蟹食べ放題 ― eat me up ―
― 只今より本艦は潜航を開始いたします。気圧の変化がありますので体調がすぐれない方は係員にお伝えください ―
アナウンスと同時にゆっくりと自分が下に落ち込むような感覚を覚える。観光用問わず、本物の潜水艦に乗ったことのある人間は稀だろう。
「これで船窓があれば雰囲気があるんだろうが・・・」
そう呟くと、隣の席に座っていた悪友の二塚が小突く。
「まぁまあ見てろって」
不意に、天井の一部が割れてそこから海の景色が広がっていく。
「え、ガラス製？」
「いいや、潜水艦の外の光景をリアルタイムで投影しているんだよ。光学迷彩みたいなものだな」
通路側の席に座っていたもう一人の悪友である清家が説明してくれる。
「これが、映像？」
「ああ。俺も初めて見た時は驚いたよ」
壁に触ってみると、確かにガラスとも違う冷たい感覚がある。
「そう言えば二人は竜宮城に行ったことがあるんだっけ・・・・・」
― 竜宮城 ―
高位の魔物娘である「乙姫」の魔力で作られた海の中の理想郷。
日本の法律上は観光特区とされ内部には旅館やホテル、のみならずカジノまで作られている。
また魔物娘の魔力を利用とした海中散歩などのレジャーも用意され、家族連れも楽しめる一大レジャー施設となっていた。
当然のことながら、竜宮城は海中にあるためこうしてシャトルバスならぬ、「シャトルサブマリン」で行くことになるのだが。
― 観光潜水艦「伊４０２」 ―
先の大戦後、五島沖で海没処分された潜水艦の一つであり、その当時最大の潜水艦の一つだ。
純然たる「兵器」ではあるが、海没処分されたことにより所有権を放棄したと解釈され、海底から引き揚げられて日本に移住したドワーフやグレムリンの技術により再生された。
当然ながら、魚雷発射管や機銃は外され推進機関も最新鋭のモーター駆動とスターリン機関のハイブリッドにされている。
トイレや医務室等も新設され、竜宮城までの旅を快適に過ごせるように苦心の跡がうかがえる。
「清家、技術の発展は凄いね」
「信壱〜〜、こんなことで驚いてりゃ身が持たないぞ。竜宮城はそれこそ、タイやヒラメの舞踊りだからな！しかも裸の！」
竜宮城は言っての通り、海中にあるため海の魔物娘達が多く働いている。また近隣では大規模な養殖場もあるためそこで働く魔物夫妻もいる。
ふと見ると、潜水艦の前方をジュゴンを巨大化したような海獣が過る。
「ステラ―カイギュウの群れ、か」
― ステラ―カイギュウ ―
18世紀後半に発見されたジュゴンの近縁種で、その巨体からは三トンの肉と脂肪がとれた。事の起こりはロシア帝国が派遣した探検隊が遭難したことで、探検隊に同行したドイツ人医師ゲオルグ・ステラ―が発見した。
遭難した彼らはステラ―カイギュウの肉で命を繋ぎ、その報告から乱獲され発見からたった27年で絶滅してしまった。
近年、地球環境は変化しつつあり食肉牛を育てるコストは年を追うごとに増大し問題となっていた。その点、クローン再生されたステラーカイギュウは海があれば養殖が可能で今では食用として広く用いられている。
当然ながら「種の尊厳」のためと独りよがりな理由でテロや妨害を行う連中はいた。それを見越して日本は海に面した最貧国に養殖に必要なステラ―カイギュウの番と養殖の専門家としてセルキーを広く派遣したことにより、ステラ―カイギュウの養殖は一般的なものになった。それでも諦めない迷惑な連中はいるにはいたが、養殖場周辺にあらかじめサルバリシオン上がりの魔物娘を「警備員」として配置していたため「問題はなかった」。
連中が銃やバズーカを持ってこようが、未婚の彼らにとっては鴨がネギしょって鍋に入ってカモーンと言っているのに等しい。
― 本艦はこれより竜宮正面、中央港に入港いたします。係員の指示があるまで座席にてお待ちください ―
「いけね」
信壱はは艦内サービスで提供されたライム入りのジンジャエールを飲み干した。
艦内で簡単な持ち物チェックを済ませ、タラップを降りるとそこは一般的な駅のロビーと変わらなかった。
正直、海の魔物娘が多くいると聞いていたので海産物特有の臭いがあると思っていたが、港内は花の匂いや嗅いだことのない南国のフルーツのような華やかな香りに包まれていた。
ついここが海の底じゃないと錯覚しそうになるが、天窓には海中を悠々と泳ぐ人魚やメロウの姿が見える。
「すごいなぁ・・・・」
まるでテーマパークに来た時のようにすべてが光り輝き新鮮に見えた。
〜 偶にはアイツらもやるじゃん 〜
彼、「思惟信壱」と彼らは有体に言えば悪友である。
学生時代は学校のメインフレームをカンニングのためにハッキングするハメになったり、ユーチューバーになると言い出した二人と一緒に潜入した廃屋でゴースト一家に追われるなど碌な目にあっていない。
〜 気のいい連中なんだけどな・・・・ 〜
今回の竜宮旅行も大学の長い冬休み中、どこにも行く用のない彼を「竜宮蟹食べ放題ツアー」を当てた彼らが誘ったからだ。
「おぉーい！ボーとしてんじゃないぞ！！」
「わりぃ、今行く」
港の乗り場では送迎用の小型のオープンカーが三人を待っていた。
「こっちこっち！！」
一向はカーゴスペースに旅行鞄を入れ、座席に身を滑り込ませる。
この送迎車は運転手不要の自動運転らしく、三人が乗り込むと電気自動車特有の起動音を響かせながら発車した。
信壱が煌びやかな街を眺めていると車道を走る自動車は殆どがオープンカーであることに気付いた。
「なぁ、なんで走っているのはオープンカーばかりなんだ？」
「あ、それはな・・・・。ちょっと耳かせや」
「？」
隣に座った清家が耳元に口を近づけ・・・。
「フッ！」
信壱の耳に息を吹きかけた
「ちょｗｗｗｗｗｗｗ」
慌てて耳を押さえる。
「ははｗｗｗｗ面白れぇｗｗｗｗｗｗｗｗ」
〜 やっぱり悪友だ 〜
内心彼が毒づくと、二塚が訳知り顔で説明する。
「魔物娘ってのは美人だ。それでいて積極的。ヤリたい男とヤリたい女が車の中であっても屋根の下に居れば、なぁ・・・・・。」
「ヤっちゃうワケね・・・・。自動運転だし」
レジャー施設「竜宮城」とはいえ、魔物娘が牛耳る「異界」。外界の常識が通じない場所であると信壱は思い直した。
― 割烹旅館「翠星館」 ―
「竜宮城」においては中等の旅館だが、料理については五つ星を貰っている。
「とれたてぴちぴち食べ放〜〜〜題〜〜」
清家が懐かしのｃｍソングを口ずさむ。
確かに五つ星の旅館に泊まれることなんて滅多にない。期待するのもやむなしだろう。
「清家一様、二塚秋尾様、思惟信壱様。お待ちしておりました。わたくし、当館の女将をしております、スキュラの宮田と申します」
艶やかな黒髪を腰のあたりまで伸ばした若いスキュラが彼らを出迎える。
「お食事は18時、二階草月の間にてご用意しております」
信壱が左手に巻いた愛用のチュードル・プリンスデイトを見ると、時間は17：40分。二人と話し部屋に荷物を置くと、少し早い夕食をとることになった。
蟹食べ放題とつくだけに、食事は彼らの想像以上だった。
前菜にはカニ入りのタラモサラダから始まり、焼きガニ、茹でガニ、蟹の甲羅焼など様々なかに料理が用意されていた。またかにを食べる上で欠かせない「かに酢」も独自のものを使っているのだろう。控えめでありながらカニ本来の味を引き出している。
しかしながら・・・・。
〜 食べにくいな・・・・・ 〜
目の前にはくりくりとした瞳の少女、和服の裾から伸びたのは人間の脚ではなくかに足。かにの特徴を持つ魔物娘である「キャンサー」の少女が給仕をしていた。
流石に彼でもキャンサーとかには全く関係ない存在ではあるとわかっていても、どことなく遠慮してしまう。
「信壱様？」
少女が信壱を見る。
「あ、飲み物だっけ。ええっと・・・・」
手元のリストを見るが、あまりなじみのない名前が列挙されている。
「信壱、飲むものが決まらないならトゥールビヨンにしたらどうだ？」
「つーるびよん？二塚、なんだいそれ？」
「ああ。わざわざ地上から取り寄せたウィスキーを海底で熟成させたウィスキーだ。地上で買えば一瓶三万くらいするが、ここなら手間なしで大分安くなる。旅の思い出で飲んでみたらどうだい」
「じゃあ、それをもらおうか」
「畏まりました」
少女はペコリと頭を下げると、バーコーナーに注文を伝え琥珀色の液体が注がれたグラスを運んできた。
「ありがとう」
信壱が謝意を述べると、少女ははにかむように笑顔を見せた。
その輝くような笑顔に顔が火照るのを感じた。
「おやおや、もう惚れたのかい？」
悪友その２の清家が茶化す。
「何言ってんだよ！俺はただ・・・」
「ただ？」
「かわいいなって・・・。なんだよ！二人で生暖かい目で見んなヨ！」
「いやだってなぁ・・」
「浮ついた話が一つも無くて、ホモ疑惑のあるお前にもやっと春が来たかと思うと」
「だ・か・ら・ち・が・う！！！！」
「じゃあホモなの？ボンテージ着てフォー！！なの？ハードゲイなの？」
「それも違う！！って古いなオイ！」
一度盛り上がると際限なく騒ぐのが男同士の飲み会である。三人は飲んで食べてその日の宴会は続いた。
宴会を終え、割り当てられた部屋に戻ると二塚と清家はいそいそと外出の準備をし始めていた。
「じゃあ、俺たちはカジノへ行くから」
「へ？」
「いや、今夜の競魚の最終レースにストロング人魚のシーニャちゃんが出るんじゃ、やっぱり生で見に行かないと！！」
「前回彼女に賭けて大儲けしたからな。お前も一緒に行くか？」
― 競魚 ―
ドラゴニアで行われている「競竜」をヒントに行われるようになったレースで、体重年齢でカテゴリー分けされた人魚たちが特設レース場で泳ぎ、その勝敗に賭けるという競馬の人魚版である。
「俺はパス。どうもウィスキーを飲み過ぎたみたいで少し休むわ」
二人は顔を見合わせるとニヤリと笑う。
「じゃあ仕方ないな〜〜」
その態度にやや煮え切らないモノを感じながら、信壱は布団に身を横たえた。
「寒っ」
ブルッ！
信壱が急に感じた寒さに目を覚ますと景色は一変していた。
畳と布団、そして旅館にはつきものの窓側の謎スペースというものは消えうせ、代わりに銀色のエアマット、三人が一度に入っても十分な大きさのある浴槽。その傍にあるピンク色の液体を詰めたボトル。ダメ押しに金色に輝く特殊な椅子、通称「スケベイス」。もうここまでベタベタだと笑いしか出ない。
彼はジャパニーズプライベートバス、所謂「ソープランド」にいた。
「信壱様起きられましたか？」
そう。
ソープランドには「泡姫」がいる。
そこには先ほど宴会で給仕をしていたキャンサーがたっていた。
その装いも質素な和服から、白のブラと秘所を隠すふんだんにレースをあしらった白のパレオへと変わり、見ようによってはまるでウェデングドレスのようにも見える。
「君ってさっき宴会にいたコだよね？ここって一体？なんで・・・」
矢継ぎ早に質問する信壱にキャンサーは彼の目の前にタブレット端末を差し出す。
「私の名前はクラン。信壱様、答えは彼らが教えてくれますよ」
そう言うと、ピコーンという音共に画面に二塚、清家が映し出される。
「おい！なんなんだよコレ！冗談にしては質が悪いぞ！！」
『そう怒らなくていいじゃねーか。俺たちはお前の事を思ってやったんだぞ？』
『そうですよ信壱様』
見ると二塚の隣には女将の宮田がいた。
『いや〜〜、この前の競魚で俺たち大勝してな。それでコイツに出会って、サァ・・・・」
スキュラの宮田が頬を染める。
『おいおい、俺を忘れんじゃねーぞ』
清家の隣にはウミウシの魔物娘である「トリトニア」が寄り添っている。
『いやぁ、ダンサーをしていたアズライトに宝石みたいだと言ったら求婚されていると思われちゃって・・・』
『私たちトリトニアにそのワードは宝石みたいに綺麗だから傍に置きたいってことですよ。ア・ナ・タ』
清家の傍らのトリトニアがその豊満な身体を彼に押し付ける。異文化交流は難しい。
「そうか。おめでとう。で、なんで？」
『俺たちはこうして幸せを掴んだ。だからお前にも・・・・』
『ハッキングに失敗してヤバくなった時にスーパーハカー並みのテクで助けてくれたのはお前だし、ホーテッドハウスから脱出できたのもお前のおかげだ』
『『だからお前にも幸せになってもらいたいんだ』』
スッ
キャンサーの少女が信壱を抱きしめる。
「信壱様・・・・私は嫌いですか・・・・？」
幼さの残る顔に涙を溜めて彼を見る。
〜 あれ？俺熟女好きなのになんでドキドキしてんだ？ 〜
『『あ、奥手なお前のためにカニ酢を媚薬入りのカニ酢、通称エロ酢に変えておいたから。』』
「チクショォォォォォォ！！！！」
やっぱりアイツらは悪友だと信壱は心の奥底から思い知る。が、しかし・・・。
〜 この密着は・・・ヤバい 〜
信壱もやっぱり男である。おまけに媚薬のブーストがキマり健気なロリに抱きしめられて彼自身が反応しないわけがない。
「信壱様嬉しい。こんなに昂ってくれて・・・」
少女がそのハサミを使い、ゆっくりと信壱の服を脱がせる。
「あの、これは媚薬の効果で、」
しどろもどろになる信壱。
だが。
「？！」
彼女が信壱の唇に自らの唇を重ねた。彼女の舌が信壱の咥内を舐りまわす。
「これで私も媚薬を飲んだことになるますね？」
少女はうっとりとした表情で囁きかける。
「身体の解しますね」
キャンサーの秘技「泡踊り」である。
クランがピンク色の瓶をハサミで取り蓋を開けた時だ。
「あ。」
宙を舞う瓶。その瓶の中身は・・・・。
― サキュバス印の特選エローションウルティメイトストロング ―
タケリダケ１００％の衝撃！獣のような一夜をお約束致します！
注意：ご使用の際はお湯で薄めてください。
スコーン！
浴室は音が響く。ソープランドあるあるである。
ピンク色の瓶が頭にクリーンヒットした信壱はその場に蹲る。
「大丈夫ですか！信壱様！」
クランが心配そうに覗き込んだ。その瞬間だった。
「・・・・ゎ・・・ッ・・・・・ぃ・・・・」
「へ？！」
ガシッ！！
「ちょッ！！！！！」
信壱が急にクランを抱きしめる。
「わっしょい！！！！！！！！！！！！」
「ちょっ、ちょっと！！」
いきなり抱きしめられたためバランスを崩したクランが信壱に倒れ掛かる。
だが！
「わっしょい！わっしょい！！わっしょい！！！」
タケリダケエキスでブーストされた信壱は難なくクランを抱えると浴槽に放り込んだ。
「わっしょい！わっしょい！わっしょい！！カニしゃぶわっしょい！！」
ガンギマリした信壱の瞳にハートが浮かぶ。
ビリィッッッ！
信壱が無理矢理彼女のパレオを引き裂く。そして露わになった彼女の秘裂に顔を埋めた。
「わっしょい！かにだしわっしょい！！」
クリトリスを愛撫するだけに飽き足らず、その舌はにゅるりと秘裂に入り込み彼女の膣内を蹂躙する。
「だっだめぇぇぇぇぇ。そんな激しくしたら・・・私、漏れちゃ・・。ああっ！」
キュポンッ！
舌が抜かれ、彼女が安堵した刹那。
「わっしょい！」
彼の怒張がクランに突き入れられた。
「だめぇぇえぇぇぇぇえぇぇぇぇ！！！！！！」
クランがその衝撃にのけぞった瞬間、彼女が絶頂を迎えると同時に破瓜の血と一緒に生暖かい飛沫が吹き上がる。
「わっしょい！カニスープわっしょい！！！」
そしてそのまま浴槽の湯が溢れるほどの勢いで彼女を貪る。
「いやぁぁぁぁっぁ！でも嬉しぃィィィ！！！」
殿方に全力で愛されて嫌な魔物娘はいない。口では嫌と言いつつも喜んでしまう。
わっしょいを連呼しながらクランをその張り詰めた怒張で犯しつくす信壱。
さながら謎な部族の奇祭である。
何度まぐわい、何度果てたのだろう。
「ァ・・・・・ァァ・・・」
その身体を粘りつく白濁に覆われたクランが呻き声をあげる。
「・・・・カ二・・・グラタン・・・わっしょ・・・い」
このSSを読み終えた諸兄がカニグラタンを食べるごとに居た堪れない気持ちになるようなセリフを吐き、信壱はクランに重なり倒れた。
― 翌朝 ―
「申し訳ない！！！」
信壱はクランに全裸で土下座をしていた。
根が真面目な彼である。友人の策謀とはいえ、魔物娘とはいえ幼気な少女と契った事実は彼に重く圧し掛かっていた。
「・・・・・」
クランは無言だ。
先に目覚めたのは信壱のほうだった。目の前には全身を白く染めた少女。明らかに「事案」である。
「どっ、どうしよう」
パ二くるのは当然である。
その後起きたクラムの目の前で土下座しているわけである。
「頭を上げてください・・」
〜 怒っているッッッ！ 〜
抑揚の感じない声。
恐る恐る信壱は頭を上げた。
そこには泣きそうな顔をした表情のクランが見つめていた。
「私が怒っているのは信壱様が強引に処女を奪った事ではありません！」
クランが信壱を強く抱く。
「信壱様が私の処女を奪ったことを申し訳ないと思っていることです！！！」
「え・・・・」
「私達魔物娘は安易に身体を許したりしません！私は信壱様だから受け入れたのです！！！だから・・だから・・・」
信壱の髪をクランの涙が濡らす。彼女の愛を受け入れた彼が選ぶ道は一つだけだった。
「クラン・・・顔をあげて・・」
信壱が優しく声を掛ける。そしてクランと唇を重ねた。
「順番は逆になっちゃったけど・・・一緒に居てくれますか？」
「はい！旦那様！」
こうして二人は結ばれた。
彼らは知らない。
あの「タブレット端末」スイッチが一晩中入りっぱなしであったことを・・・・。
そして・・・・。
「あの娘あんなエグイことされてる・・・。私も頑張らなきゃ！！！！」
「フォォォォォォ！！たこ触手がアナルに！！！吸盤がコリコリ前立腺を刺激するのぉぉぉ！！！ら、らめぇぇぇぇぇぇぇぇ！！！！！」
「ねぇ貴方・・・電気を消して？」
途端に発光するトリトニアのアズライト。
「ピカピカ光って夜のエレクトリカルパレード、いやエレクトシテルパレードやぁ〜〜〜〜」
二人の激しい営みに中てられて、四人はそれぞれロックな夜を楽しんだそうな・・・・。
後日、それを聞いた信壱は「やっぱり悪友だ」と叫ぶことになったのは無理からぬことだろう。
アナウンスと同時にゆっくりと自分が下に落ち込むような感覚を覚える。観光用問わず、本物の潜水艦に乗ったことのある人間は稀だろう。
「これで船窓があれば雰囲気があるんだろうが・・・」
そう呟くと、隣の席に座っていた悪友の二塚が小突く。
「まぁまあ見てろって」
不意に、天井の一部が割れてそこから海の景色が広がっていく。
「え、ガラス製？」
「いいや、潜水艦の外の光景をリアルタイムで投影しているんだよ。光学迷彩みたいなものだな」
通路側の席に座っていたもう一人の悪友である清家が説明してくれる。
「これが、映像？」
「ああ。俺も初めて見た時は驚いたよ」
壁に触ってみると、確かにガラスとも違う冷たい感覚がある。
「そう言えば二人は竜宮城に行ったことがあるんだっけ・・・・・」
― 竜宮城 ―
高位の魔物娘である「乙姫」の魔力で作られた海の中の理想郷。
日本の法律上は観光特区とされ内部には旅館やホテル、のみならずカジノまで作られている。
また魔物娘の魔力を利用とした海中散歩などのレジャーも用意され、家族連れも楽しめる一大レジャー施設となっていた。
当然のことながら、竜宮城は海中にあるためこうしてシャトルバスならぬ、「シャトルサブマリン」で行くことになるのだが。
― 観光潜水艦「伊４０２」 ―
先の大戦後、五島沖で海没処分された潜水艦の一つであり、その当時最大の潜水艦の一つだ。
純然たる「兵器」ではあるが、海没処分されたことにより所有権を放棄したと解釈され、海底から引き揚げられて日本に移住したドワーフやグレムリンの技術により再生された。
当然ながら、魚雷発射管や機銃は外され推進機関も最新鋭のモーター駆動とスターリン機関のハイブリッドにされている。
トイレや医務室等も新設され、竜宮城までの旅を快適に過ごせるように苦心の跡がうかがえる。
「清家、技術の発展は凄いね」
「信壱〜〜、こんなことで驚いてりゃ身が持たないぞ。竜宮城はそれこそ、タイやヒラメの舞踊りだからな！しかも裸の！」
竜宮城は言っての通り、海中にあるため海の魔物娘達が多く働いている。また近隣では大規模な養殖場もあるためそこで働く魔物夫妻もいる。
ふと見ると、潜水艦の前方をジュゴンを巨大化したような海獣が過る。
「ステラ―カイギュウの群れ、か」
― ステラ―カイギュウ ―
18世紀後半に発見されたジュゴンの近縁種で、その巨体からは三トンの肉と脂肪がとれた。事の起こりはロシア帝国が派遣した探検隊が遭難したことで、探検隊に同行したドイツ人医師ゲオルグ・ステラ―が発見した。
遭難した彼らはステラ―カイギュウの肉で命を繋ぎ、その報告から乱獲され発見からたった27年で絶滅してしまった。
近年、地球環境は変化しつつあり食肉牛を育てるコストは年を追うごとに増大し問題となっていた。その点、クローン再生されたステラーカイギュウは海があれば養殖が可能で今では食用として広く用いられている。
当然ながら「種の尊厳」のためと独りよがりな理由でテロや妨害を行う連中はいた。それを見越して日本は海に面した最貧国に養殖に必要なステラ―カイギュウの番と養殖の専門家としてセルキーを広く派遣したことにより、ステラ―カイギュウの養殖は一般的なものになった。それでも諦めない迷惑な連中はいるにはいたが、養殖場周辺にあらかじめサルバリシオン上がりの魔物娘を「警備員」として配置していたため「問題はなかった」。
連中が銃やバズーカを持ってこようが、未婚の彼らにとっては鴨がネギしょって鍋に入ってカモーンと言っているのに等しい。
― 本艦はこれより竜宮正面、中央港に入港いたします。係員の指示があるまで座席にてお待ちください ―
「いけね」
信壱はは艦内サービスで提供されたライム入りのジンジャエールを飲み干した。
艦内で簡単な持ち物チェックを済ませ、タラップを降りるとそこは一般的な駅のロビーと変わらなかった。
正直、海の魔物娘が多くいると聞いていたので海産物特有の臭いがあると思っていたが、港内は花の匂いや嗅いだことのない南国のフルーツのような華やかな香りに包まれていた。
ついここが海の底じゃないと錯覚しそうになるが、天窓には海中を悠々と泳ぐ人魚やメロウの姿が見える。
「すごいなぁ・・・・」
まるでテーマパークに来た時のようにすべてが光り輝き新鮮に見えた。
〜 偶にはアイツらもやるじゃん 〜
彼、「思惟信壱」と彼らは有体に言えば悪友である。
学生時代は学校のメインフレームをカンニングのためにハッキングするハメになったり、ユーチューバーになると言い出した二人と一緒に潜入した廃屋でゴースト一家に追われるなど碌な目にあっていない。
〜 気のいい連中なんだけどな・・・・ 〜
今回の竜宮旅行も大学の長い冬休み中、どこにも行く用のない彼を「竜宮蟹食べ放題ツアー」を当てた彼らが誘ったからだ。
「おぉーい！ボーとしてんじゃないぞ！！」
「わりぃ、今行く」
港の乗り場では送迎用の小型のオープンカーが三人を待っていた。
「こっちこっち！！」
一向はカーゴスペースに旅行鞄を入れ、座席に身を滑り込ませる。
この送迎車は運転手不要の自動運転らしく、三人が乗り込むと電気自動車特有の起動音を響かせながら発車した。
信壱が煌びやかな街を眺めていると車道を走る自動車は殆どがオープンカーであることに気付いた。
「なぁ、なんで走っているのはオープンカーばかりなんだ？」
「あ、それはな・・・・。ちょっと耳かせや」
「？」
隣に座った清家が耳元に口を近づけ・・・。
「フッ！」
信壱の耳に息を吹きかけた
「ちょｗｗｗｗｗｗｗ」
慌てて耳を押さえる。
「ははｗｗｗｗ面白れぇｗｗｗｗｗｗｗｗ」
〜 やっぱり悪友だ 〜
内心彼が毒づくと、二塚が訳知り顔で説明する。
「魔物娘ってのは美人だ。それでいて積極的。ヤリたい男とヤリたい女が車の中であっても屋根の下に居れば、なぁ・・・・・。」
「ヤっちゃうワケね・・・・。自動運転だし」
レジャー施設「竜宮城」とはいえ、魔物娘が牛耳る「異界」。外界の常識が通じない場所であると信壱は思い直した。
― 割烹旅館「翠星館」 ―
「竜宮城」においては中等の旅館だが、料理については五つ星を貰っている。
「とれたてぴちぴち食べ放〜〜〜題〜〜」
清家が懐かしのｃｍソングを口ずさむ。
確かに五つ星の旅館に泊まれることなんて滅多にない。期待するのもやむなしだろう。
「清家一様、二塚秋尾様、思惟信壱様。お待ちしておりました。わたくし、当館の女将をしております、スキュラの宮田と申します」
艶やかな黒髪を腰のあたりまで伸ばした若いスキュラが彼らを出迎える。
「お食事は18時、二階草月の間にてご用意しております」
信壱が左手に巻いた愛用のチュードル・プリンスデイトを見ると、時間は17：40分。二人と話し部屋に荷物を置くと、少し早い夕食をとることになった。
蟹食べ放題とつくだけに、食事は彼らの想像以上だった。
前菜にはカニ入りのタラモサラダから始まり、焼きガニ、茹でガニ、蟹の甲羅焼など様々なかに料理が用意されていた。またかにを食べる上で欠かせない「かに酢」も独自のものを使っているのだろう。控えめでありながらカニ本来の味を引き出している。
しかしながら・・・・。
〜 食べにくいな・・・・・ 〜
目の前にはくりくりとした瞳の少女、和服の裾から伸びたのは人間の脚ではなくかに足。かにの特徴を持つ魔物娘である「キャンサー」の少女が給仕をしていた。
流石に彼でもキャンサーとかには全く関係ない存在ではあるとわかっていても、どことなく遠慮してしまう。
「信壱様？」
少女が信壱を見る。
「あ、飲み物だっけ。ええっと・・・・」
手元のリストを見るが、あまりなじみのない名前が列挙されている。
「信壱、飲むものが決まらないならトゥールビヨンにしたらどうだ？」
「つーるびよん？二塚、なんだいそれ？」
「ああ。わざわざ地上から取り寄せたウィスキーを海底で熟成させたウィスキーだ。地上で買えば一瓶三万くらいするが、ここなら手間なしで大分安くなる。旅の思い出で飲んでみたらどうだい」
「じゃあ、それをもらおうか」
「畏まりました」
少女はペコリと頭を下げると、バーコーナーに注文を伝え琥珀色の液体が注がれたグラスを運んできた。
「ありがとう」
信壱が謝意を述べると、少女ははにかむように笑顔を見せた。
その輝くような笑顔に顔が火照るのを感じた。
「おやおや、もう惚れたのかい？」
悪友その２の清家が茶化す。
「何言ってんだよ！俺はただ・・・」
「ただ？」
「かわいいなって・・・。なんだよ！二人で生暖かい目で見んなヨ！」
「いやだってなぁ・・」
「浮ついた話が一つも無くて、ホモ疑惑のあるお前にもやっと春が来たかと思うと」
「だ・か・ら・ち・が・う！！！！」
「じゃあホモなの？ボンテージ着てフォー！！なの？ハードゲイなの？」
「それも違う！！って古いなオイ！」
一度盛り上がると際限なく騒ぐのが男同士の飲み会である。三人は飲んで食べてその日の宴会は続いた。
宴会を終え、割り当てられた部屋に戻ると二塚と清家はいそいそと外出の準備をし始めていた。
「じゃあ、俺たちはカジノへ行くから」
「へ？」
「いや、今夜の競魚の最終レースにストロング人魚のシーニャちゃんが出るんじゃ、やっぱり生で見に行かないと！！」
「前回彼女に賭けて大儲けしたからな。お前も一緒に行くか？」
― 競魚 ―
ドラゴニアで行われている「競竜」をヒントに行われるようになったレースで、体重年齢でカテゴリー分けされた人魚たちが特設レース場で泳ぎ、その勝敗に賭けるという競馬の人魚版である。
「俺はパス。どうもウィスキーを飲み過ぎたみたいで少し休むわ」
二人は顔を見合わせるとニヤリと笑う。
「じゃあ仕方ないな〜〜」
その態度にやや煮え切らないモノを感じながら、信壱は布団に身を横たえた。
「寒っ」
ブルッ！
信壱が急に感じた寒さに目を覚ますと景色は一変していた。
畳と布団、そして旅館にはつきものの窓側の謎スペースというものは消えうせ、代わりに銀色のエアマット、三人が一度に入っても十分な大きさのある浴槽。その傍にあるピンク色の液体を詰めたボトル。ダメ押しに金色に輝く特殊な椅子、通称「スケベイス」。もうここまでベタベタだと笑いしか出ない。
彼はジャパニーズプライベートバス、所謂「ソープランド」にいた。
「信壱様起きられましたか？」
そう。
ソープランドには「泡姫」がいる。
そこには先ほど宴会で給仕をしていたキャンサーがたっていた。
その装いも質素な和服から、白のブラと秘所を隠すふんだんにレースをあしらった白のパレオへと変わり、見ようによってはまるでウェデングドレスのようにも見える。
「君ってさっき宴会にいたコだよね？ここって一体？なんで・・・」
矢継ぎ早に質問する信壱にキャンサーは彼の目の前にタブレット端末を差し出す。
「私の名前はクラン。信壱様、答えは彼らが教えてくれますよ」
そう言うと、ピコーンという音共に画面に二塚、清家が映し出される。
「おい！なんなんだよコレ！冗談にしては質が悪いぞ！！」
『そう怒らなくていいじゃねーか。俺たちはお前の事を思ってやったんだぞ？』
『そうですよ信壱様』
見ると二塚の隣には女将の宮田がいた。
『いや〜〜、この前の競魚で俺たち大勝してな。それでコイツに出会って、サァ・・・・」
スキュラの宮田が頬を染める。
『おいおい、俺を忘れんじゃねーぞ』
清家の隣にはウミウシの魔物娘である「トリトニア」が寄り添っている。
『いやぁ、ダンサーをしていたアズライトに宝石みたいだと言ったら求婚されていると思われちゃって・・・』
『私たちトリトニアにそのワードは宝石みたいに綺麗だから傍に置きたいってことですよ。ア・ナ・タ』
清家の傍らのトリトニアがその豊満な身体を彼に押し付ける。異文化交流は難しい。
「そうか。おめでとう。で、なんで？」
『俺たちはこうして幸せを掴んだ。だからお前にも・・・・』
『ハッキングに失敗してヤバくなった時にスーパーハカー並みのテクで助けてくれたのはお前だし、ホーテッドハウスから脱出できたのもお前のおかげだ』
『『だからお前にも幸せになってもらいたいんだ』』
スッ
キャンサーの少女が信壱を抱きしめる。
「信壱様・・・・私は嫌いですか・・・・？」
幼さの残る顔に涙を溜めて彼を見る。
〜 あれ？俺熟女好きなのになんでドキドキしてんだ？ 〜
『『あ、奥手なお前のためにカニ酢を媚薬入りのカニ酢、通称エロ酢に変えておいたから。』』
「チクショォォォォォォ！！！！」
やっぱりアイツらは悪友だと信壱は心の奥底から思い知る。が、しかし・・・。
〜 この密着は・・・ヤバい 〜
信壱もやっぱり男である。おまけに媚薬のブーストがキマり健気なロリに抱きしめられて彼自身が反応しないわけがない。
「信壱様嬉しい。こんなに昂ってくれて・・・」
少女がそのハサミを使い、ゆっくりと信壱の服を脱がせる。
「あの、これは媚薬の効果で、」
しどろもどろになる信壱。
だが。
「？！」
彼女が信壱の唇に自らの唇を重ねた。彼女の舌が信壱の咥内を舐りまわす。
「これで私も媚薬を飲んだことになるますね？」
少女はうっとりとした表情で囁きかける。
「身体の解しますね」
キャンサーの秘技「泡踊り」である。
クランがピンク色の瓶をハサミで取り蓋を開けた時だ。
「あ。」
宙を舞う瓶。その瓶の中身は・・・・。
― サキュバス印の特選エローションウルティメイトストロング ―
タケリダケ１００％の衝撃！獣のような一夜をお約束致します！
注意：ご使用の際はお湯で薄めてください。
スコーン！
浴室は音が響く。ソープランドあるあるである。
ピンク色の瓶が頭にクリーンヒットした信壱はその場に蹲る。
「大丈夫ですか！信壱様！」
クランが心配そうに覗き込んだ。その瞬間だった。
「・・・・ゎ・・・ッ・・・・・ぃ・・・・」
「へ？！」
ガシッ！！
「ちょッ！！！！！」
信壱が急にクランを抱きしめる。
「わっしょい！！！！！！！！！！！！」
「ちょっ、ちょっと！！」
いきなり抱きしめられたためバランスを崩したクランが信壱に倒れ掛かる。
だが！
「わっしょい！わっしょい！！わっしょい！！！」
タケリダケエキスでブーストされた信壱は難なくクランを抱えると浴槽に放り込んだ。
「わっしょい！わっしょい！わっしょい！！カニしゃぶわっしょい！！」
ガンギマリした信壱の瞳にハートが浮かぶ。
ビリィッッッ！
信壱が無理矢理彼女のパレオを引き裂く。そして露わになった彼女の秘裂に顔を埋めた。
「わっしょい！かにだしわっしょい！！」
クリトリスを愛撫するだけに飽き足らず、その舌はにゅるりと秘裂に入り込み彼女の膣内を蹂躙する。
「だっだめぇぇぇぇぇ。そんな激しくしたら・・・私、漏れちゃ・・。ああっ！」
キュポンッ！
舌が抜かれ、彼女が安堵した刹那。
「わっしょい！」
彼の怒張がクランに突き入れられた。
「だめぇぇえぇぇぇぇえぇぇぇぇ！！！！！！」
クランがその衝撃にのけぞった瞬間、彼女が絶頂を迎えると同時に破瓜の血と一緒に生暖かい飛沫が吹き上がる。
「わっしょい！カニスープわっしょい！！！」
そしてそのまま浴槽の湯が溢れるほどの勢いで彼女を貪る。
「いやぁぁぁぁっぁ！でも嬉しぃィィィ！！！」
殿方に全力で愛されて嫌な魔物娘はいない。口では嫌と言いつつも喜んでしまう。
わっしょいを連呼しながらクランをその張り詰めた怒張で犯しつくす信壱。
さながら謎な部族の奇祭である。
何度まぐわい、何度果てたのだろう。
「ァ・・・・・ァァ・・・」
その身体を粘りつく白濁に覆われたクランが呻き声をあげる。
「・・・・カ二・・・グラタン・・・わっしょ・・・い」
このSSを読み終えた諸兄がカニグラタンを食べるごとに居た堪れない気持ちになるようなセリフを吐き、信壱はクランに重なり倒れた。
― 翌朝 ―
「申し訳ない！！！」
信壱はクランに全裸で土下座をしていた。
根が真面目な彼である。友人の策謀とはいえ、魔物娘とはいえ幼気な少女と契った事実は彼に重く圧し掛かっていた。
「・・・・・」
クランは無言だ。
先に目覚めたのは信壱のほうだった。目の前には全身を白く染めた少女。明らかに「事案」である。
「どっ、どうしよう」
パ二くるのは当然である。
その後起きたクラムの目の前で土下座しているわけである。
「頭を上げてください・・」
〜 怒っているッッッ！ 〜
抑揚の感じない声。
恐る恐る信壱は頭を上げた。
そこには泣きそうな顔をした表情のクランが見つめていた。
「私が怒っているのは信壱様が強引に処女を奪った事ではありません！」
クランが信壱を強く抱く。
「信壱様が私の処女を奪ったことを申し訳ないと思っていることです！！！」
「え・・・・」
「私達魔物娘は安易に身体を許したりしません！私は信壱様だから受け入れたのです！！！だから・・だから・・・」
信壱の髪をクランの涙が濡らす。彼女の愛を受け入れた彼が選ぶ道は一つだけだった。
「クラン・・・顔をあげて・・」
信壱が優しく声を掛ける。そしてクランと唇を重ねた。
「順番は逆になっちゃったけど・・・一緒に居てくれますか？」
「はい！旦那様！」
こうして二人は結ばれた。
彼らは知らない。
あの「タブレット端末」スイッチが一晩中入りっぱなしであったことを・・・・。
そして・・・・。
「あの娘あんなエグイことされてる・・・。私も頑張らなきゃ！！！！」
「フォォォォォォ！！たこ触手がアナルに！！！吸盤がコリコリ前立腺を刺激するのぉぉぉ！！！ら、らめぇぇぇぇぇぇぇぇ！！！！！」
「ねぇ貴方・・・電気を消して？」
途端に発光するトリトニアのアズライト。
「ピカピカ光って夜のエレクトリカルパレード、いやエレクトシテルパレードやぁ〜〜〜〜」
二人の激しい営みに中てられて、四人はそれぞれロックな夜を楽しんだそうな・・・・。
後日、それを聞いた信壱は「やっぱり悪友だ」と叫ぶことになったのは無理からぬことだろう。
21/01/13 21:43更新 / 法螺男