連載小説
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血の繋がった妹
 何度目かの再戦の後やがてエバの魔力が失効する。
 「夕暮れ時の教室」の風景が歪んで捻れ、そこから霧となって立ち消える。そして周囲の光景が「いつもの部屋」のそれへと変わり、二人が着ていた制服も泡のように消える。
 夢が覚め、現実に戻る。
 
「はい。これはここで終わり」

 ベッドの上で対面座位で繋がったまま、全裸のエバが爽やかな声で宣言する。プレイの終わりを告げるその言葉を受け、彼女と向き合っていた男が素直に首を縦に振る。
 男も全裸だった。しかし二人は恥じらうことなく、裸のまま平然と話を進めた。
 
「攻めに回るって言うのも、中々刺激的で面白いね」

 両手を相手の首筋に回し、エバが笑顔で男に言う。男もまた頷き、攻められる側も悪くないと返した。
 そこにエバが反応する。穏やかな表情で、アルプが言葉を付け加える。
 
「でも、僕以外の女の人を攻めても楽しくない。でしょ?」

 もちろんだ。エバの問いに男が即答する。潔い返事を貰ったエバは小さく笑い、そのまま「僕もだよ」と言って言葉を続けた。
 
「僕も相手が君だから、意地悪してて楽しいって思えたんだ。他の男の人をいじめたって、楽しくもなんともないよ」

 エバの本心からの言葉。男もそれは同じだった。
 相手が彼だったから。相手が彼女だったから。二人は心行くまでプレイに没頭出来たのだ。
 
「君も僕と同じこと考えてるよね?」
 
 弾む声でエバが問う。当然だ。男はきっぱりそう答えた。
 
「やっぱり! そうだと思ったんだ!」
 
 それを聞いたエバは顔を喜悦で輝かせた。そして朝日の如き満面の笑みを見せ、そのまま男に抱きついた。
 
「えへへ、僕と君で、気持ちが通じあってるんだねっ」
 
 愛する人と同じ気持ちを共有出来ている。それを確認できて、エバは今至上の喜びを感じていた。
 男もまた同様だった。そして彼は自分の嬉しさをもっと伝えようと、エバの背中に回した両腕に力を込め、彼女の細い体を一層強く抱きしめた。
 二人の体が密着する。たわわに実ったエバの乳房が男の胸板に触れ、そのままむにゅっと押し潰される。桜色の乳首が押し込まれ、「キャッ」とエバが可愛らしい悲鳴を上げる。
 
「あ――」

 直後、エバが声を飲み込み黙り込む。潰れた胸越しに、男の心音が聞こえてきたからだ。
 鼓動を通して、彼が今自分の傍にいると実感する。そんな当たり前なことを今更のように思い出し、それでもエバは安らぎを感じた。
 
「……良かった」

 男に身を預けながらエバが呟く。何が? 男が問いかける。
 目を閉じ、穏やかな表情でエバが応える。
 
「君と一緒にいるんだなって実感できて」

 そうか。男が短く相槌を打つ。エバも静かに笑って「幸せだよ」と続ける。
 男も同じく幸せだった。エバが自分と一緒にいることで安らぎを感じている。それが嬉しかった。
 エバがそうであるように、エバの幸せが男の幸せであった。
 
「ねえ、次も僕が注文していいかな?」

 だから男は、エバのその問いも素直に承諾した。今はただ、エバの幸せを優先したいと思っていた。
 
 
 
 
 男がエバのお願いを聞き入れてから数分後、二人は浴室にいた。
 そこは彼らが普段から使っている浴室だった。魔術による外装の変質は行われず、いつもの見慣れた風景の中に、二人して身を置いていた。当然ながら件の二人も生まれたままの姿であり、魔術を使った変装は成されていなかった。
 今回のエバのリクエストは、服装や背景の変化を伴わずに行われうるものであった。
 
「えへへ……それじゃあ兄さん、今から背中流しますね」

 いつもの浴室に座り込んだ男の背後に腰を下ろし、エバが彼に声をかける。慣れない呼び方をしたためか、エバの顔は緊張と恥じらいで真っ赤に染まっていた。
 
 
 
 
 血の繋がった兄妹という設定でイチャイチャしたい。それがエバのリクエストだった。妹になって兄を甘やかしたい。彼女はそう言ってきたのだ。なおそれを浴室で行っているのは、この辺りで汗を流してさっぱりしようという魂胆から来ていた。これもエバの提案だった。
 無論男は、そんなエバの注文を全肯定した。しかしその一方で、血の繋がり云々は必要なのかと疑問に思ったりもした。それに対しエバは「繋がりは絶対必要だ」と、これ以上ないくらい強い語調で反論した。
 
「いるの! 兄妹でいけないことをする上で、血の繋がりの有無はとっても大事なの!」
 
 その辺りの違いを、男は上手く咀嚼出来なかった。しかし男は、だからと言ってそれを拒絶することはしなかった。可愛いエバの頼みだ、無碍にするなんて以ての外である。
 
 
 
 
 閑話休題。そうしてすっかり実妹になりきったエバが、続けて男に言い放つ。
 
「動かないでくださいね。兄さんは何もしないで、リラックスしていてください」

 言いながら、エバがおもむろに石鹸を手に取る。それを水で濡らし、両手で包んで擦り泡立たせる。
 数秒そうしていると、あっという間に手が白い泡で覆われていく。石鹸に含まれた香草の成分が解放され、爽やかな香りが浴室に溢れていく。
 
「これを、こうして……」

 そんなかぐわしい匂いを放つ泡の山を、エバがおもむろに自分の体に塗り始める。特に前に突き出た乳房を重点的に、しつこいほどにまさぐって泡だらけにしていく。
 
「あっ、はんっ、ううっん……」

 途中、エバの口から艶っぽい声が漏れる。男の背後で自分の胸を揉むという背徳的な行為に興奮したのだ。なおこれは、本来の予定にはないものだった。ちょっとしたサービスである。
 
 
「――できた!」
 
 そして数十秒後、エバが達成感に満ちた声を上げながら手を離す。この時彼女の前面は、ほぼ完全に泡のベールに包まれていた。努力の勝利である。背中は素肌が剥き出しとなっていたが、そんなことはどうでも良かった。
 前が泡だらけになっている。それが何より重要だった。
 
「それじゃ、行きますね。兄さん」

 ようやっと準備の整った妹が、愛する兄の背後から話しかける。そして相手の反応を待たずに、エバが男の背中に抱きつく。首筋に手を回し、相手の体をがっちり抱き留める。
 豊かに実った双乳がむにゅりと押し潰れる。その柔らかく暖かな感触を背中で感じ、男の愚息が威勢よく天を向く。
 エバはそこには触れなかった。両手は抱きしめた形のまま、男の耳元でエバが告げる。
 
「洗いますよ、兄さん♪」

 直後、エバが密着させた体を上下に動かし始める。泡が潤滑油となり、互いの体が摩擦無しにぬるぬる滑り合う。
 腹で、胸で、男の背中を懸命に洗う。エバの体についた泡が彼女の動きによって更に泡立ち、やがて男の背をも泡だらけにしていく。
 
「ふっ、んっ……どうですか、兄さん? うんっ……気持ち、いいですか……?」
 
 いやらしい上下動を続けながらエバが問う。その顔は嬉しそうに笑っていたが、その額からは汗が一筋流れ落ちていた。
 本来魔物娘はこれくらいで疲労することはないのだが、そこはそれ。今はそういう設定なのだ。
 
「えへへ……兄さんの背中、かたくてゴツゴツしてて、とっても素敵です……」

 自慢の胸で背中を擦りながら、エバがうっとりした声で男に声をかける。それを聞いた男の体が大きく震える。その間も動きは止めず、男の背中を洗っていく。
 前に突き出たふかふかの胸と、ピンク色に尖ったこりこりの乳首。引き締まったすべすべのお腹が、泡の膜を纏って男の背筋を滑る。エバの匂いと体温が男を包み、柔肌の感触が男の劣情をかきたてる。
 
「んしょ、んしょ……いっぱいこすって、いっぱい気持ちよくしてあげますからね……っ」
 
 健気な妹が自分の体を押し付け、一生懸命奉仕する。その愛らしさに男の全神経が反応し、下半身を熱く滾らせる。自然と男の口から短く甲高い声が上がり始め、それに呼応するようにエバも喘ぎ声を上げていく。
 
「あっ、ふうっ……兄さん、とってもエッチな声出してる……嬉しいっ……あン、やん♪」

 自分の奉仕で兄が喜んでくれている。それがたまらなく嬉しくて、エバの口調がだんだん弾んだものになっていく。同時に彼女の欲望もまた、その喜びと同時並行的に膨れ上がっていく。
 
「ねえ兄さん、前も洗っていいですか?」

 エバはその欲望を隠そうとしなかった。唐突に体の動きを止め、全く出し抜けに耳元で問いかける。突然の申し出に男は一瞬驚いたが、すぐに意識を取り戻してそれに応えた。
 ――もちろんいいとも。
 即答である。男は恥じらうことなくそれを受け入れた。
 
「本当に? やった!」

 エバもまた、己の喜びを隠さなかった。そうして大きく喜んでみせるエバの前で、男がおもむろに身を翻す。
 前を隠すなどという無粋な真似はしなかった。おかげで股間から猛々しく反り上がった剛直が、これ以上ないほどはっきりとエバの視界に映りこんだ。
 
「わあ……!」

 その精強なる男根を目の当たりにし、エバが思わず声を上げる。自分の奉仕で兄がここまで喜んでくれていた。それを知った彼女は、興奮と感動で胸がいっぱいになった。
 もっと気持ちよくさせてあげたい。その感情がさらにエバを突き動かす。思わず目元に溜まった歓喜の涙を押し留め、早速エバが行動に移る。
 
「それじゃあ兄さん、まずは仰向けになってください」

 エバの最初の注文。男がすぐにその場で仰向けになる。同時に男の肉棒が天高く屹立し、赤く瑞々しい亀頭がよりはっきり露わになる。
 それを見たエバが生唾を飲み込む。何もかもを投げ出し、それにしゃぶりつきたくなる。しかし今は奉仕が先だと踏み留まり、仰向けになった男の上に覆い被さっていく。
 
「い、行きますよ? ……よい、しょっと……」

 やがて二つの体が一つに重なる。がっしりした胸板の上にエバのむちむちおっぱいが載せられ、柔らかなゴムボールのようにその形を崩す。両足の間に猛り狂う肉棒が挟まれ、その剛直の熱を太腿で感じたエバが思わず小さく悲鳴を上げる。
 
「きゃっ! ……もう、兄さんってば暴れん坊さんなんですから」

 しかしその暴れっぷりが、今は逆に頼もしい。エバは期待に胸弾ませ、自分から脚を動かし太腿で肉棒を挟み込む。その後、改めて意識を上半身に向け、不敵に笑いながら男に宣告する。
 
「それじゃあ動きますね。しっかり洗ってあげますから♪」

 そして体を動かし始める。円を描くように腰を振り、腹から上で男の体を擦っていく。お椀型に膨れた綺麗な乳房が眼前でぐにぐにと形を変え、泡を纏った滑らかな腹部が男の腹筋を舐め上げていく。
 目の前で行われるエバの奉仕に、男の鼻息が荒くなる。互いの乳首がぶつかる度に肉棒が興奮で飛び跳ね、限界に向かってより硬さと太さを増していく。
 
「んんっ、ふぅん……兄さん、にいさぁん……んッ、きゅぅん……」

 その鼻息と肉棒の動きを至近距離で感じたエバが、興奮を隠すことなく言葉を吐き出す。男と同じく、彼女も快感に悶え始めていた。
 愛する兄が自分の体で悦んでくれている。それがエバを刺激し、もっと悦ばせようとペースを上げる。
 乳房の方に重心を傾け、より強く胸をおしつける。その体勢のまま大きく腰を振り、より激しくおっぱいの形を崩して男の胸板を磨き上げる。
 
「むねだけじゃ、なくって……おちんちん、もぉ……っ」

 それだけでなく、エバは同時に脚も動かし始めた。太ももに力を込め、そこで挟んでいた肉棒を優しく扱き始める。硬く張り詰めた男根が肉感たっぷりの太腿で優しく挟み込まれ、腰の動きに合わせて上下に擦られる。
 程よい圧迫感と痛痒感が肉棒全体を刺激し、男の脳に快楽信号を止め処なく送りつけていく。
 
「どうですか? あっ、ンっ……気持ち、いいですか?」

 息を切らし、途切れ途切れにエバが尋ねる。その目は快楽に蕩け、口の端からは涎が垂れ落ちていた。
 男はそれに対し、素直に首を縦に振った。上と下から送られてくる快感の渦に飲まれ、男はあっさりと白旗を掲げていた。
 もっとほしい。もっとしてほしい。男の口から欲望が溢れ出す。理性を取り繕う暇も無かった。
 
「もっと、ですか? わかりました……じゃあ、ひんっ、もっとたくさん、してあげますね……っ」

 エバもそれに頷く。もっと男を喜ばせようと、体の動きをさらに速める。乳の動きと腿の動きが一段と速くなり、男とエバの息もますます荒ぶっていく。
 
 
「兄さん、兄さんっ、イッて、イッて、僕でイッて……!」

 妹が催促する。男はただ頷き、駆けあがってくる快感の波に身を任せる。
 出すよ、エバ! 出すよ! 
 男が叫ぶ。全身汗だくになり、大きく口を開けて呼吸し、疲労と期待で顔を真っ赤にしながら、エバが男に言い返す。
 
「いいよ、出して! 兄さんの精液、僕の背中にいっぱいかけて!」

 それが引き金になる。男が腰を動かし、エバの太腿で自慰を始める。自分から上下に動き始めた肉棒に驚きつつ、エバも呼吸を合わせて太腿に力を込める。
 兄妹がラストスパートをかける。二人の汗が混じり合い、酸っぱい匂いを浴室にまき散らす。エバの涎が口から漏れ、男の首を汚していく。
 
「出して、出して、出して、出して――」
 
 エバが連呼する。言葉で責め立てる。
 そして、ついに男が咆哮する。
 大きく腰を持ち上げ、肉棒を高々と突き上げる。
 
「ああ、出すんだね……!」
 
 同時にエバも動きを止める。強く抱きつき、乳房を押し付け、太腿で力いっぱい剛直を挟み込む。
 
「出してッ!」

 エバが叫ぶ。男が言葉にならない叫び声を上げる。
 直後、鈴口から白いマグマが噴き上がる。ドロリとした精液が天井に向かって跳び上がり、やがて重力に引っ張られてエバの背中へ落ちていく。
 ばたばたばたばたと、粘り気のある白い雨がエバの背を叩いていく。
 
「ああ……」

 そんな熱く重たい白濁の感触を背中いっぱいに感じ、エバが恍惚とした声を上げる。エバの股間から潮が吹かれ、彼女が絶頂したことを言外に告げる。
 
「イっちゃったあ……」

 男に抱きつきながら、エバが満足げに呟く。その間も射精は止まらず、エバの全てを汚していく。
 足にも尻にも、肩や腕、髪にさえも精液がへばりつく。エバはそれら全てを臆することなく受け止め、その余韻に酔いしれるのだった。
 
「気持ちよかったですか、兄さん?」

 そんな心地良い余韻に浸る一方で、エバがしっかり男に確認を取る。同じように夢心地にあった男はそれで我に返り、愛する実妹を見つめ返してしっかり頷いた。
 最高だったよ。言葉を添えるのも忘れない。
 
「えへへ、やった♪」

 男の素直な感想を聞いて、エバが満面の笑みを浮かべる。白い歯を見せ、太陽のように明るく笑ってみせるエバを前に、男の心も自然と暖かくなる。
 ついでに盛大に射精して萎みかけた肉棒にも活力が戻っていく。
 
「あっ」

 そうして再び腿を圧迫する肉棒の感触を受けて、エバが呆気に取られた声を出す。そしてすぐに口元に嫌らしい笑みを湛え、悪戯っぽくニヤニヤしながら男に声をかける。
 
「もう元気になってるんですか? お盛んですね兄さん」

 完全に小馬鹿にした口調だった。言われた男は渋るように眉間に皺を浮かべ、そっぽを向くしかなかった。
 それを見て、エバが小さく笑って言葉を続ける。
 
「違いますって。兄さんがまだまだ元気なのがわかって、とっても嬉しいんです」

 本当に? 半信半疑な面持ちで男が尋ねる。
 本当ですって。エバが疑心暗鬼な兄に微笑みながら答える。
 じゃあ態度で示して。男が言い返す。
 
「態度?」

 言われたエバがきょとんとする。しかし聡い妹は即座に兄の意図を察し、頬を羞恥で赤く染めながらぽつりと呟く。
 
「……すけべ」

 身も蓋も無い一撃。しかし自覚していたことなので、男は苦笑するしかなかった。
 そんな男を見て、エバも困惑混じりに笑うだけだった。そしてエバはそれ以上不平は言わず、代わりに笑みを見せたままゆっくりと上半身を浮かせる。
 
「もう、仕方ない兄さんですね」

 その場で起き上がり、足の位置を変えて男の腹部に腰を降ろす。尻に肉棒を押し付け、裂け目の奥深くに押し込むように腰を動かしながら、エバが蕩けた声で言い放つ。
 
「すけべな兄さんは、僕がちゃんと懲らしめないといけませんね♪」

 うん。懲らしめてほしいな。甘えるように男が答える。
 
「言いましたね? いくら兄さん相手でも、手加減しませんよ?」
 
 負けじとエバが言い返し、膝立ちの姿勢になって腰を持ち上げる。
 男の視界に入った妹の割れ目は、既にぐっしょり濡れていた。ピンク色に光る陰唇の奥から透明な液体がしとどに垂れ落ち、太腿を伝って足元に溜まっていく。エバはそれを隠すどころか、見せつけるように前にそこを突き出しながら腰の位置を調整していく。
 数秒後、「格好の地点」を見出す。そこで腰を固定し、両手を後頭部に回して胸と陰唇を前に出す。
 
「いきますよ、兄さん」

 肉欲に溺れた瞳で見下ろし、舌なめずりをしながら、エバが男に告げる。男はただ小さく頷き、それがエバに最後の一線を越えさせる。
 容赦なく、一気に腰を降ろす。
 肉棒が陰唇を切り開き、膣の奥まで突き進んでいく。
 
「はう……っ!」

 異物が体の奥まで一気に入り込む、その衝撃を味わったエバが言葉を詰まらせる。
 しかし衝撃はほんの一瞬のことだった。体の中に入り込んだ異物は、その後すぐに甘い快感と暖かな安心感をエバにもたらしていった。
 
「ああ、兄さんが僕の中に入ってる……素敵……」

 あるものがあるべき場所に収まった。そんな感じだった。エバは欠けたピースがカチリと嵌った喜びに打ち震え、男と繋がったまま全身をわななかせた。
 
「兄さんのおちんちん、何度食べても美味しいですねっ♪」

 そして頭を下げて視線を降ろし、男を見つめながらにこやかに言う。対する男も、いつも美味しく食べてくれてありがとうと言い返し、手を伸ばしてエバの頬を撫でた。
 
「妹なんですから、これくらいはやって当然です」

 愛しい兄の固い手触りを頬で感じつつ、エバが自信満々に言ってのける。男はそんな可愛らしい妹の姿にときめきを感じつつ、添えた手で頬を静かに撫でていく。結合した二人の間に和やかな空気が流れ出し、親愛と肉欲が等しく二人を満たしていく。
 やがて欲望に耐え切れなくなった男が手を離す。そしてそろそろ「次」に進んでほしいと、妹に向かって言葉でなく目で訴える。
 エバがそれに気づく。聡い妹はすぐに頷き、慈愛のこもった顔で男に告げる。
 
「そろそろ動きますね。いいですか?」

 エバの問いに男が頷く。それを受けて、エバがようやく腰を動かしていく。
 ゆっくり静かに、よく噛んで味わうように、緩慢な速度で腰を上下に振る。肉のぶつかる音も微小で、結合部から漏れる水音もごく僅かだった。二人の汁が混ざって出来たラブジュースも控え目に漏れ出し、兄妹の喘ぎ声も静かで穏やかなものだった。
 交わりの全てが静かに進行していた。しかし二人は、このローテンションな行為を心行くまで楽しんでいた。
 
「んっ……いかがですか? 気持ちいいですか?」

 男の上で上下に動きながらエバが尋ねる。この時の彼女の言葉は、それまでのどれよりも明瞭かつ理性的な響きを帯びていた。今のエバは快楽を貪る獣ではなく、理性を保った一人の人間であった。
 貪欲でなくなるので、当然受け取れる快楽も少なくなる。しかし、これはこれで趣がある。たまにはこういうのも良いだろう。
 
「兄さんの蕩けた顔、とっても素敵です。ますます好きになりそう」

 しっかり自我を残し、しかし表情は愛欲で緩ませながら、エバが男を見下ろし微笑む。その間も腰は振り続け、男の肉棒を柔らかく刺激していく。
 ゆっくり優しく、兄の剛直を膣肉で扱き上げる。妹のもたらす献身的な快感が、男の体と心を暖かくほぐしていく。それを受けて男は笑みをこぼし、自分の上で一生懸命腰を上下させるエバの太腿に手を添える。

「安心して。私もちゃんと気持ちいいですから」

 男の意図を察したエバが動きを止め、笑って答える。先手を打たれた男も、エバの言葉を信じて腿から手を離す。そして妹の言葉を証明するかのように、ぴったり密着した互いの股の隙間から透明な液体が止め処なく溢れ出す。
 
「見てください。兄さんのかちかちの棒を奥までたっぷり咥えられて、私のおまんこ、こんなに喜んでるんですよ」

 視線を降ろしてそこを見ながら、エバがうっとりした声で囁く。男も同じように首を持ち上げてそこを見つめ、生暖かい体液が自分の脚を汚していくのを目の当たりにする。
 ああ、本当だ。表情を輝かせて男が呟く。エバも頷き、そこから動きを再開する。
 結合部から水音が響く。肉がぶつかり、小気味よい音がテンポよく鳴り出す。ただし前と同じくスピードは変えず、露骨な喘ぎ声も発さない。
 脳まで快楽で冒さず、二人仲良く愛の味を確かめあう。
 
「兄さんと僕のここ、もうぐちゃぐちゃですね」

 悦びを共有しながら、エバが照れたように言う。男も頷き、そしてそろそろ射精しそうだと素直に白状する。
 男の額に汗が浮かぶ。エバも同じように額から汗を流し、笑ってそれに応える。
 
「いいですよ。僕の中に兄さんの精液、いっぱい流し込んでくださいっ」

 そう言いながら、腰を振るペースは全く変えない。エバは最後までこのままで、共に悦楽を味わおうと思っていた。男も同じ気持ちだったので、無理に催促することもなかった。全てエバに任せ、自身はただ限界まで高まりを持って行くだけだった。
 限界はすぐにやって来た。男の体が一段と震え、下腹部に血が溜まっていく。
 
「もう、出そうですか?」

 腰を振りながらエバが問う。男が頷き、窮屈そうに腰を揺らす。
 エバがニコりと笑う。出していいよと視線で告げる。
 それが男のタガを外す。エバの膣が男の肉棒を深々と咥えこみ、その瞬間男の劣情が爆発する。
 
「あっ――」

 肉棒から白濁が噴き上がる。粘り気のある液体がエバの膣を汚していく。しかしそれは今までの暴力的な射精とは違う、優しく穏やかな奔流だった。
 
「ああ……」
 
 男が自分の中に入ってくる。兄の精液が自分を内側から暖めてくれる。大好きな人の温もりを胎内で感じ、エバはその表情を喜びで満たしながら己の腹部に手を添えた。
 
「兄さんが僕の中にいる……お腹の中がぽかぽかします……」

 次々流れ込んでくる精液の感触に、エバが心の底から幸せな声を上げる。男もそれを聞いて心が軽くなり、遠慮なく鈴口から精液を射出していく。
 
「あン♪」
 
 子宮に浴びせられていく白濁液の感覚を受け、エバが小さく嬌声を上げる。その後エバは困ったように微笑み、男に向かって小言を漏らした。
 
「もう、兄さんってば。やんちゃなんですから」

 それからクスクス笑う。男もつられて笑い出す。続けて肉棒からまた白濁が飛び出し、エバの膣を優しく染める。
 
「また出てくるの?」

 ほんの少し眉をひそめ、エバが男に問う。男は笑みを消し、気まずそうに視線を逸らす。エバの膣に挟まった肉棒は硬いままだった。
 直後、エバがすぐに表情を崩す。いつもの可愛い妹の顔に戻り、男に向かって言葉を放つ。
 
「でも素敵。絶倫な兄さん、大好きです」

 そしてエバがにこやかに笑う。世界一可愛くて世界一大好きな妹の笑顔。それを見た男がさらに興奮し、再び肉棒が硬さを増していく。
 
「いいですよ。もっと出してください」

 膣を圧迫する男根の存在を感じ、エバが優しく告げる。男もそれを受け、心置きなく精液を撃ちこむ。
 一発放たれる度に、エバの体が小さく跳ねる。目に涙を溜め、男の欲望を全身で受け止める。
 
「ああ、兄さん……兄さん……♪」

 そうして兄の愛を受け止め、妹の心は大いに躍った。水面に波紋を立てることなく、精神が静かに飛翔し高みへ昇っていく。男も同様に心を昂らせ、白い軌跡を描きながら妹と共に歓喜の領域へ跳び立つ。
 好きだよ、エバ。
 
「兄さん…愛してます……」
 
 物言わぬ二人の――二人だけの絶頂は、そうして暫く続いたのだった。
18/04/07 20:22更新 / 黒尻尾
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