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第7話 マリーゴールド 友情の花
 
 陽気な昼下がり、子ども達はすやすや夢の中、遊び疲れたり、悪戯されたり色々あるがこの子達の寝顔を見てると癒されるな。

 「うんうん、今日もみんな寝てるな」そう、ぶどうぐみのドアを閉めたときだった。

            ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ

 「ん・・・・なんだこのおt」

        ごっつ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん

 勢いよく俺にぶつかってきたのは一個の壷だった。

 「イタタ・・・・なんでこんなところに壷が?」そうぶつかった足のすねを擦りながら近づくと。

 「ふぁ〜〜〜先生?なんでこんな所にいるの?」壷の中から、出てきたのはラジーナちゃんだ。この子の寝相の悪さは保育園随一である。この前は、園庭の周りをゴロゴロ回っていたっけ・・・・・・・・

 「ラジーナちゃん、またこんな所にいたの早くクラスに戻りましょう」そう言ったのは、みかんぐみのアリア先生だ。彼女のクラスでラジーナちゃんが寝るときは特性蜘蛛の糸で作ったハンモックで寝てるのだ。

 (今回は、それを付け忘れたみたいだが・・・・・・・・)そう心に思った俺だった。

 「うん♪」そう満面の笑みでクラスの元に戻っていくラジーナちゃん。

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            ラジーナちゃんの夢の中
 
 「ねぇ〜ミナちゃん。今度はお花でかんむり作ろう、その後にお姫様ごっこしよ」ここは、ラジーナちゃんの夢の中お花畑がいっぱいで、その真ん中に綺麗なドレスを来たラジ―ナちゃんともう一人の女の子。

 「うん、いいよ」笑いながら、タンポポでお花のかんむりを作る女の子。

 ミナちゃんは、あたしの夢の中にいつもいる。保育園に来てからずっとお昼寝の時間の時にしかいないあたしの大切なお友達。でも、今までずっと不思議だったことがある。

 「ミナちゃん聞きたいことがあるんだけど」

 「なに、ラジーナちゃん?」
 
 「何でいつもあたしの夢の中にいるの?」

 「だって、夢でしかあえないし・・・・・・それに、大好きだもんラジーナちゃんのこと」悲しい顔つきになるミナちゃん

 「あたしね、夢の中じゃなくてね、会いたいの。だって、大切なお友達だし」

 「・・・・・・・っ!!あたしも会いたい」目に涙をいっぱい溜めてあたしの顔を見るミナちゃん

 「そしたら、明日会おう。あたし綺麗なお花のネックレス作ってくるから、場所は、保育園のお砂場」

 「本当!?そしたら、わたしは、藍色のうでわを持ってくるね」

 「でも、そしたらわからないよね・・・・・・・・そうだ、合言葉」

 「あい・・・・ことば?」

 「うん、あたし達しか知らない秘密のこと」

 「何に、するの?」首を傾けるミナちゃん。

 「うんっとね、タンポポ!」
 
 「タンポポ???」

 「今日作ったお花のかんむり、あたしかんむりって言ったらミナちゃんがタンポポって言うんだよ」

 「うん、わかった」そう言ってどんどんあたしから離れていくミナちゃん

 「そろそろ、さよならみたい明日、いくから絶対行くから〜〜〜〜〜〜〜〜」そういうと消えてしまったミナちゃん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「ん・・・・ミナちゃん・・・・・」目をこすりゆっくりとハンモックから起きる、ラジーナちゃん

 「そうだ、お花のネックレス作らなきゃ、それで明日は」思い出したように飛び起きて絵を描いているラジーナちゃん。

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               花屋『鈴蘭』にて
      
 「おかえり、ラジーナ今日も保育園楽しかったか?」ラジーナの頭をなでながら声をかけてきた、お父さん、名前は、トップ=リウルフ。ここ『鈴蘭』の店長である。

 「パパ、マリーゴールドのお花まだ残ってる?」

 「お!!あるぞ」そう言ってガラスケースから山ほどのマリーゴールドを持ってきたお父さん。

 「うん、それ少しちょうだい」満面の笑顔で父親に寄るラジーナちゃん。

 「いいぞ、所で何するんだ?」

 「夢のお友達にお花のネックレス作ってあげるの」そういうと急いで裁縫を取り出しネックレス作りをし始めるラジーナちゃん。

 「夢の友達??????ボトリア、夢の友達ってなんだ?」娘を迎えに行った妻に問い掛ける父親。

 「なんでも、お昼寝の時間だけ現れる女の子みたいなの。あたしもよくわからなくて・・・・・・・・」頭を抱える、両親を尻目にネックレス作りに勤しむラジーナちゃんであった。

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                次の日

 「まだかなぁ〜ミナちゃん」みんなが、お昼寝中の時に一人だけ砂場で待っているラジーナちゃん、その片隅で見守る、アリア先生と俺、園長が隠れて見守っていた。

 「アリア先生、何であのお昼寝大好きラジーナちゃんが起きてるの!?」

 「何度も、寝させようとしたんですけど、[お友達と約束したの]って言って寝てくれないんです」困ったように言うアリア先生

 「友達って・・・・・・例の夢の中の友達ですか?」今朝、両親から事情を聞いて先生達の中で話題になってる例の夢の中にいるお友達。本当にいるのか?

 「ハイ、そうなんです。何でも砂場で待ち合わせしてるみたいなんですけど、なかなか来ないみたいで・・・・・・・」

 「そうですか、もし来なかったら、フォローしますか」お互いに頷く俺とアリア先生、子どもにとって約束が破られるのは、親がいなくなると同様とても落ち込んでしまう。

 「あ・・・・・・ミリー先生も来たんですか」そう言って後ろを見るとミリー先生が心配そうにラジーナちゃんを見ているのだ。

 「当たり前です。とても心配してるんですよ。あのネックレス今日の朝まで作っていたんですから」そういうとまた、ラジーナちゃんへと視線を送るミリー先生。
 
 お昼寝時間もそろそろ終わりに近づいた時だった。

           〜カラカラカラ〜
 
 その時、ぶどうぐみのドアが開きそのところから、紫のフードをかぶった女の子が砂場に向かって走っていた。

 「あれ?あの子は、ミリー先生のクラスの子じゃないの?」驚いた様子でミリー先生を見たアリア先生

 「あの子は、ミナちゃん?何で砂場に・・・・・・まさか!!!!!」ミリー先生はわかったみたい。俺もアリア先生もわかったけどね♪♪

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 「やっぱり、夢の中だし、会えないよね」何時までたっても来ない。お友達はやっぱり夢の中でしか会えないのかな?そう思いかけた・・・・・その時だった!!後ろから聞き覚えがある声が聞こえた。

 「ラジーナちゃん?」後ろを見ると、紫のフードをかぶった女の子がいた。その手には大切そうにくるんである。藍色のリングがあった。

 「ミナ・・・ちゃん????」夢で会っているよりも、少し違うけどでもミナちゃんだ。

 「遅れてごめんね・・・・・・!!!合言葉」

 「あ・・・・・・かんむり!!!!」
 
 「たんぽぽ!!!」元気よく答えるミナちゃんその言葉を言った瞬間走って抱くラジーナちゃん。

 「やっぱり、ミナちゃんだ。何で近くにいたのに会ってくれないの?」今まで、疑問に思っていたことを彼女にぶつけた。

 「ごめんなさい、わたし、あんまり人と話せなくて夢の中ならいいんだけど・・・・・・・・・ごめんね」あたしの所で泣くミナちゃん。

 「いいよ、だって今会ってるもん。それでいいの。あ・・・・・約束のネックレスおそろいの作ったんだよ」そう言ってミナちゃんに渡すネックレスを出したラジーナちゃん。

 「すごい・・・・・・綺麗・・・・・・」渡されたネックレスを見て思わず驚くミナちゃん。そのネックレスは、昨日パパから貰ったマリーゴールドを綺麗に繕ったネックレスだった。
 
 「それね、昨日パパから貰ったお花なの、あたしの家お花屋さんだから、後ねその花にね言葉があるの」
 
 「こ・・とぼ?」

 「うん、言葉は〔友情〕」

 「ゆう・・じゅ・・う?」

 「うん、つまりずっとお友達〜〜〜〜〜」彼女にもう一度抱きつくラジーナちゃん。

 「あ・・・あたしも、これうでわだけど」そう言ってラジーナちゃんの手のひらに藍色の腕輪を渡した。

 「これね、悪い夢から守ってくれるすごい腕輪なんだけどあげる。いつでも楽しい夢が見られるの」笑顔で言うミナちゃん。

 「あ・・・りが・・・とう・・・ミ・・・・・・・・・・・・ナ・・・・・・・ち・・ゃ・・ん」そのまま倒れこむラジーナちゃん。

 「ラジーナちゃん!!!?」

 「ごめんね、少し眠たくなっちゃった・・・・・・・・・」笑いながら睡魔と闘う。ラジーナちゃん

 「そんな・・・・・あたしもねむ・・・・・・く・・・・て」お互いに夜遅くまで作ったプレゼントしかも、お昼寝してないから、眠くて当たり前。そのまま互いすやすや眠ってしまった。

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 「こんな所でねっちゃって・・・・・・・」そういうと二人を抱きかかえ職員の休憩室に運ぶ、俺。このまま寝てたら風引くな。そう心に思い。内心ほっとした

 「ミリー先生、二人の荷物を休憩室に持って来てください。保育園が終わるまで起きないでしょうし。アリア先生は、ハンモックの準備を・・・・もっとも必要ないですが、一応作っといてください。もちろん大きめにね♪」二人に指示を出し、元気よく返事をするアリア先生と、少し涙を浮かべたミリー先生。

 「さて、このことを、どう親御さんに説明しようかな・・・・・」どうやって説明しようか悩んでいる俺にかわいい寝息を立てる二人の寝顔・・・・・・・・・。やっぱり癒されるなぁ〜〜〜〜〜〜〜

 今日も春の陽気でぽかぽか暖かい今日の保育園でした。

10/08/28 12:11更新 / pi-sann
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■作者メッセージ
 〜ミナ家・喜びの宴
 
 「娘に友達ができた〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。こんな嬉しい日はない」

 「パパ、恥ずかしいよ」

 「何を言ってるんだミナ・・・お友達ができなくてずっっとパパは心配してたんだぞ」大号泣するゴミナントさん。これでも有名な人なんだけどね

 「もぅ〜パパ」
 
 「いいのよ、ママも嬉しいんだから、それにパパにもお友達ができてよかったじゃない。トップさん。とてもやさしい人じゃないの。奥さんも優しいし」

 「うん、ラジーナちゃんもね」
 その日、ミナ家は豪勢なパーティーが開かれた。もちろんこの喜んでる最中に、トップさんファミリーも招待されたが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その話はまた次回に・・・・・・・・



 今回は、完全にのほほんです。皆さんの感想お待ちしてます。

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