「これで終わりだ！ジャスティィィスブレイクゥゥ！！！バァァァンアウトォォ！！」


俺の必殺技を受けて肉体強化されたミノタウロスの体がぐらりと傾き、そのままドサリと倒れた

急所は外しているのでおそらく気絶しただけだろう

彼女に近づき、頭についている感情を暴走させている装置を壊す

しかし、今回も負けはしなかったものの中々苦戦してしまった

彼女を倒したところで高みの見物をしていた本命の敵の幹部が二人残っている


　「流石はジャスティスキング、今回も倒してしまったのね」


ボンテージのような服と黒色のマントを羽織り、腰に一振りの剣を差しているサキュバス

『ブラッククイーン』、毎回多くの戦闘員と怪人を引き連れ、俺に勝負を仕掛けてくる敵の将軍だ


　「じゃがそろそろ時間切れじゃ、また次の機会にでも遊んでやろう」


黒いローブと山羊の骸骨を被り、死神を連想させるような大振りの鎌を担いでいるバフォメット

『デスロリータ』、奴らのボスのドラゴンが組織の基地で冬眠している今、実際に組織を管理しているNo,２である

しかし、奴らは転移魔術をつかって逃げてしまった

周囲に戦闘員も居なくなったことを確認して俺が変身を解除すると、オペレーターから通信が入ってきた


　「お疲れ様、とりあえず今回もあいつらをやっつけたみたいね」


　「いくら怪人を倒しても大元を断ってない、またすぐに新しい怪人で事件をおこすだろう」


　「まぁとりあえず報告のためにこっちに戻ってきて、疲れただろうし報告だけ済ませたら今日はもうあがっていいわよ」


　「了解した」


俺は通信を切り、本部に戻るための転移魔術を展開した












本部への報告を終わらせ、家へ帰る

オペレーターのリザードマンに飲みに行かないかと誘われたが、丁重にお断りした

慣れた道をバイクで走り、やがて住宅街にある自宅に着いた

バイクを車庫に片付け、玄関を開けると


　「おかえりなさい、ちょうどご飯が出来たところだから一緒に食べよ」


かわいいエプロン姿をしたサキュバスが俺を出迎えてくれた


　「ただいま、今日はそっちのが早く終わったんだな」


しかし、服装こそ違うもののその顔や声はどう見ても先ほどまで戦っていたブラッククイーンである


　「いつものように基地に戻ったらデスロリちゃんが新しい怪人をどうするか考えだしたから帰ってきちゃった、今日の戦闘は激しかったけど、怪我は無い？」


本名はラキス・クイン、正真正銘俺の彼女である

同棲生活も長くなってきたし、家族が養えるほどの給料ももらえるようになったのでそろそろ結婚も考えている


　「確かに苦戦はしたけれど大した怪我はしてないな」


彼女は心配そうに俺の体を見たり触ってりしてくる、


　「本当に大丈夫？私もちょっと強めに斬り付けたり、今日は戦闘員の魔女ちゃん達も頑張ってたみたいだけど………」


　「心配しなくても、変身していたら大体大丈夫だって、それにくすぐったいからそんなに触らないでくれ」


俺がそういうと彼女の触る手つきが段々いやらしくなっていく

……ヤるのは別に構わないが、せめて飯を食べてからにしたい



何故敵対しているはずの俺とラキスが付き合っているかと言うと………









ダーククラウンが様々な事件を起こし始め、俺がジャスティスキングになって日が浅かった時のことだ

仕事も終わり、お気に入りの店でマスターに愚痴を聞いてもらいながら酒を飲んでいた時だったな


　「貴方もなかなか苦労してるんですね、私も似たような感じですよ」


隣から聞こえた声にふと、視線を向けると私服姿のラキスが酒を飲んでいた

あちらも俺の姿を見て目を丸くしていたっけか

お互いに酒で酔っていたのもあったせいか、顔を合わせるまでは全然気がつかなかったんだ


　「誰かと思ったら貴方だったのね、ふふふ、全然気がつかなかったわ」
　「でも安心して今日はオフだからドンパチやる気はないわよ」


身構えようとする俺に彼女はそう言った

いつものような敵に対する姿勢ではなく、普通の魔物としての姿に俺は見惚れてしまっていた

アルコールが回っていたせいなのか、それともいつもの姿とのギャップのせいなのか、彼女が非常に魅力的に見えた

彼女はしばらく俺に優しく微笑んでいたが、やがて口を開いた

内容は俺と同じように仕事に関する愚痴だった

中には敵対しているからこそ理解できるものや、共感できるようなものも沢山あったので、店が閉まる時間まで酒を呷りつつ喋りあった

それから、ダーククラウンとの戦闘があった日はその店でお互いに愚痴をこぼすのが日常になっていった

建前上はお互いの組織の情報交換というものではあったが、ただ愚痴を並べているだけだった

そんな２ヶ月ほどが経ったとき、ラキスからとある提案が出た

今度の二人が休日のとき、愚痴ばかりの暗い感じではなく、仕事のことは忘れて遊びにいこうというものだった

まぁ所謂デートってやつのお誘いだな、もちろん二つ返事で了承したが

映画見て、昼飯食って、遊園地に行って……

よくあるデートって感じだったんだが、無邪気に楽しんでいた彼女はとても魅力的に見えたな

そして俺が彼女を家まで送っていき、玄関に着いた途端いきなり家に引きずり込まれキスされた

唐突過ぎて目を白黒させている俺に彼女は


　「私は一人の魔物として貴方が好きなの、敵だとかそんなの関係無いわ」


そう言って彼女は俺を犯した

激しい交わりの後、俺も彼女の事が好きだということを伝えて、もっと激しく交わった

一晩中交わり続けたので次の日の戦闘で負けてしまったのは仕方が無いことだと思う

骨抜きにされて戦闘がままならないってことにならならかっただけマシだ、そう思いたい

まぁその後、敵対組織に所属しているからってことで色々あってしばらくギスギスしていた時もあったが、２年ほど前から同棲を始めている

もちろんお互いに自分の組織に俺たちが付き合っているは伝えて無い、面倒なことになって別れるようなことにはなりたくないしな

今の俺には彼女が必要だし、彼女もそう思ってくれているはずだ












食事を済ませ、一緒にお風呂に入って、特にすることもないので寄り添いながらボーっとする

言葉は無いがじんわりとラキスの暖かさが伝わってくる

彼女の頭を撫でていると、急にラキスがじーっとこちらを見つめてきた


　「そろそろ、寝よっか」


　「おう」


俺が軽く返事し、立ち上がろうとするのだがラキスが俺の腕を掴んだまま離してくれない

何がしたいのかと聞こうと思い、そちらに向き直るとラキスは顔を少し紅く染めていた


　「………今日はあれでしたいんだけど///」


あぁ、そういうことか

俺は彼女の言いたいことを把握し返事の代わりにラキスの頭をもう一度撫でてやり、準備に取り掛かった













月明かりだけの薄暗い寝室に二人は居た

しかし、二人とも昼間と同じ服装（正義は変身、ラキスは戦闘服）だ

そのうえラキスはベットに手足を縛り付けられており、正義は勃起した下半身と顔を露出させている


　「正義のヒーロー様が私にこんな格好をさせてどうするつもり」


鋭い眼光でジャスティスキングを睨みつけるが、彼はベッドの前で仁王立ちしたまま動かない


　「………見れば見るほど良い女だな、敵同士なのがもったいないぐらいにな」


　「褒めてくれてありがとう、じゃあさっさとこれを外してくれない？」


彼女がそう言い終わると同時に正義はラキスの上に覆いかぶさり唇を奪った


　「んむっ！？ちゅぷっ……ぷはぁ、何するのよ！」


　「お前もこうしたかったのじゃないのか？俺と戦っているときによく熱い視線を送ってきているだろう」


彼が口を離して、ぎゅっと彼女を抱きしめる


　「そんなわけないじゃない……私達敵同士なんだから……」


　「敵同士だからこそ良いと思うぞ俺は、なによりそっちの方が燃える」


言い終えると同時に正義は再び彼女の唇を奪い、同時にボンテージのような服の胸元をはだけさせる


　「出てくる言葉と違って体は素直なようだな、乳首が勃ってるぞ」


ラキスは嫌がるように体を捩るが、手足が縛られているので彼を自分の上からどかす事は叶わない


　「そう邪険にすんなって、素直になってくれたら拘束は解いてやるから」


　「素直も何も敵である貴方に体を捧げるつもりなんて無いわ」


正義は「仕方が無いな」と呟き、ラキスの股間を覆っている部分をずらし、そうして露出したわずかに湿っているラキスの性器に自分の勃起した性器を一気に挿入した


　「んっ…あっ……くぅぅぅんっ」


　「ぐっ……結構キツいな……すまん、もう少し濡らしてやればよかったな」


　「くっ……貴方に心配される筋合いは無いわよ、ヤルならさっさと終わらせてちょうだい」


ラキスの言葉を聞いた正義は返事の代わりに自分の腰を深く突き入れた

根元まで挿入し、抜けるギリギリまで腰を引く

ゆったりと、気遣うような動きをしばらく続けていくと、ラキスの声にも甘い声が混ざってきた


　「んっ……んっ……アンッ……うぅんっ……」


　「可愛い声もでるようになってきたな……だが俺もそろそろ限界だからイかせてもらうぜ」


正義は右手をラキスの顔に添えてそっとキスをしてから彼女の体を抱きしめて激しく腰を突きいれはじめた

ラキスはもはや抵抗することなく正義を受け入れ、彼と彼にに与えられる快感になされるがままになっていた

１秒１秒が経つにつれて正義の腰の速度が上がっていき、やがて彼女の膣内の最奥に突き入れるような形で射精した


　「んんんんんんんっ……貴方の熱い精が……私の膣に……」


　「なんだかんだいいながらも楽しんでいたな」


　「うっ…うるさいわね、貴方が早くイクようにあわせていただけよ」


顔を膨らませて反論するラキスに正義はもう一度キスをして、ラキスから少し体を離す


　「あぁそうだ、お前に一つ言い忘れてたことがあった」


彼はベッドに縛られているラキスの右腕を掴み軽く引っ張った

そうすると、縛ってあった紐が千切れて簡単に彼女の拘束が解かれた


　「実はこれ、簡単にとれるようになっていてな、お前が本気で暴れたらすぐに外れるようになってたんだ」


　「なっ……」


彼の行動と言葉にラキスは驚愕した表情にになる


　「まぁ嫌がっているフリをしながらも俺を受け入れてくれたってことだろ、どうせ明日からまた敵対するワケだし今ぐらいは仲良くしようぜ」


ラキスは顔をぷるぷると震わせ、更には赤くなっていく

そして急に正義を抱きしめたかと思うと体を横に半回転させ、正義の上に馬乗りになった


　「えぇそうよ、私は貴方が好きなの、貴方がその気なのならさっきと今までのお返しでトコトン思い知らせてやるわ」


ラキスは彼の性器を一気に挿入して、まるで先ほどの逆になるかのように腰を動かし始めた



















日付が代わり、時針が真横を指している

ラキスと正義はというと、月明かりに照らされながら仲良くベッドで抱き合っていた


　「ふふふ、今日も激しかったわね」


　「どっちが、とは言わないがな」


お互いの手はしっかりと握られており、体は隙間が無いのじゃないかというほどに密着している


　「明日もお互いにがんばろうな」


　「えぇ………いつも思っているけれど敵同士で心配しあうなんて面白いわよね」


　「それは言わないお約束、だろ」


その後、お互いに愛を囁きあっていたら再び性欲が燃え上がり、お互いに求め合った



余談だが、あまりに激しく交わりすぎてそれぞれの組織に向かうのが遅れてしまい、戦闘時間も同じだけ遅れたそうだ
　

■作者メッセージ
恋人が敵の組織の幹部だって話、良いですよね
それが正義のヒーローと悪の組織だっていうのならなお良し
ていうか正義のヒーローや悪の組織って響きだけでテンションが上がりますね

そんな感じのダーククラウンズとジャスティスキングの所属している組織の話でいくつか書きたいな〜なんて思っていたりもします

バフォ「そこまでモチベーションが持つかどうかの問題があるがの」

サキュ「他の書いてたらそっちを書く暇が無いっていうのがご主人様ですしね」

………それはあんまり言わないで下さい