連載小説
[TOP][目次]
ドジなドッペルたんとロリコン、学祭編
『出店店舗届、大学宛』

『電磁気工学科』
『店舗名:執事喫茶 Vanilla』
『責任者:蛾之多 仁助』
『許可認定者:校長』

ーーーーーーーーーーーーーーー

『ガラガラガラッ』

『いらっしゃいませ、お嬢様』

「お嬢様がた、執事をお選びください」

「えー、どうしようー」
「ね、ね、この人カッコいくない?」
「ヤバイよね?マジヤバだよね?」

「お嬢様がた、執事をお選びいただいてる時間は料金対象外ので、ゆっくりお選びください」

「あ、あたし、この人いくー」
「あたし吊り目系でいこうかな」
「いっちゃう?いっちゃう?」

「お嬢様がた、お決まりですか?」





「んじゃあー、ユースケさんとぉ、シュンスケさんとぉ、『サダハル』さん、お願いしまーす♪」





「げっ!?」

「・・・どうしたんですか?」

「い、いえ!少々、お待ちください!」


『タタタ・・・』


「指名入りまーす!ユースケとシュンスケ!あと、おい!ちょっと来い!」

あー?なんだよ翔?

「お前に指名入ったんだよ!いいか!?ぜっっったいに客に対して舌打ちとかすんなよ!?頼むからな!?」

やらねぇよ・・・たぶんな。

「絶対だっつってんだろ!?ほら、行け!」

へーい・・・だりぃ。

「黙れ、ロリコン!真面目にやれ!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『うろうろ・・・』

「ちょっと早すぎちゃった・・・どうしようかな・・・」

あれー?真闇ちゃんじゃん。

「ぴ!?」

・・・流石にもうそろそろ慣れてくれよ・・・アイツがいないからって涙目でカタカタ震えるんじゃないよ、襲うよ!?

「あぅあぅ・・・」

あ、いや。冗談だから。マジで君を襲うっつーか触った時点で、あのロリコンに殺されるから。やらないやらない。

「はぅ・・・ごめんなさい、成竜さん」

いや、いいよ。てか真闇ちゃんはどうしてここに・・・って聞くのは無粋か。

「えへへ・・・貞春と学祭デートするの♪」

ぐぐぐ・・・うらやましか・・・ん?だったらアイツの店行けば?アイツ、確か今日の午前はシフトだろ?

「はい。だから今日は昼頃来て、休み時間始まりからいっしょのつもりだったんですけど・・・」

早かったと。だったら余計行きなよ。アイツの店内の成績向上のためにも。あの野郎さ、昨日おとといとシフト中、目つき悪くしたまんま接客するし、舌打ちするわ、お客に暴言吐くわですげぇ勢いでチェンジかまされて成績悪いんだ。アイツだって売り上げあげて学祭終わったあとの自分の取り分増やしたいだろうに・・・

「・・・へ、へぇー・・・」

・・・・・・真闇ちゃん?

「言ってないです!『お店やるからって、あたし以外の女の人に鼻の下伸ばすのやだな』とか、独り言言ってないです!!!」

君か!君のせいか!アイツの業務態度最悪なの!!
てかアイツも、学祭収入<真闇ちゃんの独り言かよ!?

「うぅぅ・・・貞春、本気にしちゃったんだ・・・」

あーもう、とりあえず行きな。サクラでも売り上げあげさせてやれば分け前はもらえるはずだ。

「・・・無理です・・・」

え?なんで?

「・・・ただ単に学祭まわるだけって考えてたから、お金、持って来てない、です・・・」

・・・あー、ふたりの財布のヒモは貞春持ちだっけか?

「・・・はい・・・」

・・・ほら。千円。

「ふぇ!?」

たしか五百円払いで30分ホストと飲み放題だったはず。アイツのシフト終わりまで50分くらいあるし、料金分1時間たっぷり楽しみな。そして学科全員に恨まれろ。主にアイツが。

「え、あ、う・・・ありがたく、いただいときます・・・」

ははは。気にしないで。どうせ俺には金を貢ぐ相手さえいないんだから・・・orz

「・・・え、えと、誰も、ですか?・・・」

やめて!そんな『この豚、もう食品センターに送られちゃうのよね』みたいな目をしないで!

「ど、どんな顔ですか?」

ま、俺なんてほっといて、行ってきな。じゃあね・・・はぁ・・・

「・・・あーちゃん、会いに行ってないのかな?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「もうマジ信じらんない、さっきのヤツ!」

「申し訳ありません。アイツ女の子前にすると固まってしまいますので・・・」

「でもユースケさぁん!さっきアタシを見た瞬間、はっきりアタシに聞こえるように舌打ちしましたよ!?さっき!」

「あたしだって、コップにコーラ入れたあと『ほらよ』って投げたりしますフツー!?頭悪いんじゃないの!?」

「あとでしっかり叱っておきますから・・・ほら、飲みましょう。時間もったいないです」

「うぅ・・・気分わるーい!」
「まぁ、チェンジ無料だし?いいじゃん」
「ユースケさんたち優しいし♪」

((・・・仕事だからな・・・))



『ガラガラガラッ』

『いらっしゃいませ、お嬢さま』

「あ、君は・・・」

「ど、どうも・・・」


(・・・ねぇ、なにあの地味な娘)
(小学生?マセてるわね。一人で来るなんて・・・)
(ていうか、分かって入ってきたのかしら?)


「えーと、ご指名は・・・」

「えと、貞春で・・・」


(ちょ、さっきの不良呼ぶ気!?)
(いいじゃん、おもしろそう。ほっとこ!)
(最後には泣きながら帰るんじゃないのぉ?)


「分かりました。少々お待ちください」


『タタタ・・・』


「指名入りまーす!サダハルー!」

チッ、またかよ・・・もう少しで休みだってのに・・・

「いいじゃん。相手が真闇ちゃんだからもう休み同然だろ。一時間な」

はぁ?一時間だったら休み開始に食い込むだろ・・・なに!?



『ダッ!!』
『シュタッ!』



ご指名、ありがとうございます。サダハルでございます。



(!?)(客A
(!?)(客B
(!?)(客C
「・・・あーぁ・・・」(ユースケ
「ぁんのロリコンが・・・」(シュンスケ



「わっ、わーっ。貞春、カッコいい・・・」

ありがとうございます。何にいたしますか?お嬢さま。

「えっ!?や、お嬢さまなんて・・・///」

いえいえ、今、私はお嬢さまの執事でございます。なんなりとお申しつけください。

「へ、へぅぅ・・・///」

さ、お嬢さま、メニューでございます。

「あ、えっと、えーと・・・」



「・・・なによ、あれ?」
「むっかつく!あんな小娘にはヘラヘラして!」
「アタシたちのほうが数倍可愛いじゃん!」

「あっ・・・」
「やべ・・・」





「・・・・・・あぁ?」


『ギロッ!!!』


「うっ!?」
「ひっ!?」
「ッ!!?」


『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・(気迫)』
『訳:誰だ、今、真闇の悪口言ったのは?』


「う、うぅ・・・」
「ひっ、ひぃっ!」
「ガタガタ・・・」

「お、おい、悠介、な、なんとかしろよ・・・」
「む、無理だ。貞春があの子についてキレたらもう止まらん・・・」





『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・!』
『訳:誰なんだよ、ゴラァッ!』





「あの、貞春?」

はい、なんでしょうお嬢さま?

『ニコッ』

「あの、あのね、メロンソーダ飲みたい・・・」

分かりました。すぐご用意いたします。

『ニコッ』←さっきと比較ならん笑顔

『コツッ、コツッ・・・』←落ち着いた足取りでキッチンへ


「・・・」
「・・・」
「・・・ほっ」


『くるっ』


「!?」
「!?」
「!?」


『にっこり』

『ギギギ・・・』
↑メロンソーダの缶(未開封)を握ってる





『バギャッ!!!』





「・・・ぇ」
「・・・ぅ」
「・・・ッ」



『ポタポタ・・・』←メロンソーダが垂れる音



『・・・ニコッ』



「ねねねねぇ!?あのテーブルの娘、チョー可愛くなーい!?」
「え、あ、ホーント!すっごい可愛い!えー!?お人形みたーい!?」
「ヤバくね!?マジヤバくね!?ちょと写真撮るね!アタシ!」
『パシャ!』


「へっ!?えっ!?えぅ!??」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「びっくりしたぁ・・・なんだったんだろう、あの人たち」

さぁ?真闇の可愛さにワンテンポ遅れて反応したんじゃね?

「うぅ・・・恥ずかしくて、メロンソーダの味、わかんなかったよぅ・・・」

なに?
・・・やりすぎたか・・・

「ほぇ?」

いや、なんもねぇよ。さぁて、待ちに待った休み時間だ。行くか。

「あ、あの、貞春」

ん?なんだ?

「・・・手、つなご?」

はい、はい。よし、行くぜ。

「うん!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーー
[お化け屋敷
ブレボリーホラーショー]
ーーーーーーーーーーーー

「なんでこんなとこ最初なのぉぉぉっ!?」

何を言うか。カップルで学祭ときたらこれが王道・・・らしいぞ?

「やだやだやぁーだぁーっ!怖いってばーっ!」

お前、幽霊的な魔物なんじゃなかったか?

「アンデッドとお化けはちーがーうーのーっ!怖いものは怖いのーっ!」

いやよいやよも好きのうちってな。手は離さないぜ?
おい、ここタダか?

「いえ、『大人ひとり、子供ひとり』で、150円となります」


『ぴくっ』(←真闇が止まる)


・・・あぁ?おい、子供ってだれのことだよ?

「え?あの、そちらの女の子はお子様ではないのですか?」


『ぴくぴくっ!』


てめぇ・・・俺の女がチビで子供にしか見えねぇと言いたいわけだな?

「えっ?あっ、ま、まさか・・・アンタ、電工学科の、ろ、ロリコン!?」

コラてめぇなんだその二つ名みてぇな呼び方。周りの一般客がビックリしてるだろ。喧嘩売ってんのか?あぁ?

「いっ、いや、その、知らなかったと言うか、なんというか・・・あ?」

『ぐいっ、ぐいっ』(←貞春の手が強引に引かれる)

ん?お?真闇?

「怖くない怖くない怖くない・・・子供じゃない子供じゃない子供じゃないっ!」

お、おいっ、真闇!?あ、オイコラ、代金だ!ほれっ!

『ポイッ』

だーもう、待てって真闇!


・・・三分後・・・



「ひぃやぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」



・・・十分後・・・

「あぅあぅ・・・あぅあぅ・・・」

『ガタガタガタガタ・・・』

はいはい。もう外だから。怖くねぇから。お化けいねぇから。落ち着け、な?

「貞春ぅ・・・貞春ぅ・・・」

あー。悪かった。俺が悪かったから、な?泣きやめ。な?ほら。お姫様抱っこしてやっから?な?泣きやめって。

「うぅ・・・うぅぅぅ・・・」

「・・・えと、大丈夫、ですか?」

黙れ、受付。お前が心配する必要はねぇ。

「・・・は、はぃ・・・」

「うぇっ、ひぐっ・・・」

こら、泣くな泣くな。悪かった、悪かったから・・・



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「・・・怖がりすぎじゃね?あの子・・・しかしあれが噂のロリコンか・・・」

「おい!田仲!いったん受付閉めろ!」

「は?どうしたんだよ?」


「どうもこうもあるか!さっきの二人組、男が小さい子をびびらせたお化け役を殴り飛ばしやがったんだよ!」



「なん・・・だと・・・ッ!?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
[喫茶店
とある数論学科の喫茶店(店舗名)]
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

・・・いや、学祭だからよ、そんな怖くないと思ったんだよ。

「ぷいっ」

まさかあんな特殊メイクじみたもん使ってるとは思わなくてよ・・・

「ぶーっ(ほっぺ膨らまし)」

いや!マジ悪かった!ごめん!このとおりだ!

「つーん!」


お詫びにパフェ食べていいから!


『ぴくっ』

「・・・いいの?」

あ、あぁ。前に言ってた、なんかすげぇデカいやつ。今度、一緒に店行こう。な?

「・・・それだったら、許したげても、いいかな」

ありがとうございますッ!

「ちょっ、わっ、土下座までしないでよ!恥ずかしいぃ・・・」

恥ずかしがっては誠意は見せられん(キリッ

「もーぅ・・・////」

・・・しかし、見事に食いもんの店ばっかりだな・・・あっちこっち、どこを見回しても、喫茶店に唐揚げ屋、カレー屋にアイス売り場。まぁ夏の学祭だしな。

「・・・貞春ぅ?ここのジュースとか、飲まないの?」

ん?あ、やべ、注文忘れてた・・・なにかいるか?

「・・・えと、んと、こ、これがぃぃ・・・」

・・・あ?
『イチャラブ見せつけクールドリンク(メロン味)』?
・・・なんじゃこら?

「・・・だめ?」

いや、ダメなわけないって。頼むから目を潤ませるなって。おーい!ちょっとー!注文取りに来いやゴラ!


・・・数分後・・・


「おまたせいたしました。イチャラブ見せつけクールドリンク(メロン味)になります」

・・・・・・

「・・・・・・////」

「『カップル限定』の飲み物ですので、イチャイチャしてるのを周りに知らしめるようお飲みください。それでは、ごゆっくり・・・」

・・・なぁ、真闇。

「う、うん////」

これってよ、ドラマとかで恋人同士が飲む、アレだよな?

「う、うん////」

・・・なんで飲む前から顔真っ赤なんだよ?てか、こーいうの飲みたかったのか?

「(コクコク)////」

・・・ま、いいけどよ。うし、飲むか。俺、こっちのストローな?
な?

「あ、あたし、こ、こっちのストロー・・・わひゃ、か、顔近い・・・」

何をいうか。それが目的だろうがこのジュース。わざわざ『ひとつのグラス』に『ふたつのストロー』ぶっさして飲むんだから。

「う、うん・・・えへへ・・・」

・・・なんだよ?

「・・・貞春は、ず〜っと、あたしの彼氏だよ」

なにを言ってやがる。いずれは旦那様だろうが。

「・・・へぅ////」

・・・あぁチキショウ可愛いなぁ・・・

「・・・貞春」

ん?

「・・・キス、する?」

公衆の面前でやるのは無理って言ってたのは誰だったか?

「あぅ・・・」

・・・ま、やるけどな

「ん♪」

ん・・・





「おい見ろよトシ!あの男、喫茶店に『妹』と入ってあんなもん飲んでやがるぜ!」

「ぎゃはは!ホントだ、ウケるwww」





『ピタッ』



「ちょ、あれ、チューまでしようとしてね?あれか?変態か。シスコンとブラコンの変態兄妹か!」

「うはwwwちょwww彼女いないダサ兄乙wwwふひひwww」



・・・真闇、ちょーーーっと待ってろ。久しぶりにプッツンきたぜ・・・

「・・・思いっきり、やっちゃって・・・」

イエス、マム。



「ん?おいおい、ちょっと悪めにキメてるからって俺らに挑む気かぁ?俺たちはよ、隣町じゃ結構有名な二人組なんだぜぇ?」

「うはwww逆ギレwwwカッコ悪www」



ーーーしばらく後ーーー



「すいませんマジごめんなさいお二方のカップルっぷりは世界一です」
「すいませんマジごめんなさいお二方のカップルっぷりは世界一です」

心がこもってねぇなぁ?

『ゴキゴキッ!』

「いぇっ!?めめめ滅相もございません!!心の底から思ってますって!!なぁ!?」

「マジっす!マジっす!!お願いっす!もう殴らないで!オレッチの顔の原型はもう見る影無いす!」  

・・・まぁ、真闇が待ってるし、こんくらいで勘弁してやる・・・が・・・

「は、はい?」
「ひっ?」



今度、真闇の悪口言ったら『消す』からな。いろいろ。わかった、よな?



「「は、はいぃっ!!!」」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・・・ったく、余計に体力使わせやがって・・・

「・・・うぅ・・・」

ん?どうした真闇?腹でも痛いのか?

「・・・あたし、そんなに彼女に見えないのかな・・・」

・・・・・・

「恥ずかしいの我慢して、あの恋人ジュース飲んだのに、『妹』って言われて・・・なんか、貞春の彼女として、情けないような・・・なんて、言うのかな・・・」

『ぐいっ!』(←貞春が真闇を引き寄せた)

「わきゃっ!?」

馬鹿かお前は。見てくれなんでどーでもいいんだよ。



お前は俺の大事な彼女なんだからよ。





「・・・うん♪」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

もう少ししたら夕方だな。晩飯の材料買って帰るか。

「え、お店の片付けは?」

めんどい。パス。

「だっ、だめだよぅ!あっ、貞春ぅ!ダメだってばぁ!」
11/09/16 14:25更新 / ganota_Mk2
戻る 次へ

■作者メッセージ
ちなみにその後・・・


「おいあのロリコンどこ行った!?」

「休憩から帰ってこないんだけど!?」

「あんのバカ!休憩中になにしたんだよ!?ていうかなんでアイツの苦情がこっちに来るんだよぉぉぉっ!?」

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33