水着で興奮!!と殺人料理(夏休み・中編)
暑い陽射しが照りつける中、砂浜に多くの男性が集っていた。それは中央にあるステージに書かれた横断幕が目に付いていた。
『第58回由良浜町水着美人コンテスト』
この由良浜町には、海水浴シーズンでたくさんの観光客や旅行者などが来るのでそれを目当てに海の魔物や山の魔物達も男狩りや男漁りにくるのだ。それに目をつけた市長がこの水着大会を開いたのだ。
「さぁ!!!皆もりあがってるかーーーーーい!!?」司会者であろう男がマイクを片手に観衆に言った。
「「「「「「「「「イエーーーーーイ!!!!!!!」」」」」」」」」
「凄い盛り上がりだな・・・」焼きイカをほう張りながら言う成竜。
「毎年の恒例行事なんですよこの水着大会」うちわを片手に言う甲。
「まぁ。俺の真闇が一番だがな」腕を組みながら言う貞春。
「あ・・・でてきましたよ!!」参加者がステージにあがってきた。
「頑張れ真闇!!!!!!」
「あーたんファイト!!!」
「茜さん頑張って〜〜〜!!!」ステージの左袖から登場したのは6人の魔物娘。
右から順に、稲荷・スキュラ・サハギン・ドッペルゲンガー・アリスである。
「さぁ。今年はレベルが高いぞ!!なんていったって海・山・川・アンデットにサキュバスまでいる豪華なラインナップだ!!!」テンション上げ上げで司会をする司会者。
「さぁ!!まずは、ルール説明だ!!まず、参加者は自己アピールをしてもらいます。その自己アピールを聞いた観衆の方々が拍手をします。その音や歓声などが後ろにある電光掲示板に出されます。より多くのポイントを貰った方が勝ちとなります。また、妖術や魔法を使った場合は失格となります!!でわ、自己アピールはじめまーーーーーーーす!!!!まず最初は、抜群のプロモーションを持っている稲荷の稲村さんから!!」V字水着を来た尻尾が金色の3尾の稲荷がマイクを貰った。
「はぁ〜い。こんにちは。お兄さん方!!稲荷の稲村よ。上から96・68・78よ!!それと、人妻だから告白はお断り。でも、お兄さん達のお稲荷さんをくれるなら話は別だけどね チュ」投げキッスをしてマイクを司会者に返す稲荷の稲村さん。その光景をみた観衆のボルテージは最高潮に達していた。
「うひょ!!胸が凄いな!!なぁ、貞春」興奮する成竜。
「けっ!!胸が出かけリャいいってもんじゃねぇぞ」
「そうですよ。ようは中身なんですから!!」
二人に怒られる成竜。
「なんだよ。二人して・・・男なら胸だろ。ってかそんなことあーたんに聞かれたらやばいけどな・・・・」
「さぁ!!点数は・・・・89点!!!まさかの高得点だ!!さぁ、次は大陸からのお越しのスキュラのライノさんだ!!」マイクを触手で受け取り赤毛でショートヘヤーのスキュラが話し始めた。
「こんにちわ。初めて日ノ本に来たスキュラもライノです。食品的な意味では食べないでください。でも、性的なら・・・あたしをおいしく食べてね」ウインクをしてマイクを司会者に返すライノさん。
「心配するな!!!くわねぇよ!!!」
「そうだそうだ!!!だが、どちらかって言うと俺達が食われたいぜ!!」観衆たちの野次が飛びまくる。
「さぁ。これもそそられる一言だ!!点数は・・・おしい88点だ!!さて次は、河からジト目ッ子のサハギンの天河ちゃんだ」
「あたしは・・・・あんまり・・・ない・・・けど・・・」そう言うとマイクを上に上げそれをいとも簡単に切り刻んだ。そして、観衆にドヤ顔!!その光景を見た観衆は驚きを隠せないが司会者は・・・・。
「・・・物を切ったので天河さんは失格となります」ポンと肩に手を置かれる天河。そして、そのまま固まり、スタッフに運ばれる。
「おいおい・・・成竜・・あれ、あいつは?」成竜に声をかけようと隣を見たら成竜の姿はどこにも見当たらない。
「成竜さんは、急いでいきましたよ」甲が指差した方向には成竜が砂浜を全力疾走して水着参加者の待機室に行っていた。
「あいつも大変だな」
「ですけど、真闇さんも大変な事になってますけど」甲がステージを見るように貞春に促すとステージのほうへと目を向けたその、ステージには顔を真っ赤にして恥かしく何もいえない真闇に野次を飛ばしている観衆であった。
「お姉ちゃん!!なんかいえよ!!!」
「頑張れ〜〜」
「アンデットは何もいえないのか!!!」飛んでくるは野次の嵐が・・・その光景を見た貞春は切れた・・・・
「このやろう!!!!!!!真闇になんて口の聞き方してんだこらぁ!!!」観衆相手に喧嘩を売りに行く貞春。此処からは、お約束のぶち壊しタイム!!!皆さんの想像にお任せします。
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〜帰路〜
「ちぇ〜。最後の最後に貞春が水着大会をぶち壊しやがって」腕を頭の後ろで組みぶつぶつ言う茜。
「おかげで、ビーチフラック大会も出場停止だしな」成竜があーたんをおんぶしながら言った。
「うるせ!!真闇の悪口を言ったやつが悪いんだ!!それに、あのビーチフラッグの参加者全員なんで筋肉隆々なんだよ!?しかも、審判はなんか獲物を狩るみたいに熱い視線を送ってくるし・・・」思い出したのか身震いする貞春。
「うぅ・・・ごめんね。みんな」涙を流しながら言う真闇。
「真闇はわるくねぇよ!!悪いのは・・・ん?」貞春が言おうとしたときだった。魚爺が扉の前で何かをしていた。
「魚爺何してんの?」甲が扉の前で何かをしている魚爺に声をかけた。
「おぉ。帰ってくるの早かったの。いや、台風が来てるみたいだから家の補強をじゃな・・・」そういって、トンカチを持ち補強の続きをする魚爺。
「台風か・・・俺たちも手伝おうか?魚爺?」成竜がトンカチを持っている魚爺に聞いた。
「まぁ、泊まらしてもらってるしな。ジジイ。手伝うぜ」
「魚爺。僕も手伝おうよ」
「あたしも手伝うよ!!おじいちゃん」
「悪いのう。それじゃあ、手伝ってもらうかのう」魚爺は、成竜にトンカチを渡し貞春には木の板を持たせ、甲には、屋根に登るように言った。
「おぬしらは、屋根の補強を頼むぞ。それと、真闇ちゃんにはお使いを頼もうかの」そう言うと、真闇には買い物袋を手渡した。
「買ってくる物はリストに載っておるからの。それと、地図も中にはいっとるわ」魚爺が買い物袋に入っている物を言った。
「真闇。気を付けていくんだぞ」貞春が真闇の頭をなでなでと撫でた。
「うん。貞春も気を付けてね」そう言うと魚爺の家を後にして町に向かった。
3人は台風がくる対策として家の補強を手伝った。真闇は台風がくる前に食材の調達へと向かった。
そして残された茜とあーたんは・・・・・・・・
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〜魚爺・居間〜
「暇だな・・天河」
「ほんと・・・・なんかすることないしね・・・・・」
二人も手伝う事もないのかと魚爺に聞いたが「それじゃあ、留守番でも頼もうかの」と言われてしまいただいま居間で二人とも寝そべっていた。
「なんか手伝う事ないのかな?甲も真闇もお使いや屋根の修理とかしてるし・・」
「茜ちゃん・・・・ごはん」
「ご飯?まだそんな時間じゃ・・・・そうか!!!」
「(こくん)」首を縦に頷く天河。
「やるぜ!!天河!!!」
「お〜〜」
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〜魚爺・台所〜
「よっしゃ!!!」三角巾をつけ割烹着をつけた茜。
「うん・・・・」エプロンを身につけた天河。
「さて、まずは何を作ろうか」顎に手を当て考える茜。
「茜ちゃん。これ・・・・」
「ん?『カレー』か。よっしゃああああああこれを作るぜ天河!!」
「おぉ!!」
一方その頃の真闇は・・・
「おぅそこの可愛いお嬢ちゃんどうだい?魚でも買わないか!!」
「おいおい!!彼氏がいるんだろ!?だったら、スタミナつけなきゃな!!お肉なんてどうだい!?安くするよ!!」
「お肉ばっかりじゃだ〜〜め。お野菜も食べないと!!」
「ふぇええええ!!????」
真闇は島民からの押し売りにパニクッているのだ。
〜同じ刻〜
「天河。肉がないな」
「問題ない・・・魚でする・・・」
「でも、魚なんて切った事なんて」
「と言うわけで、切っておいた・・・」
「ナイス!!天河。そしたら今度は野菜だな」
〜真闇〜
「姉ちゃんもう泣くんじゃなねぇ・・・」
「ごめんね。凄い可愛いお客さんがきてテンションあがっちゃって」
「これで、涙を拭いて・・・ね・・」
「ぐしゅ・・・ぐす・・・」
〜茜・天河〜
「よし、後は、ルーを入れるだけだな」
「味付けは?」
「そうだな・・・まろやかさを出すために『・・・・・』『・・・』『・・・・・』辛さを引き立てるために『・・・・・・』『・・・・』を入れたら上等だろ。
「茜ちゃん。これも入れないと『・・・・・・・・』」
「さぁ。完成したぞ」
「♪♪♪」
〜真闇〜
「お詫びの品だ!!持ってけ」
「そんな、こんなに魚を・・・・」
「あたしからも、お詫びよ」
「特上霜降り和牛のステーキをこんな安く!?」
「こっちは、野菜の特盛よ!!!もちろんタダでいいわよ」
「ふええええええええええええええ!!!!????こんなに、持って帰れないですよ!?」
「なら、家の台車でも使う?」
「あ・・・はい!!ありがとうございます」
ダンボール3箱を台車に乗せて何とか押して持ってかえる真闇。
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〜魚爺の家・廊下〜
「真闇。お前一体何を買ってきたんだ?」貞春が真闇に言った。
「お使いなんだけど・・・ちょっとおまけしてもらった♪♪♪」
「おまけレベルかこれ!?」山のように詰まれたダンボール箱を見上げる貞春。
「それよりも、早く晩御飯作らなかいとね。おじいちゃん達が待ってるしね」そう言うと台所に走る真闇。
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」突如真闇の叫びが台所に木霊した。
「どうした、真闇!?」急いで、貞春が台所に行くと、そこにはうつ伏せに横たわる甲と成竜。仰向けで泡を吹いて倒れている茜と目を真赤にして倒れているあーたんの姿があった。
「貞春・・・」
「これは・・・そう言うと貞春はあたりを見回した。ふと、ガスコンロに目をやると大きな鍋があった。
「こ・・これは・・」恐る恐る鍋を開けた貞春。次の瞬間、貞春の意識が途切れた。それと同時に真闇もそのまま意識を失ってしまった。
その後、倒れた茜達を見つけた魚爺が病院まで運んだという。その料理は、綺麗に魚爺が食べたそうです。
11/11/28 17:15更新 / pi-sann
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