読切小説
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俺得物語トゥエルブ
ふと、思う…

これは果たして現実なのだろう?
現実と夢の境界線とはなにか?

本当に、自分が現実にいるのだろうか?

―――これだけ思いながらも、ため息交じりに考えを消す

今時小学生でも考えないような妄想をして、俺は何をしたいんだろう…
こんな事を考えながら出てくる次の言葉は―――

―――どっかに魔物娘いないかなぁ…

だというのに…

我ながら情けないくらいにパターン化している…

・・・

そんな暗い気持ちになりながら、いつも通りに過ごしているある時だった

「…腹減った」

人間生きていれば腹も減るし、気分も憂鬱になる
それをしようとしても、やはり憂鬱になる

「こんな時白蛇さんとか稲荷さんとかいたらなぁ…いや、サキュバスさんだったら交わってればいからなぁ…」

そんな事を思いながら歩いていると…

ガサ、ガサガサ―――

そんな音が聞こえてきた

「海も良いなぁ…シービショップさんとかもサハギンさんもいいよなぁ…ん?」

ガサガサ、ガサガサ…

「風、かなぁ?…ったく、魔物娘に会えるんならともかく、風なんかどうでもいいよ…」

いろんな人の作品のように、突然魔物娘に会えたらとは思うけど…現実は非常だ
希望もありゃしないし、俺には夢もない

「はぁ…いっそ死んでしまいたい…」

そう言った時だった


「…そんな事言ったら…だめ…」

ふと、声のする方を見ると―――
そこには、下半身ムカデの魔物、大百足の顔があった

・・・

「…」

「…あ、あの…」

俺は目を疑っていた

「…」

物憂げな表情、はだけた所から見える毒々しい線―――

「…え、えっと…」

長い前髪から見える可憐な眼、異形としか言えない下半身―――

「…だ」

「ふぇ?」

間違いなく彼女は―――

「本物の…魔物だ…」

俺が望んでいた―――

「本物の大百足だぁ!」

「きゃあ!」

気がついたら、俺は彼女を抱き締めていた

「うっそ!マジで!?ホントに魔物娘なんだ!」

「ちょ、ちょっと!?」

「あ…」

気がついた瞬間、俺は顔が熱くなるのを感じた

「ご、ごめん!つい嬉しくて…」

気がついて、彼女を放しながら謝る

「あっ…」

その瞬間、悲しそうにする彼女

「…」

「…」

お互い、気まずそうにしながら沈黙が続く

「「あ、あの…」」

お互い被ってしまい、またお互い沈黙する

「い、いや!君からどうぞ!」

「う、うぅん!貴方こそ!」

顔を赤くしながら言う彼女を見ていて、俺はまた抱き締めたい衝動に駆られていた

「い、いやレディファーストで!」

「だから貴方からで良いって!」

「で、でも「良いから貴方から言いなさい!」

顔を真っ赤にしながら言う彼女は、本当に可愛らしくて綺麗だ

「なら…これは夢じゃない、よね?」

「…はぁ?」

言った途端、一気に不機嫌になる彼女

「あ、いや…だって…本当に魔物が居てくれて、俺にとっては本当に嬉しくて…でも…これが妄想なんじゃないかって不安で…」

ジト眼で見てくる彼女

「…その…ごめんなさい」

「…ホント、しょうがないわね」

そう言いながら、彼女は―――

「貴方がうれしいのが、『魔物に会った』事なのが癪だけど…」

俺に抱きついて―――

「私の魅力を、たっぷり教えてあげるんだから」

しかも、片方の足に巻きついてくれた

「ね?だ・ん・な・さ・ま」

そう言いながら彼女は噛み付こうとしていたが―――

「…ごめん!我慢できない!」

「へ!?」

そう言って彼女を抱き締めながら家に走って戻った

「家で直ぐ噛まれたいんだ!他のやつに君を見せたくないんだ!だから!」

「…もぅ」

そう言って、俺の胸の中で甘える彼女

「そうならそうって言ってよ、ね?」

そう小さく微笑みながら赤くなる彼女をみて…


俺は幸せを手にした気分だった
13/03/21 22:52更新 / ネームレス

■作者メッセージ
どうも、ネームレスです

最近風呂の中で浮かんだ話です

ドアをあけ〜れば〜♪
大百足さん♪

こんな事が是非、起きて欲しいものです

そして…あわよくば…
一緒に…

大百足さんだけでなく、是非とも魔物娘さん全員来て欲しいですね!


それでは今回はこの辺で

ここまで読んで頂きありがとうございます!

今回は特に感謝です!

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