読切小説
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新聞勧誘
俺が折角の休日をダラダラと寝て過ごしていた時の事である。
ピンポーンとドアチャイムが鳴り響き、俺は寝ぼけて誰が来たのかを確認せずにドアを開けてしまった。


「こんにちは、いきなりですけどサバト新聞取りませんか?」

最悪だ、寝起きから新聞勧誘に引っかかるなんて。

「すみません、新聞読まないんで」
「そんな事言わずに、今ならサバト印の色んなお薬が一緒についてきますよ♪」

サバトの薬といえば、夜の性活をサポートすることで有名な代物である。彼女がいればの話だが。

「彼女がいないんで、そんなもの貰っても使い道がありません。どうぞお引き取りください」
「えー、お兄さん格好いいからハーレム作るぐらいにはいると思うんだけどなぁ……あ、そうだ! お試しってことでボクで色々と試してみません?」

褒められて悪い気はしないが、どうせこれは勧誘する上でのリップサービスだろう。

「冗談はいいんで、帰ってもらえます?」
「いやいや、冗談じゃなくってですね。 お兄さんは初対面のボクでさえ惚れて人生捧げて上げたいぐらいにはいい男ですって」
「だったら実際に付き合ってもらえますかね? 彼女がいないから休日も暇で仕方ないんですよ」
「いやーどうしましょう? いえ、ボクは全然構わないんですけどね? ほら、仕事のノルマがありまして契約してもらえないと自由な時間が取れないんですよ」

ほらね、実際は付き合う気なんて無いくせに。

「でも、契約したら来なくなるんじゃないですか?」
「わかりました、契約してくれたらお兄さんの所に住みますから、えぇもちろん、あーんなことや、こーんなこともボクにはヤりたい放題ですよ。 それが新聞の契約一つで出来ちゃうんだから安いと思いませんか?」

改めて彼女を見てみる。幼く見えるが相手は魔物だ、法には引っかからないだろう。
モフモフとした手足と尻尾に耳、あれらを存分に揉んだり出来たら幸せになれる。薄い胸も個人的にグッドだ。
そして、何より可愛い、見ていると何故だか抱きしめたくなってしまう。

「わかった、契約すれば俺の彼女になってくれるんだよな?」
「へへ、毎度あり。 では、代金は前払いで精液で払ってもらいますからね♪」

そう言って彼女が俺のズボンのチャックを下ろそうとした所で、俺は彼女を抱き上げた。

「契約はしたんだろ、だったらキミは俺の彼女なんだよな?」
「えっはい、そうですけど」
「だったらさ、もうちょっとロマンチックにいかない?」

俺は彼女を抱きしめたまま優しくキスをする。

「これからよろしくお願いしますね、お兄さん」

彼女は飛び切りの笑顔でキスを返してくれる。
こうして俺は、見事に勧誘に引っかかってしまったのであった。
14/09/17 08:34更新 / アンノウン

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