読切小説
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姫川アイは俺の彼女である
「おっはよ黒宮」
「おはようございます、姫川」
「表情が硬いぞ〜。もっとスマイルスマイル」

姫川アイ。自称ひめきゃわな姫川アイ。実際かわいい(魔物娘基準)
そして…

俺の彼女である

俺?俺は黒宮魁利。野郎の自己紹介なんぞ誰も興味ないだろ?さっさと物語に戻るぞ。

「そろそろいいか?俺は忙しいんだ」
「そういって今日もご飯食べてないんでしょ。はい、サンドイッチ作ってきたから片手で食べて、いやならあーんしてあげるから。」
「あーんはよせ。自分で食べる」

サンドイッチを受け取り一口ほおばる。

ハニーマスタードで味付けした鶏肉。あとはオニオンだろうか。朝から凝ったものを作る…

「どう?おいしい?」
「あぁ、うまい」
「そっか!!作ったかいがあったよ」
「姫川」
「どーかした?」
「姫川の献身的な所が本当に好きだ」

俺自身は何気なく言っただけなのだが姫川は顔を真っ赤にして倒れてしまった。

「大丈夫か?」
「むり…あたしのかれし…まじあいしてる…」

「そろそろホームルームの時間だぞ。起きろ」
「きすでおきる」
「仕方ない…」

俺は姫川の上半身を起こすと躊躇なくキスをする。

「これでいいか?」
「ありがとう…私もう死んでいい…」
「死ぬな。結婚できない」
「わかった死なない!!!」

随分とわかりやすい奴だ…俺が守ってやらないとな

〜お昼〜

「黒宮〜昼飯時にも勉強か〜?ほんと勉強オタクだなお前は」
「そういうお前はもう少し勉強しろ運動バカ」

コイツは大和。野球部のエースで俺とは幼稚園からの仲だ。

「俺には野球がありますし?勉強なんかしなくても大丈夫〜」
「お前の行きたい大学、何やら文武両道を掲げ始めてるらしいな。野球一本は厳しいんじゃないか」
「やっほやまと〜。今日も元気そう」
「姫川じゃん。聞いてくれよ〜黒宮が俺に勉強させようと〜」
「少しは勉強しないとだめじゃない?私だって黒宮に教えてもらってだけどしてるし」

共感してくれると思ったのか…残念だが姫川はそこそこ頭がいい。俺のおかげではあるが。

「ほら」
「ん?ナニコレ。ノート?」
「お前でもわかりやすくまとめてある。これを使うか使わないかはお前の自由だ」

大和はノートを受け取ると少し考えた後。

「少しはするよ、ありがと」

といい自分のクラスに帰っていった。

「黒宮ってさぁ。案外おせっかい焼きだよねぇ」
「時間が空いたからやっただけだ」
「昔だったらその時間も勉強に充ててたくせに」
「だったら俺を変えたのはお前だな」
「じゃあ私とおそろいの髪色に…」
「断る」

〜放課後〜

「黒宮〜帰ろ〜」
「どうせ帰ってもゴロゴロするだけだろう」
「いーじゃん、どーせテストもしばらくないんだし」
「勉強は普段の積み重ねなんだぞ」

まったく…俺は机の上のテキストとノートを無造作に片付け席を立つ。

「ねーえー、ダメコ行こ?」
「悪くない」

アイと一緒にいる時間は楽しいな。

「どーかした黒宮?」
「お前といる時間は楽しいなと思っていた所だ」
「えへへ〜」
「それじゃーいこっか」

ダメココーヒー店

「私メロンソーダ!」
「アイスコーヒーたっぷりで。クロノワールは食べるか?」
「食べる!!おっきいのにして二人で食べよ!!」
「わかった」

ほどなくして注文したものがやってくる。

「ん〜おいしい〜」
「あぁ、うまい」

幸せそうだな、かわいい奴。

「黒宮っていっつもブラックコーヒーだよねぇ」
「あぁ、これが落ち着く」
「はい、たまには甘いものも飲んでみなよ」

差し出されるメロンソーダのストロー。俺はためらいなく一口もらう。

「たまにはいいもんだな」
「でしょ〜」

〜帰り道〜

「なんだかんだこんな時間になっちゃったね」
「勉強はできなかったが悪くない時間だった」
「ねぇ黒宮。今日シない?
「悪いな、今日は家に家族がいるんだ」
「私ん家でだよ!!///」

ふむ…

「ちょっと待ってろ」
「うん!!」
『もしもし母さん。今日はアイの家に泊まるからメシ要らない』
『あらら〜もう作っちゃったわ〜』
『それじゃ』
『かいりちゃ』ブツッ

「どうだった?」
「問題ない」
「じゃーシよっか♡」

4回戦までシた。
24/03/15 05:48更新 / photon

■作者メッセージ
お久しぶりです、photonです。

やっぱり書くのは楽しいですね。拓斗君たちの物語も今年中には2年生編に行かせたい所存です。

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