名を捨てた聖騎士の物語
広大な海に浮かぶ諸島。その島の一つにある小城の庭園を一人の、金の髪を靡かせた少女が走っていた。 やがて少女は庭園の一角に佇む一体の彫像の前で止まった。大剣を肩に乗せ悠然と佇む戦士の像だった。少女はその彫像を暫し眺めていたが、その後ろから輝くばかりの金の長髪を持つ一人の女性が近づいてきた。 少女はその女性を見ると笑みを浮かべながら駆け出し、女性は駆け寄ってきた少女を抱き抱えた。女性はそのまま城の方に戻ろうとしたが少女は女性に何かをせがみ始めた。どうやら御伽噺を聞かせてほしい様だ…。 女性はそれを見て苦笑すると、庭園の中央部にあるガゼボに向かいそこにあるベンチに座った。そして…女性は少女に語り始めた。富や名声の為ではなく、本当に護るべき物を護る為に戦った、一人の勇者の話を。 |
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