連載小説
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いや、それぐらいは自分で
 朝。気だるい体を起こす。今だ意識は覚醒しきれていないのだろう。
「・・・はあ。」
 結局あの後はバハムートにマウントを奪われ、陵辱の限りを尽くされた。
「・・・すぅ。」
 張本人は、今だ熟睡中か。・・・まったく。
「スピアといい、キミといい、私のどこが気に入ったのだ?」
 顔・・・はないな、うん。女の様なこの顔を好む奴はそうそういないだろう。性格・・・も心当たりがない。
「・・・風呂に行くか。」
 結局あの後寝てしまったし、寝汗やそのまあ、いろいろと綺麗にしなくてはな。

―「・・・ふう。」
 風呂はいい。体だけでなく心まで洗われる。
「髪はまとめておいた方がいいわよ。」
「?、そうなのか、知らなかった。」
 一体どういう理屈で・・・、あれ?
「マリア!?何故ここにキサマが!?」
「別にいいじゃない。男湯とか、女湯とかないんだし。」
「入浴中の札を立てておいただろう!」
 札とは、私が風呂に入っていることを周囲に伝え、決して入ってこないようにしてもらうためのものだ。はじめは男湯を作る案もあったが、さすがにそこまでは世話になれないと、辞退したため、この方式がとられている。そしてこの札は、魔物たちが、抜け駆けして私を襲うことをなくすための、抑止力としても働いていたが―
「―何故入ってきた。」
「ホラ、今まではチェリーだったから、遠慮してたけど、もう必要ないじゃない?それに―」
 そういって、谷間を強調するように見せてくる。
「―はやく、インキュバスになったほうがいいでしょ?」
「ハッ、私はバハムートに頼んだのだよ。」
「時間がかかりすぎよ。このままじゃ、タイムアップになっちゃうわ。」
 さりげなく間合いを詰めて来るマリア。逃げるにもマリアのほうに出口があるため、脱出は困難。仮に出られても、マリアが服を着る時間をくれるとは思えない。全裸で城の中を逃げるなど冗談ではない。だからといって諦めるつもりもないが。
「・・・邪魔。」
 マリアを押しのける影。この声は―
「スピア!」
 ナイスタイミングだ!何故入ってきたかはあえて聞かない。それよりマリアの相手をしてもらおう。
「・・・今日は私と寝る。」
「はい!?」
 何だその日替わり的なノリは。冗句は程々にしてもらおう。
「・・・私のおっぱい、バハムートに負けてない。」
「そういう問題じゃない!」
 ・・・ふむ、いい機会だ。ここでしっかり釘をさしておこう。
「二人とも。私はバハムートにインキュバス化の手伝いをしてもらっている。キミらが早く私にインキュバスになってほしいという気持ちもわからなくもない。だが―」
 いつになく真剣に話を聞いてくれる二人。
「―ここでインキュバス化促進を理由にキミらと交わることは、誠意を持って私を手伝ってくれているバハムートを裏切ることになる。私にはそんなこと出来ない。」
「私たちも、十二分に誠意を持っているつもりだけど?」
「・・・右に同じ。」
「だろうな。だが、事情を知らないバハムートからしたら、きっと傷つくと思う。誤解は解けるだろうが、バハムートに少しでもそんな痛みを私は感じてほしくない。」
 これは素直な気持ちであり、決して譲れない点だ。
「つまりバハムートが一番好きってこと?」
「そうだ。」
「・・・・・・。」
 いろいろと面倒ごとをかけたスピアには悪いが、この気持ちは絶対に揺るがないだろう。これで二人は諦めて―
「・・・なら、寝取る。」
「はい!?」
「そうね、それが手っ取り早いわ。」
「そんなバカな!」
 何て奴らだ!人が恥ずかしながら気持ちを暴露したというのに、よりにもよって二人とも最悪の結論に至るとは!

― 朝。気だるい体を起こす。今だ意識は覚醒しきれていないのだろう。
「・・・ふう。」
 結局あの後はタツキからマウントを奪い、お互いが力尽きるまで激しく愛し合った。少しやりすぎたかもしれないが。
「タツキ・・・?」
 辺りを見回しても、誰もいな―
「・・・手紙?」
 『風呂に行ってくる。』
 わざわざ書置きしていくなんて律儀な奴だ。・・・まあ、そこもタツキの魅力だが。
「そうだ。」
 どこに行ったかわかった以上いつまでもここにいる必要はない。早く風呂に行かねば―

―「・・・私のおっぱい、バハムートに負けてない。」
「そういう問題じゃない!」
 風呂の扉を開けようとすると、そんな声が聞こえてきた。あの声は・・・スピア?
「二人とも。私はバハムートにインキュバス化の手伝いをしてもらっている。キミらが早く私にインキュバスになってほしいという気持ちもわからなくもない。だが―」
 ・・・まさか、スピアはまだタツキを諦め切れてないのだろうか。まあ、無理もないか。
「―ここでインキュバス化促進を理由にキミらと交わることは、誠意を持って私を手伝ってくれているバハムートを裏切ることになる。私にはそんなこと出来ない。」
「私たちも、十二分に誠意を持っているつもりだけど?」
「・・・右に同じ。」
「だろうな。だが、事情を知らないバハムートからしたら、きっと傷つくと思う。誤解は解けるだろうが、バハムートに少しでもそんな痛みを私は感じてほしくない。」
 な、な、な・・・!
「つまりバハムートが一番好きってこと?」
「そうだ。」
「・・・・・・。」
 そ、そうだ!?いや、昨日聞いたけど、そんな、え?ウソ、どうしよう、あんなに人前ではっきりと・・・は、恥ずかしくないのか!?
「・・・なら、寝取る。」
「はい!?」
「そうね、それが手っ取り早いわ。」
「そんなバカな!」
 何て奴らだ!私たちが両思いとわかっておきながら。ゆ、ゆるさん・・・!
「貴様等ああぁぁ!」
「「バハムート!?」」
「ひ、ひとの婿に手を出すなああぁぁ!!」
「わ、解かったわよ。」
「・・・御意。」
「ほら、さっさと出て行け!シッシ!」
 フン!身の程知らずめ。

―・・・今の話を聞かれた・・・?まずい、無意識に何か恥ずかしいセリフを放った気がする。
「大丈夫か・・・?」
「あ、ああ・・・。」
 そう考えると何か恥ずかしくて、バハムートを直視できない・・・!
「・・・どうして眼を逸らす。」
「いや、深い意味は無い。」
 わざわざ体ごと回りこんでくる。・・・なんというか、まぁ、うん。
「ほ、ホラ、背中を流してやる。早く来い。」
「あ、ああ、スマンな。」
 ゴシゴシと一生懸命背中を流してくれるバハムート。なんというか、いろいろと意外だ。
「ほら、前。」
「いや、それぐらいは自分で―」
「ま・え。」
「はい。」
 前を向くと、いったんすべての泡を洗い流してくれるバハムート。昨日の情事でベタベタになった体はシャワーだけで綺麗になったな。
「い、いくぞ・・・!」
「何故そこでローションを取り出す!?」
 いやいや、さすがにそれはないだろう。うん。大丈夫、大丈―
「・・・ふむ。」
 バハムートは自分の体にトロリとしたローションをかけ始めた。ローションは彼女のタオルに染み付き、彼女の谷間や太ももに艶を出させた。
「体も洗い終わったし、先に戻っているな。」
「まあ、待て。」
 腕を掴んできたバハムートだが、ローションの影響ですべり、私を押し倒すような形になった。すぐに脱出―
「フフフ、もう逃がさないぞ。」
 ―すでにマウントを取られていた。何という早さだ。
「ううう・・・ヌルヌルして、変な気分になってしまう。」
 そう言いながらも、力を抜いて、体重を預けてくるバハムート。自分の胸板の上で、彼女の胸はニチャっと音を立て、卑猥な形になった。
「さ、触ってくれタツキ・・・。」
「あ、ああ・・・。」
 ・・・風呂に入った意味がなくなってしまうが、また洗えばいいか。今度は私が背中を流す形で。そう考えながら、胸や、太股などに、ローションを広げていく。
「はああっ!うっ・・・サワサワするなぁ・・・。」
 ・・・さっきと言っていることが違う。まあ、サワサワが駄目なら―
「はふううっ!胸が・・・。」
 タオルを互いに取り払い、互いの体全体を、こすりあわせた。最初のうちは、ゆっくりだったが、次第にバハムートのほうが積極的になった。
「ひゃん!ちくびぃ・・・。」
 胸をこすり合わせるだけでなく、自分から腰を動かし、私の太股で下半身を刺激し始めた。
「んんん・・・ああ!」
 私のモノも刺激され、硬くなった。ローションのぬめりだけでなく、バハムートの柔らかい体も原因だろう。
「やああっ、気持ちいい・・・。」
 バハムートも十分に体が敏感になっており、何度も体をはねさせた。そうすると、何度も大きな乳房はバウンドした。
「くはああぁぁ・・・いい・・・。」
 そのまま体を下半身にずらし、いきり立ったモノをその乳房で挟み、しごき始めた。
「ひく!ど、どうだ?気持ちいいか・・・?」
「あ、ああ・・・。」
 正直ここまで積極的になるとは思わなかった。
「そうか、なら・・・いいんだ。」
 たわわな胸で、モノをもみくちゃにされるだけで十二分に気持ちよく、また、ローションによるヌチャ・・・という音や、ぬめりが更に、快感をアップさせている。バハムートは胸にモノを挟みながら悶えていた。
「はぁ、はぁ、そろそろ・・・。」
 元の位置に戻り、モノを割れ目と私の体でサンドさせ、いやらしく前後運動させるバハムート。その間もヌチャヌチャという音は消えることはなかった。
「いくぞ・・・。」
「う、うむ。」
 そのまま、私は狙いを定め、一気にバハムートを串刺しにした。
「ひゃふあああんっ!!」
 合体に問題はなく、騎乗位(だっけか?忘れた・・・)でつながった。モノをくわえ込んだまま、秘肉が、小刻みに痙攣している。そのまま、膣内をかき混ぜるように腰を回転させた。ヌチャヌチャという音はよりいっそう大きくなり、愛液が粘り気を持ちながら染み出してくる。
「ひいいいっ、ひゃああっ!ああああんっ!」
 そのまま、激しく、下からズンズンと突き上げた。モノが突入するたびに、膣全体が締まった。
「はああああっ!くううっ、んああ!」
 バハムートも無意識のうちだろうが、好きなように腰をくねらせ、快感を貪っていた。
「はぁ、はぁ・・・い、イク・・・イクッイク、イクウウゥゥ!!」
 盛大に背中を逸らせて果てるバハムート。激しくうごめく膣内に、私も、頂点に達した。

 ビュク!ビュルルルルルル!

 ・・・昨日あれほど出したのにまだこんなに出るとは・・・。

 ビュルルルル!ドクッドクン!

 子宮をめがけて、大量の精液を発射する。バハムートも、それを感じ取り、腰を震わせている。

 ドクドクドク!ビュ!ビュルルルルル・・・

 射精がようやく終わった。・・・昨日みたいに、もう少し抱き合っているか。
「はぁ、はぁ、はぁ、昨日あんなに出したのに、まだこんな量が、しかも濃厚なのが出るのか・・・。」
「人のこといえないだろ。」
「う、うるさい!」
 もうすこし、風呂から出るのには時間がかかりそうだ―

―「教主様。いつまであの城の魔物をほうっておくのです?」
 誰かと思えばウンディーネのレインか。
「さあ?でも、もう少ししたら、すべての歯車が動き始めるからね、ボクはもう少し静観しているつもりだよ。」
 不満そうに顔をゆがめるレイン。
「・・・御意。」
「大丈夫。結果はボクらが望む形になるから―」
 そういったときには既に、レインはいなくなっていた―
11/05/08 01:16更新 / ああああ
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■作者メッセージ
 エロ第二段。そういえば最近、ミリアムとミサの存在を忘れていました(笑)

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