読切小説
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ご当地魔物娘を自分が書いてみた
「はむはむ〜♪やっぱり大根最中は美味しいね♪」
松本御大も薦める味だからな。つか同時に大根饅頭も食ってるのかよ。
「おだふじのシュークリームもだよ〜♪」
スイーツ食べ過ぎだろ。あぁあぁ頬にクリーム付いてるし。
「舐めていいよ♪」
誰が舐めるか。

「にしても驚いたよ〜!一つの列車がそのままスリーナインになってるんだもん!」
俺かて驚いたさ。しかも駅の前にはモニュメント、さらには車掌さんが名誉駅長になってるからな。
「駅前商店街もゆめ〜てる商店街に名前を変えたしね♪」
中身は変わってないけどな。
「え〜?変わったじゃん、萌え酒とか売っている場所がいつの間にか増えたりとか」
其処ばかり見るな、駄リャナンシー。
「ふぇ?」
大体今日は『御大の名所探索ツアー』の筈だが、何で全く関係ない場所を巡ってるんだ?
「いいじゃん♪駅前は楽しむものだし♪」
……楽しむ要素あるのか?パチ屋とゲーセンに満ちたこの駅前で。
「いい風景画になるよ〜。神社周辺とか、永楽ストアーとか」
まぁ珍しいと言えば珍しい……のか?

「でもさ〜、この街って『アニメ発祥の地』でしょ?」
……ああ。
「どうしてアニメ関係ショップが一つも無いの〜?一つくらいはあってもよくない〜?」
まぁ学園計画がチョンボになった街だ。それに需要がこの街にあると思うか?
「無いね」
即答だなオイ。まぁ作る環境としてはこれほど恵まれている土地は東京にはそうそう無いだろうさ。
「大学計画があった理由と一緒?」
そんなところだな。

「キャーッ♪東映撮影所〜♪」
こらこら、一般人内部立ち入り禁止だぞ。
「ちぇ」
折角だから、映画観るか?
「え〜?それならTSUTAYAで何か借りない?ダイレンジャーとか」
何故戦隊物を選ぶ。男の趣味じゃないのか。
「じゃあ白蛇伝」
ビデオでもあるか怪しいぞそれ。プリキュアとか選ばんのか。
「青い髪がウザイからイヤだ♪」
今作の印象ですかそうですか。

「割りと自然が残ってるんだね〜」
減ってはきてるが、まぁ残ってはいるな。
「……ねぇ」
ん?
「……ちょっとここでしゃせ、ううん、デッサンしない」
今、写生、と言いそうになったろ。流石に石神井公園のボートでの前科があるから自省しような。
「うう……」
……代わりに、家での作品制作なら、目一杯協力するぜ?
「……青空の下でするのがいいんじゃないさ〜」
青空を眺める気持ちよさも捨てがたいのも確かだが、降り注ぐ痛い視線に耐えられん。それは我慢してくれ。
「……はぁい……」
11/02/21 21:26更新 / 初ヶ瀬マキナ

■作者メッセージ
幼稚園卒園の時の思い出:母親たちが戦隊物の劇を行っていた。ダイレンジャーだった。そう言えば随分前から棒に新聞紙と銀紙巻きつけていた記憶が。

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