読切小説
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那由多まで愛して
うちのナユタは白蛇にしてはさっぱりした性格だと思う。
仕事で他の女と話したくらいじゃ怒らない、他の白蛇だったらブチギレ案件だろ?
ナユタを見てその事を考えていると料理をしているナユタが視線を感じたのかこちらを振り返る。

「どうかしました?」
「あぁ、お前って白蛇にしてはあんまり俺に執着してないなと思って」
「そうですか?私なりに執着しているつもりなのですが?」
「そうなのか?他の白蛇だったら女と話すだけで怒るだろ?」

そう言うとナユタは「あー」と言ったような顔をする。

「まぁ…仕事上そういう事もあると割り切ってますし」
「そうなのか」
「それでは料理に戻りますね」

そう言うと料理に戻るナユタ。綺麗に取られた出汁の匂いがふわりと香る。
しかし仕事とそう簡単に割り切れるだろうか、何せ魔物娘の中でも特にヤンデレな白蛇が。
個体差の範疇なのだろうか?

しかし本人がそう言っている以上そうなのか?

考えれば考えるほど不思議だ…

「お料理出来ましたよ」
「あぁ、ありがとう」

考えている内に料理ができたらしい。お味噌汁にご飯、その他色々。

「今日は隠し味を入れてみました」
「へぇ」

確かに味噌汁の味がいつもと違う気がする…

     あれ…眠く…

                まさか…

                          すいみ…

「おやすみなさい♡」








次に目が覚めるとナユタが俺をのぞき込んでいた。

「ナユタ…?何盛った?」
「少し睡眠薬を」
「なんで…?」

俺は純粋な疑問を問いかける。ナユタはニコリと微笑むと答える。

「そんなの、思い出してほしかっただけですよ。あの日の約束を」
「約束…?」
「はーい今思いださせてあげますよ〜♡」

そう言うとナユタは唇を俺の唇に落とす。

魔力が流れてくる、すると頭に何かが流れてくる…これは…子供の時の記憶?

「好きだよ、ナユタちゃん!!」
「ありがとうございます♡ではここで永遠を誓ってくださりますか?」
「えいえん?よくわかんない!」
「では…ずっとずっと長い間好きでいてくれますか?」
「うん!!」

そう言えばそういう事を言っていた気もする。しかしこれと今にどんな因果関係が?

「思い出してくれましたか?」
「あぁ、でもこれにどんな関係が?」
「そんなの、那由多まで続く愛を誓ってくれたからじゃないですか。それなら浮気などしないでしょう? しようとしてもさせませんが」
「だから私は他の女と話すのに抵抗が無いんです。そもそも私はお宝は見せびらかしたいタイプなので」

その後、俺はナユタに犯された、どうにも約束を覚えて無かった罰らしい。

「もう一度聞くわね」

「那由多まで愛して♡」
23/04/21 10:19更新 / photon

■作者メッセージ
エロシーンは蒸発しちゃった…

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