読切小説
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風邪を引いたら魔物娘に看病されました
サキュバスの場合

「あらあら、風邪引いちゃうなんて大変ねぇ」
「でも大丈夫よ。私が看病してあげる♪」
「そういえば、風邪を引いた時はいっぱい汗をかけば早く治るのよね?」
「ということは……うふふ♥」
「さぁ!ベッドでもできる気持ち良い運動でたっぷりと」

やめてください悪化しちゃいます。



刑部狸の場合

「ほれ、風邪に効くお薬を調達してきたで」
「あぁそれと、折角やから生姜湯を作ってきたんや。よかったら飲んでや」
「え?『そんなに甲斐甲斐しくしても貧乏だから何も出せない』やと?」
「なにゆうてんねん。わいはあんたに早う元気になってもらいたいだけなんや」
「安心せい。最後までわいが責任持って付き合ったるからな…………計画通り♪

その後、風邪で弱ってる心を利用されて身を捧げる羽目になりました。


アヌビスの場合

「ふむ……38℃か。これなら明日になれば平熱まで下がるだろう」
「その咳と鼻水も、明日までには止めてもらうからな」
「なに?『簡単に言わないでよ』だと?」
「弱音を吐くな。私の計画通り、何が何でもその風邪は治してもらうからな」
「…………明日は……結婚記念日なんだから……

なんとかして治してみせます。君と過ごす記念日のためにもね。



アオオニの場合

「あなた〜、具合はどう?大丈夫?」
「うん……咳は落ち着いたみたいだけど、まだ熱っぽいわね」
「あ、そうそう。私ね、あなたのために卵酒を作ってきたの」
「これ風邪にとても効くから……え?」
樽一杯も作ったのかって?」
「ええ、早くあなたの風邪を治したくて……沢山作っちゃった♪」

いやいやいや作り過ぎだから!そんなに飲んだら大変なことになるから!
あ!ま、待ってくれ美知代!お願いだからやめtあぁぁぁああぁぁぁあぁぁあ!!



アポピスの場合

「あらぁ、なんだか苦しそうねぇ。風邪ってそんなに辛いのかしら?ま、私には関係ないけど」
「話は変わるけど、ジパングにはこういう諺があるらしいわ」
「……毒をもって毒を制す」
「あら、知ってるの?それなら話が早いわ」
「つまり何が言いたいのか……分かるわよね?」
「ふふふ……そういうことよ……さぁ覚悟しなさい!私の毒をたっぷり注いであげるわ!!」

確かに風邪は治ったけど、その代わりにインキュバスとなって彼女の婿になりました。


セルキーの場合

「え?『ちょっと肌寒い』ですって?」
「…………」
「……も、もう!しょうがないわね!一緒にあたしの毛皮に入りたいんでしょ!」
「き、今日だけなんだからね!特別なんだから、感謝しなさいよね!」
「…………」
「……これで元気になってくれなきゃ……許さないんだから……」

ありがとう。お陰でぐっすり眠れそうだよ。



ベルゼブブの場合

「はぁ、はぁ……すっごい汗……」
「むわ〜んって臭うし……よだれも鼻水もダラダラ……」
「…………」
「…………ね、ねぇ……」
「舐めていい?食べていい?いいか?いいよな?」

今の僕は体液のフルコースと言う名の最高のご馳走みたいです。



ダークエルフの場合

「ねぇ、風邪を引いた時はネギが効果的だって知ってた?」
「と言う訳で、ネギ料理を作ってきたの。美味しそうでしょ?ネギ間に、ネギサラダに、ネギドリンク……」
「……え?なんか一つだけ妙に大雑把なものがあるって?」
「ああこれ?これはねぇ……」
「……下のお口で味わうの♥」

待て待て待て待て待て!それ、あの迷信だろ!?無理だから!ブっ込んだら死んでまうから!あ!ちょっ!やめt


ズボッ!!

アッー!!



サハギンの場合

「…………」
「………………」
「……………………」
「…………………………」
「…………………………早く……元気になってね……」

普段は無表情な彼女が一瞬だけでも微笑んでくれたのは嬉しかったです。



マーチヘアの場合

「なになに?どうしたの?なんだか熱っぽいし息が荒いよ?」
「はっ!もしかして……ヤリたいの?ヤリたくて興奮してるの!?」
「え?『苦しい』って……おちんちんが苦しいくらい勃ってるってこと!?」
「え!?『今日は寝ていたい』って……あ、そうか!今日は騎乗位でガンガン攻められたいってことね!」
「えぇ!?『やめてくれ』って……焦らすのはやめてくれ!早く愛し合おうぜ!ってことね!」
「オッケー、ダーリン♪今日も激しくなりそうね♪」

頼むから今だけは勘弁してください(泣)



ファラオの場合

「すぅ〜……はぁ〜……」
「さぁ……」
「風邪よ!私の夫を解放しなさい!」
「…………」
「……何故……何故私の命令が聞けないの!?」

いやウィルスに命令とか流石に無理があるでしょ。



バフォメットの場合

「兄上〜、具合はどうなのじゃ?」
「兄上、風邪なんかに負けちゃダメなのじゃ。わしが頑張って兄上の看病をするから、兄上も頑張って風邪を治すのじゃ」
「そうじゃ!兄上が早く良くなるように、おまじないをかけてあげるのじゃ!」
「せ〜の……ちちんぷいぷい、風邪さん風邪さん、どこかへ飛んで行け〜♪」
「……えへへ♪兄上、早く良くなると良いの!」

風邪よ!後生の頼みだ!まだ俺の身体から飛んで行かないでくれ!
俺はまだ、この最高の幸せを味わいたいんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!



ウシオニの場合

「あ〜あ、風邪引いちまったのか……」
「なぁに、心配するな!治るまで俺が看ててやるからよ!」
「つーわけで、早速お前のために作ってきて……え?」
「『その赤くて黒くてドロドロで強烈な臭いを発してる液体はなんですか?』だと?」
「これな、風邪に効きそうなものを適当に混ぜて作ったドリンクだ」
「そんなに不安そうな顔すんなよ。最近料理を勉強し始めた俺に抜かりは無い!」
「これさえ飲めば風邪なんてすぐに治るぞ。さぁ、グイッと!」」
「おいおい、遠慮するなよ。さぁさぁ飲みなって。さぁ、さぁ、さぁ!」

〜翌日〜

「おっかしいぁな……治ったと思ったら今度は腹痛かよ。一体何が原因で……」


奈々さん、あなたの所為です。



ドラゴンの場合

「うぅん?どうした……具合が悪いのか?」
「なんだこれは……身体が冷たくなってるな。顔色も悪そうだし……」
「なに?『寂しいから傍に居て』だと?『付きっきりで看病されたい』だと?』」
「やれやれ、甘えん坊だな……いいだろう。私が看病してやるよ」
「さて……どうした?腹減ったか?喉が渇いたか?」
「……え?手を握って欲しい?」
「ふっ、ここまで甘えん坊だとはな」
「仕方ない……ほら、どうだ?」
「……温かい?」
「全く、照れ臭いことを言ってくれる」
「……ずっとこうしていたい?」
「……バカ……」
「…………」
「早く元気になってね……My darling」


と、クマのぬいぐるみにブツブツ言いながら妄想に近い言動をしているオリヴィアさんを見てしまいましたけど、あの人の名誉のために見なかったことにします。
……きっと寂しいのです……うん……。

by とあるシー・ビショップ
14/07/21 23:48更新 / シャークドン

■作者メッセージ
と言うわけでメッチャ短いですけど息抜きとして書いてみました。
ここ最近、サイトにもツイッターにも顔を出してなかったけど私は元気ですよ〜。

……え?なんか名前がちょくちょく出てきた?
まぁ、これはほんのお遊びということで……え?
最後のドラゴンさん?
…………。
…………。

読んでくださってありがとうございましたぁ!(待て)

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