読切小説
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送り火 ― グレンとグレンダ ―
― 「学園」 ―

この施設は人魔が共存共栄を目指しお互いに研鑽を積む「学校」であると同時に、魔法工学に代表される新世代の技術を研究する「研究機関」としての側面もある。
しかしながら、今だに魔物に拒否感や不信感を持つ人間も多い。
その為「学園」では基本的に見学はフリーだ。

当然だろう。

「学園」には意図せずに魔物へと変わってしまった「元人間」も多くいる。家族や近しい友人が面会に来ることもあるからだ。
無論、見学に来た人間が全て「良い人間」とは限らない。もっともそういう人間は拘束後大概30分で「良い人間」へと変わってしまうのだが。
しかし、万人に解放されている「学園」でも事前の予約が無ければ見学はおろか、近づくことさえできない「施設」がある。
その施設の名は・・・・「カテドラル」。


― 「学園」最深部「カテドラル」 ―

「カテドラル」、「大聖堂」との名の通りその施設の内部は清潔な印象を与える白に統一され、人間工学に基づいて設計された強化樹脂製の椅子が並べられていた。
正面にはアナログ式のデジタルウォッチが据え付けられている。それを一人の人物がボーと見ていた。

「・・・・・・・」

人物の周りには幾つも写真が置かれていた。


恋人と一緒に行った「ゴールデンゲートブリッジ」

愛車の「ハーレー・バッドボーイ」と一緒に撮った写真

そして・・・・白い病衣を着てベットに力なく横たわる愛しい恋人の姿


「不安ですか?」

「!」

その人物が振り返ると白を基調とした修道服のような衣服を着た女性が立っていた。
白い髪に赤と黒の瞳、溢れんばかりの淫靡さ。魔王の娘たる上位の魔物「リリム」が見ていた。

「リ、リリム!」

「そう怖がらなくてもいいわよ?私はカテドラルの責任者、リリムのクロノよ」

「なぜ・・・私に声を掛けたのですか?」

「それはね。貴方の心に迷いがあるからよ。そんな気持ちで黄泉がえっても恋人は浮かばれないわ」

カテドラルの役割は「死んだ人間」の「魔物化」、つまりは「蘇生」だ。
魔物化には先約が多い。特に死んだ人間の魔物化には生前の本人の同意ともう一人家族や近しい人間の同意、そして蘇生の際には同席が求められる。

「やっぱりわかりますか・・・・・。私は正直、悩んでいるのですよ。この決断を下して良かったのかと」

クロノが「写真」を見る。どの写真も二人は笑顔で「生」を謳歌していた。

「理屈では分かるのですよ。いくら姿が変わっても中身は同じだって。でも・・・・」

「では貴方は魔物になった恋人を愛することはできないというのですか?」

クロノがやや厳しい視線を向ける。

「違います!!!でも・・・不安なんです。もう一度・・・私を以前のように激しく愛してくれるのかを」

「そう・・・」

ガタッ・・・。

「未来を憂うのは今を生きる人の特権ですわ。悩みなさい、悩み抜いて答えを出すのが・・・貴方の義務よ」

彼女は椅子から立ち上がると、その場を後にした。



「またお会いしましたね」

クロノが声を掛ける。

「ええ。結局、答えなんて出ませんでした・・・・」

「そうですか・・・・。全ての処置は完了しました。今、チェンバーを開けて此方に向かっているところですわ」

正面、デジタルウォッチの下にあるドアがゆっくりと開く。

プシュ・・・・

「さあ、生まれ変わった恋人を歓迎してあげなさいな」

カツ―ン・・・カツ―ン!

「ソレ」は姿を現した。
白い病衣を着た「スケルトン」。
やや骨格はがっしりとしていたが、「彼」の面影を残していた。

「グレン・・・・!」

彼は愛しき「恋人」の名を呼ぶ。

「ジョージ!!!会いたかったぜ!!!」

二人はリリムのクロノが見ているのにも関わらず、熱く抱擁した。

人間、しかも男性が「魔物」へと転化する場合、特殊な場合を除いて「スケルトン」か「アルプ」に限られる。
「学園」では死亡した男性を親族や恋人の同意のもとに「スケルトン」へと転化させることによって「蘇生」を行っている。
黄泉がえりという人の理を外れた行為を行う以上、見学を制限されるのは当然といえるだろう。



― 「学園」来客室 ―

「しかし、急性白血病に罹るなんて思わなかったぜ」

ジョージにグレンと呼ばれたスケルトンは「学園」が用意してくれた、生前愛用していた革パンと革ジャンといった姿で座り心地の良いソファーに身を委ねていた。

「でもこうして再び私に会いに来てくれたんだし・・・・・」

彼の視線がグレンの股間を見る。

〜 もう・・・抱いてもらえないのか・・・ 〜

ジョージの脳裏に犬のように這いつくばされ気絶するまで犯された日の事が浮かぶ。

「なぁ、抱いてやろうか?」

スケルトンとして黄泉がえったグレンが「恋人」のジョージを背後から抱きしめる。

「え・・・。でも今のグレンは・・・」

「確かに今の俺にお前をヒイヒイ言わせたディックはねぇ。だがな、お前を哭かす方法はいくらでもあるぜ・・・・」

ズルリ・・!

手荷物からグレンが取り出しモノ。それは・・・・。

「ヒッ!」

ソレは黒革のストラップが付けられた、小さな子供の手程の太さのある「双頭バイブ」だった。みっちりとイボが生やされ、そのあまりの凶悪さにジョージが悲鳴をあげる。

「へへっ!チェンバーから目覚めた時に玄野黒子と名乗るセールスレディが今後夜の性活に必要になるからってくれたんだ。おまけに・・・」

グレンの下腹部に紫とピンクをあしらった紋章のようなものが浮かぶ。

「なんでもこの淫紋とリンクしているらしくて、コイツを使ってガンガン掘れば掘る程気持ち良くってわけさ」

グイッ!

「そ・・そんなグレン!そんなの入れられたら・・・私・・壊れちゃう!」

「魔界銀製だから壊れることなんてないぜ。もっともイき過ぎて頭がバカになるかもな!」

ズプ・・・

ゴツゴツとしたペニスバンドの亀頭が薔薇の蕾のように開いたジョージのアナルにあてがわれる。

「ほら・・・もっと力を抜けよ・・ホラ!!」

ググググ・・・・!

「お願いグレン・・もっとゆっくり・・」

ジョージが懇願する。魔界銀の特性でローション無しでも痛みは感じないが、それでも異物感は感じてしまう。

「もっと激しく?可愛いこと言ってくれるじゃないか!!オラァ哭きやがれ!!」

ズボボボボボ!!!!!!!!!!!

「違っ・・・アーッ、アーッ、アァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」



数時間後

「おやおやお盛んね」

学園の屋上に一人、黒のビジネススーツを着たリリムの「クロノ」が夜空を見ていた。

「確かに彼女に施した淫紋はあの魔界銀製のペニスバンドとリンクして極上の快楽を与えてくれるわ。でもね・・・・」


― 畜生!さっきからいくら掘ってもイけねぇ!!!おまけにマンコがドロドロで気持ち悪ぃ!!! ―


「多用すれば多用するほど、イけばイクほど貴方の身も心も雌に近づいていくわ。言ったわよグレン?ヤり過ぎに注意しなさいって、ね」


― グレン・・・何を? ―

― オラァ!テメェの小汚いチンポを借しやがれ!!!! ―

― い、嫌!!グレン!離して!!! ―

― 何がクニだよ!クンニしろオラァァァァァ!!!! ―


「はぁ、いいぜジョージ!!いい!!ハメてんのにハマりそう!!!!」

「ひぐぅ!!!激しいょぉぉぉぉ!グレン!!!」

「チンポをガチガチにしておいて何言ってんだよ!!オラァ!!!」

グレンが腰を動かした瞬間、ジョージのペニスが更に奥へと導かれる。

ゴリュ!!

「カハッ!お、奥まで・・・・!」

ジョージのペニスがグレンの子宮口を押した。あり得ないほどの快楽が「グレン」を塗り潰す。


プチッ!



「ハッピーバースデー、グレンさん。いや・・・・」

玄野黒子こと、リリムの「クロノ」が笑みを浮かべる。

「グレンダ」



「おっほぉおおおおおおおおっ!!チンポチンポッポ!!!!!!あたしメスになっちゃうののぉおぉぉぉぉぉぉぉ!うっひぃ!!!!!」



甲高い「フォーフォッフォフォフォ」という、特徴的な笑い声が人気の無い屋上に響いていた・・・・。



18/08/23 06:05更新 / 法螺男

■作者メッセージ
お盆に何やってんだろ、私。

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