連載小説
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8章 『忘れっぽい奴ら』
「♪♪〜♪♪〜♪♪♪〜♪」

62点。

「♪♪♪〜♪♪♪〜♪♪♪〜♪(汗)」

58点。

「♪♪♪♪〜♪♪♪♪〜♪♪♪♪〜♪(汗汗)」

65点。

「うえ〜〜んどうして〜〜〜;;?」
「採点基準をシビアにし過ぎましたか。 要改造ですね」
「あやつらは何をしておるのじゃ?」
「さぁ?」












「ん〜」

最近、俺は思う。

「フレン? どしたの〜?」
「いや、ちょっとな」
「なんじゃ、勿体つけてないで早よ言うのじゃ!」
「寸止めは女子に嫌われますよ?」
「ティータ、お前は何の話をしてるんだ?」
「亀頭を入り口に当てがう……」
「わかったお前はもう黙っていなさい」
「フレン、何か悩みでもあるのか?」
「悩み…といえば悩みかなぁ」
「まったく、はっきりしない奴じゃな?」
「言い辛い事なのか?」
「あ〜いや、この際だからハッキリ言おう。 皆聞いてくれ」

ゴクリ……

「お前達、全然これっぽっちも魔物らしいことしないよな?」
「「「「………」」」」「………zzz」

沈黙×4。睡眠×1。

「いや責めてるわけじゃないんだ。 ただ、魔物にしては大人しいなぁ〜って……」
「ねぇフレン?」
「な、なに?」

フィロの様子がいつもと違う。

「もしかしてフレン…誘ってる?」
「……はい?」
「誘っていますね、確実に」
「え、ええ?」
「そういう事なら話が早い」
「お主が誘っておるのじゃから、文句は言えぬのう?」
「いやだから、何のこと?」

俺がいつ性的にこいつらを誘ったんだ?

「フレンさんは、ティータ達が魔物らしくないと言いましたよね?」
「あ、あぁ」
「フレンよ…それはすなわち、ワシらに本能赴くままに行動しろと言うておるようなものじゃぞ?」
「ほ、本能?」

魔物の本能?
魔物の、本能…………まさか!?

「フレン、魔物にとって最も愛しい存在はなんだと思う?」
「に、人間の…男?」
「そうだ。 それこそ、自分の心と身体を捧げても良い程にな」

まずい…この世で最も危険な地雷を踏んでしまったようだ。

「ねぇフレン…子供、何人欲しい? アタシね…フレンが望むなら、10人でも100人でも……///」
「ちょっ…フィロ!?」
「ならティータはその倍ですね。 強制受胎の秘薬で確実に孕んであげますよ?」
「い、いや…ティータ? あのな……」
「私も空の王と呼ばれた女だ。 フレン、お前の子種で優秀な子を産んでやろう」
「エ、エルザ…話を……」
「観念するのじゃな。 もはやお主に逃げ場はない」

ま、待てよ?
このパターンはどこかで……。

「「「「いただきまーーーーーーーーーーす♪♪♪」」」」「………zzz」
「きゃーーーーーーーーーーーーーー」












「……ってゆう、随分な夢を見たんだけど」
「久しぶりの夢オチじゃな」
「しかし、今回はまだ続くようですね」
「この夢オチをきっかけに話を構成していく、という狙いか。 作者め、また巧妙なことを……」
「なんかアタシ、凄いヤンデレっぽかったよね〜?」

まぁ夢で良かったわけだけど。

「それで夢の二の舞になること覚悟で聞くけど、ほんとにお前達魔物らしくないよな?」
「襲うとお前に反撃されるのだから、仕方ないだろう?」
「まぁ、確かに反撃はするけど……」
「何故そうまでして抵抗するのじゃ?」
「そうですよ、何故ですか? 無駄な足掻きなど止めて、快楽の渦に呑み込まれてしまえば良いのに」
「ティータ、俺が堕ちるみたいな言い方するのは止めなさい」

魔物から襲われるのは…まぁ男として嬉しくなくもない。
(襲われるというのは好意を持たれているということだから)

「ねぇねぇフレン?」
「ん?」
「じゃぁ『お付き合いして』って頼めばイイの?」
「ん〜……」

フィロのくせになかなか厄介な質問をしてくる。
あ〜どうなんだろ?
でも実際この中の誰かから告白されたら、少なからず心が揺れるかもしれない。

「「「「………」」」」
「うっ」

どうなの?どうなのよ?みたいな顔してるこいつらは放っておいて。
変に肯定すると後々面倒な事になりそうだなぁ。
よし、ここは1つ……。

「とは言っても、俺は理想が高いからなぁ〜」

お前達は眼中にないですよ作戦を決行。
(※実際そんなことはありません、一応女性として意識しています)

「ほう? 私のような完璧な存在を前にして、良くそんなことが言えたものだな?」
「いや何と言うか…エルザの場合完璧過ぎて逆に近寄り難いというか…性格もちょっとキツめで……」
「……何か言ったか?」
「いえなにも」

実は本音半分嘘半分といったところ。

「そういう事なら、ワシはちょうど良いのではないかのう?」
「まぁちょうどイイと言えばイイかもだけど……」
「だけど…何なのじゃ?」
「ちょっと小さすぎ?(いろいろと)」
「「ガーーーン!?」」

アイリと一緒にティータも膝をつく。
ちなみに今のは冗談。

「じゃ、じゃぁアタシは?」
「ん〜…そうだな、フィロくらいがピッタリかな」
「やった〜♪」
「な…なんだと?」「な…なんじゃと?」
「いや、あくまで『もしも』の話な?」

メチャクチャ真に受けてるぞこいつら。
後で取り繕うのが大変そうだ……。

「………(グイグイ)」
「メイ? どした?」
「………」
「メイはどうなのかって?」
「………(コクリ)」
「ただの妹」
「………orz」

申し訳ないけど100%冗談とは言い切れない。

「はぁ…完璧が障害になるとはな……」
「小さい…ワシは小さい(胸が)……」
「小さい…ティータは小さい(脳が)……」
「フ〜レン〜のお〜嫁〜さん〜♪」
「………orz」

混沌とした雰囲気になってしまった。
ちょっとやり過ぎたか……。
まったく仕方ない。

「あ〜嘘嘘! 今のは全部冗談!」

皆一斉に顔を上げる。

「俺は…少なくともお前達を意識してる。 だから全員、自分に自信を持てばイイ」
「「「「「………」」」」」

なんか俺ナルシストにしか見えない。

「あ〜いや、そうじゃなくて……」

なにか気の利いた一言は……あ。

「俺は…お前達が好きだ」
「「「「「………!?」」」」」

この発言を後悔する日が、いつか来てしまわないように祈るばかりです。












〜おまけ〜

エルザ→ドラゴン
アイリ→バフォメット
フィロ→セイレーン
メイ→サハギン
ティータ→ドワーフ

「ふぅ…こんな感じかな」
「フレ〜ン? 何してるの〜?」
「再確認ってやつ」
「ほえ?」
「お前達の種族忘れそうになっちゃったから」
「フレンひどい;;」
「ゴメスorz」

11/03/20 18:31更新 / HERO
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■作者メッセージ
魔物らしくないなぁという私の思いをフレンに代弁してもらった
そんなお話でしたとさ

9章も鋭意製作中ですので
今しばらくお待ちを。

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