連載小説
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3日目 室内 前編
目が覚めた
昨日と同じ朝8時
正面にはセラがいる
もちろん裸で
「うぅん・・・」
夢でも見ているのか時々動く
「はぁ・・・」
さて、
まずはセラを起こす必要がありそうだった
呼吸するたび擦り付けられるモノ
太ももらしきものに挟まれる俺の剛直
早くしないと理性が弾けるかもしれないのでセラを起こす
「おーい、おきろー」
だがセラは起きず、体をさらに擦り寄せてくる
「おーい!セラー!」
少し声を大きくしたが、セラは起きずに俺の股間をまさぐりだした
「おきろー!セラー!起きてくれー!」
耳元で叫んだからかやっとセラが起きた
「ふあぁ・・・」
わざとらしくあくびをする
「セラ!俺を解放してくれ!」
起きたついでで離してくれないものかといってみたが
「ピロートークをしていないだろう」
離してくれそうにはなかった
それと、
「ピロートーク以前にしていないだろ!」
そう、俺の貞操は守られている
「なんでしなかったんだ?」
「したいのか?」
「遠慮する!」
いやまあしたいっちゃしたいけど・・・
「それはだな・・・」
あの日、キスシーンを見て欲情してしまったセラは、そのままの勢いで行為に及ぼうとした。
だが、俺が意識を失った時に、その寝顔に夢中になってしまい、気がついたら眠っていたそうだ
「まあ嘘だが」
「嘘かよ!」
「意識のない人とするのはつまらなそうだからな」
魔物娘がよくそんなことを・・・
チャンスだっただろうに・・・
「初めては感じあいながらしたいのだ」
「あっそ」
起こしてでもやりそうだけど・・・
「そろそろ離してくれ、苦しい」
離してもらうために嘘をついてみたが
「それはすまない」
案外あっさり離してくれた
「うーん…」
全裸でストレッチをする
もう恥じは捨てた
「そろそろおきるか」
セラも起きてきた
                                                                                                                                                            

朝食を終えた、
「特になにもなかったからカットか」
「メタ話をするな!」

「で、今日は何をするんだ?」
「うーむ・・・布団でしようか?」
「それ以外で」
「ふむ、では家のなかにいよう、引きこもりだ」
「まあそれでもいいだろう」
       
「で、家の中でなにをするんだ?」
「なにって・・・ナニか?」
「だからしないっての」
「むぅ・・・ならこの家を紹介しよう」
「家の紹介?不動産かよ」
「近いが遠い」
「どっちだ」


「ここが書斎だ、官能小説から辞書まで揃っている」
「もう官能小説については突っ込まねぇよ・・・」


「ここはお風呂だ、君が入ったのとは違う、ローション風呂だ」
「ラブホか」


「ここはキノコの培養室だ、ワライダケからタケリダケまでとりあつかっているぞ」
「何故毒キノコから毒キノコで例えたんだ・・・」


「ここまではダイジェストっぽくしたが、この部屋はすごいぞ」
「ダイジェストにすら入らなかった部屋もあるけどな」
「まあまあ、ここが中庭だ」
「おぉ・・・」
幻想的だった
中心に立つ深緑の樹、周りには色鮮やかな花、小さいながら流れる小川、
絡み合うツタ、何よりも多くの窓から流れ込む黄金の光、そして微笑むセラ
そのすべてが美しく、幻想的だった
「ここは私の好きな場所だ 綺麗だろう?」
「あ・・・あぁ」
言葉にならない
この部屋だけ別世界のようだった
「まあここにもタケリダケがはえているがな」
隅のほうをよく見れば確かに毒々しいキノコが生えている
「あのキノコでぶち壊しだよ!チクショー!」
「さて、そろそろ昼だから食堂にでも行こうか、君のキノコも食べたい」
「絶対ダメだ」
15/11/07 22:06更新 / 甘党
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■作者メッセージ
ドーモ ドクシャノミナ=サン
甘党です
今回も例に漏れず拙い文でしたが、楽しんでいただければ幸いです
今回出てきた中庭は多少モデルに似せましたが、だいたいは私のオリジナルで理想の中庭です
因みにほかには帽子作成室等がありました

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