オトシブタ〜True self

とある国の山間にある村
ここの付近では最近、野盗が出て村の人たちを悩ませていた

というのもこの土地は山に囲まれており、そこに出入りするためには必ず通らなければならない渓谷がある
野盗たちはその渓谷を通る人たちを狙いその付近に陣取っているのだ

山間の村は自給自足だけで賄うほどの力はなく食糧等は定期的にやってくる商人に頼っていたが、その商人もそこを通れず、かといって村から外に出るのにもその渓谷を通らねばならず、完全に閉じ込められてしまっていた

命運ここにつきたか・・・だれもがそう思った
その時、真紅の鎧に身を包んだ女剣士がどこからともなく現れたのだ
彼女は鎧と同じ真紅の剣を振るい、賊たちをなぎ倒し、村に立ち寄ることも無く、名前も告げずに去っていったという

偶然それを見ていた者はすぐさま村にそのことを伝えた
村の者達は喜び、ある者は踊りある者は涙を流した
そしてその美しい真紅の女剣士のことをルビーの剣士と呼び村で称えたそうだ
その村をすくったルビーの剣士の噂は風に乗って国を駆け巡った

そしてその村だけではなくその国の各地でその剣士の姿は目撃された
時には砂漠
時には森
時には海

さまざまな場所で賊を退治する姿からそれはもはや噂とは呼べない程の信憑性を伴っていった
人々は一言礼が言いたくて、あるいは剣を教わりたくて、ルビーの剣士を探し出そうとしたが見つからない

どこかに居を構えているわけではない彼女はなかなか会う事ができなかったのだ
何人かはあって礼を言ったともいうがその場所は国の東端から西端までにおよび、それも事実か怪しい所だ

だが確実に賊の被害が減っていたことから、国も黙ってはおらずルビーの剣士に国に仕官しないかとコンタクトを取ったこともあった、だがそれもルビーの剣士は蹴ったそうだ

あくまでも自分の意思で、誰に使えることも無く、見返りも求めず孤高を貫く英雄のような彼女を国は信頼し国民は心で感謝していた

だがその裏で彼女の事を面白くないと思う輩もいた
女の身でありながら名を上げ国の仕官を断ったことから、仕官をめざし腕を上げていた騎士見習いたちや、襲われても彼女が来てくれると怠惰に出歩くようになった住民を良しとしない聖職者たち

そしてなにより彼女を煙たがるのは言うまでも無く賊そのものだ
彼らからして見れば職を下ろされたようなもの
彼女を無視し盗賊稼業を続けた者の中にはもう刃物を握れない身体にされたものや、走ることのできなくなった者、その姿を見た他の盗賊たちも次々に足を洗っていった
何よりあの高慢な態度がそういう人間達は気に入らなかった
自分たちが悪事を働いている自覚があるからああいう人間は高慢な英雄気取りに見えるのだ

そして部下も仲間も仕事も奪われたとある盗賊一団の生き残りは考えた
どうやったらあの女を貶める事が出来るか、殺してしまってはあっけない、もっと辱めてやりたい、あのお高くとまった眼をどうしようもなく歪ましてやりたい

だが国の仕官なんて一生遊んで暮らせるチャンスを無下にする女の事だ
たとえめちゃめちゃに犯したとしても、屈することはないだろう
身内も早くに亡くし、男も家族もいないため、大切な人を目の前でいたぶって殺すところを見せつけることもできない
家も無いため居を奪う事も出来ない
街の人間を皆殺しにしてやっても、結局真正面から戦うことになり自分たちがやられるだけ
毒を盛ったりすることはできるだろうがそれでは殺してしまう
睡眠薬を盛り寝てる間に縛り上げたとして、快楽にも痛みにも屈しないであろう彼女にいったい何ができようか

いくら思考を巡らしてもいい考えは一向に浮かばない
金は昔からため込んだ分が大量にあった
これだけ金があれば、盗みの世界から足を洗って次の仕事で安定するまで持たせてもおつりがくるだろう
だがプライドがそれを許さなかった
なんとかしてあの女を堕としてやるという復讐心だけが彼らを動かしていた

だがやはり考えても出ない物は出ないのだ
盗賊たちはもんもんと唸るだけの生活を続けていた
だがそんなある日だった
街のはずれの廃墟を勝手に占拠し隠れ住んでいた盗賊の一団に転機が訪れる

「か、頭!!てぇへんでさ!」
「なんだ騒々しい、敵でも来たのか?」

奥の部屋でルビーの剣士を堕とす方法を考えていた盗賊頭の下へ慌てた様子でその手下の一人が駆け込んでくる

「ち、ちげぇやす、なんでも頭に直々にあいてぇって輩がきやがりやして!」
「それがどうした、おいかえせ!」
「そ、それがそいつ、めちゃめちゃつえぇんでさ!なんだか長い鞭のようなもの振り回して襲い掛かった他の連中をはねのけやがりまして・・・」
「なに!?ならそいつはもうすぐここに来るんじゃねぇのか!?」
「い・・・いえ、あいつは、私は入り口に居ますから、親分さんに取り次いでくるようにって・・・」
「な、舐めやがって・・・おい、今すぐそいつを呼んで来い!」
「へ、へい!」

手下は入口の方へと走っていった
その間に盗賊頭は部下を配置しその不届き者に制裁を加えようとしていた

(っち・・・こんな時にケンカ売ってきやがって・・・容赦しねぇ!)

「か、頭ぁ!つれてきやした!」

手下は黒いフードをかぶった男を連れ戻って来た
そのまま手下は頭の横へフードの男は頭のそばまでよらず言った

「コンニチハ、盗賊のみなさん」
「てめぇ、部下を可愛がってくれたそうじゃねぇか・・・」
「いえいえ、私はただアナタに会いたいと言っただけです、そうしたら部下の方々が斬りかかって来たので、退いてもらいました」
「っけ・・・気に入らねぇな、責任を持とうとしねぇその態度はよ」
「なら、あなたは今まで襲った方々へ責任を持って罰されるべきでは?」
「面白くねぇ野郎だな・・・やっちまえ!!」

盗賊頭の一声で物陰に隠れていた手下たちのマスケットが爆裂する
複数の鉛弾が四方八方よりフードの男へ向かって襲い掛かる
だが発射と同時、いやそれより少し早くそのフードから白く光沢のある長い鞭のような物、あるいは赤黒い吸盤のついた物など様々な異形なるなにかが這い出してその鉛弾をはたき落した

「なっ!?てめぇ!なにしやがった!?」
「おやおや・・・私は何もしていませんよ・・・もっとも、私の愛する彼女たちが助けてくれましたけどね・・・」
「何言ってやがんだてめぇ!」
「そうかっかしないでください・・・むしろ、私はあなた方を助けに来たのですよ・・・?」
「あぁ?」

一向に殺気どころか闘う気配までも見せないその不気味な男に盗賊頭も毒気を抜かれる

「私は、あなた方のような方々をたくさん見てきました、この国ではない色々な所で・・・そしてこの国に来たとき聞いたのですよ、ルビーの剣士の噂・・・あなた方の悩みの種はずばりそれでしょう?」
「・・・だからなんだってんだよ」
「犯しても痛みつけても望んだ反応は得られそうにない、でも殺してしまっては鬱憤は張れない・・・あぁ、難しい問題ですね」
「なにがいいてぇんだ、あぁ?」

手の内を見せようとしない男に少しずつ盗賊頭もイラつき始める
それをあざ笑うかのようにフードの男は続ける

「いえね、その剣士を堕とすのを手伝って差し上げようと思ったのです」
「どういう魂胆だ、てめぇ、この国の人間じゃねぇんだろ?なら盗賊を助ける必要があるのか?」
「えぇ・・・ありますよ、条件次第で私は誰にでも力をお貸ししますよ?」
「・・・金か」
「フフ・・・これだからこういう方々は話が早いですね・・・でも安心してください、私の商品を買っていただきたいだけです」
「商品だ?」

黒いフードの男はスッとローブの中から複数の紐が交差したのような物をとりだす

「なんだ、こりゃ?」
「まぁ、お待ちください・・・」

そういうとどこに隠していたのか次々にローブの中から物を取り出していく
胸の部分に穴の開いた肩紐から胸部のみを覆う着衣のような物
首輪に腕輪、ふわふわした厚手の布のような物もある

「こりゃ・・・衣か?」
「ええ、とある国の革製の拘束具です、この紐のようなもので下腹部を締め上げます」
「バカ野郎!拘束した位であいつは何とも思わねぇだろが!俺等もそれじゃ満足できねぇ!!」

盗賊頭はドンと椅子の肘掛けを叩き怒鳴る
それをフードの男がなだめるようにように言う

「まぁまぁ・・・待ってください、これはただの拘束具ではないんです、私の・・・まぁ、友人のような方が特製の呪いをかけていますので」
「あぁ?なんだてめぇ魔術師かなにかなのか?」
「魔術師なんて大層な物ではありませんよ、あくまでも私の友人がその類というだけです」

あくまで声色を変えず淡々とフードの男は語る
正体を探ることもできないため、盗賊頭は話を戻した

「まぁ、そんなことはどうでもいい・・・で、どんな呪いがかけられてるってんだ?」
「そうですね・・・オーク、という種族を知っていますか?」
「オークっていや、あの野豚娘どもだろ、あれがどうしたってんだ」
「この拘束具はですね、縛った者をオークに変える力があります、これによりオークとなったルビーの騎士なら、いかようでもやり方はあります」

その淡々とした口調で冗談じみた事を言う
そのセリフで一瞬場は凍りついた
今のイライラしている頭に冗談なんて言ったら殺されるからだろうから

「・・・・・・てめぇ、冗談も大概にしねぇとたたっきるぞ!!」
「・・・そうですか、なら、実演しましょう、それで気に入ったら、これ買ってください」

それだけ言うと男は身を翻しその場を後にしようとする
だがもちろんそれは許されない

「てめぇ!!逃げるつもりじゃねぇだろうな!?」
「・・・はぁ、そうですね、逃げるようにも見えるかもしれませんね・・・なら、私はここに居ますから、人間の女を一人、つれてきてください、私はここに居ますから」
「ふざけるのも大概にしやがれ!!」

そういうと頭は椅子に立てかけてあった大刀を抜きます

「・・・解りました、なら、これの効果が実証できない場合、私を殺して構いません、ただ本物だったら買ってください、高値で」
「命より金か!あぁ!?」
「そうですねぇ・・・ちょっと事情があって常に物を食べていたいくらいな体なものなのですよ、そのためにはお金が要りますからね・・・他にも理由はありますが・・・」

感情のこもっていない声で男は言った
その振る舞いをやはり頭は気に喰わない様子でしたが、黙ってそれに従います

「っち、いつまでも手の内みせねぇでよ・・・おい、適当に女連れてこい、見つかるなよ」
「へ、へい!」

手下たちの数人が駆け足で街に出ていきます
それを見て男は、早く帰ってきてくれればいいですね、とだけ漏らした
頭はその間にこの得体のしれない男を少しでも知っておく必要があると踏んだ

「てめぇ、名前も聞いてなかったな、なんてんだ」
「私の名前、ですか・・・?・・・そうですね、呼び名がないのはめんどうですしね、では、バロン、と名乗りましょうか」
「バロン・・・その名、てめぇ、貴族か何かか?」
「私の言うバロンは貴族の事ではなく、自由の事ですよ、まぁ、そんなものはるか昔の呼び方ですがね・・・」

探りを入れても、うやむやにかえしてくるだけの男
これには盗賊頭も頭を悩ませる

「ならバロン、とりあえず座れ、てめぇを信頼するために、てめぇの事を知る必要がありそうだ」

もはや探りは意味をなさないと感じたのか、直球で問いかけに行った
が、それにもバロンは動きを見せない

「私、訳あって座れないんです、今」
「あぁ?どういうことだ?」

もはや意味の解らないことしか言わないバロンだったが、少し考えるそぶりを見せ言った

「まぁ、確かに商売しようという相手から信頼を得られないというのは、いかんせんよろしくないですね、では、ほんの少しだけ、見せてあげましょうか」

そういうとバロンは自らの着ていたローブの留め具を外しバッと開いて見せた

「うっ・・・!?」

盗賊頭も声を失った
そのローブの中では二匹のタコのような物とイカのような物がうねうねと男の胴体に絡みつき舌を這わせていた

「あら・・・ダーリン、見せちゃっていいの・・・?それとも見せつければいいのかしら?」
「んな訳ないでしょ!もう、でも、あんたが決めたんなら、反抗しないけどさ・・・」

白い触手を持つ妖艶な笑みを浮かべた娘が放った言葉に、少し強気な印象で笑う赤黒い触手を持つ娘がツッコんだ

「てめぇ、魔物だったのか!?」
「私は・・・どうなのでしょうね、ただ私の嫁は魔物ですよ」
「・・・っは、はは・・・すべてつながったぜ・・・魔物の呪いってなら確かめる必要もなくなったって訳だな」

頭が全てに気付き今までの自分がおかしく思え乾いた笑いをもらす
それを見た強気な印象の娘が怒鳴り散らす

「ちょっとオッサン!さっきコイツに向かって銃撃ったでしょ!死んだらどうするつもりだったのよバカ!!」
「まぁまぁ、落ち着きなさい、何のために私たちがこんな魔術を受けてまで付いてきてると思うの?」
「姐さんはこいつとヤりたいだけでしょ・・・」

体に巻きついた二人の美女が慰めるように絡み合った
そんなことを気にすることもなく興奮気味に頭は続ける

「魔物の呪術がかかってるってんならもう確かめる必要はねぇ、さっさとそいつを売ってくれ!」
「おやおや、せっかちですね、これが本物かもわからないのに」
「偽物でもなんでも、あの女を苦しめられる可能性が金で買えるなら安いもんなんだよ!!はやく売りやがれ!」
「なにこのオッサン、暑苦し・・・」
「うふふ・・・男らしくていいじゃない、ダーリンの方が百倍、いえ千倍、それ以上に男らしいけれど・・・」
「では、これら一式はお譲りしますね、使い方は簡単、最初に対象をこれらで拘束してください、そして拘束が終わったら、これを頭に付けてください、近づけると勝手に張り付きますので」

そういいバロンはふわふわした厚手の布のようなものを手に取る

「んだそりゃ?」
「耳です」
「耳だぁ?」

あまりにも的外れな回答にすっとんきょうな声を上げる盗賊頭
だがバロンは構わず続ける

「この耳がスイッチとなりますので、この耳をしっかりつけてください、後は勝手に豚になりますから・・・あぁ、そうそう、オークの生態を記した説明書もおいておきますから」
「へ、へへ・・・みてろよ、あのクソ女・・・」
「きいてないみたいね」
「そだね、んじゃいこ」
「そうだな・・・では、ありがとうございました」

もうルビーの騎士を堕とすことしか頭にない盗賊頭を置き、女を連れて戻って来た手下を横目に見ながら、バロンは去っていった






「はぁぁ!!」
「ぎゃっ!!」

時所変わって、北端の村
しがない山賊の手によって襲われていた村で紅の剣閃が舞っていた

「ふぅ・・・これで、すべてか」
「あ・・・あ゛」

足や手を落とされ、虫のように倒れ気を失っている賊達の中心に一人の戦士が立っていた
紅い鎧に映える長い金髪をかき上げ冷ややかに汚物を見るような目で辺りを見渡す

「・・・つまらない、もうこの国の賊では私の足元にも及ばないようだな・・・下賤で貧弱なくせに、人様の迷惑を顧みないとは、本当に生きる価値のないやつらだ・・・」

意識のない賊に吐き捨てるように言ってその場を後にしようとする
だがその後ろから数人の若者が駆け寄る

「あ、あんた、あれだろ!?噂になってるルビーの剣士だろ!?」
「ほ、ほんものだ・・・やった!助かったんだ!!」
「・・・」

この剣士、実は迷っていた
自らの力量を知るため、そして困っている人々を救うため、故郷を捨て、友を捨て、女を捨てて国中を巡っていた
最初は良かった、数の多い賊どもを圧倒し人々を救う、自分の強さの証明と人々からの称賛、二重の美酒に酔っていることもできた
だがじょじょにそれらは物足りなくなっていく

自らの力量の限界を見ることができない相手と戦うことではもはや満たされることはなく
そして救った人々は、その無力にも等しい貧弱な者達の亡骸、または重傷体をみて歓喜に踊る
倒された賊の傷があまりにもひどく同情しようものなら、その同情したものは異端と言われる
それが果たして正しい事なのか、自分は何のためにこの剣を取っているのか、解らなくなり始めていた

もうこの国でやることは終わったのかもしれない、もっと自分を満たしてくれる者を求め、他国へ渡るほうがいいかもしれない、そう思い始めていた
だからこそ、国からの仕官を蹴ったのだ

「ありがとうございます・・・ありがとうございます・・・」
「いや、私は礼を言われるようなことはしていない・・・それに、これからは自分たちで身を守る術を手に入れていた方がいい・・・私が現れることもおそらくもうすぐなくなる・・・」
「はぁ・・・それはどういう?」
「私は、もうすぐこの国を去るつもりだ・・・他の者たちにもそう伝えておいてくれ・・・ルビーの剣士なんて偶像に縋るな、とな」

それだけ言うと彼女は身を翻し、その場から去っていった
その後ろ姿と言葉にだれも口を開くことも追いかけることもできなかった





北端の町をしばらく東に進んだ先にある街
彼女はここで宿をとっていた

(明日の朝早く、この国を立とう・・・)

そんなことを思いながら彼女は愛剣の手入れをしていた
幾多もの血液を吸っていながらもその剣はいまだに鋭さを損なっていない

コンコン

「・・・どうぞ」

彼女がノックに応えると、宿屋の主人がワゴンを引いて入ってくる

「食事の用意ができたのでお持ちしましたよ」
「そうか、すまないな、わざわざ」
「いえいえ、かの有名なルビーの剣士様ですから、これくらいは」

テーブルの上に料理を並べながらそう言って、一通り並べ終わった後、頭を下げながら主人は部屋から出ていった

「気を使わせてしまったか・・・」

少し申し訳のない気分になりつつ彼女は食事に手を付け始めた
最初は何のことはなく食べていたのだが、その手はじょじょに遅くなっていく

「な・・・んだ・・・妙に、ねむ・・・」

ガタンッ・・・

彼女はテーブルの上に突っ伏し、意識を閉じた





「ん・・・ここは・・・」

彼女が目を覚ました時、そこは宿屋ではなくなっていた
薄暗い物置のようなそんな場所だ
両の手足は縛られ、首輪までされている
服装は何やら黒い革の胸の部分に穴があけられていたり、肌を覆う部分が極端に少ない破廉恥な物に変えられている

「おうおうおうおう!めぇ覚ましたみてぇだな!ルビーの剣士さんよ!」

ずかずかと足音を立て、巨体の男が入ってくる

「・・・賊どもか、ならあの主人もグルだったというわけか・・・」
「勘違いすんな、お前に恨み妬みがあるのは俺等みたいなやつらだけじゃねぇンだよ!」
「・・・なるほどな、さしずめ、落ちこぼれの兵士のなれの果て・・・か、殺さなかったところを見ると、私を辱めるつもりか?やめておけ、こんな破廉恥な物を着させたくらいで、私は屈指はしない、時間の無駄だぞ?」
「っけ・・・やっぱ気にくわねぇなぁ・・・そんな格好にまでされたってのに、その態度崩さねぇってのはよぉ」
「お前らのようなクズみたいな生き物に気に入られる態度は生まれてこのかたしたことがなくてな」
「まぁ、減らず口聞いていられるのも今の内だ、おい、あれもってこい」
「へい頭!」

決して下手に出ない彼女を面白くは思わない賊達だったが、それも今はスパイスのようなものだ
手下がふわふわとした厚手の布を持って戻って来たとき、ひときわ大きな頭と呼ばれた男の顔がにやりと歪む

「おら、これつけやがれ!」

そういい彼女の頭にその厚手の布を押し付ける

「っく・・・布が頭にくっつくわ・・・けぇ・・・」

その時頭に今まで感じた事のない快感に似た何かが走る
そのバチバチとした感覚と同時に頭だけでなく体全体に電撃が駆け巡る

「ぁ、あぁ、ぅわ・・・ああ゛あ゛!!」
「へっへっへ・・・」

周りでそれを見ていた賊達も顔に下卑た笑いを張り付けた
だが彼女にそれを気にしている余裕はない
体全体が解けてしまうような熱に包まれ視界が歪み体中が痙攣する

「ぁ・・・ぁ・・・っぐ・・・きさま、ら、なにを、した・・・!」

体をを覆う衝撃が抜けると彼女はすぐさま反抗的な瞳を賊達に向ける
だがその姿、彼らが求めているそれと同じ

「んん?何をしたかって?なら教えてやるよ」

そういうと盗賊頭は彼女の愛剣を取り出す

「貴様!私の剣に勝手に触るな!」
「うるせぇ豚だな・・・おら、見やがれ!」

そういって剣を抜くとそれを彼女の前に突き立てる
手入れの行き届いたその剣には一点の曇りもなく、まるで鏡のように目の前のものを映し出した

そこに映っていたのは美しい彼女の姿ではなかった
鍛えた肉体はたるみ、抱き心地の良さそうな脂肪へと変わっている
長かった髪も短くなり、顔は丸みを帯び、美しいというより愛らしいといった印象を受ける

「こ・・・これは・・・?」
「おめぇだよ、お前はこのオークになったのさ」
「な、ば、バカな!そんなこと、あるはず、がッ!!」

反論に声を上げた豚の鳴き声が止まるほどの蹴りが彼女の腹にはいった

「ぶひぶひうるせぇんだよ、オークになってから、声張りだしやがって」

彼女が息を整えている間、頭は着衣を脱ぎ始める
すればもちろん体に見合った巨根が露わになる

「・・・っ・・・わ、わたしは、快楽になんて・・・くっしないぞ・・・」
「さぁてな、そりゃどうかな」

そういうと頭は彼女の後頭部を両手で鷲掴みにとその口元へその肉棒を押し当てる

「く・・・くさ・・・きたないものを、私に、近づけるな・・・ッ」
「いいから黙って咥えろってんだ!!」
「んぐぅぅぅぅ!」

無理矢理こじあけられた口内に強烈な異臭を放つ肉塊が侵入してくる
あまりの匂いに頭がくらくらしながらもなんとか逃げようと首をふるが頭を固定されているため、逃げることなどできず、むしろその肉棒をいやらしく舐めているような動きとなってしまった

「へへ・・・おめえも好きもんじゃねぇかよ・・・じゃ、遠慮なくいくぜ!」
「んぶぅ!」

声掛けと同時にその肉棒が喉の奥まで侵入してくる
それによって、頭の腰部にキスするような体勢になってしまう

(い・・・いき、が・・・)

喉の奥までを塞がれた彼女は息をすることもままならない
涙とよだれで顔がぐちゃぐちゃになっているのも構わず、この辛い体勢をなんとかするため、必死に盗賊頭の足を叩いた

すると願いが通じたのか、ずるずると肉棒が引き抜かれていく
待っていた気道の確保ができたことで、いやしく鼻で息を吸い込む
男くさい盗賊頭の匂いと共に空気が入ってくることで、身体後悦びの声を上げるのを感じた
だがそれも一瞬、再びその極太が喉奥まで侵入してくる
そしてまた彼女の息が苦しく我慢の限界となった瞬間を見計らい息ができる程度まで引き抜かれる

じゅぶぅ・・・ふご、ふご・・・じゅぶん

「へっへっへ、鼻息まで豚だな、ほら、雌ブタに餌をくれてやるよ!」
「じゅぶんじゅんじゅじゅじゅ!!」

そして今度はもう引き抜かれることも無く、ただ物のように乱暴に口内を喉奥を犯されてゆく

「お゛、お゛こ゛!じゅぐぐじゅばじゅ!」

もはや息をする暇もない激しいピストンに酸素の足りない身体はついて行かず意識は飛びかけ、なすがままの状態で、ただその男くさい肉の匂いと味を感じるだけとなった
そして、その肉が一瞬膨張したと思った直後

ぶびゅぅぅ!!

「んんんんんっぐぅぅぅ!!」

胃に直接生臭いどろどろとした欲望の塊を流し込まれる

(っく、くひゃい・・・ぐるひぃ・・・は、はやく、おわって・・・しぬ・・・)

射精の時間はそんなに長くはありませんでしたが彼女にとってはかなり長い時間に感じられた
そして、その吐精が終わると、ゆっくりとその肉槍は引き抜かれていった

太い肉棒を咥えていた口は緩み、よだれとも精液とも解らない泡立った液体を垂れ流し、眼は焦点を失い、身体は弛緩してしまっている

ドクン・・・ドクン・・・

(こ、こんどは・・・・な・・・なに・・・ッ)

彼女は体にまたしても異常を感じた
燃えるような鼓動、治まらない動悸に上気した頬は熱くなり、股間部が急激にうずき始める

(な、なんだ・・・さっきまであんなに、嫌だったのに、あの男の物が、愛しくてたまらない・・・あんな、クズみたいな人間のなのに・・・なぜ・・・こんなに・・・胸が高鳴るんだ・・・ッ)

知らず知らずのうちに視線は盗賊頭の肉竿へと集中させてしまっていた

「おやおや、あの聡明な剣士様が俺のチンポにくぎ付けになってやがるぜ!」
「そ、そんなわけ・・・」
「まぁ、いい・・・勝手に使わせてもらうからなぁ!」

そういうと彼女の秘部にその肉竿をあてがう

くちゃ・・・

すでに彼女のそこはぐちゃぐちゃに湿っており、男を受け入れる準備は完璧に出来上がっていた
だが、そのことを彼女は気付いていなかった
今まで男を知らなかった自分が、嫌悪の対象である奴にむりやり喉奥を犯され更にその生臭い匂いと射精しても衰えない男根に興奮したなんて思いもしないのだから
だが、彼女は今オークとなっていると言う事を勘定にいれていない

「ぁ・・・あぁ・・・や、やめ・・・」

じゅぶ、ぶちぶちぶちぃ!!

「あ゛ぐぁぁぁっぁぁぁぁあぁぁぁ!!?」

まるで身体を引き裂かれたかのような痛みが襲う
だがその痛みを彼女は快感として認識した

(ぐぁぁ!は、はじめて!はじめてなのにぃ!こ、こんな、とけてしまうぅ♥)
「おいおい、はじめてのくせに、そんな惚けた表情しやがって!そんなにこいつがいいのかよ!」

じゅぶ!じゅぶ!じゅぶん!じゅぱん!

盗賊頭はまだ血が出て馴れていない膣内を抉るように突き始めた

「ぐっ♥ひ♥あ゛♥あ゛ぉお゛♥」
「雌声もれてっぞ?あぁ?」
「ぞ、ぞんなこっとぉぉ♥♥」
(き、きもちぃ!な、なぜ、なんで、なんで、こんなやつの、こんなクズみたいなやつのがぁ!!)

じゅぶじゅぶじゅぶじゅ!ぱんぱんぱん!!

膣壁をこすられるたびに、身体は否が応でも反応してしまう
こじ開けられたばかりの肉穴からは蜜を次から次へと溢れだし、膣肉は奥へ奥へと誘い込む様にうねうねと動く
それらの行動は全て、まるで愛する夫にするかのような甘えた態度であった

「びっ!ぎぃ♥あ゛あ゛あ゛♥♥も゛、も゛う、やめでぇぇ!!」
「へっへ・・・いいぜ、やめてやるよ」

じゅぶ!じゅぶ!ぬちゅ!くちゅちゅ!

「う、うしょちゅきぃ!!やめれぇ!」
「おいおい、濡れ衣は良くねぇなぁ、良く見てみろよ?」
「ふぇ?」

そう言われ、結合をまじまじとよく見てみる
すると、確かに盗賊頭は動いておらず、代わりに腰を振っていたのは他でもない彼女自身だったのだ

「え?え?う、うしょ・・・と、とまれ、とまっれぇ!」

必死に中を締めたり緩めたりはしても、動きそのものは止まらない
まるで壊れたおもちゃのようにその動きを止めない
本能のまま動き始めてしまった彼女の動きは止められない

「はっはっは、こいつはいい!!おめぇはもう淫乱なただのメスブタなんだよ!俺様のチンポに媚びることしかできないただのブタだ!」
「しょ、しょんにゃ・・・!」

そういい盗賊頭は彼女の尻をガシッと掴むと叩きつけるようにピストンを始める

「おらおら!そろそろ自分の立場が解ったか!?俺様に身も心もブタになり一生を尽くすと誓いやがれ!!」
「っぐっぎぃぃ〜〜〜♥♥い、いやだ、いやらぁ!!」
「へっへ・・・面白れぇじゃねぇか!!どこまで耐えられるかな!」

ずぶん!!ずばん!ずぽっ!ずっ!じゅっぶん!

拒む彼女を堕とすべく激しいハンマーのような突き上げで攻め続ける
さらに首輪の鎖を引き寄せ、無理矢理その唇を奪う

「ちゅぅ・・・♥ちゅっじゅるる・・・ちゅぱぁ♥」
(あ、あたまがぁ・・・とろけ・・・ま、まけにゃぃ・・・くっしゃにゃ・・・ぃぃ!)

その強制的なキスも、彼女にとっては甘美な物
ねじ込まれた舌を受け入れ、自らの舌を絡ませ吸い付いた
その時だった

じゅん!じゅぷん!ずっ!!メリメリ!!

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♥♥」

子宮の入り口をこじ開け、子宮内にまで一物が侵入してきたのだ
その衝撃は、彼女を人間でたらしめる物を粉々に粉砕するのには十分すぎるほどだった
痛みとともに訪れた未だかつてないほど強烈な快感
人間なら意識が飛んでもおかしくないほどの衝撃を受け止めた体が、もはや人のものではないことを、受け入れる

「しゅ、しゅごぉぃぃ!!ごりごり♥ごりごりぃ♥♥」

彼女の中の盗賊への嫌悪感が悦びへと変わっていく

「ご、ごめんなひゃい!ぶ、ブタなのに!メスブタなのに、生意気言って、ごめんなさいぃぃ〜〜♥♥もう、わらひ、メスブタとして生きていきまひゃかりゃぁぁ!ごひゅじんひゃまの、しぇえきれ、種づけてくりゃひゃいぃぃ♥♥」
「よくいいやがったな!!おら!孕みやがれ!!」
「ぐっひぃぃぃぃいいいい!!♥♥」

ぶびゅるる!びゅるびゅぶぴゅぴゅ!!

「ぶっひゃぁぁ!!メスブタおまんこ孕みながらイッぐぅぅぅぅぅ♥♥♥」

彼女は思った
今までの自分の人生はなんてくだらないものだったのかと
それは満たされないわけだ
こんなに素敵な事がこの世の中にあるのに、それを知らなかったのだから

「へっへ・・・お前はこれで俺専用のメスブタだ、せいぜい壊れるなよ?」
「ひゃい〜・・・が、がんばりまひゅ、がんばりまひゅから・・・もっろ、もっろ犯して、ご主人様おちんぽ、感じさせてくりゃひゃいぃ・・・」

その後、ルビーの剣士を見たものはもちろんいない
一説によると、他の国の人々を救いに行ったとか、なんとか
再び賊達は活動を開始しましたが、町や村でもそれらから身を守るために戦士となる物も出てきて、国の兵士たちも、再び訓練に勤しむようになった

一匹の豚が生まれた代わりに国は元のあるべき姿を取り戻したのである



                END

はいご清聴お疲れどうもでした

今回はライトにイクゾって思ったんですが、ライトに行けたんですかね?

下手なりに頑張りましたがまだまだ至らないところがあるのも事実、ご指摘、ご感想等等々お気軽にお願いします

予告―次は多分今までにないくらいゲロ甘になるかも・・・
そちらでもお会いできればと思います
ではまた次の作品で会えれば幸いです、ありがとうございました

15/09/11 14:23 シュウザキ

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