街がある。
そこに日の光が射す事は無い。
その街に入った者は悩みから解放されるという。
そして人間という器からも。
時が進む事を忘れ、永遠に愛欲のままに快楽を貪り続ける事になるだろう。
だがそれはある意味では救いだ。
怒り、悲しみ、絶望、飢餓、あらゆる悩みから解放されるのだから。
永劫の幸福が、快楽が、愛が其処にはある。
完成された理想郷が其処に
19/03/17 16:34更新 / デーカルス
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