連載小説
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みんなで海に行こう!!(夏休み・前編)
 
 喫茶店パーラーの前に数人の男女がいた。女性は白いワンピースと黒いワンピースもう1人の女性は・・・・

 「茜ちゃん。まだ早すぎるよ・・・」麦わら帽子と黒くバラの刺繍が入ったワンピースを着たドッペルゲンガーの真闇が少し困惑してる面持ちで茜に声をかける。

 「だってさ、海なんて始めてなんだぜ!!これが、楽しみだったんだぞ!!」シュノーケルを頭に被り学校指定のスク水を着て水色の浮き輪を持っていつでも海に入れるように用意をする茜。その隣には、茜の彼氏甲がクーラーボックススポーツバックを持っていた。

 「茜さん。いくらなんでも早すぎるよ」茜の姿を見て少し恥かしそうにする甲。

 「そんなにはしゃぐことねぇだろ。ったく・・・これだから小学生ぽい奴は・・・」めんどくさそうに舌打ちしながら言う貞春。

 「まぁ、いいじゃねぇか。所で、茜ちゃん。ホントに此処に待ってたらいいのか電車とか車とかで行かないとダメなんじゃないのか?」パラソルとスポーツバックを持つ成竜。

 「・・・じゃあ・・・電車代・・ダーリン持ちで」白いワンピースを着て水色の帽子を被ってジト目で成竜を見るサハギンの天河。

 「あーたん!?それ酷くないか?」天河に酷い事を言われて突っ込む成竜。

 「まぁ。成竜のことも一理あるな。オイ!!茜。一体何を待ってんだ」成竜に言われて疑問に思い茜に声をかける貞春。その時、前から女性が走ってやってきた。

 「遅くなって申し訳ない。茜嬢!!」走ってきたのは、茜の舎弟でドラゴンの沙織であった。

         「「「「?????」」」」←茜以外一同

 「おう。なら『由良浜町』まで頼むぜ!!」茜が走ってきた沙織にそう言うと沙織は頷き、パキパキと音を立て始めたのであった。

 「ふぇ!!沙織さんの体から変な音が・・・」真闇が驚いて貞春に抱きつく。

 「あぁ・・・そういう意味ね・・・」何かを理解したのか頷く甲。

 皆が驚いてる時にも沙織の体はどんどん巨大になっていき終いには道いっぱいになるくらいの大きなドラゴンになった。そうまるで、某人気ゲームモン○ンにでて来る竜みたいな奴に・・・。

 「すげぇ・・・・」成竜が口をあけたまま唖然としていた。

 「おいおい。マジかよ・・・」冷や汗をたらす貞春。

 「どーだ!!これで『由良浜町』までひとっとびだぜ!!」ドヤ顔をして貞春を見る茜。

 「今回は、さすがに何にもいえねぇな・・・」貞春が苦虫を噛むぐらいに顔をしかめた。

 「デハ、ミナサン、コウアニキ、アカネジョウ。ノッテクダサイ。ホカノヒトタチモフリオトサレナイヨウニ」沙織が皆を乗せたのを確認すると翼を大きく広げてそのままゆっくりと翼を上下させた。そして、ゆっくりゆっくりと宙に浮いていくのであった。

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 〜沙織の背中(ドラゴン化)〜

 ゆっくりと上昇していき今では、喫茶店が米粒になるくらいまで高く飛び立ち『由良浜町』へと向かっていった。

 「ふぁ〜〜〜。貞春。見て雲の海だよ」真闇が見たのは水平船上に広がる広大な白い雲の海であった。

 「まさか、人生で初めて空を飛ぶのが飛行機じゃなくてドラゴンにのるなんてな」驚きを隠し切れない貞春。

 「♪♪♪♪」

 「あーたん・・・雲をいくら集めても綿飴には出来ないよ」必死に雲を取ろうとして綿飴を作ろうとする天河。その様子をみて成竜がツッコミを入れた。

 「茜さん。どうぞ」クーラーボックスから『フルーティア・フルール【南国スペシャル蜜入り】』を渡した。

 「ありがとう甲くん。ところで、泊まる所は確か甲くんのじいちゃんの家なんだよね?」ジュースを飲みながら甲に聞く茜。

 「はい。久々に会うんで緊張するんですけどね・・・。でも、少し問題があるんですけど・・・」
 
 「問題?」

 「えぇ。実は僕の祖父は・・「甲くん。ほら見て海だ!!!」何か大切な話しをしようとした瞬間、茜が下に見えた海を指を差しながら言った。

 「あ・・・」大切な事を言おうとしたが茜が海を見て目をキラキラと輝かせていたのでその後の事を話せなかった。

 ドラゴンの背中の上でわいわいと楽しみながら『由良浜町』に向かう一行であった。

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 〜由良浜町〜

 「デハ、アカネジョウ、コウノアニキ。アタシハコレデ。オムカエハアサッテデヨロシイノデスネ?」茜達を下ろしゆっくりと立ち上がる沙織。

 「あぁ。頼むぜ」茜が、沙織に言った。

 「すみません。沙織さん。わざわざこんな所まで送ってもらって」

 「イエ。コレクライナラ。ワタシハコレデ」そう言うと沙織は大きな翼で空を飛びどこかへ行ってしまった。

 「さてと、皆さん。先に荷物を置いてから海に行きましょう。祖父のうちはすぐそこなので」

 「さてと、皆さん。先に荷物を置いてから海に行きましょう。祖父のうちはすぐそこなので」

 「いよいよ。甲くんのおじいちゃんに会うのか。確り挨拶しないとな」

 「それよりも、服着てくださいね。茜さん・・・」水着姿の茜に声をかける甲。

 「これじゃダメか?」

 「さすがに・・・」

 「ぷぅ〜〜〜」顔を膨らませしぶしぶ水着の上から服を着る茜。

 そのまま一行は坂を上り門構えが立派な家にたどり着いた。門は木で作られておりまるでお城の門みたいなつくりで、壁は白く屋根は瓦で作られていた。純和風の家みたいになっていた。

 「これまた、でっかい家だな」甲の祖父の家を見て驚く成竜。

 「甲の家は金持ちかなんかか?」立派な家、白い壁をみて驚く貞春。

 「そんなことはないですけど・・・。それよりも入りましょう」そう言うと門を開ける甲。

 
 〜祖父の家〜


 「おじゃましま〜す。魚爺来たよ」玄関の所で甲が大声を出し返事がない。

 「おかしいな・・・この時間はまだ、家にいるはずなんだけど・・・」甲が不思議そうに言う。

 「何だ留守なのか?だったらさっさと荷物置いて海nうおっ!!!!!!」早く海に行きたいのか成竜が言った瞬間後ろから一陣の風が吹くとみんなの前に白髪のツンツンヘアーで口ひげが立派なアロハシャツを来た老人が現われた。

 「なかなか、立派な嬢ちゃん達だな。だが、まだまだ子どもだな」右手を見つめて笑う老人。

 「こども・・・」しょんぼりする真闇。

 「おい!!ジジイ誰かわからねぇが俺の真闇をガキ呼ばわりすんじゃねえ!!!!」メンチを切る貞春。

 「ん・・・なんじゃ。小僧?文句でもあるか?」メンチを切った貞春にメンチで返す老人。

 「魚爺!!何してんの!?」甲が驚いた様子で声をかけたのはその老人であった。

 「おぉ!!愛しの孫よ!よく来た!!」甲の姿を見た瞬間、思いっきり抱きつく老人こと魚爺。

 「魚爺・・・くるしい・・・」抱きしめられた甲が苦しいのか魚爺の背中を

 「おぉすまんな。つい嬉しくて・・・それよりも甲よ。お前の彼女は小学生みたいな娘だが大丈夫か?」茜の姿を見て心配になる魚爺。

 「茜さんは同い年だよ。魚爺」

 「そうか・・・他の皆もか?」貞春達を見て言う魚爺。

 「ううん。貞春さんと成竜さんは大学生で、真闇さんと天河さんも一緒だよ」

 「ほぅ〜〜じゃが、体は小学生じゃな。胸も尻もまだまだ、発育途中じゃな」二カッと笑い手をぶらぶらさせる魚爺。

 「魚爺まさか・・・」つーっと額から汗が流れる甲。

 「うむ。触ったぞ。なにせ、若い者の尻と胸は格別じゃからな!!」ハッハッハと笑う魚爺。その言葉を聞いた瞬間場が凍った。

 「ダーリン以外に触られた・・・」天河がうなだれた様子で落ち込む

 「あう・・・あう・・・」衝撃発言のため錯乱状態の真闇。

 「な・・・な・・・」顔を真っ赤にして、呂律が回らない茜。

 「クソジジィ!!!何勝手に真闇の体を触りやがった!!!!」ブチ切れて魚爺に右ストレートを顔面に打ち込もうと走る貞春。

 「エロジジィ!!まだ甲くんにも触らせてあげてないのに・・・ゆるさねぇ!!」ボディーブローをかます為魚爺の懐に入る茜。そしてそのまま、貞春は顔面に右ストレートを打ち込み、茜は見事にボディーブローが決まった。

                だが。

 「な・・効いてないだと」

 「マジかよ。俺の右ストレートを人差し指で・・・」それは、一瞬だった。魚爺は左手の人差し指で貞春のパンチを受け止め、茜のボディーブローをもろに食らっているのに顔色一つかえずに笑ったままであった。

 「小僧にしてはなかなかいいパンチだな。だが、切れが甘いな・・・」そのまま、右手を上に振りかぶり貞春の頭に拳骨を喰らわす魚爺。そしてそのまま、地面にめり込む貞春。

 「貞春!!」真闇が貞春の所にかけより地面から引き抜く。

 「貞春しっかりして。貞春!!!」大声で呼ぶ真闇。だが、貞春は目を回していた。

 「さて、次はお嬢ちゃんだな」そう言うと、両手で拳を作り茜のコメカミに手をやりそのまま、コメカミに押し付け両手を回し始めた。

 「いたたたたたたた!!!!!!」苦痛と悶絶のうちに気絶する茜。

 「最近の若い者は柔じゃのう」呆れたように言う魚爺。

 「何だあの爺さん・・・・」成竜が口をポカーンと開けたままにになり。

 「あの。お爺さん・・・できる・・・・」目を輝かせてみる天河。

 「魚爺。やりすぎだよ・・・」呆れて言葉も出ない甲。そして、そのまま、二人を居間まで運び看病する事に。

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 〜魚爺の家・居間〜

 「痛っ〜〜〜〜。て此処はどこだ?」周りを見回す茜。外の空は真っ暗な闇になっていた。

 「あ。目を覚ましましたか?」襖を開けてでてきたのは寝巻き姿の甲であった。

 「甲くん・・・ってて」こめかみを抑える茜。

 「まだ無理しちゃダメですよ。魚爺のグリグリは洒落にならないくらい痛いですからね」苦笑いをしながら言う甲。

 「はぁ〜。あっ他の奴らは?」

 「貞春さん達はもう寝ましたよ。あの後、皆で看病したんですよ。貞春さんは、早くに目を覚ましたんですが起きた瞬間また魚爺に飛び掛ってそのまま拳骨をくらってまた気絶して・・・真闇さんは、倒れた貞春さんを引きづりながら、運んでそのまま疲れて寝ちゃったんですよ。成竜さんは上でなんかバタバタしてますし・・・時折悲鳴にが聞こえてくるんですよね」

 「そうか・・・貞春また、あの爺ちゃんに・・・」茜は、遠い目をして言った。

 「でも、今度は手加減してくれたみたいで晩御飯には起きてきましたよ。魚爺に敵意むき出してましたけど・・・」

 「貞春の怒りが目に見えてくるぜ・・・」

 「ですね」笑いながら言う甲。

 「・・・・」

 「・・・・」

 無言の時間が続く。外からは海のせせらぎが聞こえた。そして、月明かりが二人を映し出した。

 「甲くん。あたし・・・・」そのまま、甲のそばに行く茜。

 「茜さん・・・」甲もそれに応じるかのように茜の背中に手をやる。

 「甲くん・・・」目を瞑る茜。

 「茜さん・・・」そのまま、二人の唇が触れる瞬間だった!!大きな音ともに襖が破れた。

 「「!!!」」驚く甲と茜。そしてそこに居たのは・・・・

下から順に
 
 「成竜おすんじゃねぇ!!」貞春

 「真闇ちゃん。あんまり押さないでよ・・・」成竜

 「だって、あーたんが・・・・」真闇

 「・・魚爺が・・・」天河

 「せっかくの孫の初孫ができると思ったのに・・・」魚爺

 「・・・・・魚爺・・・」呆れる甲。

 「てめぇら・・・・なに、覗き見してんだこらぁああああああ!!!!!」近くにあった熊の木彫りや枕を投げつける。

 その夜は盛大に茜の怒号が響いたのであった。

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 〜次の日・魚爺食卓〜

 机の上には人数分の食器と箸が置かれており白米・焼き魚・卵焼き・味噌汁・たくあんが置いてあった。そして、ありえない光景が茜達の目に映った。

 「真闇ちゃん。すまないが、おかわり頼めるか?」茶碗を真闇に渡す魚爺。

 「はい。いいですよ♪♪」真闇は満面の笑みで茶碗を受け取りてんこ盛りにご飯を入れる。

 「はい。どうぞ♪」

 「ありがとう。さすが、真闇ちゃんだ。いい嫁さんじゃな」魚爺がご飯を食べながら言う。

 「えへへへ」恥かしそうに照れる真闇。

 「なにがどうなってんだ?昨日の真闇はジジイを嫌がってたのになんで?」真闇の様子が昨日と変わり魚爺と親しくなっていたのだ。それどころかまるで親子のように接しているのだ。不思議そうに思う貞春。

 「まーやん。嬉しそう・・・」焼き魚を骨ごと食べる天河。

 「あーたん。痛くないの」天河の食べ方を見て心配そうに言う成竜。

 「なんだこりゃ」卵焼きを食べながら言う茜。

 「魚爺なんかしたのかな?」心配そうに見る甲。

 「お・・おい。真闇。昨日あんなにこのジジイのこと嫌ってたんじゃねェか?どうしたんだ?」心配そうに言う貞春。

 「え?へへへ。実は今朝のことなんだけど・・・・」


 〜数時間前のこと〜

 みんながまだ寝ている時、台所からは味噌汁の匂いと卵焼きの甘い香りが漂ってきた。

 「う〜ん。どうしよう」そこにいたのは真闇でまな板の所で悩んでいた。まな板の上には大きな鯖があるが、本物の魚を切った事もないのでどうやるのか分からなかった。

 「ん〜〜〜」悩んでいると後ろから声が聞こえてきた。

 「ほぅ。なかなか美味そうな飯じゃの」

 「ふぇ!!おじいちゃん?」そこにいたのは、魚爺だった。昨日とは違い和服の寝巻きを着ていた。昨日のことを思い出し顔を真赤にする真闇。

 「なんじゃ。あぁ。昨日のことか・・・まぁ、気にするな。それよりも、何、ボーっとしとるんじゃ?」

 「ふぇ。あ・・あの魚の切りかたが分からなくて・・・」

 「なんじゃ、切り方を知らんのか。よし!!昨日のお詫びに教えてやろう!まずはな・・・・・」

 「え!!鱗はそうとるんですか?」

 「そうじゃ!!その後、腸を取り、えらの部分を・・・」

 「すごい・・・」

 「まだまだやる所はあるぞ。ほれ、冷蔵庫からもう一匹出してみ。わしが教えてやるわい」

 「はい!!!」

 〜現在にいたる〜


 「という訳なの」一通り説明が終わる真闇。

 「なかなか、筋がいいぞすぐに憶えおったわ。小僧!!いい嫁を貰ったな!!」バンッと貞春の背中を叩く魚爺。

 「ん・・・まぁな。真闇はなにやらしてもできるからな」照れくさそうに言う貞春。

 そんな感じでご飯を食べ服を着替え(茜はそのまま)海へ向かう事になった。

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 〜由良浜海水浴場〜

 さんさんと照りつける太陽。波に戯れるカップルと魔物娘達。日焼けをする人達。海水浴場は賑わっていた。

 「ダーリン・・・早く」白スク水を着て急いで海に行こうとする天河。

 「ちょっと待ってあーたん。行きたいのは分かるけどせめてサンダルぐらい履かせて・・・」サンダルを履かないで砂浜を歩いて軽く足を火傷する成竜。

 「うみだぁあああああ!!!!!!!!!!!」はしゃぎまくる茜。

 「茜さん。あんまり遠くまで行かないでね。貞春さんは泳がないんですか?」パラソルを砂浜に差す甲。

 「お・・おう。まだ泳がないから先に行っとけ」

 「ふふふ」笑みを浮かべる真闇。

 「?そうですか。でわ、先に遊んでますね」そう言うと茜が行った所まで走る甲。

 「行ったか。真闇?」

 「うん。行ったよ。貞春はどうする?」黒のフリフリドレス水着を着て貞春の横に座る真闇

 「とりあえず。少し休む。その後に、真闇・・・また、教えてくれ・・・」

 「うんいいよ♪♪♪」

 
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 「いっやほおおおおおおい!!!!!」

 「ダーリンどう?」高速水泳する天河が紐を持ち、サーフボードに乗った成竜が紐のもう片方を持って海を往き来している。

 「楽しいぜあーたん!!」

 「♪♪♪」

 「茜さんどうですか?」

 「初めての海だからテンション上がっちまうぜ!!次は、もっとおきのほうまd『海にいる皆さん、至急岸に上がってください。繰り返しお伝えします至急岸に上がってください』なんだよ。市民プールじゃあるまいし・・・」悪態つく茜。

 「そうか。もうそんな時間なんだ。茜さん一回上がるよ」そう言うと茜の手を握って岸に向かって泳ぐ甲。

 そして岸に着くとたくさんの人だかりが出来ていた。

 「すげ〜人だかり・・・」

 「凄いでしょ茜さん。でも、凄いのはこれからんですよ」そう言うと今来た海を振り返るとそこには巨大な波が押し寄せてきたのだ。呆気にとられる茜。

 「実は、夏になると数時間にビックウェーブが来るんですよ」茜に説明をする甲。

 「そうなんだ・・・・ってあそこにいるの子どもじゃなェか!!!???」茜が指差した方向には、まだ遊んでいる6歳児ぐらいの子どもがいた。その声を聞いた野次馬たちは一斉に悲鳴を上げた。

 「急いで助けねェと!!」茜が海に入ろうとした瞬間誰かが海に飛び込み子どもに向かって全速力で泳いだ。

 「貞春さん!?」

 「貞春!!!」甲と茜が見たのは全速力でクロールをして子どもを助ける貞春の姿であった。

 「貞春・・・」真闇が心配そうに見つめる中子どもを助けて岸に戻そうとするがそのまま、波に飲み込まれ貞春の姿がなくなり子どもだけが岸に戻ってきた。

 「貞春・・・・いや・・いやあああああああああ」そのまま地面に座り込む真闇。

 「しっかりしろ。貞春がそんな簡単にくたばるかよ。それに、あいつは泳げるんだろ」茜が真闇を抱き起こして言う

 「ううん。貞春は泳げないの。でも、向こうで子どもがいて『危ない!!』ていったらすぐに海に飛び込んで助けに行ったの。カナヅチなのに・・・・・」

 「おいおい!!洒落にならねぇぞ!!!あーたん。急いで行くぞ!!」

 「うん!!」天河と成竜が海に飛び込もうとした時だった。遠くのほうからサーフボードに乗った男が岸に向かって来た。その後ろには・・・・

 「貞春!!!」急いで貞春に近寄る真闇。

 「おねがい。目を覚まして!!貞春」そう言いながら涙を流す真闇その時だった。

 「ごほ!!げほっ!!っち少し水を飲んじまったな」口から海水を出す貞春。

 「貞春・・・よかった・・・よかった・・・あたし、貞春になんかあったら・・あたし・・・あたし・・ふえええええええんん」そのまま、貞春に抱きつく真闇。

 「すまねえな。心配かけて、もう大丈夫だ」そう言って、真闇の背中をトントンと叩く貞春。その後は、歓声の喝采だ。

 「すげぇな!!あの小僧!!!」

 「見せてくれちゃって!!よ!!ご両人!!!」

 「かっこいいぜあんちゃん!!!」

 「ナイスガッツだぜ!!!」

 「もげろ!!!」

 「おい!!だれだ、今どさくさに紛れてもげろって言った奴!!!!」貞春が観衆にメンチを切った。

 「貞春!!メッ!!!」

 「うっ・・・」

 

 その後、消防隊から表彰された貞春であった。

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 〜魚爺の庭〜

 夜もふけてみんなが寝静まった頃、魚爺が1人月を見ながら酒を飲んでいた。

 「おい、ジジイ」

 「ん。なんじゃ。小僧か・・・何してるんじゃこんな夜中に・・・」そこにいるのは、ぼさぼさ頭の貞春であった。

 「それは、こっちのセリフだよ。ジジイなんだから早く寝ろよ」

 「早寝は、子どもの頃に卒業したわい!!」酒を一気に飲み干す魚爺。

 「不良ジジイが・・・」

 「カッカッカ・・・よく言うわい・・・で、わしになんのようじゃ」

 「礼が言いたくてな。ありがとうよ。海でおぼれてる俺を助けてくれて」少し恥かしそうに言う貞春。

 「ん。助けたのは若い男じゃぞ」

 「違うな。俺は波に飲まれた後、誰かが引き上げたんだ。あのサーフボードに乗った兄ちゃんでもねぇし。海の魔物でもねぇ。魚爺あんただ」魚爺の横に座り話をする貞春。それを静かに聞く魚爺。

 「ジジイのむかつく顔だから覚えている。それにあの時、あんたは海の底にいた・・・お前あそこで何してたんだ?」その話を聞いたとたんピタリと魚爺の動きが止まった。そして、ポツリポツリと話し始めた。

 「もう50年前にもなる。昔、海で若い女性が行方不明になった」遠い目をしながら言った。

 「それってまさか・・・」

 「あぁ・・わしの妻じゃ。気立てが良くてなわしには勿体無いくらいの美人じゃったわい」

 「・・・・」

 「そんなある日、海に行って来るといったきり戻らんかった。警察と地域の漁協と一緒に半年間探したが見つからんかった。それでも、わしは、遺品だけでもと思いずっと海を潜って探してるんじゃ」

 「ジジイ・・・・」

 「さて、話も終わった事じゃ。早く寝ろ」そう言うと奥の座敷に行く魚爺。その背中には少し寂しい気持ちがあった。

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 〜早朝〜

 みんなが帰る支度をして魚爺の家の前に立っていると茜の携帯がなった。

 「ん・・・えぇ!!おい。それどう意味だ・・オイ!!待てコラ・・・」携帯電話の相手に大声で言う茜。

 「どうしたの茜さん」騒ぎを聞いて茜に駆け寄る甲。

 「なんでも、向こうで台風があってこれねぇだとよ。迎えにいけるのが3日後だってよ・・・」

         「「「「「えぇ!!!」」」」」

 「カッカッカ!!!なら、もう少し家でゆっくりしていけ!!!」大笑いをする魚爺。

 台風の影響で、家に戻れなくなった茜達。もう少しだけ魚爺の家に泊まることになったようだ・・・・・・・・・・・・・・・
                              
                                続く・・・


 


 〜おまけ〜
 
 
 天河「あーたん・・・今日、水着大会だからでよ・・・」

 真闇「ふぇ。水着大会!!」

 茜「なら、あたしもでるぜ!!!真闇も出るよな!!」

 真闇「え・・・でもあたし」

 茜「なになに、優勝商品は『石釜スチームオーブン』だってよ」

 真闇「先行って登録するね」

 茜・天河「「切り替え。早!!!!!!!」


 甲「今日は、ビーチフラッグ大会もあるんですよ」

 成竜「マジで!!でようぜ貞春」

 貞春「いいよ。別にだりぃし」

 甲「優勝商品はハワイペアチケット1枚なんですよ」

 貞春「てめぇら、早く参加しに行くぞ!!!」

 甲・成竜「「もうあんな所まで!!!!!」

 
11/10/31 12:33更新 / pi-sann
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■作者メッセージ

 どうもおはようございます。こんにちわ、こんばんわ!!!作者のpi-sannです。今回は長編というわけで前・後編で分けました!!分けないと2万超えるってヤバイですよね・・・今回は、色々とルートがあります。『魚爺の過去と現在』『茜と天河地獄の晩御飯』『貞春・成竜・甲大興奮!!水着大会!!』『大奮闘!!貞春意地の旗奪取』『お化けが出てきて大パニック!!」以上!!でわでわ、又の次回に・・・今度の更新は来週の月曜日です!!お楽しみに。

 p.s
 今回も、感想返信できなくてごめんなさい

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