連載小説
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夫選び談義
「全く信じられん・・・」
あきれたようにアマゾネスの戦士が肩をすくめてため息混じりに言う。
「勝負をして自分に勝った相手を夫とするだと? 男は自分の手で捕らえて無理やり夫にするものだ」
「何を言っているの? 優れた子孫を残すためには強い遺伝子の方がいい。それだったら自分に負けるヘナチョコな男なんかより、自分に勝つ強い男のほうがいいわ」
腰に片手を当て、リザードマンの戦士が負けじと言い返す。
「それで、自分に勝った男に貴様は負け犬よろしく尻尾を振るわけだ」
「なんですって? その言い方を撤回しなさい!」
リザードマンがアマゾネスを睨みつける。
生き物をも殺しかねないその視線をアマゾネスは平然と受け止める。
魔界の中心で激しい議論が繰り広げられていた。
そこに乱入者が現れる。
「私もアマゾネスの考え方に賛成だ。 男は自分の手で捕らえるものだ」
スキュラだ。
彼女たちも男たちに襲いかかって海に引きずり込んで自分たちの夫にするタイプだ。
他にもぞくぞくとアマゾネス側につく魔物娘が集まる。
ワーバット、ブラックハーピー、ホーネット、アカオニ、ギルタブリル・・・
みんなプレデター(捕食者)タイプだ。
一方、リザードマン側についているのは今のところ過去に人間に負けたことのあるオークとワーウルフ、子孫のためというより捕まってしまったからという理由で自分をとらえた人間に従うミミックやつぼまじん、ナイトメアだ。
シー・ビショップやサイクロプス、雪女、ユニコーンなどはプレデタータイプではないが、戦って自分に勝った人間を夫にするタイプでもないため、中立的な立場をとっている。
今も両者の議論が喧嘩に発展しないよう、必死に両者をなだめようとしている。
『とは言え、私たち側の魔物娘は少ないし、半分は押しが強くない・・・やはり【自分に勝った相手を夫にする】というタイプは変わり者なのか?』
【自分に勝った相手を夫にする】タイプ代表(?)のリザードマンの心が折れかかる。
だがそのとき、強力な援軍がリザードマン側に現れる。
「私も【自分に勝った相手を夫にする】タイプでもあるぞ? 悪いか?」
ドラゴンだ。
現れたのは一匹なれど、その発言力はやはり強力だ。
もちろん戦闘力でも・・・
ここでアマゾネスがドラゴンを挑発でもして喧嘩が起きれば、みんな無事ではすまないだろう。
サイクロプスがなんとかして欲しいと、面白がって傍観していたサキュバスに涙目で視線を送った。
サキュバスは了解したとうなずき、おまけにウインクを一つする。
そしてその場にいる全員に向かって高らかに言ってのけた。
「でも過程はともかく、やっぱり私の彼が一番よね!」
どよめきが走り、みんな口々に叫びだす。
「何を言う! 私の旦那がいちばんさ!」
「彼を越す男なんているはずないわ!」
口々に叫びだした魔物娘たちを見て思惑通り行ったとサキュバスはニヤリと笑う。
先ほどまでは【自分に勝った相手を夫にするグループ】VS【プレデターグループ】の構造だったが、今は個人同士の争いになっている。
また、自慢の対象が夫や彼個人の話であるため、ここで妻や恋人である自分たちが言い争ったり、ましてけんかしたりしても意味がない。
日も暮れかけている。
魔物娘たちは突然口をつぐみ、うなっていたが、突然口をそろえて叫んだ。
「誰がなんと言おうと、私にとっては夫(彼)が一番だ!」
それを感じるため、魔物娘たちは帰路に着く。
時間ももう夕方だ。
すぐ後の夜の営みを期待して魔物娘たちは股間を濡らしていた。


「へっくしょん!」「はっくしょん!」「ぶえっくしょい!」
「やばい・・・俺をはじめ、なんか急に男たちがくしゃみをしだしたな・・・」
「だれかが噂をしているな」
「嫌な予感がする・・・」
10/10/07 22:40更新 / 三鯖アキラ(旧:沈黙の天使)
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■作者メッセージ
ウケを狙えてないな・・・書きたかった内容とは言え、ちょっと反省orz

皆さんはどんなタイプがいいですか?

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