夢と幻と似た者同士
私は、彼のことが好きだった。彼を幸せにしてあげたかった。 ワタシも、彼のことが好きだった。彼を幸せにしてあげたかった。 でも、私は彼には相応しくない。 でも、ワタシも彼には相応しくない。 だから私は、彼に夢を見せた。 だからワタシは、彼に幻を見せた。 でも私は、彼に正体を見られる事を恐れた。 でもワタシも、彼に正体を見られる事を恐れた。 だって、本当の私は、暗くて、地味で、ワガママだから。 だって、本当のワタシは、嘘つきで、臆病で、空っぽだから。 騙しているのがばれて、今の関係が壊れてしまうのが、怖かったから。 そして、騙しているのがばれて、彼が傷ついてしまうのが怖かったから。 本当の私は、ひとりぼっちだった。 本当のワタシも、ひとりぼっちだった。 そんな時、彼女に出会った。 そんな時、彼女はやって来た。 そして、二人は手を組んだ。 |
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