読切小説
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ドッペルゲンガー、大失敗!
ある街のある路地裏・・・
一人のドッペルゲンガーが潜んでいた。
その視線の先には一人の男・・・
『あの人・・・失恋したみたい。 負の感情が・・・とりまいている・・・』
その男は線が細い感じで肌もきめが細かく、女と見まがうような雰囲気だった。
『・・・可愛らしい。 あの人を・・・』
そう思ったら即行動に移す。
彼女は路地裏の闇から魔力を発し、男の記憶を探り始めた。
『さぁ、誰なのですか・・・あなたの【想い人】は・・・?』
振られたばかりでその人のことばかり考えていたためか、すぐにその人物は特定できた。
特定すると同時に、彼女の身体がターゲットの思い人に変わっていく。
ぎゅお・・・
ドッペルゲンガーの身体の周囲に真っ黒なつむじ風が吹き荒れ、その風が取り払われた瞬間には変身が完了していた。
変身した人物は自警団で働いており、ターゲットの男より少し背が高く、体つきも少ししっかりとしているが暑苦しい事はない、爽やかな好青年だ。
『えっ!?!?』
ドッペルゲンガーは仰天した。
改めて変身した人物の情報を再確認してみる。
間違いない、男になってしまったようだ。
『もしかして・・・』
恐る恐る、ズボンを下ろしてみる。
そこには本来なら自分にはない、男性器がついていた。
『こ・・・これが男のひとのオチンチン・・・』
思わずマジマジと見る。
他の皮膚の色と違って黒っぽい陰茎、その下でぶらぶらと揺れている陰のう・・・
間違いなく男のものだ。
そして・・・見ていると変な気分になってきた。
『あ・・・?』
変な気分になると、その男性器が熱感を持ち、少し大きくなった。
『こ・・・これが勃起?』
男の性器は触ったり、咥えてしゃぶったりと物理的な刺激を与えれば興奮し、固くなっていくと知り合いのゴーストに聴いたことがあった。
自分でその性器を触ってみる。
『な・・・何これ・・・』
女の快感とはまた少し違う、鈍い快感が腰のあたりに広がる。
少しの間触っていると、あっという間に男の性器は充血し、張りつめた。
固くなった性器はまさに肉棒という異名を与えられることに納得してしまう見た目であった。
『すごい・・・クリトリスと違って・・・固くなっているのが・・・ハッキリわかる・・・』
会陰のあたりに力を込めると、肉棒がひくりと動く。
肉棒を手のひらで握るように包み、前後往復させてしごきたててみた。
「う・・・ん・・・」
思わず声が漏れる。
漏れた声は変身した元の男の声であり、その声は中性的であったが、ドッペルゲンガーはそれに気付かない。
男の快楽に夢中になっている。
『これ・・・これぇ・・・おちんちんと腰のあたりだけが気持ちいいのぉ・・・』
女性の快感と違って、全身に甘い快感が広がったり、頭がしびれるような感覚ではない。
快感は下肢にだけ集中していて鈍いものだが、その快感はさらなる快感を要求する。
それを求めてドッペルゲンガーはさらに男性器をしごきたてた。
快感で立っているのがおっくうになり、むき出しの尻をぺたりと路地裏の地面につける。
「はぁ・・・はぁ・・・」
荒い息をつきながら夢中で男性器をしごいていたが・・・
「おやおや、あなたはこんなところで一人で何をしていらっしゃるのですか?」
いきなり声をかけられ、冷水を浴びせられた気分だった。
声の主は頭に2本の角を持ち、腰からはハートの矢印型の尻尾と羽毛のような羽が生えており、豊満な身体を快楽ルーンの入った修道服で包んでいる。
ダークプリーストだ。
「こんなところでオナニーだなんて・・・よっぽど溜まっていらっしゃるんですね。かわいそうに・・・私が慰めて差し上げましょう。これも墜落した神に仕える身としての使命・・・」
修道服に手を入れ、ダークプリーストは黒いショーツを脱ぎ捨てる。
「え・・・あ・・・ち・・・違います、そんな・・・」
「何が違うんですか? さっきまでここでオナニーをしていて、今もココはこんなにしているじゃないですか」
ドッペルゲンガーの前にかがみこみ、ダークプリーストは男性器を軽く掴む。
『はぅっ! な・・・なんでぇ!? 女の身体だったら、今ので完全に醒めちゃっているはずだよ・・・』
変身する前の、女の身体のことを知っているドッペルゲンガーは困惑する。
だがダークプリーストの言う通り、その男性器は興奮醒めやらず、まだ硬度を保っていた。
それどころか彼女に触られてさらに快感が生じる。
「辛そうですね、かわいそうに・・・今慰めて差し上げますね」
優しげで、その一方で魅惑的な笑みを浮かべながらダークプリーストはドッペルゲンガーをまたぐ。
そしてゆっくりと腰を下ろしていった。
にゅぶ・・・
何とも言えない淫靡な音を立てて、ドッペルゲンガーの偽りの肉棒はダークプリーストの魔性の膣に飲み込まれた。
「ふあああ、何これぇ・・・!?」
思わずドッペルゲンガーは声を上げた。
『ぬるぬるしていて・・・熱くて・・・』
未知の快感にドッペルゲンガーは身もだえする。
「気持ちよすぎるよぉ・・・!」
「うふふ・・・女のコみたいに可愛い声を上げますね。 さぁ・・・動きますよ」
ドッペルゲンガーの上でダークプリーストが腰を弾ませ始める。
ぐちゅ・・・ぬちゅ・・・といやらしい音が結合部から洩れる。
「や・・・やめて、動かないで・・・ん・・・あ・・・!」
「んふふふ・・・初々しい反応。初めてでしょうか?」
もちろん初めてである。
彼女はまだ性交を経験したことはないし、まして男の身体となってその快楽を知るなんてことは本来だったらあり得ないことなのだ。
『男の人って・・・女の人と交わるとき、こんなに気持ちいい思いを・・・しているの?』
いつしかドッペルゲンガーは自ら腰をダークプリーストの下から振っていた
「ひああ・・・だめ・・・だめぇ・・・あ・・・!?」
急に内股のあたりを搾られるような感覚に襲われ、ドッペルゲンガーは声をあげた。
その様子をダークプリーストは敏感に感じ取る。
「ん、イキそうですか? どうぞ、私のナカにあなたの欲望をたっぷりと吐き出してください」
魅惑的な笑みを浮かべ、ダークプリーストは膣肉をきゅきゅっと締めあげる。
今まで女だったドッペルゲンガーが、男の体での我慢の仕方が分かるはずがなかった。
「あ、あ・・・アッーー!?」
男の体の本能なのか、ダークプリーストの身体の奥に精液を注ごうとするかのように、腰が跳ね上がる。
同時に精液が堰を切ったようにドッペルゲンガーの肉棒から放たれた。
「ウフフ・・・出てる出てる・・・おや?」
精液を子宮で受け止めながら満足げな笑みを浮かべていたダークプリーストだったが、すぐに怪訝そうな表情を浮かべた。
そして
「きゃあああ!?」
悲鳴を上げながらドッペルゲンガーからのけぞるようにして離れた。
ドッペルゲンガーの身体のあちこちから黒い煙が上がっていた。
煙はしばらく噴出していたが、その煙が消えた時・・・
「う・・・うううん・・・」
黒い衣を身にまとった小柄で臆病そうな少女の姿が現れた。
ドッペルゲンガーの正体だ。
どうやら持っていた魔力を精と言う形で放出してしまったため、変身した姿を保てずに元に戻ってしまったらしい。
「あ、あれ・・・あ・・・あなたは・・・ドッペルゲンガー?」
「ひっ!? は、はい、そうです・・・」
ビクっとしながらドッペルゲンガーは答える。
本当は逃げ出したかったが、魔力もなく、性交の余韻で疲れ切っていたため、動けなかった。
「じゃあ、なんで男の人の姿に・・・?」
「私も・・・分からないです・・・」
「え? どういうことでしょうか?」
「どういうことと言われても・・・」
二人は顔を見合わせて首をひねる。
「いずれにせよ、あなたには少々悪い事をしてしまったようですね。魔力も奪ってしまったようですし・・・良かったら、私の教会で少し休んで行かれますか?」
「ひっ!? いや、その・・・でも、やっぱり・・・お願い・・・します」
魔力を失った状態ではどうしようもなかったので、ドッペルゲンガーはそのダークプリーストについていき、魔力が回復するまで世話になることとなった。
世話になっている間、あのときのことを思い返す。
『あれが男の人の快感・・・そして、それを与える女のおま●こってすごい・・・すごい気持ち良かった・・・でも・・・身体には毒ね・・・』
また思い返すと同時に疑問が起こる。
『それにしてもなぜ、あの時私は男に変身したのだろう・・・?』
この2つのことはダークプリーストの教会から出た後もずっとドッペルゲンガーの脳にこびりついていた。


あれから数年がたった。
あのあと、ドッペルゲンガーは改めて別の男を見つけ、その男の好みの女に変身し、そのまま結ばれた。
夫には正体がバレておらず、また変身したままの状態で夫婦生活は続いている。
そんな二人の隣にひと組の夫婦が引っ越してきた。
「今日から隣同士、よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いし・・・っ・・・!?」
ドッペルゲンガーの言葉が途中詰まる。
「どうしたんだい、お前?」
「いえ、なんでも・・・よろしくお願いします」
口を濁してドッペルゲンガーは頭を下げる。
その伏せた顔には長年の疑問が解決してスッキリしたような笑みが浮かんでいた。

ドッペルゲンガーが驚き、そして一人で納得したこと。
それは・・・
夫婦のうち夫のほうは過去に自分が変身してしまった男で、そして妻は・・・アルプで、過去に自分がターゲットにしようとしていた者だったことだった。
11/04/19 18:46更新 / 沈黙の天使

■作者メッセージ
くっくっく・・・この時を待っていたのだよ!
ドッペルゲンガーとアルプが投稿され、王道的ドッペルゲンガーSSを何人かのSS書き様が書いた後の、この時を!
・・・ちょいと待ちすぎた感がありますが。
なぜ待ったか・・・
だって、ドッペルゲンガーが一時的に男化しますもん、暴投じゃないですか!
実際のところは投稿を止めようかとも思いましたよ。
でも投稿する勇気を下さり、またSS内容のアドバイスも下さったトラム・デル様のお陰でこのように投稿いたしました(トラム・デル様、改めてありがとうございます)
脳内を覗き見て変身するドッペルゲンガーですが、そのターゲットが同性愛者だったらどうなるんだろうとひねくれて考えたところから思いついたネタでした。
一応、ダークプリーストと絡ませたり、最後はちゃんと別の男を捕まえたりと、大幅な暴投はしていないつもりですが・・・

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