連載小説
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白想
事実を知らされて数日、下手な手は打てないと迷っていた昼下がり…

晶「…」

縁側を通ろうとしたら沙雪が座りながら寝ている…

晶「…」

沙雪『…』

一部を除いてなんと言うか面にギラギラしたものを出していないが、彼女に至っては俺が近くにいるのに寝ている…

晶「…」

そのまま通り過ぎて俺は部屋に戻る

晶「…」

しばらく考えては寝転がるをくりかえしていたら沙雪が来た

晶「ん?」

沙雪『よく寝たわ〜』

晶「え、あ、はあ…」

沙雪『避けて通ったんでしょう?』

晶「寝てても関知能力あるんかい」

沙雪『余談だけど、多分誰を選んでも貴方は幸せになれるはずよ〜』

晶「…」

沙雪『魔物と結ばれて不幸になった人はわたしの知る限りではいないから』

晶「…」

沙雪『難しく考えてない?』

晶「そうか?」

沙雪『もっと簡単に選んでいいのよ?』

晶「いや、一生のものだしな…」

沙雪『慎重ね』

晶「相手を知ることは大切だからな」

沙雪『なるほど〜』

晶「…」

沙雪『あなたのことを多少なりとも知れて良かったわ〜』

そのまま沙雪は部屋から去っていった

晶「…」

それから数日…

晶「…」

耳掻きを持ってきているわけもなく、耳が痒い…

沙雪『どうしたの?』

晶「耳掻きってないか?」

沙雪『耳、痒いの?』

晶「ああ、痒い…」

沙雪『なら…』

そのまま彼女は耳掻きを取りに行ったようだ

沙雪『さ、いらっしゃい〜』

彼女は正座して太腿をパンパンと軽く叩く

晶「お、おう」

そのまま片方の耳を上に向けて膝の上に頭を乗せる

沙雪『結構詰まってるわね〜』

晶「最後にしたのここに来る日の前日夜だったからな」

沙雪『なるほど〜』

そのまま置くから手前へ耳は綺麗にされていく

沙雪『なら、反対〜』

そのまま向きを変えて身体を彼女の方に向ける

沙雪『あら?こっちはやり易いわね〜』

晶「こっちを下にしてよく寝てるからな、片耳だけ潰れてるらしい」

沙雪『なるほど〜』

しかし、手探りだけでよくやれるものだ…

沙雪『取れたわよ〜』

晶「ありがとう」

沙雪『眠たくなってきたわ〜』

晶「俺もかも」

沙雪『あら〜?眠気移っちゃった?』

晶「いや、元々耳掻きしてると耳の中にある神経が刺激されて気持ちよく感じて眠くなるとか」

沙雪『なるほど〜よくわからないけど耳掻きしてると眠くなるのには理由があるのね〜』

晶「そうそう」

そのまま俺は仰向けに寝転がる

沙雪『〜♪』

隣で彼女も寝転がる

晶「夕食まで寝るか…」

沙雪『そうね〜♪』

そのまま俺の意識は眠気に包まれていった…



















夕食だと起こされ、俺達は食事場に向かう

沙雪『また痒くなったら言ってね』

晶「ああ、ありがとう」

彼女の耳掻きは的確かつ気持ちいいのでまた頼みたいものだ。

晶「さて、寝るか…」

食事と風呂を終えて寝るが、耳かきのあとに寝たのによく眠れた…










晶「また、頼んでいいか?」

さらに三日後、俺は沙雪に耳かきを頼んだ

沙雪『はいはい〜♪』

晶「外側も痒くてな…」

沙雪『結構取れるわね〜』

またどんどん耳が綺麗にされていく、気持ちいい…

沙雪『はい、おわり〜』

晶「ありがとう、今回も割りと取れたな…」

沙雪『寝る?』

晶「そうするかな」

俺が仰向けに寝ようとすると、彼女は俺を抱き抱えてきた

晶「まあ、いいか。耳かきの礼だ。」

沙雪『ふふ…♪』

そのまま深い眠りに落ちていった…
20/05/11 00:32更新 / サボテン
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■作者メッセージ
どうも、サボテンです

次回に続きます

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