読切小説
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まもむすシミュレーター ―旅立ち編―
 

<あなたのお名前を教えてください>

「王道の『ああああ』でいいか」

<『小鳥喰 有隆』さんですね> 

「なんで的確に人の本名当てに来てんのこのゲーム」

<時代職業家族構成を決めてください>

「めんどくさ、オートにしよ」

<許嫁 13人 実質嫁 57人 愛のあるセフレ 38ダース>

「・・・父と母、妹が一人っと、それ以外はランダムでいいか」

<それでは、冒険が始まります>デンーデンー

「オープニングムービーとかはないのか、質素なゲームだな」


『zzz・・・』

「ああ、主人公が母親にでも起こされてストーリーが始まるタイプか、古典的だけど嫌いじゃないぜ

それにしても、布団盛り上がりすぎじゃね?」

『にしし、潜入大成功☆それじゃ、お兄ちゃんの一番搾りミルクいただきまーす♥』

『ん・・・んぁ・・・zzz』ビュルドビュルルル


<GAMEOVER TIME00:00:00>

「・・・うん、まあ少し考えればわかるよな・・・こっちが迂闊だった」

<父 母 弟 ですね>
<それでは、冒険が始まります>デンーデンー

『・・・zzz』

『・・・兄弟でこんなことしちゃいけないって分かってるのに・・・お兄ちゃん♥」

『ん・・・んぁ・・・zzz』ビュルドビュルルル

<GAMEOVER TIME00:00:00>

「弟と〈元〉弟って天と地ほど差があるんだけど」

<父 母 ですね>
<それでは、冒険が>デンーデンー

『・・・zzz』

『オラー!可愛い幼馴染が起こしに来てやったぞー!屈服しやがれー!』

『誰か、助け・・・ァァァァァァァァァァア!!!』

<GAMEOVER TIME00:00:11>

「・・・・・・もう一回オートにしてみるか」

<父 母 とも死別し勇者の素質がある幼馴染とも引き裂かれた上に路上に放り出されたところを、孤児院に拾われてX年後、孤児院の院長になったお姉さんや一緒に育った子供たち暮らしながら兵士として教官にしごかれたり、たまに来る賑やかな魔法少女や、森の中に住む半エルフと交流したりします。実はその国の皇女さまの一人ととも接点が・・・>

「なーんかどっかで聞いたことあるんだけど?てか、家族構成じゃないよなこれ。次」

<四精霊を操る学者なダークマターの助手>

「嫌だよ。次」

<四精霊を操る無口だけど甘えん坊なダークマターの助手>

「次」

<四精霊を操る無口だけど甘えん坊であなたに尽しちゃう魔界学者の権威であるダークマターの助手になってくださいお願いします>

「しつこいわ!」

<炎の精霊 と他4人!>

「・・・」

<風の精霊と4人の愉快な仲間たちは〜?>

「・・・父と母あり、兄妹なし、幼馴染なし、許嫁なし」

<ダークマターは?>

「なしだ!!」

<それでは冒険が始まります・・・>

「やっと、まともにゲーム始められそうだな」

『・・・zzz』

「よし、誰も布団の中にはいないみたいだな」

『・・・zzz』

「母親辺りが起こしに来るのか?」

『・・・zzz』

「来ねえな」

『ガタガタガタガタゴゴゴゴゴ』

「なるほど、異変で目を覚まして冒険が始まるのか。それもありだな」

『ふわぁぁぁ・・・はあ、今日も親父とお袋元気だなぁ』

「ちょっとでもまともなの期待した俺がバカだったよクソが!!」

『今日で16歳か・・・』

「冒険に出るんだな」

『ついに竜神さまの生贄になるんだな・・・』

「さっそく詰んでる!!」

『待ちきれなくて迎えに来ましたわ!』

「もう来やがった・・・だが、ここで説得できればゲームクリアも当然だな」

『不束者ですがよろしくお願いします♥』

<GAMEOVER TIME00:00:19>

「選択させろや!!」

<オススメ家族構成→ダークマター ノーム ウンディーネ イグニス シルフ>

「しつけえ!!」

<家族構成を決めてください・・・>

「勇者で父母妹幼馴染許嫁生贄なし!もちろんダークマターも!」

<それでは、ゲ>デーンデーン

『ついに冒険の時が来たぞ!』

「よし、今度こそ大丈夫そうだな」

『ん、あれは何だ?空から降ってくるぞ!』

「ハーピーくらいなら撃退できるだろ」

『私はヴァルキリー。あなたを真の勇者として育てるためにやってきました』

「おお、ヴァルキリーまで付けばもう向かうところ敵なしだな
・・・羽が黒くなかったらだけど」

『さあ!万魔殿で一緒にトレーニング!』

<GAMEOVE>

「だんだん腹立ってくるなこれ」

<それで>デーンデーン

『勇者よ、よくぞ来た!宝箱に軍資金を入れておいた自由に使うがよい』

『ははーありがたき幸せ』ガチャリ

<なんと!たからばこはミミックだった!>

<GAMEO>

「知ってた」

<ピコーン!ゲームオーバー数が規定以上になったので『恋人がダークマターとエレメンツ』モードが解禁されました>

「うるせえ!勇者はやめとこう。一番魔物に狙われる」

<そ>デーンデーン

『おっす!オラ農民!今日も畑仕事頑張んべ!』

「うん、いけそうな気がする」

『あんら?なんだべかこれ?こったら野菜みだごとねえなぁ』

「おい、それやめ」

『どれ、いっちょ引っこ抜いてみっか!』ズボッ

『キャァァァァァァ♥』

<GAM>

「・・・・・・もう一度だ」

『おっす!オラ農み・・・<魔物が襲ってきたぞー!>なんだべ、また羊飼いのわらすが嘘こいてんな。まったくあいつには困ったもんだべ。なあ姉ちゃんもそう思わねだが?』

「その姉ちゃんケモ耳付いてんぞ」

『ナァァァァァァァァァ!!』

<GA>

「三度目の正直だ!」

ハイヨーイスタート 

『○ゅうべえくえすとRTAはーじまる ブチッ

「キャンセルだ」

スーパーダークマタースピリカ(■■■)の挑戦状
―デスポローヴェをみる精霊の謎ムゾン―

「クソッ名前に偽りなしだなこのゲーム。今度は漁師だ。それとタイトルまで浸食してくるんじゃない」

デ゙ーンデーン

『ウォォォォォォ!俺は海の男ォォォォォォオボボボボ!』ブクブクブク

「開幕沈んでいったんだけど」

<G>

「誰にやられたんだろうな。次は商人でもやるか」

デーンデーン

『狸には勝てなかったよ・・・』

『あんさんを借金のかたにもらってくで〜♥」

<>

「過程を素っ飛ばすんじゃねえ!・・・お、武闘家ってのもあるのか」

デーンデーン

『世界最強を決める武闘大会が開催されると聞いた俺は、自分の修行の成果を試すべく開催地に足を運んでいる途中にアマゾネスさんに普通に負けて捕まった』

<>

「そうですか・・・じゃあ次、戦士」

デーンデーン

『俺一人で薬草食べて魔王を倒すなんて不可能!まずは酒場で僧侶を探すぜ!』

「賢明な判断だ。にしてもよく考えると酒場に僧侶なんかミスマッチだよな」

『いらっしゃい。仲間をお探しかしら?』

「やたら美人だな・・・まあ酒場の主人が美人なのはよくあるか・・・?」

『僧侶を紹介してくれ!』

『いいわよ、今呼んでくるわね。・・・お待たせ、プリーストのケアミンさんよ』

「角と尻尾生えてんぞ」

『おう!俺と一緒に魔王倒そうぜ!』

『わたくしでよければお供いたしますわ♥』

<ケアミンが仲間に加わった>

「即ゲームオーバーかと思ったら続くのか、ワンチャンあるかもな」

『ところで戦士様、冒険の前にお互いのことをよく知っておく必要があると思いますの』

『そうだな!』

「絶対、性的な意味だこれ、やっぱり駄目だったか」

『まずは、好きな食べ物や趣味などから』

「深読みして外すと恥ずかしいな・・・」

『俺は肉ならなんでも好きだぞ!趣味は特訓だ!』

『うふふ、わたくしの趣味はこう見えて料理ですの。肉料理もお任せください♥』

「この調子だと案外うまくいくかもな」

『おぉぉ!うまい料理期待してるぞ!ケアミンの好物はなんだ?』

『まあ、いきなり名前呼びなんて・・・♥
わたくしの好きなものは男性の・・・じゃなかった、あなたの精液ですわ♥』

「言い直す所違うんじゃね?」

『美味いのか?あれって変な臭いするから食ったことないんだよな』

「お前は疑問に思う所が違う」

『それはもう蕩けるほど美味しいそうですわ。
それに食べるだけじゃなく肌に直接かけられても・・・♥

残念ながらまだ食べたことはないですけど』

「そりゃな」

『そんなに美味しいのか・・・今度俺も食ってみようかな!』

「『それはやめて』」

『そうか・・・』

「まさか人間よりも魔物に共感する日が来るとは思わなんだ」

『そういえば、戦士様はどのような神様を信仰なさっているのですか?』

『俺は特にないかな、面倒そうだし』

『まぁ、いけませんわ。神への祈りは日々を過ごすうえでかけがえなきもの。
この機会に信仰を始めてみてはいかがでしょう?』

『そうなのか?それなら始めてみようかな』

『わたくしの信仰する堕落神教はいかがですか、宗旨は〈己の欲望に忠実であれ〉』

『いいなそれ!』

『詳しくは長くなりますので、宿屋に行きましょうか・・・♥』

『おう!』

<GAMEOVER>

「宗教の勧誘って怖いなー」

<ピコーン!ゲームオーバー数が規定以上になったので『イージーモード』が解禁されました>

「そういう所は親切なんだな、じゃあもう一度さっきの勇者でやり直すか」

デーン

『ついに冒険の時が来たぞ!』

『お兄様♥町を出る前の最後の想い出に、サバトで送別会を開くので来てください♥』

「なんだこのファミリア・・・
ああ、なるほど。イージーモードだから露骨にわかりやすいシチュなのか」

『え、でも僕・・・』

『お兄様がいなくなると皆寂しいのです・・・どうか・・・』ウルウル

「思い切り断るのも残酷だが、仕方ないな。選択肢は・・・っと」

1『行く』

2『しょ・・・しょうがないな〜今回は特別だぞ』

3『そ、そんなことされたって嬉しくないんだから!・・・でもせっかく用意したんなら行ってあげてもい、いいよ?』

「お前がイージーなのか・・・」


<ガメオベラ>

「ろくに遊ばせる気がねえだろこのゲーム!!」

<攻略のヒント 主人公を自分と同じ環境にするとプレイしやすいです>

「それもありだな。えーっと一人暮らしで職業学生・・・・おし、こんなもんでいいだろ」

<それでは、冒険が始まります>デーンデーン

『・・・・・・』カチャカチャ

「まさかゲームしている所まで再現されているとは・・・」

『そういう所は親切なんだな、じゃあもう一度さっきの勇者でやり直すか』

「ここまで来ると気持ち悪いな、これ終わったらもうやめよう」

『お前がイージーなのか・・・』

「ん、ゲームの方のクローゼットからなんか出てきたな・・・」

『ろくに遊ばせる気がねえだろこのゲーム!!』ズルズル

「白蛇か。そういや昔近所にいてよく遊んでたな。中学で引っ越してそれっきりだけど」

『<攻略のヒント ゲームにツッコミを入れているうちは無防備なのでそこを狙いましょう。でも突然の振り向きに注意>』

「・・・・・いるわけないよな」クルッ

『それもありだな。えーっと一人暮らしで職業学・・・

・・・?うあ、放せ!やめろ!』

「もう捕まりやがった。全然進歩なかったじゃねえか」


『<それでは、冒険が始まります♥>』デーンデーン



「もう、終わってるつーの・・・ちっ、とんでもないクソゲー掴まさ・・・

・・・?うあ、放せ!やめろ!」








<GAMEOVER TIME86001:41:06>
15/11/25 00:28更新 / ヤルダケヤル

■作者メッセージ
読んでいただきありがとうございました。

結局何が謎だったのかわからないのは原作再現です。

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