連載小説
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優一「縁結びってどこまで効果があるんだろうか…?」ジュン「知らん、俺に聞くな。」(稲荷、白蛇)前編
※これもあり得た可能性の一つです。

「しかしどこに行っても未来が詰みにしか見えない…」

俺は部屋から出つつロビーに向かいながら呟いた。

優「君もいつ捕まるか恐々としてるのか…」

ジュン「確か優一だったっけ?」

優「そうだ。これからどうする?」

ジュン「優一は何か案が?」

優「俺はとにかくいきなり襲い掛かられるのは勘弁って考えてる。」

ジュン「俺はとりあえず生け贄にはなりたくないって考えてる。」

優「ジュン、君は一体?」

ジュン「何が?」

優「君から強い負の感情と強い意思を感じた。」

ジュン「…」

優「まあいいや、言いたくない事だって誰にでもあるだろうし。」

ジュン「いや、そういう訳じゃない。」

優「?」

ジュン「ただ魔物に聞かれると非常にマズイ事になる…」

優「なるほど…」

ジュン「壁に耳あり障子に目ありだ。」

優「確かに…」

ジュン「さてこれからどうしようか…」

優「なんかまとめて数人出てったな」

まとめて出ていった数人は数分と経たずに連れて行かれた。

ジュン「居なくなったから今のうちに出よう。」

優「だな…」

俺達は急いで旅館から出た。

ジュン「さて、どこに行こうか…」

優「そういえば地図によると願掛けが叶いやすい神社が近くにあるみたいだ。」

ジュン「なら行ってみるか、どうせ明確な行きたい場所もないし。」

俺達は神社に向かう事にした。

ジュン「で、この角を右か。」

優「らしいな。」

その角を曲がると、大きさもさる事ながらその静かで清らかな感覚のする神社があり、俺達はその門の前に来た。

ジュン「神社好きにはたまらないだろうなぁ…」

優「確かに。」

ジュン「お守りでも買って行くか…」

優「確かに、ご利益がありそうだ。」

俺は大願成就、優一は縁結びのお守りを買った。

ジュン「あくまでもこのお守りは精神的なもの、俺は絶対にやり遂げる…。」

優「効いたら嬉しいんだけどね…」

それから本殿でお参りをした。

ジュン「…(目的が達成出来るようにもっと強くなれますように…)」

優「…(いきなり襲い掛かって来ないような彼女欲しい彼女欲しい彼女欲しいん彼女欲しい彼女欲しい)」
それからお参りを済ませ、俺達は神社から出たが、出る時に誰かが自分達を見ていたような気がした…。

ジュン「なんか見られてる気がした」

優「同感、まさか…」

ジュン「願い通りとは限らない、いきなり襲い掛かられるかもしれない。」

優「やめてくれ…」

それから俺達は温泉街で食べ歩きをしたり土産物屋を回ったりした。

ジュン「ここは?」

売り子『くじ引きだよ〜』

ジュン「景品はどんなのがあるのかな…」

俺は景品一覧を見た。

ジュン「狙いは1等か3等だな…」

優「俺は1等か2等だな…」
それから俺達は2回づつ回すお金を渡して順番待ちしていると自分の前に居た男が1等の景品の1つである上品な外国の人形を当てていた。

ジュン「…(まさか景品に魔物娘が居るとは…)」

優「…(キェェェェアァァァァシャァベッタァァァァ!)」

俺達は言葉に出さずに驚いていると俺達の番になった。

ジュン「鬼が出るか、蛇が出るか…」

売り子『3等で〜す♪好きな景品を1つ3等のところから選んで下さ〜い♪』

俺は結構豪華な飾り付けのクリスタル製の首飾りを選んだ。

優「回れー!」

優一は2等のモデルガンを選んだらしい。

ジュン「お互いに狙い通りのものを手に入れられて何よりだ。」

優「だな。」

それから俺達は旅館に戻りそれぞれの部屋に戻った。

ジュンside

ジュン「さて、夕食までテレビでも見てるか…」

それから一時間弱は何も起こらなかったがそれから15分くらい経ち、部屋をノックする存在が現れた。

ジュン「誰だ?夕食までにはまだ一時間弱あるが。」
俺が覗くと、恐らく狐の魔物がドア越しに見えた。

ジュン「居留守は無駄だろうし、仕方ない…」

俺はドアを開けた。

ジュン「何か用で?」

???『やっと見つけました…』

いきなり俺は抱きつかれた。

ジュン「あんたは誰だ!俺はあんたを知らない!」

???『私は琴音と言います、貴方の情熱的で真っ直ぐな願いに私の心は蕩けてしまいました…』

ジュン「なるほど、で、それはどんな願いだった?」

琴音『え?』

ジュン「貴方も見ていたなら分かるだろうけど俺達は二人で来ていた、つまり願いは2つあったはずだ。」

琴音『私の心を蕩けさせたのは彼女が欲しい、彼女が欲しいと強く思っていた願いです。』

ジュン「人違いだ、俺の願いはそれじゃない、もう一人の願いだ…」

琴音『し、失礼しました!!』

ジュン「気にしなくていい、グッドラック。」

琴音は顔を真っ赤にしながら走り去って行った。

ジュン「って事はもう一人来るな…」

優一side

優「さて、早速モデルガンを開けよう。」

優一はモデルガンを箱から出して眺めたり構えたりして時間を過ごしていた。

優「これ、やっぱりいいな…」

優一はモデルガンを見てご満悦のようだ。

トントン!

優「誰だろう、夕食まではまだ時間があるしな…」

優一がドアを覗くと白いラミアと視線がドア越しに合った。

優「どういう、事だ…?」

優一は困惑している…

優「まあ居留守は無駄だろうな…」

一度優一はドアを開けることにしたようだ。

優「俺に何か用ですか?」

???『探しました…』

優「?」

???『申し遅れました、私は碧(あおい)と言います。』

優「で、碧さんは俺に何か用ですか?」

碧『貴方から、とても強い意思と信念を感じました。』

優「…」

碧『貴方達を見ていて一体何にそこまでの強い意思を向けているのかを知りたくなりました。』

優「なるほど…なら人違いだな多分」

碧『え?』

優「多分それは俺じゃない方の奴の願いだと思う。」

碧『え?』

優「俺がお参りしている時にもう1つ願いを感じなかったか?」

優「はい、彼女が欲しい、愛されたい、と願いで叫んで居ました。」

優「そっちの方が俺の願いだ…」

優一は赤面しながらも言った。

碧『なら人違いですね、申し訳ありませんでした…』

優「いや、別にいいんだが…」

碧『貴方はあの娘が願いを感じた殿方だったようです。』

優「なるほど…」

碧『では失礼しました…』

碧は去って行った…。

優「って事は俺の願いを感じた女性が来るのか…!」

優一は緊張しつつも表情が綻んで行くのを隠せないようだ。

魔物side

琴音『私達完全に相手を間違えてたみたいね…』

碧『えぇ…』

琴音『貴方から見てどうだった?』

碧『確かにどこか寂しそうな目をしていて、繊細そうな感じがしました。』

琴音『そう、ならじっくりしないと…』

碧『同じ質問を返します、貴方から見てどうでしたか?』

琴音『口調は荒いけど強い意思と信念、優しさを併せ持った男って感じね。』

碧『それは楽しみですね…』

二人は改めて本当の対象に向かうようだ…

琴音『なら、お互い頑張りましょう?』

碧『そうですね…。』

二人は本当の相手の部屋に向かって行った…。
16/07/30 01:58更新 / サボテン
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■作者メッセージ
どうも、サボテンです。

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引き続きリクエスト、感想等お待ちしております。

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