連載小説
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前準備も無しにフラリと出かけてしまったサキュバスさんの場合・1
‥‥とにかく
(性的な意味で)腹が減っていた

私は未来の旦那様とキャッキャウフフできる屋敷で
南方に格別の物件があるというので見に来たが──
予想を上回る物々しさだった

そのうえ反魔物領が近いせいか
居住には最悪の教会兵が多く
巡回や警備がひどい
‥まったくの無駄足だった

おまけにどうやら私は
またも道に迷ったらしい

しかも‥‥
追い討ちをかけるように雨が降り出す

──

ふう

まいったなぁ‥
一体森のどの辺りで迷い込んでいるのだろう
──焦ってはいけない
私は魔力が減っているだけなんだ

精が尽きて死にそうなんだ


「キャイ〜ン♪」
「このッ♪このッ♪」
「気持ちいい!気持ちいいのっ!!」
こんな森の中 大木のウロに隠れて腰を振っているのは
ワーウルフとその夫であろうオトコ
流石に寝取ってというのは私のポリシーに反する
‥けど 正直羨ましい

ふと目線をずらすと 木陰で同じように覗きをしていた
アラクネの彼女と目が合ってしまう
「‥‥」
お互い音も無くその場を後にする。
次に合った時はお互いに良い夫を見つけたいものだ

──

「あ‥しまった 森道はここで終わりか‥」

ああ‥情け無い
人影や小屋も見つけられずに何をしているんだろう
引き返そうか‥‥いやいや
巡回中の教会兵に見つかったらえらいことになる‥

ああもうッ
それにしても(性的な意味で)腹が減ったなぁ
「オトコ」は‥
誰でもいい
「オトコ」はいないのか!?


──

「ぇっくしょい!」

森を抜けて街道沿いを低空飛行していると
その先に人影が見えた
静かに近くまでよってみる

声からしてオトコ どうやら一人‥
教会兵でも単独なら‥!


──

ええい!このオトコだ!
襲っちゃえ!


「うわぁああッ!?」
「あらやだ好みの顔!」
背後から飛びついて押し倒し 頭をすっぽり覆っていたフードをめくると
何ともあなどけないながらも芯の強そうな──
私にとってドストライクの「いいオトコ」がそこにいた

「貴方の精と操を下さい!」
「はいぃ!?」

私はできるだけ物おじせずハッキリという
うやむやにされたりお茶を濁されるのはやっかいだ

「あと出来れば貴方の『*』!」
「『*』って‥ええぇええぇ!?」

いくら魔力が残り少なくても
そんじょそこらの若い男の力に負ける筈が無い
「何がえええぇぇえなの?」
「えーと‥『*』とか精とか‥」
「とりあえず黙ってお股についているナスください」

こういうオトコのコのナスってのは
きっと美味なんだろうな

「ひぃい!助けて!」

「あ‥あとファーストキスひとつ」

ちゅう♪
12/03/09 00:40更新 / 市川 真夜
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