連載小説
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STAGE 2-0 EX 僕の冒険
僕は勇者である。名乗るような名前はまだない。
ここでは僕(仮、とでもしておこうか。
最近、冒険がうまくいっているし、駆け出し冒険者用のクエストも順調にこなせるようになった。
ここらで一つ、中級者向けのクエストを受けてみるとする。
僕が今滞在しているこの街は、数ヶ月前に新しいダンジョンが発生したため、物資や人が集まっている。
物資や人が集まるということは、必然的に経済も活性化するということだ。

そんな街の外れのダンジョンのそばにできた宿屋で、中級者向けのクエストを受けることとした。

【急募】ドラゴンの生態の報告

 最近、ダンジョンの魔物が魔物娘に変化しているという報告が相次いでいる。
 基本的な魔物は調査したが、まだドラゴンの姿形が分かっていない。
 ドラゴンの姿と特徴を調査し、急ぎ報告書を作成せよ!

別に僕は、このクエストを受けても、受けずに他の依頼にしても良かったのだが、せっかくだから受けることにしてみた。

宿で明日に備えて、今日は休んでいたところ、僕は奇妙な夢をみた。

…目の前に、フードをかぶった怪しい男がいる。
「やあ、勇者殿。」
「お前は誰だ。」
と僕は尋ねた。
「そんなことはどうだっていいのですぞ。そんなことより、冒険の書、という呪文に興味はありませんかな?伝説の呪文で、これがあれば失敗がやり直せるというものですぞ。」
明らかに怪しい謳い文句だ。僕の思いをよそにこの怪しい男は言葉を続ける。
「ここは夢の世界なんですし、お題はいりませんぞ。私がもらうのは心!あなたの心でございます…ぞ。あした、ダンジョンに突入したときに、試してくだされ。呪文に必要な言葉は……ですぞ。では、また明日のご来店を楽しみにしておりますぞ。

……そこで、夢が覚めた。宿で起きたときに冒険の書を使ってみたところ、その場に本が一冊落ちた。その本は数日前、この街に来てからの僕の行動が事細かく記されていた。僕は世界最強の呪文を手に入れて、ダンジョンへと降り立ったのだった…。
10/07/24 01:23更新 / ミッキー
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■作者メッセージ
ちなみに、冒険の書は旧バージョンの仕様となっております。
完全なるドラゴン登録前の見切り発車ですが、なにか?

…また、話の流れを分かりやすくするために、STAGE表記を行っています。
同じステージ番号が、同じ主人公の冒険となっています。

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