読切小説
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赤と白の交差
「明石くん!!」
「明石さま!!」
「「私を選んでください!!!」」

俺に詰め寄る赤と白の蛇。夏の蒸し暑さと、対照的な教室の壁のひんやりとした感触がこれが悲しきかな現実だというのを証明している。

俺は明石司、人魔共学の高校に通っている2年生。

「賢い明石くんなら私を選んでくれるよね?」

官能的な褐色の肌を存分に露出させるよう制服を改造しているはアメリア・スカーレット。
音楽の名門スカーレット一族の愛娘にしてなんと倍率20倍を誇るこの学校の音楽科史上初の特待生として入学した天才だ。

「いいえ、明石さまは私を選ぶに決まっています」

そして全身真っ白で大和撫子を体現したかのように制服を着物に改造しているのは水無月白百合。
日本画の天才で彼女のファンは国内に留まらず海外にも根強いファンが居ると聞く。噂だが彼女の日本画には日本円にして7桁後半の額が付いているとも聞く。

ちなみに俺、明石司は日本の平凡な家庭に生まれ、特に生まれ持った才能も無く中程度のルックス。友達も多くも少なくも無いと言った普通の高校生だ。

何故そんな平凡な俺にこんな天才2人はゾッコンなのだろう。

「取り合えずアメリアさんも白百合さんも離れてくれない?」
「嫌よ」
「嫌です」

なんでこんな時だけこんなにタイミングばっちりなんだよ…

とりあえず今はこの包囲網を脱出しなければ…

「あっ、先生!!」
「なに!?」
「なんです!?」
「今だ!!」

一瞬の隙ををついて包囲網を脱出する。ここは4階、2階まで降りたら職員室がある、そこで男性教師に助けもらおう。

「明石く〜ん♡追いかけっこは大好きだよ〜♡」
「わんぱくな明石さまも大好きですよ♡」

ヒィ…赤鬼より鬼してるよあのラミア2人…

しかし俺のほうが足が速い!!もう2階、職員室までは50メートルを切っている。

「せんせぇぇぇえぇぇえぇえぇえええ、たすk」
「はい捕まえたぞ明石」

助けを呼んだ俺を捕まえたのはアメリアさんでも水無月さんでもない。体育教師の鈴木先生だ。

「鈴木先生!離して!!」
「悪いな明石、俺買収されてるんだ」
「この汚職教師!教育委員会に突き出してやる」
「じゃあその前に2人にお前を突き出して証拠隠滅しなきゃな」

なんとか脱出したいが相手は体育会系の鈴木先生。分が悪いどころではない。

「鈴木先生、何万もらってる」
「合計で6桁くらい」

クッソ買収するのも無理だ…

「おとなしくしておけ、いいじゃないか。あんな美人2人に迫られるなんて役得だぞ?」
「俺はもっと身の丈に合った人と恋愛したいんだよ!!」
「その気持ちもわたるぞ、でも魔物娘は基本男より高給取りだからな…しかも奥さんが刑部狸だったら…この金はへそくりにしなければ…」

先生も苦労してんだな… 今はそれどころじゃないが

「ふふっ、ありがとうね。鈴木先生」
「ありがとうございます、鈴木先生」

ついに悪魔2人がやってくる。じたばたと悪あがきをするが結局無駄だった。

「それじゃ、後は若者同士で頑張ってくれ」
「はなせ〜」
「ダメよ」
「ダメです」

2人に押さえつけられ入れられたのは生徒指導室。実はここはこの学校の有名なヤリ部屋なのだ。

「さぁ♡たくさん愛し合おうね」
23/08/05 05:43更新 / photon

■作者メッセージ
連載小説にしようか悩んでる。

明石司君 ラミア系を引き付けてしまう魔力を持つ少年。彼に恋するラミアは多いが2人がライバルと知ると素直に引き下がる子が多数らしい。

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