連載小説
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後日談―こんなに変態になっちゃってどーすんの。


 「―――最近の医療の研究により、インキュバス化が性機能障害や性病をなくすという結果が判明されており、それに伴ってインキュバス化を望む男性が急増しています。その為、インキュバス化になるのを恐れて、滅多に手を出せなかった、インキュバス化を促進する薬が全国各地で売り切れる事態となり―――」


「―――……アレって、サキュバスの秘薬じゃないか。そういや『向こう』はあまり生産されていないんじゃ?」

「……昔は滅多に手に入るものでは無かったみたい。……だけど、今は生産出来るように、なったんだって。……あっ、赤ちゃんが動いてる♪」

俺はTVをぼんやりと聞きながら、俺の膝元に嫁を座らせて後ろから抱き、パソコンのキーボードを叩いている。
聞いての通り、ここで言う抱くと言うのは至って健全な意味であり、決して性交という意味では無い。少なくとも今は。

嫁は秘薬の現状について説明するが、それよりもお腹の中から元気よく動く赤ちゃんが動いてるのに合わせて優しくさすっている。
ちなみに服装はスク水―魔界においてはサハギン一族の日常的な服装―であり、スク水を着た妊婦さんとなると、これはこれで魅惑的である。
なんていうか、犯罪臭がするというか。


さて、俺が今いるのはどこかというと、日本から遠く離れ、いや、世界から隔離された魔界で、その魔界のどこかにある、紺色の湖の畔に建てられている小屋―正確には沙奈の三件ほどある実家の一つ―に住ませてもらっている。

今ここにいるのは二人だけだ。
いや、正確には嫁の両親も住んでいた。だが、いまは別の方の実家で絶賛子作り中であり、この家を借りきって甘い生活を送っている。




どうしてこんな所に住んでいるのかというと、少し話が長くなる。





その話は今から約3ヶ月ほど前にさかのぼる。





―――


あれから、SDが治ると同時にインキュバスになり、サキュバスのお姉さんに掘られて気絶した後も二人は代わる代わる俺を「犯し」続けられていた。

後に知った話だが、なぜ二度目も掘り、俺を気絶させたのかをお姉さんに訊いた。
お姉さん曰く、「貴方が勝手に満足しちゃあの子もアタシも不満だからぁ、貴方を気絶している間、おちんぽみるくがいつもよりたくさん作れる魔術を直接ブチ込んだのよぉ?♪」という話だ。 なんというドS…いや、ド鬼畜!

その間、嫁は膣内に、お姉さんは上と下の口を俺が目覚めるまで俺の精液を取り込み続けていたという話だ。一夫多妻のハーレムを作った勇者の方々にはさぞかし過酷だったであろう。

目が覚めたのは気絶して3日後らしい。
まず、目に飛び込んだのは、魔力を取り戻しただけでなく、来る前よりも蓄えられ、お肌が輝く位ツヤツヤとてからせ、すっかりご機嫌なサキュバスのお姉さんだった。

「あらおはよぉ、そしてご馳走様でしたぁ♪」
こんだけご機嫌という事は俺はこってり搾り取られたのだろうかと思った。
しかし、気分が少し重いだけで、身体はげんなりしているどころか、人間の頃よりも体調が良くなっていると感じた。

「……満足してもらえました?」

「んー、まだシたいっていう気持ちはあるのだけどねぇ…。そんなことよりぃ、貴方に嬉しいお知らせよぉ♪」
どうやら俺がまだ目を覚めていなかったら貪り続けていたらしい。貴方の欲求不満は底無しか。

いやそれよりも、お姉さん一回だけって言ってたじゃないですか。あれは嘘だったんですかい。


まぁそれよりも、嬉しいお知らせと言ったが、何か嫌な予感しかしないのは気のせいだろうか。

俺はお姉さんの顔を見た。




何かを企んでいる様な、ニヤニヤとした顔……では無かった。



「ほら、沙奈ちゃんを見てぇ♪」

―――前言撤回。

流石に色々やらかした淫魔のお姉さんだからと言って、その笑顔が嫌がらせとかそういう風に見たのはとても失礼だと感じ、心の中で謝った。

そのお姉さんの顔は、まるで心から嬉び祝うような、嬉しそうな顔だった。
その幸せそうに細めている目から一筋の涙が頬を伝っていた。


「あの子……お腹に新しい命が宿ったのよ」


その言葉にハッとして、彼女が見ている方に顔を向けると、そこにはとても幸せそうに顔を緩ませ、丸くなって寝ている嫁の姿が目にうつった。

そして、その妻のお腹はぽっこり膨らんでおり、時折お腹を優しくさすっていた。




「……に、妊娠、したのか」

本来、魔物というのは、人間の女性と違い、非常に子供が出来にくい体質であるのか、人間同士の性交よりも数多くこなしているのにも拘らず、一人を産むのでさえ奇跡にちかいのだとか。



しかし、あれほど産ませたくないと思っていたはずなのに、いざ子供が出来るのかと思うと、不思議と嬉しさがこみ上げてきた。


「あーぁ、アタシは、残念ながら妊娠できなかったわ。あの子に追い越されちゃった。でも、いずれは素敵な夫を見つけて子作りしたいわぁ…///」

残念そうに口をこぼしながらもその顔は一向に変わらず、嫁を祝福している顔だった。


やはり、相当の運や愛情が無い限り子供なんて出来ないのだろう。



そう思うと、俺はシャルミィさんにこう言わないといけない。


「……シャルミィさん」


「どうしたのぉ?アタシが孕めなかったからって謝る事ないのよぉ?」

「いや…、違うんです。俺が言いたいのは……、SDを治してくれただけでなく、嫁のお腹に子どもを宿してくださって。本当に、ありがとうございます・・・!」




そう、感謝の気持ちだ。



あの時は酷い目にも遭わされたが、結果が幸せな方になれば、今までの事もいい事だと思えるからだ。


「……ウフフ、どういたしまして」

お姉さんは少し恥かしそうに顔をそむけながら、ほほ笑んでいた。




―――


「……にしても、えらい部屋がキレイに片付いているっていうか、なんで段ボールしかないんだ…!?」

しばらく寝ている嫁を見ていたが、ふと周りの異変に気付いた。

あれだけ激しくシていたはずなのに、床は液体一つも無く、匂いも全くしていない。
まるで、ホテルに泊まりに行った時に目にする様な、ピッカピカの状態だ。
さらには、テレビや家具が見当たらず、その代りにあるのは、でかでかとした段ボール箱の山。


まさか、テレビや家具はこの中に納まっているなんて言う話じゃないだろうか。

「あっ、そうそう。沙奈ちゃんが妊娠したからぁ、これからあの子の実家へ里帰りしてぇ、赤ちゃんが産まれるまで一緒に付き添ってもらえないかしらぁ?」

「……つ、つまり、魔界にですかぁッ!?」

突然の引越しに衝撃を受けたのは言うまでも無い。
魔物の夫になった男性と言えど、本来魔界というのは滅多なことでは行く事でさえかなわない所なのである。

かといって、ここで過ごすとなれば、バイトもあるし大学もあるしで、とても付き添うことなんて出来たものではない。

そうなれば、言う事はただ一つ、お願いしますと言うしかないのだ。

完全にお姉さん主動で俺はまるで激流に身を任せてどうにかなっている状態だった。



しかし、その激流はあっという間だった。

荷物の方は運び屋を主な仕事にしているハーピー達―服にはハーピー・トレイラーの刺繍は書かれていた―が次々と手際よくに運び出し。

その間に嫁を起こさせて、その場しのぎの服装に着替え、三日ぶりの食事―あまりの空腹で胃が縮むって本当の話なんだね―を済ませた後、お姉さんによる転移魔法で行き先の人―大学ではゼミの先生と学園長、バイト先では店長―に挨拶と事情を話し、長い休暇を得る事に成功。

そしてなんやかんやで翌日には魔界に引っ越した。




―――



そして、今に至り、俺は嫁をずっと付き添いながら、論文を傍らにある本を出版しようと考え、作業机にあるノートPCで執筆している。


正式なタイトルは思いついていない。仮タイトルとして、「インキュバスのススメ」でも付けているが。



まぁ、これでひと儲けしようとは考えていない。

だが、全くというのは嘘で、嫁と娘を養う為に、少しでも著書が売れる事を考えてはいるのだがぼろ儲けとはいかなくてもいい。


俺の様に、性の事で悩む人々に一種の選択肢を提示する形で紹介していきたいのだ。




もちろん、インキュバス化にならずとも、こういった悩みは解決できる。

しかし、治せるかどうかはその人の気持ち次第なのだ。

少し前まで流行していたうつ病も、結局は自身がどうありたいのかをハッキリ示す度量が無ければ、根本的に解決出来ないのである。


思えばこころの病は身の回りからくる摩擦みたいなものであり、強い摩擦なら削られたかのような苦痛で悲鳴をあがるし、逆に摩擦が弱くてもじわじわとやってきて、気づかぬうちに芯まで擦れていて、判らぬままに苦しむものだと考えている。


そんな苦痛が来る前に治しておくなら、インキュバスになった方がいいと思えるのだ。



これは逃げ道では無い、立派な選択の一つだと思える。



そういう想いがあるので、推敲を重ねて筆の代わりにキーボードをカタカタ打ち鳴らして執筆中だ。



しかし、実際はそううまくはかどる筈が無い。

3ヶ月もかかって現段階でまだ半分も完成していない。


妊娠して以来、嫁は酷く俺に甘えるようになった。

何時でもどこでも離れず、手から離れるだけで酷く泣き喚く始末だったのはここにきて二日目で判明し、今でも記憶に残っている。
どうやら、この時期は非常に情緒不安定になるらしい。


そういう事もあって嫁の姿が目に入らない日はなかった。

寝ている時以外…いや、寝ている時も夢でずっといたのだからあながち間違いではない。


こうしている間にも嫁がおれの身体にピッタリとくっついているかのように背にもたれており、尻尾が俺の右太ももを摩る様にクネクネしている。
エッチがしたいという、嫁の合図だ。


この合図が来れば、作業を中断せざるを得なくなってしまう。


続けようにも、嫁の柔らかく、ヒンヤリとした身体がとても心地よすぎるが為にキーボードを叩こうとする手が動かないのだ。

そして、思わず手を伸ばして触って撫でまわしたくなる程の、弾性があって柔らかなお尻が俺の股間の所で座り込んでいる為、意識しなくても、どんどん肉棒が大きくなってしまって、思考回路が執筆するどころでは無くなり、すぐにでもショートしそうだ。



そんな嫁の状態が魔界にきてからすぐだったので、行きつく先は一つ。



「……ぁっ♪ アナタのおちんちん、もうこんなにカタクなっちゃってる…///」


俺の異変にすぐに気付いたらしく、嫁は妊娠する前よりも欲情し、入れて欲しいと言わんばかりにお尻を痛くない程度に俺の肉棒へ、圧力をかけて擦りつけてきた。



そう、その行きつく先は、嫁と子作りセックスである。
と言っても、子供をもう一人産む為でなく、妊娠している間にセックスをして、精を体内の子供に注ぐ事である。


そうする事で嫁である、母親には魔力の補給、幸福感、満腹感を満たす事ができ、我が子にはより魔力を蓄えた、素晴らしい魔物になり、まさに一石二鳥だ。


この時期の魔物は皆性欲が酷く増して、情緒が安定していないのはこのためであるらしい。


「…ねぇ、そのおっきいの、早くちょうだい?///」


俺の顔を見ようと振り向いた嫁の顔はすっかり蕩けており、寂しいのか、唇がより角度のきついへの字にまがっていた。


「少し待ってくれないか。いま服を脱ぐからさ」


嫁をこれ以上待たせない様にちゃちゃっと脱ぎ終えると嫁はにんまりとほほ笑んだ。

嫁が身体から少し離れてくれたので脱衣が早く済ませたが、何も身につけてないのを確認するや否や、すぐに抱きつき、そのまま性行為へと移った。



それにしても、ここにきてからほぼ毎日、いや、食事と睡眠とちょっとした休憩以外は全てセックスに充てられていたりする。


だが、今の俺は多少の疲労感は感じるものの、気絶したり、寝不足に陥ったりは今の所はなく、日々幸せで充実している。


人間の頃であれば、恐らく気絶と疲労での睡眠で一日のほとんどが目を開けていられなかっただろう。


まぁ、インキュバスになりたての時は掘られて気絶していた所を狙ったかのように激しくされていた訳で今の身体でも、気絶は絶対にしないとは言い切れないが。


だが、そんな経験もあって、大分射精するまでの時間と射精した時に精液が出る時間が延びた。もう早漏なんて言わせない。



さらに、精液の量も倍以上に増えたのは俺自身とても嬉しかったりする。


これで嫁や娘を白濁液まみれにしてやれると思うともう顔がにやけっぱなしに、っとイカンイカン危ない危ない。これ以上想像すると嫁にちゃんと膣内に出せと怒られる。


ふぅ、ぶっかけを我慢して今度もしっかり膣内に出しておかないとな……やれやれ。




今まで出した精液の量は、恐らく浴槽2、3杯分注ぎ込んでいるんじゃないかn……ん、まてよ…!?



浴槽……その発想はなかった!




ふとインキュバス化になった俺自身の事に思いにふけていた時にナニカを閃いた。

しかし、俺の閃きと同時に、妻は深く腰を下ろしていた。

ぐちゅりと、そのまま肉棒を難なく咥えこんだ嫁の下の口は、まるでヨダレを垂らし続けて食事を待ち続けた犬のように、太ももまでぐっしょりと濡れていた。


「…あっ、んあぁぁぁっ!///アナタのおちんちん、やっぱりきもちぃよぉ♪」

妊娠してなお、いや、むしろ妊娠してから嫁の性欲は日に日に、性渇望症かと思う位凄くなっていく一方であった。


しかし、身体を合わせなくても、隣にいて抱き合ったり、キスしたり、一緒に話し合うだけでも十分効果があるんだがなぁ……。どうしてこうなった。


いやまぁ、毎日嫁とエッチするんは凄くうれしいけどね?



「ッく…何回シても、沙奈のココは飽きがこなくて気持ちいいなぁ…っ!」

いや、むしろ毎日、ずっとシたいぐらいだ。二人だけの時間と言う物ほど、贅沢な時間はないと思うのだから。


慣れたとは言え、やはり気を緩めるとすぐに出してしまう。
それでも嫁は喜び、喘いで歓び、そしてイって悦ぶが、そんなのでは俺自身何だか許せない。


なので、すぐに出さない程度に気を引き締め、嫁の腰辺りをつかむ手腕でゆっくりと持ち上げて、肉棒が嫁の膣から抜くかどうかの所まで浮かした後、ゆったりとしたテンポで腰を上下に動かした。

部屋の中はとてもジメジメとして蒸し暑い。

そんな部屋に文句を言うかのようにノートPCのモーター音がWRYIIIII!!と鳴り、作業机付属の椅子がギシ、ギシと軋む音が聞こえるが、椅子に座っている利用者は部屋の蒸し暑さも口を言わぬ物達の文句も耳を貸さず、じゅぷっじゅぷっ、ぐじゅっとやらしい水音を響かせながら腰をいやらしく振っていた。



「あっ、あっ、あんっ!…あぅっ/// もっと、もっとぉ、激しく突いてぇ///」


「ヤだね。…そんなイケナイ事を言う沙奈には…んっ、チュッ」


素晴らしい閃きを教える事が出来なかったおだから、仕返しにいじわるがしたくなった。

俺はそのまま嫁の唇を奪い、舌を絡めて口を塞がせた。
もちろん、腰の方はリズムを変えずゆっくり動かしながら、だ。



「んっ、んむぅっ、んんん〜〜〜ッ!!///」


俺の目の前で、嫁は快楽に染まりながらも怒った目で見つめていた。

嫁は一秒でも早く膣内に出してほしかったようだ。


だが、断る。

限界ギリギリまで取っておきたいからな。

そう心で決め込んだ俺は舌と下との同時攻めをお互いがイかない程度に責める事にした。




―――――20分後。


「ちゅぱ、ちゅぷ、れろれろ……。んっ、んんー、んんんぅ〜〜!///」

激しくもゆっくりとしたディープキスをし続けているのか、嫁は涙をぽろぽろと流しながら、必死で何かを言いたげに見ていた。


恐らく、もう我慢できない、早く出してと言っているに違いない。

そんな俺嫁を苛めるのが楽しく、気持ちよさに顔を熱くしながらもニヤニヤが止まらない。



好きな子ほど泣かしたいというイジメッ子の気持ちが実にわかるな。

前も言った気がするが、昔は嫁に泣かされたもんだぞ。
インキュバスとなったからにゃ、その分を含めてもっとイジめてやりたいのが男の性だ。
少なくとも俺はそう思っているが。


だが、俺もこれだけ長くすると、そろそろ限界が来てしまう。
肺の空気が無くなりかけなのと、射精しそうなのとの、二つの意味でだ。


嫁の方も酸欠っぽく、苦しそうに鼻呼吸しているし、嫁のアソコがギュウギュウと締め付けてそろそろイク頃合いなのが感じ取れたので、一旦腰を動かすのを止め―もちろん、深く挿れたまま―、唇を引き離した。

一筋の透明に輝く糸がお互いの唇を繋ぎ合わせていたが、すぐに垂れ、プツンと切れてしまった。
嫁はキスを止めた事で余計に悲しい顔を浮かべてしまったが、これはこれでそそる。



「そんな顔をするなよ、沙奈」


「……ぐすっ……ぃ、いぢわるぅ…ッ///」


いじわるをされた上になかなか膣内に出さなかった為、嫁はすっかり機嫌を悪くし、べそをかいていた。 あちゃー、やりすぎちゃったなー。(棒読み


「悪かったから、べそをかくなよ。可愛い顔がだいなしだぞー(棒読み」


なだめているように聞こえるが、俺はなだめているのではなく、からかっている。

もう、俺の嫁の泣き顔がすっごく可愛い。
もちろん、笑顔が一番可愛いがな。


思えば、始めて泣き顔を見たのは初エッチのとき、嫁に顔射してしまった時だったかな。

膣内に出してほしかったとべそをかいていた嫁の顔は、普段は無表情で、滅多に見られないが為にとても新鮮で可愛かったと今でも思いだせる。(そのあとに機嫌を直す為に中出ししたら今度は太陽のような笑顔に変わって、ベタ惚れしたのはナイショ)




「……いいもんっ、もうしらないっ///」



嫁はプイッとそっぽを向いて頬をふくらませた。
こうなると、機嫌を直す事をしない限り、一切顔を見せず、口もきいてくれなくなる。

しかし、俺をぎゅっと抱きついて離れないあたり、本当に嫌ってはいないのがわかる。



「まぁ、なんだ…もうちょっとだけ待ってくれないか」


嫁はうんともすんとも返事をしなかった。強く抱きしめてくれているのは変わらないが。

ほら、あれだ。
沈黙は肯定也、ってことで、俺は忘れないうちに閃いた計画を実行すべく椅子から立ち上がった。
念のため嫁が俺から離れて落ちないよう、左手で嫁の背中を支えておいた。



安全を確認した後、俺は嫁と繋がったまま、部屋から移動し、冷蔵庫から魔界製の●カ*ン*ンを2本ほど飲み干した後(※人間の男性は1本までしか飲んではいけません。と書かれている)、お風呂場へと向かった。



こう言うと、何事も無く風呂場へ向かったと思われるが、実際はなかなかキツかった。


なにしろ、移動するたびに、肉棒から刺激が来るものだから、移動の最中に中出しでもするとなれば、寝室以外で臭いが漂って、その匂いが原因で嫁の両親や親せきの方々がここへ来た時に発情して、家族皆で「らんこう!」という混沌になる恐れがあるからだ。


まぁ、結果で言えば何とか耐えたのだが、嫁が動くたびに「ふぁっ、ゃぁん///」と喘ぎ、身体からローションのような汗を流すので、支えている左手が危うい状態になった。





そんなかんやで、風呂場にたどり着いた。

蒸し暑かった寝室から打って変わって、風呂場は肌寒いくらいにひんやりとしていたが、火照った身体を冷やすにはちょうど良かった。



「……ここでなにするの」


先ほどまで喘ぎ声しか出てこなかった嫁の口からやや棘のある言葉が出た。

機嫌はまだ直っていない。しかし、尻尾の方を見ると何かを期待するかのようにフリフリしていた。


「このまま入浴しようと思っているんだ」

そう言いながら、俺は右手でお風呂の蓋を開けた。


「……お湯どころか、水も入ってないけど?」

嫁の言うとおり、湯気を立てたお湯どころか、つめたそうな水さえ一滴も満たされていない、空っぽの浴槽だった。


こんな状態でどう入浴できるのかとぼんやりとした顔で考えている嫁を抱えて、そのまま浴槽へ入り込んだ。


俺の尻からヒヤッとした冷たさが襲いかかりぶるっとしてしまった。

それがきっかけとなり、白濁色の「秘湯」が出てきた。



「うおっ…っ、出たッ!」


これまで我慢し続けてきた肉棒から、ついに我慢をぶち破り、白濁の濁流が嫁の膣内に流れ込んだ。

どぷっ、どぷっ、びゅくっ、と濁った音が嫁の膣内で響く。


しかし、同時にごぷっ、しょわぁぁぁぁ!、と先ほどに似たような濁った音と炭酸がはじけるような爽やかな音が風呂場内で響いた。


「ふぁっ!?あぁぁぁっっ!!!///」

その音の正体がわかる前に嫁はイってしまい、あられもない悲鳴をあげた。

その悲鳴から彼女の透明色の「秘湯」が俺の肉棒を咥えているアソコから噴き出し、冷たかった俺のお尻をじんわりと温めてくれた。

しかし、その「秘湯」は愛液だけでは無かった。


「ひっ、い、いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!///」


浴槽の中で気持ちよさのあまりにおしっこという、もうひとつの「秘湯」を漏らしてしまったのか、嫁は顔を真っ赤に染め、恥かしさのあまり、涙を流しながら俺の胸に顔を埋めた。



こうしている間もお互いから出てくる「秘湯」の勢いは止まらなかった。


俺が出す「秘湯」は膨らみ切った嫁の胎内から逃れるようにゴボゴボッ!と音を立てて逆流し始め、嫁が出すもうひとつの方の「秘湯」はじょぉぉぉぉっとより音を大きく鳴らし、じょぼじょぼと水音を立てていた。

---

サハギン族は魚類で、大抵水の中で過ごしている為か、尿の色は透明に近い薄黄色で、匂いもほとんどない。もしこれに色とアンモニア臭が存在すると、たちまち魔界の湖に住むどころか、飲む事すらままならないだろう。一部のマニアックな人は除くが。
さらに、尿を蓄える容量が人間の女性と比べて数倍以上も蓄えられる事ができるらしく、一回の排尿で最短で数十秒から長くて数十分もかかるらしい。

今の沙奈の主食が俺の精液で、精液の中にも当然ながら水分も含まれているので後者の方に当てはまるだろう。それくらい長く嫁の放尿は止まらなかった。

---


「ふぇぇぇん!!おしっこが、おしっこがとまらないよぉぉ!!!」


嫁が泣きじゃくっているのもお構いなしにじょぼぼぼぼとはしたない音を立て、透明色と白濁色に混じった「秘湯」の水面が間もなく立っている状態での足首ほどまでに溜まっていた。



一方の俺も一向に射精が止まることなく、それどころか、徐々に勢いが強くなってゆくのを感じた。



当然だ。



嫁とセックスをしてから20分ほど射精するのを我慢した揚句、普通の夫婦ならまず考えられない様な所で嫁を中出しして、嫁がおしっこを漏らすと言うあられもない光景を見ている。

これで興奮しないはずが無いものだから、今や俺の性欲が有頂天になりこの性欲はしばらくおさまる事を知らない。

あまりの恥かしさに泣きじゃくって顔を埋めている嫁の頭を撫でながら、さらなる射精を促す様に激しく腰を振った。

ばしゃっばしゃっとおしっこと精液で出来たお湯が波打ち、嫁の膣内にも侵入してきた。


「やぁっ、ダメぇッ!これ以上うごかないでぇっ!!、またおもらししちゃうのぉっ!!///」


恥らうように叫ぶが、嫁の顔はすっかり快楽に染まっており、視点が定まっているかどうか怪しかった。
今もなお、嫁の放尿は続いているが。



「そういわれてもなぁっ、こんな状況で腰が止まるわけ、ないだろ・・・うぁっ!!」



ますます腰の動きがデットビートしてゆき、抗議の声を最期まで上げる事ができず、奥底に溜まっていた精液の根源が爆発したかのような感覚と共に激痛のような快楽が襲いかかった。



先ほどのびゅく、びゅくっといった、一定間隔で大量に出すと言った感じではなく、びゅるるるる――――っ!と、蛇口を思いっきり捻って出てくるお湯の如くの勢いになっていた。



「だ、ダメってぇっ!いってるの――――に"ゃあぁ"ぁ"ッ!!!



しかし、その暴力的な快楽は俺だけでなく、むしろ、嫁の方が苛烈な快楽を全身で受けていた。


嫁のお腹は二倍にボコンッと膨れ上がり、1度目の射精で蓄えられていた精液が2度目の射精による精液によって勢いよく押し出されていった。


先ほどの快楽にくわえて、強引な精液の循環による過剰な魔力補給によって、嫁は声が出ず、口をパクパクと開け、目は白目を剥いて俺に抱きつくように倒れ、そのまま気絶して眠ってしまった。


一方の俺も今までにない射精感に気だるさを感じ、嫁を抱きながら、溺れない様に浴槽に背もたれして、ひと眠りする事にした。



一方、下の方は両者とも眠っているのにも拘らず、浴槽を満たす為に出し続けていた―――。




―――



さて、どの位寝てしまったのだろう。

ふと目を覚ました俺は風呂場の窓から見える外の景色を見てみた。

ここに入ってきた時はまだ日は昇っていたが、今ではそろそろ夕暮れに差し掛かろうとしていた。


こんな中で数時間ほど寝ていたのかと、自分自身驚き呆れた。

今はすっかり止まっているものの、俺の胸辺り、嫁の肩辺りまで精液と愛液とおしっこで出来たお湯がちゃぷちゃぷと満たされており、お湯より低いはずなのになぜか生熱く、今更ながらむせて吐き気を催す様な腐敗しきったイカのような異臭がムワッと充満していた。

うぇっぷ、俺の精液くせェーーーッ!ゲロ以下の臭いがプンプンいてるぜーーーッ!!



「……すぅ、すぅ。んふふ……♪」


そんな俺とは打って変わって、嫁の方はまさに極楽気分で浸かりながら寝ていた。


嫁にとって、この臭いはとても甘く濃厚で極上の味のする匂いなんだろうと思った。

そんな匂いが満たされているのか、その寝顔は幼い少女が見せる笑顔をした寝顔で、とても可愛い。

嫁の寝顔の為なら、こんな地獄のようなお風呂の中でも頑張って浸かってやりますとも。


しかし、そうは言っても流石にこのまま一日過ごすわけにはいかないので、目覚めのキスをする事にした。

エッチをするときとは違って、そっと唇を合わすだけのキスだ。

しかし、嫁の唾液はとても甘くて美味しい。貪ってしまいたくなるほどだ。


「……んっ…ふぁ。おはよう、けいく…ん?」

だが、程なくして嫁は目を覚ました。


「……はわっ!?/// ・・・・・・ゎ、わたし、こんな所で寝ちゃってたんだ……っ///」

そして嫁の意識がハッキリしてきた途端にボッと火がついたように顔が真っ赤になった。


「……正直、お風呂になるとは思ってなかったんだよなー」

そう言って頭をポリポリと…掻こうとして止めた。胸から上以外は全部精液まみれの風呂に浸かっているんだった。


「……良く考えたら、凄くもったいないね」

お風呂に満たされた精液を見て嫁は顔を真っ赤にして怒っているが、どこか蕩けていてまるで説得力がない。



「あふれ出てしまった物は仕方ないじゃないか。まぁ、そんなことよりもそろそろあがろうか」

今はもう夕食時であり、お腹の方も腹の虫がなってたのだから、早くシャワーを浴びて、精液の臭い等とった後ごはんが食べたい。



「……んっ、でも、まって・・・・・・っ!!」


しかし、そんな悠長な事を考える場合では無かった。

「おぃ、沙奈、どうかしたのか!?」

急に立ち上がったかと思うとお腹を押さえて苦痛を訴えているように見えた。


「……だ、大丈夫」

だが嫁は苦しそうに、無理やり笑顔を作った。

なにが起きているのだろうか。



「……あ、アナタ。……良く見てね。……あっ、あうう"、んん"んっ!」



そんな状況を判っていない俺を判らせるためなのか、嫁はさらに苦しそうな声をあげてお腹に力を込めた。


ぶびゅっ!と、汚らしい音と共にお腹に溜まっていた精液が吐き出された。

その直後にむりゅりゅと、白く半透明な何かが嫁のソコから顔をのぞかせていた。



「……う"ぁっ、あ、赤ちゃんがッ、う、産ま"れ"るよぉぉぉぉっ!!」


力の限り、嫁はお腹を力ませた。その間にも、嫁の顔には苦痛と快楽が混じった表情を浮かべていた。


しかし、それはほんのすぐだった。

じゅにゅるるっ、と勢いよく何かが出たかと思うと、あっという間にソレは精液のお湯に落とされた。


「ふぅー、ふぅ―……うふふ、わたしのアナタの愛の結晶が・・・産まれたよ……♪」


ようやく子宮の中から産み出せたのか、嫁は汗ばみながらも、とても嬉しくほほ笑んでいた。

浴槽には、先ほど嫁が産み落とした卵がぷかぷかと浮かんでいた。

半透明の卵の膜につつまれた中身は、既に4〜5歳あたりの子供が目を閉じてうずくまっていた。


俺と同じ真っ黒くサラサラしていそうな長い髪に、嫁のような青い鱗とヒレ。そして雪のように真っ白なスク水とそれに負けないくらい白い肌をしていた。



「……こりゃ、大きくなってからが楽しみだなぁ」

いまでも犯してやりたいほどの可愛さだ。
だが、まだ産まれたばかりなのでそんな事をしてはいけない。


「……そうね。でも、私をほったらかしちゃ、ダメだからね?///」

嫁はジト目で俺を見つめていた。
娘であっても嫉妬心を抱く様だ。


「わかってるって。そのときにゃ親子丼で楽しめたらいいなぁ」

「……親子丼…?」

「母子共にヤるってことよ」


親子丼の意味を理解した途端、嫁の顔は赤く染まり、口からヨダレを垂らしていた。わかりやすいなぁ、もう。


「……早く大きくならないかな?♪」

嫁は一刻も早く親子丼を味わいたいのか、身体をくねらせていた。

「おいおい、気が早いぞ。娘の名前も考えたり……いや、そんなことより、早く身体を流すのが先だな」


「……あっ///」


すっかり今の状況を忘れてしまったのか、嫁は夕食の事を思い出し、慌てて身体を洗った。




それから夕食を済ませた後、無事に子供は卵から孵り、俺と嫁の育児生活が始まりを告げた。



しかし、風呂場の事をすっかり忘れてしまい、翌日の腐乱臭で気絶しそうになった事により、俺は今後ザーメンプールはしまいと心に決めたのだった。



終わり。
11/09/14 08:56更新 / 浮浪物
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■作者メッセージ
……投稿が遅くなってしまいまして申し訳ありませんorz
何があったのか言うと言い訳に聞こえてしまうので割合。

さて、おまけに1万文字を詰め込み、ザーメンプールならぬ精液風呂という、本編とはいろいろズレた後日談になってしまいました。テヘペロッ☆

まぁ、おまけと言う訳で許して下さい。こんなおまけですがこのシリーズはこれで終わりです。えっ、娘と交えての親子丼は書かないのかって?
それは皆さんの要望次第か、ネタが切れた時に…覚えているかどうかはともかくして。

そんなわけで、最期まで読んでくださって有難うございました!!!

次回は単発SSを書こうと思っています。

では、1日でも早く書き上げれる様頑張ってきますb

追伸という名の蛇足なおまけ:前編以外のタイトル名はちょっとした元ネタから取っていますw
中編:指パッチンで時間を操る黒い大天使様
後編:キョンシ―に襲われ主人公に助けを求めたお化け傘妖怪の末路
後日談:毒舌な監督からの挑戦状をやりこんだ時に言われる一言

…まぁ、どうでもいい話です、はい。

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