連載小説
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前準備も無しにフラリと出かけてしまったサキュバスさんの場合・2
──口付け越しに精を少し奪うと少し気が楽になり
周囲を見回すゆとりがでてきた

しかし‥こんな街道を一人で歩いていたのはなぜだろう?
でもある種の血筋が感じられる‥

「兄さん!」
背後からの声に目をやると、
組み伏せている青年をさらに若くしたような少年が
どこからか現れたのか──
呆然と立ち尽くしていた

「馬鹿ッ!来るんじゃない!逃げろ!連れ去られるぞ!」

お持ち帰り!
そういうのもアリだな

「おいッ!お前!」
青年が私に向かって声をかける
なんと胸に響く声色だろう

「俺は殺しても構わん‥だが弟には手を出すな!」

「えっと‥キュウリを突っ込んでみてもいい?」
好きにしても良いのならそれくらいは許されるだろう

「くっ‥好きにしろッ!」

はーい
お持ち帰りね☆

おいしそうだな‥お持ち帰り
しかし弟クンなしとは
自分の血筋が絶えるからなのかな

「はーい♪おまちどおさま」
あれこれ思案しつつも両手は
しっかり青年のナスを「料理」している

「‥‥」


《街道で思わず押し倒しちゃったいい感じの兄弟》

<背格好>
お兄ちゃんは痩せ気味で頭半分彼の方が高そう
スレンダーなオトコの人ってステキ
弟クンは少しふっくらしているけど
それはそれで美味しそう

<大事なアソコ>
お兄ちゃんはナスがほとんどまるまるひとつ分
弟クンはまだ見ていないけど細長そう

<第一印象>
弟思いなお兄ちゃんは旦那様確定なカンジ
庇護欲をそそられる弟クンも捨てがたい
精気はたっぷり

<身なり>
粗末な外套に身を包んでいるだけと思ったら
衣服は予想に反して高品質な綿をたっぷりとあしらって
随所に少々の麻布や絹糸で締めている


うーん‥
兄弟共に方向は違えどど真ん中ストライクゾーンだ

なるほど‥
この層の子は一人でも充分美味しいんだな


仰向けにされた兄のパンツを剥き、股へと手を伸ばす。

「はうッ!?」
そのまま食われると覚悟し、目をきつく閉じていた兄は
思わぬところが外気に晒され刺激を与えられた事に驚き、目を見開く。

「うん 硬い」
二、三度手で扱き、一気に口にそれを含む。
ズズゥゥと唾液の絡む音と見知らぬ快感に兄が思わず悲鳴をあげた。


‥このお兄ちゃんは正解だった
ニオイも硬さもちょうど良い
イタダキマスしてしばらくするが
すっごく濃厚な精液だ

「兄さん‥そいつに何されているの?」
残り少ない魔力で拘束呪文をかけて動けない弟クンは
ちょうど私が陰になってお楽しみの状況がわからないが、
なんとなくシている事の想像は付いているようだ

なんだか今すぐにでも兄弟丼にしたくなるじゃないか

しかし結局この街道ど真ん中でヤるってのは
ほとんど自殺行為みたいなもんだんだよね


「ふう おいしかった‥」

「もう‥勘弁してくれ‥」
あれから数時間ぶっ通して腰を振っていたにもかかわらず
人が通らなかったのは運がいいとしか言いようが無い。
とりあえずで姿を見えなくする幻視魔法は周囲に撒いてはみたけど
ニオイや音まではごまかせないから──本当に幸運だった

「約束だぞ‥弟には手を‥出すな」
絞るだけ絞ってカッサカサになったお兄ちゃんが呻く。

「ごちそうさま♪」
勿論約束は守る‥が、マーキングはしておく。
「もし貴方が逃げたりするようなことがあったら‥わかるわね?」

私はゆったりと体をあげる
お腹がはちきれそうだ‥精を摂りすぎた


私は旦那様をお姫様だっこしたところで後ろを振り返った
とっくに拘束魔法は解けているのに、弟クンは動けずにいる

「兄さん‥」
ああもうッ!!二人揃ってお持ち帰りよっ!
弟クンだけ置いて行っちゃ可哀相でしょう!?

「くそッ‥悪魔め‥!!」
残〜念、私は悪魔じゃなくて淫魔で〜す☆


魔力が充実していた‥
私は空間を歪め、自分の住居へと続く道を作る
「おーい 弟くーん?」

「‥‥」

黙って追いてくる‥
なるほど 彼は全てを察したようだ
「兄さん‥」
「一緒にいいコト、しましょう?」


──

ようやく魔界に戻ってきた
森で会ったアラクネには今度会いに行こう
家族が出来たと自慢すればきっと彼女も発奮するだろう
そう思った

私は得体の知れない
奇妙な満足感を味わっていた
12/03/09 13:42更新 / 市川 真夜
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■作者メッセージ
この後、お兄さんは魔界の生活にも慣れ
弟君はアラクネのお姉さんにいたく気に入られ
組んず解れつの盛大な4Pになったとか。

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