無表情な幼馴染がレッサーサキュバスになったけど相変わらず無表情だった
俺の幼馴染は無表情な奴だ。
別に感情が無いって訳じゃないんだが、それを顔に表したりするのが苦手なんだと。
そのせいでよく昔は『能面女』なんて嫌なあだ名付けられていじめられかけてたな。それでもアイツは何にも反応しない。俺は毎回言った奴等に怒ったりしたけど。
俺は別に普通の奴だ。普通の高校(何故かアイツも居る)に入って、普通に勉強して、普通のサラリーマンにでもなろうとか思っている。
そんな俺が何故。
「てな訳で、サキュバスになっちゃったみたいだから、精液を頂戴」
サキュバスになったとか言い出した幼馴染に精液を要求されているのだろう。
事の始まりは昨日の夜だ。
二日も学校を休んでたアイツから電話が来て、一言目に言われた事がこれ。
『サキュバスになっちゃった』
勿論意味不明過ぎた。だってサキュバスだよ?男の精とか餌にするエッチでビッチなあの魔物にあの無表情過ぎる幼馴染がなったとか言われても実感が湧かない。
説明を求めたが「明日説明する」とだけ言われて切られた。じゃあなんでわざわざ電話してきたし。
そして今日。幼馴染が教室に入ってきた瞬間、その場のクラスメイト全員が凍ったように止まる。勿論俺も止まった。
何故か。それは見慣れた筈のアイツの姿が、とても艶めかしく思えて仕方なかったからだ。
いつもの髪型のままピンクに染まった髪も、サキュバスと呼ぶにはちょっと物足りないボディラインも、眼鏡の奥に見える赤くなった瞳も。アイツの見慣れた筈のあらゆる部分がなんだか魅力的に見えてしまった。
しかし、人間の頃とは違う部分も所々に見えた。髪の毛から少しだけ飛び出している小さな角。袖から出ていたり、足をニーソのように覆っているピンクの体毛。スカートから見える尻尾。
一瞬でクラスがパニックになりかけたが、その直後に入ってきた先生が素早くクラスを宥め、教卓の側に幼馴染を立たせ、口を開く。
「えー、見ての通り先日彼女はサキュバスになってしまったそうだ。しかし、みんな差別などしないように!」
先生がそう言うとアイツはいつもの通り俺の右隣の席に座る。
…えっ、そんな簡単な説明で良いの?もっとこう、なった経緯とかの説明は?
そんなこんなで昼休み。弁当を食べ終わってからアイツに屋上まで呼び出され、現在に戻る。
「いやちょっと待て」
「何」
「精液くれとかいきなり言われても混乱するだろうよ!?」
「じゃあ言い方を変える、精液下さいな」
「そういう問題じゃなくてだな…!」
「サキュバスは人間の精が無いと生きられない。それは私のような人間が変質したサキュバスも同じ」
いつも通りの無表情な顔で淡々と説明する幼馴染。見知った筈の相手なのにちょっと違うとこうも他人に見えるのは何なのだろうか。
「第一に、男の人は射精する際に女のオーガズムより大きな快楽を得られると聞いた。君も気持ちいいし私も生きていける。これはWin-Winな関係では?」
「いやお前それで良いの!?そんなディープな関係だっけ俺達!?」
「私達は幼馴染という関係では?」
「確かにそうだけどさ!」
「じゃあ問題ない。小さい頃によく一緒にお風呂にも入ってお互い裸も見慣れている、今更羞恥心は無いのでOK」
「なんでそんな昔の事覚えてるんだよ!」
「私の尊き思い出」
「お前そういう趣味だったっけ!?」
何なんだ俺の幼馴染。生態に謎が多い。こんな奴だったっけ?サキュバスになって何か変な部分が変化したんじゃないかこれ?
「とりあえず、君が精液をくれないと私は困る。日々眼鏡の娘のエロ画像で無駄撃ちするくらいなら私に下さいな」
「なんでお前が俺の性事情知ってんだよ!!」
「お隣さんだから」
「普通のお隣さんは性事情は把握しない!」
「それは君の価値観がおかしいだけ。お隣さんとは隣の家の性事情を覗いてなんぼってエロ漫画で言っていた」
「そりゃエロ漫画の世界観だろうがよ!創作と現実をごっちゃにするんじゃねえ!」
「私達が出てるこれも創作」
「それを言っちゃあお終いよ!!」
ホント何なのこの幼馴染。サラッとヤバい事口走ってるし。いや、単なる幼馴染の俺に精液下さいなんて頼む時点でやべーやつだったわ。
「とにかく!俺はお前に精液を提供なんて出来ない!」
「どうして」
「決まってんだろ!そういうのは好きな人にしてもらえ!」
「………君はにぶちんだ」
「…なんて?」
「私はサキュバスになった。でも心は変わってはいない」
「……そ、それで?」
「好きでもない人にこんな事は頼まない」
めっちゃ濃いのを御馳走した。
別に感情が無いって訳じゃないんだが、それを顔に表したりするのが苦手なんだと。
そのせいでよく昔は『能面女』なんて嫌なあだ名付けられていじめられかけてたな。それでもアイツは何にも反応しない。俺は毎回言った奴等に怒ったりしたけど。
俺は別に普通の奴だ。普通の高校(何故かアイツも居る)に入って、普通に勉強して、普通のサラリーマンにでもなろうとか思っている。
そんな俺が何故。
「てな訳で、サキュバスになっちゃったみたいだから、精液を頂戴」
サキュバスになったとか言い出した幼馴染に精液を要求されているのだろう。
事の始まりは昨日の夜だ。
二日も学校を休んでたアイツから電話が来て、一言目に言われた事がこれ。
『サキュバスになっちゃった』
勿論意味不明過ぎた。だってサキュバスだよ?男の精とか餌にするエッチでビッチなあの魔物にあの無表情過ぎる幼馴染がなったとか言われても実感が湧かない。
説明を求めたが「明日説明する」とだけ言われて切られた。じゃあなんでわざわざ電話してきたし。
そして今日。幼馴染が教室に入ってきた瞬間、その場のクラスメイト全員が凍ったように止まる。勿論俺も止まった。
何故か。それは見慣れた筈のアイツの姿が、とても艶めかしく思えて仕方なかったからだ。
いつもの髪型のままピンクに染まった髪も、サキュバスと呼ぶにはちょっと物足りないボディラインも、眼鏡の奥に見える赤くなった瞳も。アイツの見慣れた筈のあらゆる部分がなんだか魅力的に見えてしまった。
しかし、人間の頃とは違う部分も所々に見えた。髪の毛から少しだけ飛び出している小さな角。袖から出ていたり、足をニーソのように覆っているピンクの体毛。スカートから見える尻尾。
一瞬でクラスがパニックになりかけたが、その直後に入ってきた先生が素早くクラスを宥め、教卓の側に幼馴染を立たせ、口を開く。
「えー、見ての通り先日彼女はサキュバスになってしまったそうだ。しかし、みんな差別などしないように!」
先生がそう言うとアイツはいつもの通り俺の右隣の席に座る。
…えっ、そんな簡単な説明で良いの?もっとこう、なった経緯とかの説明は?
そんなこんなで昼休み。弁当を食べ終わってからアイツに屋上まで呼び出され、現在に戻る。
「いやちょっと待て」
「何」
「精液くれとかいきなり言われても混乱するだろうよ!?」
「じゃあ言い方を変える、精液下さいな」
「そういう問題じゃなくてだな…!」
「サキュバスは人間の精が無いと生きられない。それは私のような人間が変質したサキュバスも同じ」
いつも通りの無表情な顔で淡々と説明する幼馴染。見知った筈の相手なのにちょっと違うとこうも他人に見えるのは何なのだろうか。
「第一に、男の人は射精する際に女のオーガズムより大きな快楽を得られると聞いた。君も気持ちいいし私も生きていける。これはWin-Winな関係では?」
「いやお前それで良いの!?そんなディープな関係だっけ俺達!?」
「私達は幼馴染という関係では?」
「確かにそうだけどさ!」
「じゃあ問題ない。小さい頃によく一緒にお風呂にも入ってお互い裸も見慣れている、今更羞恥心は無いのでOK」
「なんでそんな昔の事覚えてるんだよ!」
「私の尊き思い出」
「お前そういう趣味だったっけ!?」
何なんだ俺の幼馴染。生態に謎が多い。こんな奴だったっけ?サキュバスになって何か変な部分が変化したんじゃないかこれ?
「とりあえず、君が精液をくれないと私は困る。日々眼鏡の娘のエロ画像で無駄撃ちするくらいなら私に下さいな」
「なんでお前が俺の性事情知ってんだよ!!」
「お隣さんだから」
「普通のお隣さんは性事情は把握しない!」
「それは君の価値観がおかしいだけ。お隣さんとは隣の家の性事情を覗いてなんぼってエロ漫画で言っていた」
「そりゃエロ漫画の世界観だろうがよ!創作と現実をごっちゃにするんじゃねえ!」
「私達が出てるこれも創作」
「それを言っちゃあお終いよ!!」
ホント何なのこの幼馴染。サラッとヤバい事口走ってるし。いや、単なる幼馴染の俺に精液下さいなんて頼む時点でやべーやつだったわ。
「とにかく!俺はお前に精液を提供なんて出来ない!」
「どうして」
「決まってんだろ!そういうのは好きな人にしてもらえ!」
「………君はにぶちんだ」
「…なんて?」
「私はサキュバスになった。でも心は変わってはいない」
「……そ、それで?」
「好きでもない人にこんな事は頼まない」
めっちゃ濃いのを御馳走した。
18/08/31 14:49更新 / う さ ぎ