連載小説
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ep4「マッサージされると眠くなります」
俺は現在自分の部屋でとある計画を練っていた。
それは、彼女たちが言う湖での水遊びの為のものだ。
彼女たちからのリクエストなどを聞いた後なのでそれの値段などをメモ用紙に書いて現代から持ってきていた電卓を使い計算する。

「うぅ〜んッ、少なくとも2万ギルは持っておこうかな?」

俺は電卓でギル(1ギル=100円)について考えてから新しいメモ用紙に羽ペンを使い書き記した。
計算上ではヴァンのリクエストである水着が一着セットで5000ギル。
そんでもってセツは、ビーチボールをリクエストしてきた。
ビーチボールは1200ギルなので金銭的には問題ない。
しかし、俺が欲しいものを考えると23800ギルなので2万ギルで収まらない。
俺が欲しいものと言うのは…―

「……足りない」

俺が欲しいのはバーベキューセット。
俺が欲しいバーベキューセットはドワーフとサイクロプスの共同制作されたものなので普通の物よりも値は張るのだ。
普通のバーベキューセットが5000ギルおすればこれはそれほどの勝ちがあるということだ。

「……高い」
「本当だぁ〜」

俺は深くため息をついているといつの間にか部屋に入って来ていたヴァンとセツが俺の後ろからメモ用紙を覗き込んでいた。
しかし、彼女らが後ろから覗き込んでいるのでデカ乳が俺の背に押し当てられている。
心の中で「これはご褒美です♪」と意味の分からないことを思っていた。

「……いつから居たんだ?」
『さっきからいた』
「うんッ、……お前らって意外なところで意気投合するよな?」
『……ぽッ///』
「褒めてはいない駄アホ共が……」

頬を染めて微笑んでいる彼女らの反応を見て俺は再度ため息を漏らした。
するとセツが俺の肩を揉んできた。

「……凝ってる」
「あぁ、最近は浮かれることが多くなったからかな?」
「それじゃあ、僕たちがマッサージをしてやるよ?」
「うん、それじゃあ……明日にでも買い物に行くとしようかね?」
「……賛成」
「そんじゃあ、ベットに横になってね?」

俺は彼女らに手を引っ張られ半強制的にベットにうつ伏せのまま横になった。
ベットの上にヴァンが乗って来ては足の脹脛を揉んできた。
セツは床の肘をつけて、俺の背を両手親指で押してゆくのだ。

「……おぉうッ♪」
「結構良い揉み応えだよシュー♪」
「そうですか……それは何より」

俺は彼女らに身をまかせて枕に顎を置いてから意識を手放してしまった。
一瞬、彼女らが微笑んだのが見えたのはきっと気のせいだろうと思って眠りに入った。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「シュー寝ちゃった?」

シューが眠りに入ったのをヴァンが聞いてきた。
私ことセツはヴァンの方を見て小さく頷いた。

「……ぐっすり」
「そっかぁ〜……もう少しやっておかない?」
「……コクリッ」

私はヴァンの意見に賛成して頷いた。
ヴァンは「わふぅ〜ッ♪」と微笑みながら吠えて彼の左足の脹脛を揉んでゆくのだ。
さぁ、私もマッサージを再開した。
彼の背を見ていると何だか大きく見える。
これは、男だらだろうか分からないが無駄な脂肪もなく、筋肉質ではない引き締まった背中だ。
私とヴァンはシューという彼氏…もとい夫を刺ささえる義務があるのだと思うことが多々ある。

「……逞しい♪」
「そうだねぇ〜ッ、僕たちを守ってくれている男の背中だもんねぇ〜♪」
「……うん、そうだな?」

そう言って私は彼の衣服を迅速な速さで脱がして上半身裸にした。
裸にしてみて思ったが、いい体つきをしていた。
しかし、一か所だけ不思議なところがあった。

「……あぁ、この傷は……」
「それは僕の爪痕だよ?」
「……そうか」

私が傷跡を指でなぞってから首を傾げていたら切なげにヴァンが言ってきた。
ヴァンを見てみると頭の上にある耳も垂れてどこか悲しそうな表情を浮かべていた。

「……その顔はシューが悲しむ」
「……うん」

あの元気ハツラツのヴァンがこうも悲しい表情を浮かべるのも少なくない。
以前、私が大切にしていた母から貰った手首の鎌を磨くための砥石を砕いてしまった時も彼女はこんな顔をしていた。

「セツ怒ってる?」
「……怒ってはいない」
「……本当に?」
「あぁ、本当さ。まったく、ヴァンは笑顔の方がシューに喜ばれる」
「うん、わかった」
「わかれば宜しい」

私はヴァンに近寄り抱きしめて頭を撫でてやった。
彼女は「くぅ〜んッ♪」と小さく甘えるように泣いてから嬉しそうに尻尾を振っていた。
私たちマンティスは彼女のように感情を表現することはめったにない。
彼女も彼女でシューの為に何か努力しているようだった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「有難うセツ」
「……気にすることは無いさ」
「うん、有難うね?」

僕ことヴァンはセツに頭を下げてから微笑んだ。
彼女とはシューと出会うまでの間、共に森を守っていた相棒だ。
こうしてみると彼女の方が私よりかは上位の魔物だというのを改めて確認してしまった。
私のように群れを成すこともなく彼女はシューみたいに一人で生活することができる尊敬できる相棒だ。
それでも、私はセツを姉のように見てしまうことがある。
彼女とシューと話しているところも、狩りをすることろも全て大人な女性をイメージするところがあった。
でも、最初にシューに唾をつけたのはこの僕だ。
だけど…彼女とならばシューを取り合うことはすることもない。
ましてや、僕の振る舞いを全て見通しているかのようにシューへのアプローチを教えてくれたのもセツだった。
何か悔しいこともあるけど僕はセツに負けないところがある。
それが、この感情表現だ…でもこれは彼女には口にしない。
種族的な意味でのことなのでとやかくは癒えないのだ。
だから、私はセツと至らないところを支え合いながらシューを愛すると二人で決めたんだ。
13/03/27 14:24更新 / オガちゃん
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■作者メッセージ
はい、オガちゃんです。
今回はほ・ん・と・う・にグダグダ成分が出ていたorz
穴があったら入らせてほしい。
次回は買い物回を考えています。
何かリクエストがあれば感想欄にでもお書きくださいな♪
ではではノシ

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