人々が縦横無尽に駆け回る商店街。その商店街の一角で腕時計をしながら待っている一人の男性。しきりに時間を気にしている様子であった。

　「初デートだから、緊張するな・・・・」約束の時間が近づいているのか辺りを見回す甲。

　「甲く〜ん。ごめ〜ん。待った？」遠くの方で女性の声が聞こえてきた。

　「茜さ〜ん。此処ですよ」そう言って手を振る甲。だが、彼女の姿を見て唖然としたそれは・・・・

　『朱雀の刺繍が入った特攻服とメリケンサック。胸にはさらしを巻いていた』のであった。

　「茜さん・・・どこかに殴り込みにでも行くんですか？」

　「な・・・何いってんの甲くん？そんなことないじゃないの」照れながら言う茜だがどこからどう見ても喧嘩を売りに行く感じです。

　「そこの君！！話があるんだがちょっといいかな？」茜の肩をトントンと叩き声をかけたのは紛れも無く警察官が声をかけてきた。腰には警棒と木刀が差してあった。

　「あぁ！？ってマッポじゃねぇか！！俺は、まだ何もやってねえェぞ！？」弁明する茜。

　「いや。何もやってねぇとかじゃなくて、その格好をしていたら誰でも声をかけると思うが・・・」困った顔をする警官。

　「これから、デートなんだよ！！ジャマしないでくれよ！！」

　「デート？それが、デートに行く格好か！？どう考えたってどこかに喧嘩しに行く格好じゃないか！！とにかく、交番まできてもらうよ！！それと、君の連れの人にも話を聞くからね」

　「ちょっと・・・まっ・・・」ずるずると交番まで連れて行かれる茜と甲。

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　「酷い目にあったぜ・・・」

　「そうですね・・・」

　事情聴取をされ、何とか事なきを経た二人だが時刻はもう昼になっていた。

　「お腹すいた〜」

　「僕もですよ。どこか食べに行きますか？」

　「そうだよな」

　「それじゃ、あ「おっと！！！！君たち！！カップルかな？」甲が目の前にあるファミレスに行こうとした瞬間、目の前にスク水着て、猫耳をつけた筋肉マッチョの男が甲と茜の前に突如として現われた。

　「おわっ！！お前誰だよ？」驚く茜。

　「フフフッ。私は、すぐそこで喫茶店をやっているマスターです。見たところカップルと見たが何か探しているのかい？」

　「えぇ。お腹がすいたのでどこかで食べられるお店を探しているのですが・・・・・」

　「それなら、うちの店に来たらどうだい？今、カップルで来店すると特典としてフリフリのメイド服を無料であげるよ！！」

　「いや・・・さすがに・・・・」渋る甲。その様子を見て、甲の耳元で店長がぼそぼそと呟いた。

　「（来てくれたら、その場でメイド服に着替える事ができるんだよ。要望であれば他にも素敵な服が選べるよ）」

　「茜さんのメイド服・・・・・」顔を真っ赤にして鼻血を出して呟く甲。

　「お前！！甲くんに何いったんだよ！？」怒鳴る茜の耳元にも店長がボソボソと耳元で呟いた。

　「（実はね、うちのお店には、姉妹店があってね。そこでは、執事服が無料で着れるようになってるんだよ・・・見たくない？彼氏の執事服姿？）」

　「甲くんの執事姿・・・・」

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　　　　　　　　　　　　　　　〜茜の妄想〜

　「茜お嬢さま。どうぞ」

　「ありがとう・・・」

　「お嬢さま。私は、お嬢さまの事が・・・」

　「だめ！！そんなこと言ったらあたし・・・」

　「お嬢さま・・・・」

　「甲・・・・」

　「あん・・・そこは・・・・」

　「すごく・・・・濡れてますね」

　「いや・・・あぁあああ・・・・・」
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　「甲くん・・・執事・・・・・」

　「でも、やっぱり恥かしいからまた今度で・・・」

　「行くぞ。甲くん！！！いざ、お店へ！！！！」そう言うと、甲の首元を思いっきり掴むとお店へ直行する茜。

　「えぇ！！ちょ・・・茜さ〜〜〜ん！？」

　「お二人様ごあんな〜い♪♪♪」スキップしながら言う店長。

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　　　　　　　　　　　　メイド喫茶「パーラー」

　「かっこいい・・・・」甲の執事服の姿を見て見とれてしまう茜。髪の毛が軽くオールバックになっており執事服特有の姿で登場した甲。

　「茜さんもすごく可愛いよ」明るい色のメイド服でピンクのリボンをつけた茜の姿に小さくガッツポーズをする甲。そして、お互いに席につき注文を取ろうと近くいた店員さんに声をかけた。

　「は〜い。ようこそ。メイド喫茶パーラーへ・・・って、甲くんに茜さん！？」

　「あ！！あの時の！！」

　「ん・・・あぁ！！真闇さん！！？」そこには、以前事件（※分からない方はロリ番長マジギレ！！　そして・・・を見てください）に巻き込まれて知り合ったドッペルゲンガーの真闇さんがいた。

　「なんで、ここにお二人がいるんですか？」疑問に思った真闇が二人に話し掛けた。

　「いや、いい特典があるからって言うからこのお店に来たんですけど、ここってもしかして、真闇さんのバイト先だったんですか？」

　「はい」

　「世間って狭いんだね・・・」茜がコップに入った水を少し飲んだ。

　「そしたら、あいつもいるんだ・・・」

　「貞春さんでしたよね」

　「うん♪♪貞春は今、休憩中なんだよ。いｔ「オラぁぁぁ！！此処の店は客待たせんのかああああああ！！！？」ガラの悪い男二人が机を蹴っ飛ばして喚いていた。

　「なんなんだ。あいつら・・・」目つきが険しくなる茜。

　「うぅ・・最近良く来る人たちなんです。此処に来てはああいう嫌がらせを・・・」泣きながら言う真闇。

　「おらぁ。早くしないと店潰しちゃうぞ！！」騒ぐチンピラ二人組。

　「その、トレイ貸りるよ」茜が真闇が持っているトレイを勝手に拝借して二人組の所に歩く茜。

　「ふぇ・・・ちょっと茜ちゃん！！」

　「茜さん！！」

　「やっときたか。おらぁ、さっさと水くれや！！」

　「はい。申し訳ありません。ﾊﾞｼｬ!!」そう言うと男の頭に水をかける茜。

　「てめぇ！！！舐めてんのか！！」水をかけられた男が立ち上がり茜の胸倉を掴んで叫んだ。

　「兄貴に何てことするんだ。この女！！！」

　「すいませんお客さま此処のメイドに手を上げると痛い目に合いますよ・・・」

　「あぁ、何いってんだ！？舐めんじゃねぇぞ！！」そう言うと顔面目掛けて殴りかかろうとしたら茜に手を止められ低い声でこう言った。

　「くたばれ・・・・・チンピラが・・・」そう言ったが瞬間、胸倉を掴んだ男の手を握りそのまま小手捻りして机に叩きつけた。その衝撃で、机は粉々になった。

　「兄貴いいいいいいいい！！！！？？？」

　「ふん。弱すぎるぞ」

　「てめぇ！！よくも兄貴を・・・くたばれやぁあああああ！！！」

　「茜さん！！！」

　「しまった！！」不意をつかれて、もう一人の男が懐に持っていたサバイバルナイフを取り出して茜に切りつけようとした瞬間持っていたナイフが誰かに蹴り飛ばされ天上に突き刺ささった。

　「すいませんね。うちのメイドには指一本触れたらいけない決まりがあるのでお引き取りください」

　「貞春！！！」

　「貞春さん！！」

　「すまねぇ。すこし寝ちまってたわ」ぼさぼさの頭を掻いて登場した貞春。

　「おせぇぞ。ばかやろう・・・」

　「へ、てめぇに遅れをとるとは俺も少しやきが回っちまったか・・・」

　「どうだろうね・・・」微笑む茜。

　「ふっ」鼻で笑う貞春。

　「さてと、お掃除でもしますか・・・」

　「あたしも、掃除は好きだよ・・・特に、この掃除はね」お互いにポキポキと音を鳴らしながらゆっくりとチンピラ二人組のところへ歩いていく茜と貞春。

　「ゆ・・・・ゆるして・・・・・・ぎゃあああああああああああああああああ」

〜残酷描写につき音声だけでお楽しみください〜

ｵﾗｵﾗ!!ﾃﾒｪ!ﾖｸﾓｵﾚﾉﾏﾔﾐｦﾅｶｼﾀﾅ

ｸﾞﾌﾞ!!ﾌﾞﾍﾞ!!ﾌﾞﾌｯ!!!!!

ｼｶﾓ､ﾐｾﾉﾋﾞﾋﾝｦﾌﾞﾁｺﾜｼﾔｶﾞｯﾃ

ｿﾚﾊ､ｱﾉｵﾝﾅｶﾞ･････

ﾓﾝﾄﾞｳﾑﾖｳ!!!!

ｵﾏｴﾗ､ｺｳｸﾝﾄﾉﾃﾞｰﾄｦｼﾞｬﾏｼﾔｶﾞｯﾃ･･ｺﾛｽ･･･

ｵ････ｵﾀｽｹ･･････

ｵﾗｵﾗｵﾗｵﾗ!!!!!!!

ｺﾞﾍﾟ･････

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　「「ふぃ〜すっきりした」」満面の笑みの貞春と茜。

　「「ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙﾌﾞﾙ」」あまりの衝撃的な描写のため震えて真っ青になっている甲と真闇。そして、お客さんはあまりの騒動で逃げてしまった。

　「いや〜まさか二人でやっつけちゃうなんて」パチパチと拍手しながら店の奥から出てくる店長。
　
　「いや〜こんなの朝飯前だよ」照れる茜。

　「まぁ。そうだな」同感といわんばかりの貞春。だが次の店長の一言でその場の和やかムードがなくなってしまう。

　「でもね・・・。お店こんなぐちゃぐちゃにして備品は壊れてるしお客みんな怖がって帰っちゃうし・・・どうしようかな」ニッコリと微笑んでるが明らか怒ってるよといわんばかりのドス黒いオーラを出している店長。

　「・・・・」

　「・・・・」

　「さて、貞春くんはこのお店の掃除をお願いな。辺りに飛び散った血の痕も確りと拭き取ってね」そう言うと、バケツとモップを渡す店長。

　「はい・・・・」

　「そして、君には色々としてもらわないとね。君が粉砕した机は年代物で高価なんだよ」

　「・・・・・・」冷や汗がダラダラと出ている茜。

　「言ってる意味分かるよね・・・つ・ま・り」

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　　　　　　　　　　　　　　〜次の日〜
　
　「今日から入った。新人の美島　茜さんです。皆仲良くしてあげてくださいね」

　　　　　　　　「「「「「は〜〜〜〜〜〜〜い」」」」」」

　そう。茜は机と食器。窓ガラスetc・・・などの弁償のために働く事になったのだ。

　「ちくしょーーーー！！！」

　「茜さん・・・すごく可愛いですよ！！」

　「ホント！？」
　
　「はい。お互いに頑張りましょうね！！」

　「うん！！」

　後日、甲も一緒に働く事になったが甲は向かいの店執事喫茶「バロン」で働く事になったのだ。

■作者メッセージ
〜感想返信〜

　作者「いやっほーい！！感想返信のコーナーだぜ！！」

　沙織「テンション高いな・・・どうも沙織です」

　作者「いや〜しかし、まさか沙織ちゃんがぬいぐるみ持参で来るとわ、やべぇ〜グッときた」

　沙織「あまり言うなよ・・・それよりも返信だ。今日もやるぞ」

　作者「は〜い。でわ、はじめ、Ｐさんから

　Ｐさん
　『あの店長が沙織ちゃんの・・・これあげるから元気出してつ「ウサギのぬいぐるみ」』

　沙織「ふわ〜可愛いウサギさんだぁ〜〜〜」

　作者「良かったね。さて、あの筋肉店長が沙織さんのお父さんなんですよね」

　沙織「モフモフ〜〜。あれでも私の父なんですよね・・・恥かしいです」

　作者「さて次は、ネームレスさん」

　ネームレスさん

　『胸が熱くなるな…(ニヤリ次回も楽しみにすると同時に…俺は沙織さんをデートに誘わせて頂く！お願いします！(ガチ土下座 』

　作者「だそうですよ」

　沙織「・・・・・考えます・・・」

　作者「だそうですよ。次はKOJIMAさん」

　KOJIMAさん
　『読ませていただきました＾＾あれｗドジなドッペルたん〜と話がクロスしてますねｗパーラーが沙織さんのお父さんのお店とはｗｗｗなんという展開ｗｗｗ最近はクロスさんが多忙なのもあいまってリャナンシーちゃんの作品紹介が更新されておりませんが、もし更新されたら「ドジなドッペルたん〜」と「ヤンキー彼女〜」が紹介されるくらい面白いと思っております！！次回も楽しみです
前回の感想より↓
「はぁ・・・やっぱりダメか・・・猫カフェ無料券でも僕なんかとじゃ、沙織さん嫌なんだろうな・・・」 』

　作者「おぉ！！それはもちろん！！実に嬉しい事を言ってくれますね！！でも、そんなことはないですよ私以外にも素晴らしいＳＳを書いてくださる有名な作者さんがいますから！！」

　沙織「あの、猫カフェのタダ券くれた人はKOJIMAさんだったんですね！！あたし一人じゃいけなかったんですよ・・・ごめんなさい」

　作者「いや〜今回もいいお便りでしたね！！でわでわ次回に！！」

　沙織「お楽しみに〜〜〜」

ganota_Mk2さんの『ドジなドッペルたんと、狂犬ロリコン』もよろしくお願いします。