読切小説
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Q.マンドラゴラの悲鳴を聞かない工夫をしたらどうなるか
〜【急募】〜

当研究所にてマンドラゴラの多く生息する草原を発見いたしました。
とある実験のため、マンドラゴラの夫になりたい方を数人募集します。
報酬は現地までの交通費及び結婚式などのセッティング費用となります。

〜〜〜〜〜〜





「えぇ、ごほん。当研究所にお集まりいただきありがとうございます」

7人集まった未婚の男性諸君に対しそう発言した老人。
びしっと着こなした白衣や周りの人たちを従える様子からこの研究所のお偉いさんと分かる。
小難しい理論やら何やらを省くと、今回のビラで男たちが集められた理由は以下のものであった。

・今回の実験内容は、マンドラゴラの悲鳴を何らかの方法で防いだ場合どうなるかということである。
・集まってもらった人たちには一人ずつマンドラゴラを引っこ抜いてもらい色々な方法で悲鳴を聞かないようにする。
・マンドラゴラたちが、悲鳴の効果を受けなかった被験者に対しどのような行動に出るかを観察するのが実験の主な目的である。
・順番の後の者や研究員たちは遠くのモニターから悲鳴時はミュート状態にしてその様子をチェックする。

「それではまず一人目の方、お願いします」





@耳栓をしていた場合

その男はおっぱい聖人なのであろう、草原に咲くたくさんの花の中から特に大きなものを吟味していた。
ようやく抜く花を決めたのか、男はピンク色の大きく開いた花に手を添えて力を入れて上へ持ち上げた。
現れたのは長年地中にいたことが容易にわかる豊満な体型であった。
薄緑の肌に、指先や髪の部分に生える深い緑の葉っぱ、上半身に巻き付く薄茶色の根っこ。
思い切り引っこ抜かれたためにぷるるんと揺れる大きな乳房に男性の視線は釘づけである。
マンドラゴラは急に引っこ抜かれたため驚いているのだろう、声を出すために大きく息を吸い込む。
声を出すかと思われたその瞬間、彼女は男が耳栓をはめていることに気づいたようだ。
そのまま悲鳴を上げるかと思いきや、なんと手を伸ばし耳栓を取り払ってしまった。
そしてニコリと笑い、もう一度深く息を吸いキャァァと悲鳴を上げ魔力の塊を男性にぶつけた。
耳栓の外れた男は至極当然の結果として理性を失い、そのまま彼女を押し倒し性行為へとなだれ込んだ。
いやんらめぇなどと言葉では怯えているようにも聞こえるが彼女は心から楽しんでいるようにしか見えない。
遠くからモニターをチェックしている研究員たちは絡み合う男女の行為に目もくれず議論に花を咲かせている。

「教授、どういうことでしょう? マンドラゴラは臆病な性格ではあるが観察力は高い、ということでしょうか」
「ふむ、同じ方法で次の被験者にもして貰わないとケースが少なく何とも言えんな」





A耳栓をしていた場合パート2

今度の男は魔物と戯れれば相手は選ばないのであろう、特にどんな花をと選ぶ素振りを見せず一番近い花を引き抜いた。
現れたのは控えめながらも柔らかそうな乳房を持つマンドラゴラであった。
葉っぱが笹の葉のように長く、その結果髪が乳首を隠しているのが着エロ風味で丸裸とは別種の妖艶さを醸し出している。
とても嬉しそうにじろじろと見つめている男性に怯えているのであろう、彼女は深く息を吸い始めた。
きゃあという甲高い声をあげると、何ということでしょう、男の耳栓がぽんと小気味いい音を立てて外れたのである。
耳栓が外れて理性を失った男性は欲望を丸出しにして彼女に襲いかかる。
組み敷かれたマンドラゴラは微妙に涙ぐんではいるもののその表情は初めての性行為にとろんとしている。
しかしそんなくんずほぐれつよりも耳栓の行方に興味津津の研究員たちは議論をしている。

「きょ、教授! 耳栓がポーン! ポーンってなりましたよ!!」
「ふむ……音というのは空気の振動じゃ。魔力によってその振動が特殊なものに変化し結果として耳栓を弾き飛ばしたのだろう」
「そんなことありえるんでしょうか? いえ、実際に起こっている以上ありえるのでしょうね」
「魔物は不思議じゃのう。別の方法を試すとしよう」





B口をふさいだ場合―猿轡編―

次の男性は右手に研究員から預かった厚手の布を持って花を物色していた。
一つの花に狙いを決めて引き抜くと、人間で言う10歳程度の肉体をもったマンドラゴラが現れた。
指先の葉っぱや身体を這う根っこの数なども先ほどまでのマンドラゴラより少々少なめにも見える。
口を大きく開いて息を吸い込む彼女に、男は一体どこで練習したやらものすごい速度で猿轡をかませた。
きつくなり過ぎない程度にしかし簡単に外れないように布を縛り口を封じる男性。
そのせいできゃあという悲鳴を上げることの出来なくなった彼女は、「んーッ」と声にならない声を上げる。
するとどうだろう、男性は来ていた衣類を脱ぎ捨て彼女を押し倒したではないか。
口を封じられ押し倒され犯されている少女というものすごく危険な光景を繰り広げる男女。
しかもマンドラゴラの身体にまとわりついている根っこがモニターから見ると縄で緊縛しているかにも見えさらに危険な光景である。
けれどもそんな見ようによっては強姦にしか見えない(いや強姦だけどね)行為よりも議論をする研究員。

「布をかませるだけでは意味がなかったようですね、教授」
「うむ。悲鳴と言えばキャーというものだと思い込んでいたが、どうやら彼女の発する声であれば魔力がこもるようじゃの」
「どうやらそのようですね。次の方法を試してみましょう」





C口をふさいだ場合―飴玉編―

次の男性は極上の砂糖と香り付けにホルスタウロスのミルクを使った飴玉を手に草原へと向かった。
男が引き抜いた花によって、先ほどと同じく幼い体型のマンドラゴラが出てきた。
マンドラゴラが悲鳴を上げようと開きかけた小さな口に向かって飴玉を投げ込む男性。
そのあまりの美味しさに、引っこ抜かれた驚きも忘れ彼女は飴玉を堪能しているようだ。
その様子に微笑ましさを感じた男性は彼女に「美味しいかい?」と問いかけた。
すると彼女は馬鹿みたいに大きな声で「おぉーいしぃぃぃぃーーーーーー!!」と受け答えた。
その声を聞いた男性は態度を急変させすっぽんぽんになり彼女の口に男性器を思い切り突っ込んだ。
どうやらこの男性はフェラ大好き星人らしい、涙目になっているマンドラゴラなど気にもせず思い切り喉の奥まで突っ込む。
数分もたたず放出された精液をごくんと飲みこんだマンドラゴラは小さく「……おいし♪」と喜んでいる。
男は一発出しただけじゃ足りないのであろう、そのまま今度はほんの少し濡れているおまんこに男性器をあてがい一気に挿入した。
やはりそんな性交にまったくの興味を見せず研究員らは話し合っている。

「悲鳴じゃなくても魔力は込められるんでしょうかね」
「推測じゃが引っこ抜かれて最初の発言に魔力を込めているのではないかの?」
「でもあのマンドラゴラはただおいしいって感想言っただけですよね」
「魔物たちには分からないことだらけじゃのう、次の方法に行くかの」





D口をふさいだ場合―接吻編―

次の男性は特に何も持たずに草原へと赴いた。
男性は多くの花の中から一つの花を選び抜き、そのまま思い切り引っこ抜いた。
出てきたマンドラゴラは@のケースほどではないが成熟した体つきをしていた。
揺れ動く乳房に目を奪われかけ手を伸ばした男性であったが、実験のことを思い出しその手を彼女の頬へと動かす。
彼女が声を上げる前に、男性はマンドラゴラの唇をキスでふさいだ、微妙にロマンチックに見えなくもない。
しかしこの男性、声を出させないようにキスしたにもかかわらずそのままエスカレートし舌をねじ込み始めた。
マンドラゴラが悲鳴を上げることなどなかったにも関わらず、男性はそのまま彼女を押し倒し一息にモノを挿入してしまった。
けだもののように腰をピストンさせ、目に涙を浮かべるマンドラゴラに快楽をこれでもかと与える男性。
やっぱりそんなセックスになど興味を示さず研究員たちは意見を述べ合う。

「ふむ、声を上げなかったのに理性を失ってしまったようじゃのう」
「……あの、教授?」
「なんじゃ? 何か気がついたかの?」
「そもそも魔物とキスして理性を失わない男性など居るのでしょうか?」
「……あ」
「……あ、て何ですか教授」
「ささ、次に移ろうかの。次じゃ次」





E引っこ抜いて埋め直した場合

次の男性もまた何も道具などを持たずに草原へ向かった。
男は咲き誇る花をひとつ選び、思い切り引き抜いた、かと思えば顔が出かけた時点で無理矢理下へと押し込んだ。
ちらりとモニターに映ったマンドラゴラの顔は、進行方向上は怯え、進行方向下は驚きといった感じであった。
そのまま男性が立ちつくしていると、土がぼこぼこと音を立てなんとマンドラゴラが自ら這い出てきたではないか。
その場面はまるでホラーのワンシーンのようにも見え、本来なら驚かす側の男性の方が驚いて腰を抜かしてしまった。
マンドラゴラは顔に怒りを浮かべ、男の衣服を引っぺがし素っ裸にしたのち思い切り犯したのであった。
しかし逆レイプだろうと関係なく話し合う研究員たち。

「臆病な個体が多いとされるマンドラゴラですが、怒らせると怖いということですかね」
「女性を怒らせては駄目じゃのう。男なら常に伴侶を笑顔にしてやらねばならんぞい」
「良いこと言ったみたいな顔してますけど教授、この方法考えたのも教授ですよね」
「細かいこと気にすると将来ワシみたいに禿げるぞい。次のケースで最後じゃの」





F縄で引っ張り声の届かない範囲から引っこ抜いた場合

最後だけあって今までで一番大がかりな準備が必要であった。
どの程度距離をとればマンドラゴラの悲鳴が届かないと言えるのか。
どのようにすればマンドラゴラに痛みを与えずに縄で引っこ抜くことができるか。
このケースを担当するのは集まった7人の被験者の中で最も屈強な肉体の持ち主であった。
可憐に咲く花に縄を結びつけ、教授が計算に計算を重ね導き出した距離まで離れて縄を引っ張る男性。
馬力単位もあろうかという力で思い切り縄をひっぱりマンドラゴラを引っこ抜く男性。
モニターで確認されたのは、今までで一番発育していないザ・つるぺたとでも言わんばかりの体型のマンドラゴラであった。
頭の縄に引っ張られ地上に出てきた彼女は、それはそれは大きな声で「いったぁぁぁぁい!!!!!」と叫んだ。
その声は、声が届かない安全地帯と思われる場所まで撤退していた既に結ばれた6組の夫婦のもとへまで聞こえるものであった。
縄を引っこ抜いた男性は自慢の肉体でマンドラゴラのもとへと全力疾走。
マジ泣きの幼女マンドラゴラにでっかく硬い肉棒をぐんぐんと突く理性を失った男性。
6組のマンドラゴラ夫婦らも悲鳴により理性を失って淫猥な音を立てて互いに互いを求めあう。
彼女らよりほんの少しだけ遠いところにいた研究員たちは、その様子を見ないふりをして議論に没頭していた。

「ねぇ教授、あの距離設定したの教授ですよね?」
「そ、そうじゃよ? 計算に計算を重ねて導き出したんじゃよ?」
「痛がってましたね」
「そ、そうじゃのう」
「悲鳴届きましたね」
「そ、そうじゃのう」
「……」
「さ、さぁて実験の結果をまとめるとするかのぉ忙しいわい」
「あのマンドラゴラさんにちゃんと謝りに行ってくださいね」





A:悲鳴なんて関係なく結婚する運命なのじゃ
11/08/23 20:02更新 / G7B

■作者メッセージ
ケースFのマンドラゴラさんマジごめんなさいと後書きで謝ってみる。
下手にシリアスっぽく書いた前作と今作で方向性ががらりと変わってしまった。
マンドラゴラは逆レイプなんてしない? 細かいこと気にすると禿げ……細かくないか。

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