読切小説
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ホワイトクリスマス
「お父さん!お母さん!行ってきます!」

「ああ、いってらっしゃい」

「気を付けてね」

「はーい」

元気に家を出て行ったな。

今日は好きな人の家に泊まるそうだ。

「・・・行ったか」

「気になります?」

「あの子はまだ10歳なんだ、気にならないわけがないだろう」

「ふふ・・・そうね」

「・・・あの子が生まれてもう10年か」

「もう、そんなに経つのね・・・」









俺には小っちゃいころから一緒に遊ぶ子がいたんだ。

みんなと遊ぶ時はいつも一緒で遊んでない時もたまに一緒にいたんだ。

ある日、誰かが雪山にいこうと言い出してみんなで行った。

雪山と言っても山のふもとまでで、

そこに綺麗な雪原あってみんなで雪遊びしてた。

その帰り、吹雪に吹かれて俺はみんなとはぐれてしまった。

吹雪の中、必死に前に進んでいたら家屋が見えた。

「この山にこんな家あったっけ?」と、不思議に思ったが、

その家から暖かそうな明かりが見えて、

吹雪がやむまで居させてもらおうと急いで向かった。



みんなとお気に入りの場所で遊んだ後、私は家に帰ってお母さんの料理の手伝いをしてた時、

トン トン

家の戸が叩かれる音がしたの。

「誰だろう?」と戸を開けたら、あの子が立っていた。



吹雪の中、いつの間にかあの子の家にたどり着いていた。

あの子とはいつも一緒にいたがあの子の家には行ったことは無かった。

着いてちょうど夕飯だったので一緒に食べさせてもらえた。

食べた後、吹雪はいつの間にかやんでいたが日は沈み切っていたので泊めてもらうことになった。



あの子を家に泊める事になって、

私の布団に一緒に包まって、ちょっとお話をしてた。

私は男の子の体について、

あの子は女の子の体について、

お互いの疑問を言い合いながら私たちは眠りについた。



あの日以来、俺はたまにあの子の家に泊まりに行くようになったが、

大人になるにつれてだんだんと行かなくなって、

会話はするけどそれもだんだんと話さなくなっていた。

そんな日々が続いてた時、彼女が新居を立ててもらったから来てほしいと、

彼女に誘われ新居に一緒に行った。



彼との距離が少しずつ離れていって少し落ち込んでた時、

お父さんが思い切って私の為に新居を立ててくれた。

お父さんが思い切ってくれた・・・私も思い切って彼に告白するの。

そのために彼を立ててもらった新居に招いた。



彼女が新居に付いた途端、

「ねぇ・・・私と一緒に住みましょ?」

突然告白された。

今まで親友だと思ってた彼女に告白されて混乱した俺は、

「・・・すまない、少し考えさせてくれ」

そう言って彼女をおいて出て行った。



帰り道、いつの間にか吹雪が吹いていた。

いつも一緒にいて、一緒に・・・

そんないろんなことを考えた。

吹雪が前も見えなくなるほど濃くなっていたがそんなことはお構いなしに考えながら歩いていた。

『俺は彼女を好きなのか?』

考えて、考えて、考えて、

そして一つの結論に達した。

『いままでの自分が好きかどうかは正直わからない・・・でもこれから好きになっていけばいい』

そう、考えがまとまった時には吹雪はただ雪が降っているだけになっていた。

そして、いつの間にか俺は彼女の家の前にいた。










あれから私たちは子供を授かりそれから10年、いろいろな事があったわ。

一緒に笑ったり、一緒に泣いたり、たまにはけんかもしたけど、

「あら、雪」

「君が降らせてるんじゃないのか?」

「違うわよ、あの子が降らせてるんでしょ」

「・・・十年前も、こんな雪の日だったな」

「ええ・・・そうね」

「なあ・・・俺は君を愛せているだろうか」

「ええ、もちろん」



俺たちはいつも一緒で幸せです。


12/03/18 19:59更新 / LCND

■作者メッセージ
クリスマス→ホワイトクリスマス→雪→ゆきおんな、大体そんな発想

だがなんだろう・・・無性に叫びたい。

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