読切小説
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キキーモラさんの引き顔を見たい、罵倒を受けたい男の話
キキーモラさんは優しい。
俺はキキーモラさんのおかげで生きていると言ってもいいくらい、昔から幾度となく俺に尽くしてくれた。
キキーモラさんは俺のどんなミスをも許してくれる。
その微笑を崩すことなくそばにいてくれる。

結婚して3年経った。

彼女は結婚する前もした後も、献身的に俺と接してくれる。
おかげで夜のほうも毎日うまくいっている。

キキーモラさんは家のことを俺よりも知っている。
隠しておいたエロ本やAVは、いつの間にかキキーモラさんの自撮りエロ冊子に差し替えられていることが多い。
めっちゃ使える。
そこらのAVの500倍キキーモラさんの本の方が気持ちいい。

そんなことは置いておいて、キキーモラさんから命がけで隠しているエロ本から、俺は最近ある分野に目覚めたのだ。
それは『女の子に嫌な顔されながら抜いてもらいたい〜っ!大特集!』なんてタイトル。
そのまんまである。

出会ってから今日のこの日までキキーモラさんの嫌な顔を見たことがない。
エロ本のようなプレイに興味が湧いた俺は、キキーモラさんに心の底から嫌な顔をしてもらうべく、セクハラを始めることを決意したのだ。



1.やべぇ人になってドン引きさせる作戦

「ぐわぁぁぁぁぁぁっ!」
『どうしましたか旦那様!』
「おっぱいしゃぶらないと死ぬ病がぁっ!おっぱいしゃぶりたいよぉぉぉぉぉっ!しゃぶらないと死んじゃうよぉぉぉっ!」
『な、なんと…!なぜ早く仰ってくださらないのですか!さぁ、私のおっぱいでよろしければ…ふやけるまでおしゃぶりください!』
「え、あ、はい。ちょうど治りました。ありがとうございます。」
『いけません!ほら、しゃぶってください!そのあとお医者様にかかりましょう!』

失敗。精神異常の薬と医者からの説教をもらって帰った。
キキーモラさんは母性が認められるのが気に入ったみたいで、それから授乳手コキが日課になりました。



2.キキーモラさんにセクハラする作戦

「キキーモラさんっ。」
『きゃっ!い、いきなりお尻を掴まないでくださいっ。』
「へへ、いいお尻があったものだからついつい。」
『も、もうっ。そんなに褒めても何も出ませんよっ。』
「へへへ。」

「キキーモラさんっっ。」
『やっ。も、もう、おっぱいを触りたいなら教えてください!』
「へへ、いいお乳してるじゃないですか〜。」
『そうですか…?でしたらほら、生でいくらでも…。』
「え、あ。い、いただきまーす。」

「キキーモラさんっっっ。」
『ご主人様?どこ…ひゃっ!』
「眺めがいいなあ。今日はベージュですか。」
『ご主人様っ。』
「うーむ、空気もいい!スーハースーハーッッ!」
『…今すぐスカートの中から出てきてください。』
「あ、怒りました…か?」
『…いいですか。私のお、おぱんつはいつでも見せてさしあげます。ですが今のようなことをお外でもなさると困りますので、必ず確認を取ってからですね。』
「は、はい。すみません。」
『分かっていただけたならそれだけで嬉しいです。ほら、思う存分スカートの中をお楽しみください!』
「も、もういいわぷっ。」

失敗。だいたいのセクハラ(ボディタッチ・露出系)は喜び、奇行に対してはお説教の後嫌と言うほどさせてもらった。



3.家事をするキキーモラさんにひたすらまとわりついてみる作戦

『ご主人様、今日はお早いですね…何か私にお申し付けがありますか?』
「いや、今日はキキーモラさんと一緒に過ごしたいんだ。気にせずに過ごしてくれて構わないから。」
『そ、そうですか…ふふ。ありがとうございます。』
「うん。」

『ご主人様、本日はお手伝いしていただきありがとうございます。』
「いやいや、後ろうろうろしてただけだから。」
『ご主人様が見ていてくださるのでしたら、私は無敵です!』
「キキーモラさん…。」
『ご主人様…。』

失敗。いい雰囲気になって、嫌な顔どころか二人とも超幸せになった。



4.アブノーマルプレイを要求する作戦

「キキーモラさん…あのさ、エッチする前に言っておきたいんだけど…。」
『どうなさいましたか…?裸でそんな真剣なお話でしたら、少し…は、恥ずかしいのですが…。』
「キキーモラさんに、犯されたい。」
『ああ、搾り取る逆レイプ風の…!ふふ、もちろん…。』
「いいや、キキーモラさんに、俺の穴を犯してほしい!」
『…と、いいますと…?』
「キキーモラさんのおチンポで、俺のお尻を蹂躙してもらいたい。ここにペニバンとローションがあるから」
『ふふ、うふふふふっ。あははっ!』
「き、キキーモラさん?」
『そういうことでしたら…私も前々から興味がございました。ほら、ふたなり薬、買っておいたんですけど…私から誘うのははしたなくて…。』
「ふたなり薬?あ、えっと。」
『ご主人様…愛しています。犯される側の立場、存分にお楽しみくださいね。』

失敗。キキーモラさんの新しい扉を開いてしまった。俺もこじ開けられてしまった。お互いクセになるので月2回ほどやることに。



5.超アブノーマルプレイを要求する作戦

「キキーモラさん。」
『ふふ、今日はどのように交わりましょう…?』
「俺さ、目覚めたんだ。」
『…というと?』
「キキーモラさんの、うんちを食べたい。触りたい。出るところを見たい!」
『………。』
「嫌ならそう言ってくれ…!」
『ご主人様。うんちというものは汚いです。そんなものを…触るのならまだ分かるとして、食すなどいけません。』
「やりたいんだ!やりたいやりたいやりたい!」
『………。』

成功…?困った顔をさせてしまった。そしてやり過ぎたか、一礼して部屋から出て行ってしまった。反省しよう。ネタバラシして許してもらわなくては。

『ご主人様。』
「昨日はごめん!じ、実は最近の奇行は」
『準備が整いました…。ケース型のディルドーが3本、私のお尻に収まっております…。』
「…へ?」
『…ご主人様、私の全てをご覧ください。ディルドーの中には…チョコレートが入っております。特注品ですので汚くないですから…ね?いきます、よ…。』
「タイムタイム!ターイム!」

失敗。これ以上はキキーモラさんがかわいそうなのでネタバラシ。



『………。』
「ほんとにごめんなさい…。嫌な顔してほしかっただけなんだ。気分を悪くさせたならこの通り!許してください!」

真っ赤な顔をするキキーモラさんに土下座する。
しばらく土下座していると…。

『最ッ低ですね。ご主人様。』

驚いて顔をあげる。そこには。

『このド変態。ほら、私の部屋に来てください。その気持ち悪い性癖を叩き直してさしあげますので。』

最高だ。この顔を求めていたんだ。
作り物かどうかなんて関係ない。この顔でいじめてもらえる。
そのことが嬉しい。


「お邪魔しま……ッ!?」


成功。キキーモラさんの部屋の中にはM男いじめに関する魔物娘用のエロ本が散乱していた。
俺がそこで、首輪で繋がれ、ワンとしか喋らないように調教され、嫌な顔しながら何十回も抜いてもらって、ご飯を口移しされ、足を舐めさせられ、ディルド排泄を見せられ、中を余すことなくいただき、足置きにしていただき、抱き枕を務め、性癖を徹底的にキキーモラさん好みにねじ曲げられ、それらのプレイ中毒になったのは、また別の話。



『お犬さん、起きてますか?』
「zzz…」
『ご主人様…ふふ、よくお休みですね…。』

『こういうプレイがしてみたいと言い出せなかった私に手を差し伸べてくださったこと、感謝してもしきれません…。どんなことでもお手伝いしますので…末永くお願いしますね。』

『愛しています。ご主人様。』


翌朝、俺はSモードから覚めたにも関わらず積極的なキキーモラさんにキスマークだらけにされて会社へと向かうのであった。
20/12/06 20:01更新 / あさやけ

■作者メッセージ
何も言うことはない!
この性癖が世に解き放たれようと、私は一向に構わんッッ。

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