連載小説
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(3)レッドスライム
俺が冒険者拳傭兵になってから、一年が経過した。
とはいっても、せいぜい商人の護衛を務めたり、街道沿いに現れる下級の魔物を討伐したり、といったことぐらいしかしていない。
それでも入る金は、細々と農民をやるよりはるかに多かった。だが、家を買ったりするには足りなさすぎる。
もっと強くなって、より高額、より大口の仕事を手に入れなければならない。
という訳で俺は今日も鍛錬を兼ねた、街道沿いでの下級の魔物討伐の仕事をしていた。
背の高い草が街道の左右に生い茂り、少し離れた所に魔物たちが住む森が見える。
以前は、あそこに住む賞金首を狩るなどと意気込んでいたが、思い返してみれば無謀だった。
今の俺でも賞金首はおろか、森をさまよう連中を相手することさえ難しいだろう。
そんなことを考えながら足を進めるうち、傍らの草むらが不自然に動いた。魔物だ。
俺は腰に差していた剣を抜き、草むらに向き直った。
出てくる魔物は九分九厘スライムだ。
下級な魔物のため軽く見られがちだが、魔物は魔物。素人では返り討ちに合ってしまうだろう。
かくいう俺も、コツを身に着けるまでは幾度となく返り討ちにあってきたのだが。
剣を構える俺の前で、ついに草むらからスライムが姿を現した。
半ば溶けたような、透明な少女の姿。
それはいつもと変わらなかったが、目の前のスライムはいつもと少しだけ違っていた。
色が赤かったのだ赤かったのだ。
「ん?冒険者?」
不意にスライムが、俺に向けてそう声をかけた。
通常のスライムとは異なり、その言葉は流暢で、理知的な表情も伺える。
ある種の突然変異だろうか?
だが、どちらにせよ街道沿いに現れないよう、追い払うか討伐するかだ。
俺は抜き放った剣を振りかぶり、彼女との距離を詰めながら振り抜いた。
ただし、当てるのは剣の刃ではなく、腹だ。
刀身がスライムの左肩にぶつかり、その赤い粘液を一部分だけ掬い飛ばす。
赤い粘液が抉り飛ばされ、地面にぶつかり土に吸われたる。その分彼女の身体が削られた。
スライムに斬撃は通じず、打撃も有効だとは言い難い。
だが、この相手の身体を成す粘液を千切り飛ばすやり方なら、スライムの力を削いで行くことができる。
事実、俺はこのやり方で何体ものスライムを追い払い、あるいは土に還してやったのだ。
「あー!酷いー!」
削りとられた左肩を、全体を縮めることで埋めながら、彼女が声を上げた。
「この辺りのスライムが追い払われたり、削られたって聞いたけど、アンタが犯人だったのね!」
赤く、透き通ったかわいらしい顔に怒りの表情を刻みながら、彼女は続ける。
「懲らしめてやる!」
彼女は大きく伸びあがりながら、俺に覆いかぶさろうとした。
だが、そんな戦法は過去に何度も受けている。
俺は半歩身をずらしながら、彼女の薄く広がった粘液に向けて剣を振り、抉り取った。
直後、羽織っていた外套で顔を庇いつつ、削り取った場所めがけて突進する。
剣で削り取られて、穴のあいた粘液膜を破り、彼女の包囲の外へと出た。
そして、そのがら空きの彼女の背中に向けて、再び剣を振るう。
ジョッキ一杯分程度の赤い粘液が抉り飛ばされ、土に吸われていった。
「あーんもー!またー!」
赤いスライムは広げていた体を丸めて元に戻し、こちらに向き直る形で作りなおしながら、そう言った。
「今度は避けちゃだめよ!」
俺としては、とっとと降参して逃げてもらえればそれでいいのだが、どうやら彼女にはそんなつもりはないらしい。
再び伸びあがり、身体を薄く広げながら覆いかぶさろうとする。
俺は再び、剣を握りなおして彼女の身体を削ろうとした。
だが、俺が半歩位置をずらそうとした直前、スライムの赤い粘液が俺に向けて放たれた。
握りこぶし大の粘液が広がり、俺の腕や胸にまとわりつく。絡みついた粘液は、俺の腕を拘束し、動きを封じた。
力を込めれば動かせる程度の拘束であったが、赤いスライムが俺に覆いかぶさるには十分すぎる隙を作りだした。
身動きを取れない俺に、広がった粘液が浴びせかけられる。
「捕まえた!」
全身を粘液に包みこまれながらもがく俺の耳に、彼女の嬉しさの滲む声が届いた。
「このまま懲らしめてやるわ!」
言葉とともに、剣を握る指の間に粘液が入り込み、俺の手を押し広げて剣を取り落とさせる。
一方、衣服に染み入った赤い粘液は、生地を操って脱がすように動き始めた。
スライムの拘束から逃れるべく、手足をばたつかせようとするが、粘液は衣服を染み通って直に俺の手足を縛りあげていた。
それどころか、俺の肌と触れ合う部分の粘液がざわざわと細波を成し、くすぐったさで力を削いできた。
「ん、固くなってきたわね…」
ズボンの下、染み入った粘液により手足と同じようにもみくちゃにされていた肉棒の屹立に、赤いスライムはそう漏らした。
「アタシもたっぷり削られたから、まずはその分を返してもらうわね」
ズボンの下で、屹立を包み込むあかいねんえきがぐぢゅり、と音を立てて蠢いた。
柔らかい粘液が指の形を成し、肉棒を包み込んで揉んでいるのだ。
粘液の指が幹を締め、張りだした亀頭の段差を探り、浮かんだ血管を撫でまわす。
ぬるぬるとした指の感触が、魔物に返り討ちにされたという屈辱を、快感と興奮によって上塗りしていく。
「まずは一発〜」
楽しげな言葉とともに、指が肉棒を締めあげて、大きく扱いた。
肉棒から腰の奥へ刺激が走り、快感が炸裂する。
直後、俺は解放感と共に精液を放っていた。
脈動と共に熱い物が尿道を通り抜け、快感がじわじわと頭の中を駆け巡っていく。
そして、射精が終わったところで、顔を覆っていた赤い粘液が取りのけられた。
開けた視界に映ったのは、仰向けに倒れる俺に跨った、赤いスライムの姿だった。
俺の手や足、胴といった要所要所を粘液で拘束し、残りで体を作っている。
彼女の赤い腹の中に、俺の放った精液と思われる濁りが浮かんでいた。
「ほら、全然足りないわよ」
彼女は両腕を俺の肩に当てて、粘液で作りだした足で体を揺すり始めた。
彼女の胎内で肉棒がぬぢゅぬぢゅと掻き回され、柔固おり混ざった粘液が複雑にからみついてくる。
射精直後の肉棒への刺激に、俺は呻いた。
「もう限界?何言ってんの、こんなにがちがちにして、『もうダメ』なわけないじゃない!」
彼女はそう叱咤すると、半萎えの肉棒に絡みつく粘液を操って、刺激を与えた。
肉棒は俺の意思に反して再び勃起し、苦痛混じりの快感を生み出す。
赤いスライムは、肉棒の屹立を確認すると、腹の中の粘液の動きを変えた。
肉棒を中心とする、渦を描き始めたのだ。
液流が幾筋もの襞を織りなし、肉棒の表面を擦っていく。
渦の与える刺激と快感は、俺を容易く絶頂へと導いた。
体が無意識のうちに震え、精液が迸る。彼女の胎内に濁りの渦が放たれる様子は、まるで渦に精液が啜り取られるかのようだった。
「二発目ー」
再び絶頂の余韻に浸っているところで、彼女はそう声を上げ、また体を揺すり始めた。
萎えかけた肉棒に芯が通り、鈍痛と僅かな快感が股間に生じる。
「ほらほら、アンタ私のこと三回も削ったでしょ?だから三階は頑張ってもらわないと」
俺の表情に浮かんだ苦痛を読み取ったのか、彼女がそう言った。
赤く透き通った彼女の表情には、愉悦と嗜虐の笑みが浮かんでいた。
俺は、果たして解放してもらえるのだろうか?
肉棒を嫐られながら、俺は諦念を胸に自問した。



11/05/11 22:56更新 / 十二屋月蝕
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■作者メッセージ
考えた結果がこれだ。
あまり差はない様に見えるが、馬鹿は考えたのだ。

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