読切小説
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閉ざされた人形達の楽園
 親魔物国の郊外の森の奥。
 ここに、閉ざされたリビングドール達の楽園が存在する。

「みんな。おはよう。」
「おはようございます。マスター。」
「おはようっ! マスター!」
「じゃあ、今日も、朝の儀式をしようか。」
「はい!」
 長い金髪を後ろで束ね、青と銀色の鎧を身にまとい、ミスリルソードを装備し、凛とした聖騎士の印象を与えるオルトリア。
 金髪のロングヘアーに、白いドレスを着た、幼く純粋な印象を与えるリリィ。
 2人は服を脱ぎ、テーブルの上に横になる。
 私は2人の膣から溢れる愛液を味わい、2人にペニスを咥えさせ、2人に精液をかける。そして、最後は1人ずつ中出しをする。

 これが朝の儀式と呼ばれる恒例だ。私は2人のリビングドールに毎朝、毎夜、儀式を行っている。

 私は魔術師。そしてここは親魔物国領の郊外にある広大な森にひっそりと存在する村だ。この村は私が築いた閉ざされた楽園だ。
 私はこの村の豪邸で、オルトリア、リリィ、そしてメイドのリビングドール達と暮らしている。

 朝の儀式を済ませたあと、朝食を取り、私は村を散歩する。これも毎日の行いだ。

「おはようございます。マスター。いいお天気ですね。」
「おはよう。そうですね。」
「今年も豊作になりそうです。・・・ジャガイモも・・・」
「ジャガイモは・・・しばらく見たくないなぁ・・・」
「そうですね・・・」

 村の村娘のリビングドール達は、私を見かけると必ず挨拶をする。
 そう。この村には私以外、人間は住んでいない。皆、リビングドールなのだ。皆、私が集めたり、私が作ったりした人形達だ。
 彼女達は私を愛しているし、私も彼女達を、この村を愛している。喧嘩や争いごとは存在しない。皆が互いを愛し、支え合う。
 この村は"愛と秩序によって保たれた楽園"なのだ。

「できれば、トウモロコシや、キャベツや、トマトもたくさん作って欲しいな。あと、米も。」
「そうですねぇ・・・さすがに、作り過ぎましたね・・・どういたしましょうか?」
「コフキイモにしなさい。ジパングという地方のジャガイモ料理だそうだが、まぁ、普通に食べるよりかは美味しいだろう。」
「わかりました。」

 この村のリビングドール達は多種多様な者が存在している。多くは農業をしている村娘だが、医者や建築家、木こりや猟師。教師。
 そして騎士も存在している。騎士はこの村の秩序と平穏を守るための存在だ。私は暴力や争いごとは嫌いだが、村を守るためには必要なので必要最小限に組織している。騎士隊長は私の側近、オルトリアだ。

 一通り村を散歩し、村娘や猟師、騎士のリビングドール達から挨拶され、そして性交して、屋敷に戻った。

「おかえりなさいませ。マスター。」
「ただいま。」
 屋敷の清掃に取り掛かっているメイドのリビングドールが私を出迎えた。
「さてと。壁に手をついて、尻を向けなさい。あ、君達も。」
「はい。マスター。」
 私はメイドのリビングドール達を後ろから膣にペニスを挿入し、突き上げた。メイド達とも私は毎日交わっている。場所など関係ない。いつでもどこでもだれとでもだ。
 私は満足して自室に戻った。

「おかえりなさいませ。マスター。」
「おかえりなさい!」
「ただいま。おお! 今日も元気いいな。リリィは。」
 自室に戻ると、リリィが勢いよく飛びついてきた。オルトリアは微笑ましくその様子を見ていた。
 私は自室のソファーに腰かけ、隣にはリリィ。向かいにはオルトリアが座る。
「じゃあ、報告を聞こうか。オルトリア。」
「はい。では、農作物の収穫状況から。今年はトウモロコシとキャベツが多く取れました。しかし、果物は例年よりも少なかったです。あと、ジャガイモは・・・」
「・・・大豊作・・・だな? 今年も。」
「ええ・・・食べきれるでしょうか・・・?」
「食べ切ろう。何とか今年中に。」
「ええー またコフキイモとポテトサラダが出るのー!?」
「・・・我慢しなさい。村中で毎日食べれば、なんとか消化できるだろう。それに、外の世界ではジャガイモどころか麦すら食べられないで死んでしまう人も居るんだよ? だから、食べ物は大切にしないとね。」
「はーい・・・」
「えっと、あと、村の住人からの要望で、南側の家の多くが経年劣化しているので、建て替えて欲しいとの要望がありました。」
「そうだな。あの辺は、この村を作った最初期に建てられた家が多いから、そろそろ立て替えないといけないな。よし。では建て替えを許可しよう。その間、住人にはテント暮らしをしてもらうことになるが・・・」
「分かりました。では、建築家ドール達に建て替えの許可を出しておきます。それから、外部から2名の侵入がありました。」
「侵入者か・・・」
 私は少し緊張した態度を取り、重い声で話をした。

「対応は?」
「村の規則に乗っ取り対応しました。」
「それで? 侵入者は?」
「2名とも、その日のうちに村を去りました。」
「そうか。ならいい。」
 私は緊張を解いた。
 その後も、いくつかオルトリアから報告を聞き、この日の報告会は終了した。

 この村には、"村の秩序と平穏を保つための規則"がいくつか存在する。
・全ての人形はマスターへの愛、隣人への愛、自分への愛の3つを尊寿しなければならない。
・全ての人形はマスターの領導の元で生活を送る。
・食料は出された物は全て食べなければならず、また食料を捨てたり粗末にしてはならない。
・人形達はマスター、及び隣人全てに嘘、隠し事をしてはならない。
・人形達はマスター、及び隣人全てに疑惑、疑念を抱いてはいけない。
・村では金のやり取り、をしてはならず、また一切の商売を禁ずる。
・外部の雑誌、食料、物品、いずれを得たり、使用したりすることを禁ずる。
・村内での人形同士の暴力を禁ずる。

 また、外部からの侵入者への対処法は人形達全員に知らせている。
・外部からの侵入者を発見した場合、騎士へ知らせなければならない。
・侵入者に対しては、初めは友好的に挨拶をする。
・侵入者に対し、こちらからは攻撃を仕掛けない。
・侵入者からの問いに対し、基本的に嘘を言わない。
・侵入者に対し、村の秘密や秩序を乱す情報を流さない。
・侵入者を家に入れない。
・侵入者が人形達に攻撃行為を行った場合、警戒警報を鳴らし、騎士達により鎮圧する。
・侵入者を村の外へ出てもらうのが一番である。衝突することなく村を通過させることを第一に考えること。

 そして村の秩序を乱した者には、当然罰が与えられる。
・周囲の人形達への謝罪。及び奉仕活動(軽度の罪)。
・立位礼拝。及びマスターへの忠誠心を誓う決意表明(嘘をついたり、人形達やマスターに対して疑いを持つ。又は外部の情報を見たり、聞いたり、得たりした罪)。
・1週間の断食(食料を粗末にした罪)。

 村の罰則はこんなところだが、滅多に起こることはないし、注意で済むことも多い。
 あと2つ。重罪に対する罰則がある。
・罪人の紋章の焼き印(重罪を犯した場合)。
・ギロチンによる斬首刑(殺人形、人形、マスターに対する傷害罪、村の秩序を乱す重大な謀反行為。重度の嘘や虚言)。
・ピアノ線による絞首刑(外部の人間に対して行われる)。

 この2つの罰則は今や形骸化していて、新参のリビングドールはその存在すら知らないだろう。私自身も、ほとんど忘れかけている。

 夜になり、夕食の前に、オルトリアとリリィは朝と同じように服を脱ぎ、テーブルの上に寝かせ、私は2人を味わうかのように体中をしゃぶったり舐めたりした。
「あんっ マスターに舐められるとっ 気持ちいい!」
「そうかい? ありがとう。リリィ。」
「ま、マスター・・・私ももっと・・・!」
「わかったよ。」
 私はオルトリアの大きな胸の乳首に吸い付いた。
「ああんっ!」
「おや、普段は凛々しい騎士隊長のオルトリアも、乳首をイジられると感じてしまうのかな?」
「あんっ そ、それは・・・マスターが吸うから! あんっ!」
「私のせいか? ハハハッ すまん! でも、オルトリアのおっぱいは柔らかくて、乳首も甘くて美味しいよ。」
「ま、マスター・・・そんな・・・恥ずかしい・・・」
「いいんだよ。儀式の時間は、心を解放しなさい。」
 ちゅうううううううぅ!!
 唇に力を込めて思いきり吸うと、オルトリアは絶頂してしまった。
「おや、乳首だけでイッてしまったのか。じゃあ、そろそろメインディッシュだ! 2人とも。秘所を広げなさい。」
「はい。マスター。」
「はい! 早く入れてー!」
 私は2人の膣を順番に犯し大量の精液を膣内に放った。

 メイド達が後片付けをしたあと、夕食が運ばれてきた。
 今日の夕食は、牛肉のステーキと、サラダの詰め合わせ。そして、コフキイモとポテトサラダ・・・。
「・・・ステーキと食べると、コフキイモも美味しいぞ。」
「うん・・・」
 やはりリリィはジャガイモ系の料理には食べ飽きているようだった。
「オルトリアも・・・ジャガイモは・・・?」
「嫌いというわけではありません。むしろ、ポテトサラダは私は好きです。だけど・・・」
「朝昼晩。こう毎日・・・ではな。私も同感だよ。じゃあ、頂きます。」

 なぜこんなにジャガイモが有り余っているのか?
 実はこの村から離れた森の中に、エルフとアルラウネの村がある。彼女達は外部の者に対しては中立で、歓迎はしないが排除もしないというスタンスだった。
 村の中でも信頼できる村娘や、騎士。リリィやオルトリアに農業につかう肥料や種などを、この村に買いに行かせている。
 エルフやアルラウネ達も、私達を客としか見ず、村のことまでは干渉しないので、私の村にとっても都合がいいのだ。

 私は幼い頃貧しい農村で育った。土質が悪く、質のいい野菜が育ちにくく、米の収穫もほとんどなかった。当時の国はこの村をほとんど見捨てていた。
 村は飢饉によって飢えていた。
 そのときの私の経験から、"枯れた土地でも育つ"ジャガイモに目を付け、また調理方法も様々で工夫次第であらゆる美味しい料理が作れるという点にも注目し、村でジャガイモの大規模生産を人形達に命じた。

 それが功をなして、今日まで不作や飢饉による食料不足は起きていない(起きたとしても、リビングドールは食事をしなくても生きられるから心配はない)。しかし、あまりにも大量に作り過ぎてしまったために、村中に溢れかえっている状態になってしまった。
 この村の土地質が非常に良いのも、ある意味で悪い方向に幸いしてしまったようだ。
 なので、この村では村中の人形がジャガイモを食べている。

「ごちそうさまでした。」
「ごちそうさま。」
「ごちそうさまー 美味しかった!」
「ありがとうございます。では、おさげしますね。」
「ああ。ありがとう。」
 メイド達は食器を片付けた。彼女達が作るコフキイモもポテトサラダも、十分に美味しいことは分かっている。しかし、毎日食べるとなると、飽きて来るものだ・・・何か食べ方に工夫はないか、考えておこう。

 この日、村の中央では罪を犯した10歳の少女の人形が、立位礼拝を繰り返していた。
「私は村の秩序を乱した悪い子です! マスターの教えに背いた許されざる子です! これからはマスターを愛し、隣人全てを愛し、村の秩序を守ります!」

 どうやら通りすがりの旅人の落とした雑誌を偶然拾ってしまい、それを読んでしまったようだ。
 外部の雑誌を読むことは規則で禁じられている。当初は注意するだけで済ませようと村娘達は考えていたが、少女自身が立位礼拝を願い出て、立位礼拝を行うことにした。

 炎天下の広場で、日没まで立位礼拝をすることになった少女。周囲には医者が見守り、他の村娘達も水を用意している。
 そして、見事人形の少女は、立位礼拝を日没までまっとうすることができた。
「偉いわ! さ、水を飲みなさい!」
「ありがとうございます!」
 少女は人形の村娘から差し出された水を一気に飲み干した。
「もっと、飲む?」
「いえ。もう大丈夫です。皆さま。ごめんなさい! これからは心を入れ替えて、マスターに忠誠を誓い、村の秩序を守ります!」
「あなたは本当にいい子ね! さ、夕食の時間よ。たくさん食べなさい。」

 たまにこんなこともある。でも、重罪を犯すリビングドールはこの村には一体も居ないから、何か罪を犯した場合でも、大体こんな感じだ。

 この日は外部から勇者の男女が村に入って来てしまったようだ。私は屋敷から騎士たちの報告を聞いた。
「男女の勇者か・・・まずいなぁ・・・勇者というのは情報を集めるためにあらゆることを聞くだろうし、なかなか立ち去ろうとしないだろう。」
「どう、対処しますか?」
「いつも通りでいい。村の人形達にはいつも通り、そして規則を守るように伝えてくれ。騎士達は、向こうが暴力に出ない限りは手出ししてはならない。いいな?」
「はい!」

 なるべく、早くこの村を出て通り過ぎて欲しい。この村に店や宿屋を作らせなかったのには、「この村には何もない。早く森を抜けよう」と思わせる狙いもあった。

「こんにちは!」
「こんにちは。いいお天気ですね。」
「あの、僕たちは旅の勇者なのですが、この村で何か困ったことはありませんか?」
「お2人は勇者様なのですね! そうですねぇ・・・特に、この村で困りごとはないですね。」
「この村には、道具屋か宿屋はないのですか?」
「ええ。ありません。森を抜けた先に、小さな街があるので、そこへ行くといいと思いますよ。」
「わかりました。ありがとうございます。」

 途中、勇者達はマスケット銃を持った猟師人形と遭遇してしまった。
 まずい・・・トラブルにならないといいのだが・・・。猟師人形から勇者達に声をかける。
「こんにちわ。」
「こ、こんにちわ・・・(銃を持っている・・・猟師かな?)」
「この辺りは、イノシシや熊で出ることがあるので、気を付けてください。」
「そうだったのですか。ご忠告ありがとうございます。」
「熊に遭遇したら、決して背を見せて逃げてはなりません。熊は、逃げる物を追う習性があります。ゆっくり後ずさるようにして逃げてくださいね。」
「はい。ありがとうございます。」
「ではっ」
 猟師人形と勇者達は問題なく会話を終えた。

「ねぇ、この村ちょっとおかしくない?」
「え? 別に、普通じゃないかな?」
「そうかなぁ・・・ま、気のせいか!」
「それよりも、日が暮れちゃうから、早く森を抜けよう!」
 勇者達は衝突することなく村を後にした。

 オルトリアはマスターに報告した。
「無事、勇者2名は問題なく村の外へ出ました。」
「そうか。ならいい。」
 外部の人間、特に勇者や教国側の人間と問題が起きれば非常に面倒なことになる。この村の存在が世に知られれば秩序は崩壊する。
 この村の秩序や規則は、普通の人間で実践しようとすれば確実に失敗する。過去に何度か試みたこともあったが、いずれも上手くいかなかった。
 魔物娘の忠実なリビングドールだからこそ、この村は成り立って行けるのだ。だから、なんとしても外部にこの村の存在を知られてはならない。

 この広大な森は、親魔物国領の郊外にあり、行政の目はあまり届いていない。それが私にとっては都合がよかった。
 しかし、この森は国境にも面しており、しばし森を抜けた先にある街の人間や、隣国の反魔物国の教国の人間が村を通り道として入ってきてしまうことがある。

 この日の夕方には、既に夜の儀式の性交を終え、私はオルトリアやリリィ、メイド達と一緒に夕食を食べていた。
「この村の土地の性質は非常にいい。このように農作物がよく育つし、野生の牛などの家畜となる動物も多い。熊やイノシシは危ないが、同時に食料にもなる。だから外部の人間がこの土地を奪おうと侵略することもあるかもしれない。それこそ、外部の人間に噂になったら、たちまちよからぬ人間の耳に入ってしまうんだ。だから、皆は絶対に村の秩序と規則を守らなければならない。いいね?」
「うん!」
「はい!」

 今日はなんだかよく眠れなかった。そのため、可哀そうだがオルトリアを起こし、寝巻きの胸のボタンを開けさせ、胸の谷間にペニスを挿入した。
「起こしてごめんね。すぐ終わらせるから。」
「いえ。マスターの安眠のためにもお安い御用です。さ、遠慮なさらず。」
 私はオルトリアのおっぱいを掴み腰を前後させる。いわゆる強制パイズリという奴だ。
 オルトリアは巨乳だが、ちょうどよい大きさで形もよい。彼女のパイズリは最高だ。
 私はオルトリアのおっぱいに乳内射精した。
「ふぅ・・・すっきりした。これで少しは眠れそうだ。ありがとう。」
「いえ。私の胸でマスターが気持ちよくなれたのなら、私も嬉しいです。」
 さすがに、このままずっと起こすのは可哀そうだと思ったので、今回は一発までにしておいた。一回出してすっきりしたため、私は眠ることが出来た。

 この日はオルトリアとリリィ。そして騎士の人形達と共に会議していた。
「最近、村に外部の侵入者が多い。今のところ、通りすがりが多いようだが・・・」
「まぁ、長居させなければ問題はない。」
「実は、森の向こうの教国で内戦が起きているようです。」
「そうか。我々は外部に対して一切干渉しない。分かっているな?」
「はい!」
「一応、騎士達は警備を厳重にするように。難民が来たとしても、追い返すかこの近くのエルフとアルラウネの村に行くよう促す。それでも駄目なら、私が記憶を消す。」
「彼女達の村に行くように促しても、彼女達が難民を受け入れるでしょうか?」
「それは彼女達に判断させればいい。我々は何も強制はしていないのだから。」
「分かりました。では、騎士達は警備を厳重にするように!」
「はい!」
 騎士達の警備を厳重にするという話でまとまり、会議は終わった。

(人間は絶対に裏切り、秩序を乱すのだ。外部の人間をこの村に入れたとき、秩序は崩壊し、村は崩壊する・・・)

 この日、一人の勇者と魔女(魔物娘)が村にやって来た。
「あの、すみません。この先の国で、内戦が起きていると聞いたのですが、何か知りませんか?」
「さぁ・・・私達はあまり村の外に出ないので、分かりませんね。」
「この近くに、エルフとアルラウネの村があるので、そちらの方なら何か知っているかもしれませんね。」
「そうですか。ありがとうございます。」

 村娘のリビングドール達と勇者と魔女は問題なくすれ違ったように見えた。
「この村、おかしいわね。」
「えっ?」
「"男が一人も居ない"。」
「そう言われてみれば、確かに!」
「それに、この村の者は皆人形よ。リビングドール。魔力により誕生した呪われし人形。」
「本当に!? でも、なんで・・・?」
「それは分からないわ。この村の村長に話を聞いてみましょう。ほら、あそこの屋敷が多分、村長が住んでいるのではないかしら。」
「うん。」
 勇者と魔女は村長が住む屋敷へ向かった。

「おっと。この屋敷へは立ち入り禁止です。」
「あの、村長と少し話をしたいのです。」
「それも許可できません。お引き取りください。」
「そこをなんとか・・・」
「構わない。通しなさい。」
「えっ!? マスター!?」
(マスター? やはり、村長がこのリビングドール達を束ねているようね)

 数分前・・・
 オルトリアは私に、勇者と魔女がこの村へ来たことを報告しに来た。
「・・・魔女も一緒とはな・・・」
「ええ。」
「魔女が一緒となると、恐らく奴らは気づくだろう。となれば、取るべき方法は一つしかあるまい。」
「マスター・・・」
「アレを持って来なさい。」
「・・・はい・・・」
 私はオルトリアの頬に手をそっと添える。
「私は、君の綺麗な手を血に染めて欲しくない。」
 オルトリアは、厳重に施錠されたタンスから、古びた杖を持ち出し、私に渡した。
「マスター!」
「おや、リリィ。」
「マスター! あたしも戦う!」
 私はリリィを抱きしめそっと頭を撫でる。
「君は、ずっと天使のように、無垢であって欲しい。だから、人を殺めるなんてしてはいけないよ。」
「マスター・・・」
 私は2人に背を向けて、部屋を出る。
「穢れるのは、この村では私だけでいい・・・」

「やはり気がついたか・・・。この村の秘密を知られた以上、ただで帰すわけにはいかないな。」
「あなたが村長ですか?」
「いかにも。」
「私達に敵意はありません。ただ、話を伺おうとしただけです。」
「君達の意図がどうであれ、秘密を知った者を見過ごすわけにはいかない。君たちは知りすぎてしまった・・・ん?」
 私は魔女に目をやった。

「いや、あの女のわけがあるわけない。君は魔物娘のようだからな。」
「・・・あたしのことを、何か知っているの?」
「君によく似た者と昔縁があったのだよ。あの女は私を裏切った! 君もさぞかし、男を利用するだけ利用して、最後には平然と裏切るのだろうな。災難だな。勇者よ・・・ククク。」
「こいつの言葉に耳を貸すな! 何を勝手なことを! あなたは何も知らないくせに!」
「ええ! なんだか知らないけど、腹が立つはこいつ!」
「フフッ 図星を突かれると癇癪を起すのも、あいつにそっくりだな・・・さぁ、お喋りはここまでにしておこう・・・」
「行くぞ!」

 2人はそれぞれ構え、私も杖を構える。そして、私の魔法により大きな爆音が村中に響いた・・・。

「ああんっ! マスター! 出してっ! あたしの中に全部!」
「ああ! イクぞ!!」
 私は、ペニスにまたがっているリリィの中に大量の精液を射精する。同時にリリィも絶頂し、潮を吹いて私の胸にへたり込む。
「マスター。命令通り、勇者と魔女の2名を、手錠をかけたまま首都の城前へ捨てて来ました。」
「ご苦労。オルトリア。疲れただろう? 君も、どうだ?」
「はい! 喜んで!」
 オルトリアもベットに上がり、自らペニスをオルトリアの膣に挿入した。

 しばらく交わり続け、さすがの私も、2人も体力に限界が来て、ベットに寝そべった。
「夜の儀式を先にしてしまったな・・・ハハハッ。夕食は・・・今日はいいかな?」
「うん・・・あたし、お腹いっぱい。」
「私も、マスターの精子で満たされています。」
「疲れたな・・・今日は、このまま明日まで寝よう。」
「ええ・・・わかりました・・・」
「ますたぁ・・・」
「なんだ・・・?」
「いつになったら・・・ますたぁの昔のこと・・・教えてくれるの・・・?」
「時が来たら・・・教えてやろう・・・」
「・・・そればっかり・・・」
「私達にも・・・話したくないのですか・・・?」
「・・・できればな・・・思い出すのも嫌なのだ・・・」
 私はリリィを片方に抱き寄せ、オルトリアの胸に顔を沈め、眠りに入った。

 それからしばらく時が流れた。かつての騒動は既に忘れ去れていている。あのあと、勇者と魔女は眠らせ、この村の記憶を消した上で、親魔物国首都の城前に打ち捨てさせた。
 勇者と言えば親魔物国にとっては敵だ。魔女はともかく、勇者がどうなるのかは女王次第だ。まぁ、私の知ったことではない。

 教国での内戦は激しさを増し、最近ではこの村に外部の人間がやって来ることも多くなった。そのまま村を通り過ぎてくれればよかったのだが、ときには難民としてこの村に受け入れてくれるよう頼む者も居た。
 そういう者には、エルフとアルラウネの村に行くように促す。それでもダメなら、記憶を消して元の国へ送り返す。

(外部の人間の侵入がこうも増えるとは・・・それに、森にも戦火が拡大し始めた。いずれ、この村も戦火に巻き込まれ、やがて秩序は失われる危険がある。ならば・・・)

「はい。確かに。では、収穫のうち10%の農作物の献上を条件として、この村の自治権、及び外部の者の進入禁止令を敷きます。それでは、こちらが自治権証明書となります。」
「・・・確かに。」

 私はエルフとアルラウネの村の村長を仲介して、女王と交渉することにした。結果、この村の自治権と外部の侵入者の禁止令を敷くことを条件に、農作物の10%を国に納めることになった。10%と言っても、この村は非常に農作物の実りがいいのでかなりの数になる。しかし、村の食料自給率から考えれば大したことではないし、収穫の10%なので、極端な話、収穫が0の場合は納めなくても問題はない。
 もっとも、リビングドール達は私の魔力と精子さえあれば餓えることはないし、私も何も食べなくても餓えない体なのだが・・・。

 その後も、この村の秩序は変わらない。
 閉ざされた人形達の楽園の中では、人間は私一人。この村中のリビングドール達と、いつでもどこでもだれとでも好きなときにヤる。

「村の皆様。よく集まって頂きました。さぁ、今夜は楽しみましょう!」

 オルトリアにリリィ。村娘や猟師、医者、建築家、騎士。全てのリビングドール達は、今日は裸で広場に集まっている。
 これから、月に一回の盛大な祭りが行われるのだった。
18/08/16 00:26更新 / 幻夢零神

■作者メッセージ
初めての中世を舞台にした話となりました。
細かい設定を決めすぎると、文章が長くて読みづらくなり、かと言ってコンパクトにまとめ過ぎると、大事な説明が抜けてしまうので、難しいですね。

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