読切小説
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暇潰しの場所
魔物娘がこちらの世界に侵略してきてもう数年。暇だからと言って1人で遊びに行ったりしたら、いつのまにか人生の墓場にたどり着いてるなんてこと、あるかもしれません。
ですがご安心下さい。まだまだ独身で遊びたい貴方のために、行ってはいけない場所をあらかじめお教え致します。その場所にはくれぐれも1人で遊びに行ってはいけませんよ?




カラオケ編

カラオケ、いいものですよね。歌は人を元気にしてくれます。ヒトカラで自分の歌いたい曲を好きなだけ歌う。素晴らしいじゃありませんか。
でも気を付けてください。ドリンク提供の店員のセイレーンに乱入されてデュエット曲歌うはめになったり、そのセイレーンがテンション上がりすぎて声に魔力を使いだしたりするかもしれません。そうなったらおしまいです。セイレーンの歌で股間が元気になり、その場で喘ぎ声のデュエットが始まってしまうことでしょう。
1人でカラオケは行かない方がいいですね。家で鼻唄で我慢しましょう。





ダーツ編

ダーツ、いいですねぇ。最近の筐体だといろんな遊び方が出来るから1人でも飽きませんね。
でも気を付けてください。狙いがそれてダーツが筐体の外に行った瞬間、店員のサキュバスがありえないスピードでダーツを掴んで「ハートを射ぬかれちゃった♥」なんてことに。そのあとは二指真空杷で貴方のハートも射ぬかれます。
ダーツには行かない方がいいですね。家で紙くずをゴミ箱に投げて我慢しましょう。






遊園地編

遊園地、良いですよねぇ。カップルや家族連れだと会話は弾むでしょうが、自分の乗りたい物に乗れないなんてことざらでしょう。1人でくるとそんな心配は無用です。人に気遣いなんてしなくていいんです。自分の好きなアトラクションに好きなだけ行けるんですから。
「不思議な世界へご招待」
なんて気を引かれるキャッチコピーなんでしょう。
でも気を付けてください。
それはアトラクションなんかじゃありません。異世界への門です。猫耳の可愛い女の子が案内してくれるからってホイホイついていっちゃ駄目ですよ。全てが淫らに狂った世界に連れてかれてしまいます。
遊園地には行かない方がいいですね。近くの公園の遊具で我慢しましょう。





水族館編

水族館、良いですよねぇ。落ち着いた雰囲気のなか、ゆったりと泳ぐ魚を見ていると心が洗われるようです。ふれあいコーナーで魚やヒトデ、貝、タコに触れるのも魅力です。
でも気を付けてください。「おさわりはベッドで、たっぷりね?」なんて言われて綺麗なお姉さんに言われて、彼女たちの身体に溺れることになります。
水族館には行かない方がいいですね。魚屋の締められた魚で我慢しましょう。





ゲームセンター編

ゲームセンター、いいですよね。懐かしい格闘ゲームに興じるもよし、種類豊富な音ゲーのリズムに乗るも良し。ですがゲーセンの醍醐味と言えばUFOキャッチャーですよね。最近はアームが弱い店が多いですよね。それでも取る過程が楽しくて何回もやっちゃいますよね。
でも気を付けてください。後ろから見ていたサキュバスの店員に「景品はキャッチ出来なかったみたいだけど私の心がキャッチされちゃったわ♥」なんて言われて貴方が景品としてお持ち帰りされちゃいます。
ゲームセンターには行かない方がいいですね。欲しいものはネットオークションで我慢しましょう。





本屋編

本屋、いいですよね。自分の好きなジャンルの棚を往復するも良し、特に目的もなく店内をぶらつくもよし。
たまに小説家さんのサイン会なんてあったりとか。
でも気を付けてください。あまりその先生と話したりしない方がいいです。リャナンシー先生の次回作、「幸せの形、愛の結晶」にご期待ください。なんてことになりかねません。
本屋には行かない方がいいですね。大人しく自室でSSでも読みましょう。




銭湯編

銭湯、いいですよね。一人暮らしの家だとわざわざ自分だけのために風呂にお湯をはるなんて滅多にしませんよね。でもたまには肩まで浸かって温まりたい。そんなときは銭湯です。近場に安い銭湯があったりしたら大助かりですよね。
でも気を付けてください。
その銭湯の番台さん、貴方の裸を食い入る様に見ていますよ?
銭湯には、行かない方がいいですね。シャワーで我慢しましょう。










さあ、今まで行ってはいけない場所ばかりを案内しましたが、じゃあどこに行けばいいのでしょう。ということで最後に行っても問題ないところをご紹介しましょう。
ずばり、美術館です。
芸術品が展示されたこの空間は荘厳で、厄介な魔物娘もいません。
つまり、美術館こそ1人で行くのにふさわしい場所なのです。




それにしても、ここに展示されている絵画、卑猥な絵が多いですね。館全体の雰囲気もどこか甘ったるい。
他の客もいないですし……。なんか薄気味悪いですね。早く外に出たいです。あ、館長さん、出口はどちらです? ああ、案内して頂けるんですか。ありがとうございます。

それにしても館長さんが着ている服が……その、胸の谷間を強調していたり、脚のスリットが異様に大きくて、白くて長い脚が艶かしい……。い、いけませんね!あまり人をジロジロ見ちゃ駄目ですね。

……それにしても、ずいぶんと歩くんですね。さっきより暗くなってきている気がするんてすが……。

「さあ着きましたよ。どうぞこちらに」

案内された扉を開けると、そこには外の世界が広がって……いなかった。扉の先には天蓋付きのダブルベッドが部屋の真ん中に配置されており……。
どういうことですか、館長さん。出口に案内していただけるのでは?

「あら、何を言っているんです?出口なんて、最初からありませんよ?」

…………へ?

「ようこそ、万魔殿へ♥」





……美術館、いいとこですよ?皆様も是非いらっしゃってくださいね?私たちダークプリースト一同、皆様のお越しを心よりお待ちしております。
15/03/04 07:32更新 / BYDELIOS

■作者メッセージ
私はゲーセンとカラオケ派ですね。

こいつネタしか書いてないな。
しかもいつも途中で力尽きてるし。
こ、今度こそガチのSSを書きたいです(書けるとは言ってない)

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