読切小説
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雪の中のワーウルフ
「はぁ...。今日のバイト疲れたなぁ...。」

俺こと大学生である坂本龍一(さかもとりゅういち)は、そうぼやを吐きながら、寒い夜道を一人で帰っていた。右腕に巻いている時計に目をやると、短針が八時を指しており、長針はちょうど30分を指していた。
時計から路上に目をやると、道端には雪が積もっており、明日の朝になったら子供が雪だるまや雪合戦などをやれるくらい積もっていた。

「何であんなに客がくるのかなぁ...。」

そう言うと、肩を回し、首を左右に振った。
確かに客が増えて俺の給料に色がつくのは良いことだけど、正直あの数は来すぎだ。
いつまで経っても客の数減らず、バイトを総動員して接客にあたり、8時頃になるとやっと客足が遠のき、店長が「疲れただろう?もう帰っていいよ。」という言葉を発したので、俺は今日の給料を貰い、そそくさと店から退散したのであった。

「しかし、寒いなぁ...。去年はこんなに寒かったけなぁ...。」

俺は、今年の冬の異常な寒さに身を震わせながら歩いて行く。
ある程度歩いた後、俺は道端の雪に明らかに色の違う大きな物体を見つける。
何だろうと思いつつ、近づいていくと、そこには中学生ぐらい背の少女が倒れていることに気がついた。

「おわ、少女!?何であんな所で倒れているんだ...?」

俺は、少し駆け足になり、倒れている女性のすぐ側まで近づく。
しかし、近づくにつれ彼女は何かがおかしいことに気がついた。なんと、この真冬の中、厚着を着ていなかったのである。
そればかりか、胸や腰に破れた布を着けている程度で、他には何も身につけていなかった。
そして、何よりおかしかったのは腕や足に生えている動物のような毛や、頭や腰の後ろ側に生えている犬の耳や尻尾。どう見ても人間ではない何かだった。しかし、倒れている彼女を見捨てることは出来ず、倒れている彼女の側にしゃがみ込み、大きな声を上げ安否を問う。

「大丈夫ですかー!?」

「うう...。」

俺の大きな声に反応したのか、彼女の頭に生えている犬の耳と腰の方に生えている尻尾が微かに動き、同時に呻き声を上げる。

「よかった...。まだ意識がある。」

その事を確かめた俺は、自分の住んでいるアパートに連れて帰ろうと考え、彼女の体を持ち上げようと体の下に手を入れ、腕に力を入れると、持ち上げようとする。
彼女の体は思っていたよりも軽く、いつも居酒屋で鍛えられている俺は簡単に持ち上げられた。

「と、意外と軽かったな。さて、早く家に帰らないと!」

そう言い、俺は雪が降る中、全速力で走り抜けていった。





やっとのことで家に帰った俺は急いで階段を駆け上がり、自分の部屋番号が書かれたプレートが付いている扉を見つける。彼女を抱きかかえているため開けにくかったが、何とか鍵を開け、部屋の電気を付けた。
部屋は大学に行ったきり開けてなかったので、寒さが蔓延していて、その寒さに体が震えた。
その寒さに耐えつつ、抱きかかえている彼女をいつも龍一が寝ているベッドの上に置き、毛布と布団を被せる。
次に、エアコンのリモコンで暖房をつけ、部屋全体が暖まるようにする。
そして、布団が暖まるのは暖房だけでは駄目だと考えた俺は、いつも寝るときに使っている湯たんぽにあっつあつのお湯を火傷に注意しながら注ぎ、専用の袋に入れた後、彼女が入っている布団の足下に入れていく。
これでひとまずは安心だろう。そう思った俺はひとまず安堵する。そして、布団の側に座り、彼女の顔を見る。
落ち着いて見ると彼女の顔は人間そっくりであり、まだ10代後半ぐらいの幼い顔立ちであることが分かる。
しかし、彼女の頭に生えている犬の耳が人間であることを否定する。

「多分、この耳は彼女から生えているものなんだろうなぁ...。さっきだって反応してたし...。」

そう思うと、彼女の頭から生えている犬の耳を触りたくなり、俺は右手の親指と人差し指で耳を摘んだ。

「やぁ!んん...。スー...。」

摘むと彼女は嫌がり、頭を左右に振る。そして、また眠りについた。

「と、こんなことをしている場合じゃないな。夕飯を作らなきゃ...。」

俺はそう言うと、寝ている彼女を心配す気持ちを抑え、立ち上がり、台所へと向かっていった。




しばらくして私ことワーウルフのサクラは目を開ける。
-あれ?ここはどこ...?- そう思い、ベッドから上半身だけを動かし、辺りを見回した。
目の前には見たことがない中くらいの薄い箱みたいな物が置いてあり、何かを不思議に思ったが、そんなことは無視して、床に視線を向けると、私の家にあるテーブルよりも小さいこぢんまりしたテーブルが置いてあった。
他にも、本棚やタンス、服が引っ掛かっているハンガーなどが部屋に置かれていおり、辺りを見回していくと、何処からかおいしそうな臭いが漂ってくる。
あ、美味しそうな臭い♥。そう思うと、私はその美味しそうな臭いの元が気になり、ベッドから身を乗り出し、臭いが漂う方向へと向かっていく。
そして、おいしそうな臭いの元となる場所へと近づいていくと、私は壁に手をやり、覗き込んだ。
すると、そこには包丁で何かを切っている男の人がいた。次の瞬間、私は叫びながら一直線に向かっていき、その男に抱きついたのであった。




「おとこだぁぁぁーーーー!!!」

後ろから叫び声が聞こえ、料理を作っている俺は驚き、持っていた包丁をまな板の上に落としてしまう。
何事かと思い、後ろを振り向こうとするが、振り向く前に何者かに抱きつかれてしまった。

「おとこ、おとこ、おとこぉぉぉーーーー!!!」

そう言いながら、何者かが背中に何かを擦りつけてくる感触がした。

「ま、待て!君は誰なんだ!?」

そう、俺は質問する。
すると、背中に何かを擦りつけることを続けながら、何者かは答えた。

「私だよ、私!あなたにたすけてもらったワーウルフのサクラだよぉー!」

ワーウルフのサクラ。確かにそう名乗った。
ワーウルフ...?聞いた事が無いが、さっき助けた女性だろうか...?どうやら、元気になったんだと、少し安堵する。

「なぁ、元気になったのなら、その顔を拝ませて貰えないか?」

俺は元気になった彼女の顔が見てみたいと思い、見せてもらうようお願いする。

「うん!いいよー!」

そう言うと、俺の腹に回されている手の感触が消えた。
そのことを感じた俺は、振り返ると、抱きついていた彼女を間近で見て、俺はそのかわいらしさに心を奪われた。
くりくりとして、好きな物を見る子供のように輝いた目。笑う度に見える八重歯。全体的に整った顔。その全てに俺は魅了されてしまった。

「? どうしたの?」

首をかしげながら、彼女はそう訊いてきた。

「あ、ああ、何でも無いよ。」

そう質問された俺は我に戻り、大丈夫だということを伝える。

「そうか〜!良かった〜♥」

彼女は喜びの表情を浮かべ、再び彼に抱きつき、俺の腹に顔を埋めた。

「お、おい!抱きつくなって!」

「いやだー!こうしているとすごく落ち着くんだからー!」

俺は離れるように彼女を叱るが、わがままを言って抱きつくことをやめない。
そこで、俺は彼女が離れるような言葉を考え、彼女に言った。

「こ、こんなことしていると、晩飯が作れなくなっちゃうぞー。」

駄目もとで言ってみた。すると彼女は今にも泣きそうな表情で、こう言い放った。

「えぇ!?ご飯作れなくなっちゃうの!?そんなのいやだよー!」

目元に涙を溜ながら、俺に大声で訴えかける。
これを好機に俺は続けて、彼女にこう言った。

「だったら、離してくれないかな...?」

再度、彼女に離してくれるようにお願いをする。

「うん、分かった...。向こうで待ってるね。」

そう言うと、抱きつくのを惜しむように俺から離れ、さっきまで寝ていた俺のの部屋に戻っていった。
俺はその光景に多少の罪悪感を感じたが、それをこらえ、晩飯を作る作業に戻っていった。




やっとのことで晩飯が完成し、食器棚から皿を持ち出す。

「あんなに元気だったら、これくらい食べられるだろうなぁ...。」

そう呟きながら、料理の盛りつけをし、やがて完成した。
その料理を俺は片手で一つずつ持ち上げ、彼女がいる部屋へと持って行く。
部屋に入ると、テーブルの側でつまらなさそう座って俯いている彼女に対して、こう言い放った。

「おーい。料理出来たぞー。」

それが聞こえた彼女は、嬉しそうに正面を向き、先程と同じように目を輝かせ、耳をピコピコと動かし、腰から生えている尻尾を動かしながら、俺の方を向く。

「え、料理できたの!?早く!早く食べさせてー!」

そう言いながら、彼女は待ちきれない様子でテーブルを両手で叩く。

「おいおい、そんなに急かさないでくれよ!」

「だって、早く食べたいんだもん!」

俺は彼女はこうなると何も聞かなくなるのだろうと思い、何も咎めず、彼女が座るテーブルの前に料理を並べていく。

「うわー!おいしそうだなー!ねぇ!もう食べても良いよね!?」

並べられる料理を見て、目を輝かせ、よだれを垂らしながら、俺に訊いてきた。

「いや、まだだめだ。もうちょっと待ってくれないか?そうしたら食べさせてあげるからさ。」

俺はわがままを言う子供を宥めるように言いながら、彼女には待つように言った。

「むー...。分かった...。」

ふくっれ面になり、俺を睨んでくる。そして、そっぽ向きながら返事をした。

彼女が待っている間に俺は、お茶を注ぐコップや、食べるための箸などを取りだし、部屋に持って行く。
部屋に戻ってきた俺が見たものは、彼女が手づかみで料理を食べている姿だった。

「こら!待ってるようにいっただろうか!」

そう強く、言い放った。

「あ...。うう...。ごめんなさい...。」

そう言うと彼女は、叱られたことに対して、耳を畳み、俯きながら謝ってきた。
そんな彼女を見た俺は、少し叱りすぎたなと反省し、箸やコップをテーブルに置いてから彼女の頭を撫でる。

「ごめんな。別に怒っている訳じゃないから。」

頭を撫でながら優しく諭す。

「本当に...?」

彼女は俯くのをやめて、上目使いでこちらの様子をうかがっていた。

「ああ、本当さ、怒ってなんか無い。さぁ、一緒にご飯でも食べるか。」

「うん!」

先程までの沈み具合が嘘みたいに、元気良く返事をした。

「でもその前に、手を拭かないとな。ほら、さっき食べる時に使った手をこちらに出して。」

俺は、さっきのつまみ食いで汚れた手をこちらに差し出すよう、お願いをする。

「うん。」

頷き、手を俺の方へ差し出す。
俺はその差し出された手を握り、肉の脂で汚れた手のひらや指を重点的におしぼりで拭いていく。
毛がもこもこしているせいで多少拭きづらかったが 何とか拭き終わり、彼女の手を掴むことをのをやめると、終わった事を報告する。

「はい、終わったよ。」

「ありがとう♪ えへへ...。ご主人様に拭いてもらったんだぁ...♪」

そうにやにやと笑いながら嬉しそうに呟く。しかし、彼女が発した言葉の中に耳慣れない言葉が入っていた。

「え?今、ご主人様っていった?」

彼女の言った耳慣れない言葉を確かめようと、確認した。

「うん、そうだよ!あなたは今から私のご主人様なんだよ!」

彼女から咄嗟に衝撃的な言葉が発せられ、俺は動揺する。

「え、何でそんなことになってんの!?」

「だって、あなたに助けてもらったし、それにあなたがとても優しいから...♪」

「それでもご主人様はおかしいと思うぞ!」

間髪入れずに突っ込みを入れる。彼女の思考はどうなっているんだ!?ただ助けてもらっただけの俺に対してご主人様と言ってくるなんて。やはり、すこし人間と考える事が違うらしい。

「えぇ?何で...?ご主人様は私のことが嫌いなの...?」

そう言いながら、耳を畳み、目を潤ませ、上目使いで俺の方を向いてくる。正直、こんな可愛女の子に上目使いで見られたら。NOと言えなくなってしまう。

「そ、そうじゃないが...。」

俺は曖昧にそう答えた。しかし、俺のその発言を聞いた彼女は、立ち上がり人差し指を向けながらこう言い放った。

「じゃあ、いいじゃない!今からあなたは私のご主人様だー!」

そう言って、好きな物を貰った子供のように飛び跳ねながら喜ぶ。
それを聞いた俺は、無茶苦茶だと思ったが、身寄りがない彼女を追い出すわけにはいかず、ため息をつきながら、黙って喜ぶ彼女を見ていた。

「さぁ、もう喜ぶのはやめにしなさい。ご飯を食べるよ。」

「うん、分かった!」

そういって、彼女は飛び跳ねるのをやめ、女の子座りで座る。
俺は座った彼女を見て、テーブルを隔てて対面するように座り込んだが、あることを思い出し、彼女に尋ねる。

「そういやお前ってさ、箸、使える?」

当たり前な事だが、彼女はどうも野性的であり、食べるための道具を使えるかどうか怪しかったため、そう訊いた。

「箸?なんだそれ?美味いのか?」

返ってきた返答は、俺が思っていた返答だった。
それを聞いた俺は、あごに手を当て、天井を見上げ、考え込む。彼女に箸の使い方を教えても良かったが、それでは食べるのに時間が掛かる。かといって素手で食べさす訳にもいかない。考え込んだ末、俺は見上げるのをやめ、テーブルに置いてある箸を持ち、彼女に向ける。
向けると、彼女は俺の手に顔を近づけ、次の瞬間、生暖かい感触が俺の手に襲ってきた。

「ッ!?」

俺はその彼女の行動と、俺の手に感じた感触から推理し、彼女が舐めてきたのだろうと確信した。

「お、お前!?何舐めてきてんだ!?」

俺は声がうわづりそうになりながらも、そう訊いた。

「だって、ご主人様が手を差し伸べたから、舐めても良いかと思って...。」

どんな思考回路だよ!?そう思いながら、彼女の思考は犬の行動と同じということを改めて痛感させられた。

「違うっての!はぁ....。ほら、食べさせてあげるから、口を開けなさい。」

その言葉を聞いた彼女は、目を輝かせ、嬉しそうに耳を反応させる。

「え!食べさせてくれるの!?ありがとう、ご主人様ー!」

彼女は二人が隔てているテーブルに身を乗り出し、俺にに抱きつこうとしたが、咄嗟の判断で箸を持っていない方の左手で、彼女の頭を押さえつける。

「いいから...。早く食べようぜ...。」

震える声でそう言い、食べようと促す。

「はーい...。」

抱きつくことを止められて、不服に思ったのか、少々の低めのテンションで返事をした。
そして、俺達は仲良く料理を食べていった。




料理が食べ終わった俺は、後片付けをしようと立ち上がり、座っている彼女に「そのまま待っていろよー。」と言い残し、食べ終わった後の食器を両手に一皿、その皿の上に箸やコップを置き、台所へと向かっていった。
洗い物を洗いながら俺は彼女について考える。今までのことを考えると彼女の外見や性格は、犬の性格に近い。というか、犬そのものだ。それに彼女に生えている耳や尻尾が本物だとすると、やはり彼女は人間の女性の外見を持つ、何者かということになる。
そう考ている間に、洗い物は全て完了していた。その洗い終わった皿や箸などを乾燥機の中に入れ、スイッチを押す。
乾燥機が洗い物を乾かしている間に、俺は彼女がいる部屋に戻っていく。
部屋に戻ると、彼女はちゃんとおとなしく座っており、俺を見つけると、尻尾を振り、目を輝かせながら満面の笑みになった。

「おかえり、ご主人様!ねぇねぇ、ちゃんと座って待っていたよ!」

そう言いながら、撫でてもらうかのように、耳を畳み頭を突き出してきた。

「はい、よく出来ました。」

俺はそれに答えるように優しく撫でて上げる。

「ふふふ...♪♪」

「ハハ...♪」

撫でられた彼女は、嬉しそうに笑いながら尻尾を振った。
その様子を見ていた俺も釣られて笑う。
しばらく撫で続けた後、俺は彼女の頭から手を離す。離した瞬間、上目使いで撫でて欲しそうな目でこちらを見ていたが、また撫でたくなる衝動を抑え、彼女の目の前に座り、まず先に自己紹介をしようと話しかけた。

「あー、俺の名前は坂本龍一。君は確か...サクラって名乗ったよな?」

「うん!ママが付けてくれた名前なの!ご主人様も呼んでくれて別に構わないよ!」

彼女は元気にハキハキと答えた。彼女に名前で呼んでくれて良いという許可を貰ったが、その前に彼女が言った言葉が気になり、俺は続けて質問をする。

「他にも君と同じ種族がいるのか?」

「うん、いるよ!私達の種族の他にもたくさんいるよ!」

俺は、彼女が言い放った言葉に驚きつつ、続けて質問する。

「他にどんな種族がいるんだ?」

「えーとね。まず、アルラウネでしょ。次にスライムでしょ。そして、ハーピーでしょ。後は...。」

「い、いや、もういいぞ!」

俺の思考がついて行けなくなった時点で、喋るのをやめるよう言った。
俺は気を取り直し、本題に移る。

「それで...、君...サクラはなんであの場所に倒れてたの?」

いつまでも君呼ばわりではいけないと思い、彼女の名前で呼ばせてもらうことにした。

「あ!それはね...。」

そう言うと、彼女は倒れていた経緯を話した。

彼女はこの世界ではなじみのない「魔物娘」という魔物が進化した姿だという。
彼女の種族であるワーウルフは、この辺の山の奥深くで家族や仲間と共に過ごしていたのだが、ある日外の世界を見てみたいと言って親と仲間の反対を押し切って山から飛び出し、見慣れない町で右往左往していたらしい。
寒さや空腹でじょじょに眠くなっていき、最終的に俺が住むアパートの近くで行き倒れになり、そこを通りがかった俺が保護し、現在に至るのである。

「なるほどね...。」

俺は納得し、頷く。
彼女みたいな年頃の女の子だったらそういう気持ちが生まれてくるのも分からなくない。実際、俺も子供の頃はそう思ってた。しかし、そのまま行き倒れてしまっては、本末転倒だ。

「はぁ...。まったく...。俺が通りかかってなかったら、どうなっていたか...。」

ため息混じりにそう呟いた。

「うう...面目ない...。」

彼女は申し訳なさそうに耳を畳み、尻尾をだらんと垂らし、俯きながら答える。

「まぁ、いいけどよ。それより、風呂入れなきゃな。」

俺はそう言い、風呂場に向かおうと立ち上がる。
だが、後ろから服を引っ張られ、それに応じて、俺は振り向いた。

「ねぇねぇ、ご主人様。お風呂って何だ?」

振り向いた俺は、そう訊いてくる彼女に、口をあんぐりと開けてしまう。

「お前、風呂入ったことないのか?ていうか、知らないのか?」

「うん。」

彼女は平然と言い放つ。

「じゃあ、今までどうやって体を洗ってきたんだ?」

「いつも地面に体を擦りつけてきれいにしてたぞ。なぁ、お風呂って体をきれいにするためのものなのか?」

どうやら、彼女にとって地面に体を擦りつけることが、「洗う」ということらしい。
やっぱり犬と同じなんだなと思いながら、彼女がしてきた質問に答える。

「ああ、そうだぞ。水を温めてそれを体に掛けて洗うんだ。」

そう説明してやった途端、彼女から生えている毛が一斉に逆立ち、尻尾もピンッとまっすぐ垂直に立て、目を丸くさせる。

「お、おい?どうしたん...「きゃああああああ!嫌だー!」

俺が言い切る前に彼女は叫び声を上げながら、俺がいつも寝ている布団に頭から突っ込む。

「お、おい!?」

いきなり叫びだした彼女を心配し、彼女が潜っている布団に近づく。

「いや!水はいや!大嫌いなの!」

そう叫びながら、彼女は布団を被っていても分かるほど身震いをしている。
この子は水が苦手なのか?確かに、犬は水に慣らさないと苦手になるって暇なときに見た動物チャンネルで言ってたような...。
ともあれ、お風呂に入ってもらわなければ、こっちが困る。さて、どうしたものか...。
俺は布団でガタガタ震えている彼女を尻目に考え込む。数分後、名案とまではいかないが、ある考えが浮かんだ。

「いや、大丈夫だからな!水って言ったって暖かいし、掛けてもらうと気持ち良いぞ!そ、それに俺もいっしょに入るから!」
駄目もとで言ってみた。すると、彼女は震えるのをやめ、むくりと起きだし、被っていた布団から涙目になっている顔を出し、こう言った。

「ほんと...?本当にいっしょにはいってくれるの...?

か細い声でそう訊かれた。

「ああ、そうだ!いっしょに入ってやるよ!」

出来る限りの笑顔を作り、彼女の質問に答えてやる。すると、彼女は布団を被ることをやめ、一直線にこっち駆けてきて、また俺の腰に手をやり、腹に顔を埋める。

「ご主人様と入るんだったら、いいよ!」

まったく、本当に子供みたいな奴だな。そう思いながら俺は彼女の頭を撫でる。撫でる時、彼女に生えている耳が嬉しそうにピクピク動いていて、微笑ましくなった。

「じゃあ、風呂を沸かしてくるから、少し待っててくれ。」

「うん!」

そう言って彼女は俺の腰に手をやることをやめる。
それを見た俺は、彼女に背を向け風呂場に向かっていく。
だが、この時は気づいていなかった。俺は重大なミスを犯していることを。




風呂が貯まるまでの間、彼女といっしょに遊んでいた。
彼女は細身であったが、意外と力があり、倍ぐらいの背丈がある俺を腕相撲で簡単に打ち負かす程だった。
しばらく遊んだ後、彼女に待っているように告げ、風呂を見に行くと、風呂場は暖かい蒸気でモンモンとしており、バスタブを見るとお湯がある程度貯まっていたので、蛇口から出るお湯を止め、彼女が待っている部屋へと戻っていった。

「おーい、風呂沸いたぞー。」

そのことを聞いた彼女は毛を逆立てていたが、あの時よりは逆立っていてはなかった。

「やっぱり、少し怖いか?」

そう尋ねると、彼女は俺の方を向き、こう答えた。

「うん、怖いけど...ご主人様が一緒に入るんだったら安心!」

満面の笑みでそう言った。それを見た俺は大丈夫だと確信し、彼女の頭を撫でる。

「だったら、入ろうか。」

「うん!」

そう言って、彼女は俺の目の前で胸と腰に巻いてた布を脱ぎだし...。

「お、おい!ちょっと待て!」

裸になっていく彼女から目を伏せて、止まるよう声を掛ける。

「ん?何?」

彼女はその行為を何とも思ってないのか、はたまたとぼけているのか、そう訊いてきた。

「い、いや。何で俺の前で脱ぎ出すんだ?」

「別にいいじゃん。減るもんじゃないし。」

「いや、そういうことじゃなくてだなぁ...。」

どうやら男に裸を見られることに抵抗はないらしい。だが、俺の方は女の裸を間近で見たことがないので抵抗ありまくりだ。

「じゃあ入ろうよ!」

などと考え込んでいると彼女のモフモフな腕が俺の右腕に絡んできた。それと同時に彼女の胸も俺の腕に押しつけられる。押しつけられる胸は俺が思っていた以上に弾力性があり、服越しでもほのかな暖かさが籠もっていた。そう考えていると、俺の中の何かが出てきそうだったので、彼女の裸のことを考えることを一時放棄した。

「あ、ああ、入ろうか。」

「うん!」

俺は彼女の裸を極力見ないようにして、風呂場へ向かっていった。




その後、脱衣所での彼女が大変だった。俺が服を脱ごうとして「ちょっと向こう行っててくれ」と、彼女に言っておいたのだが、彼女は「お前の裸が見てみたい」と口からよだれを垂らし、尻尾をはち切れんばかりに振りながら言って、一向に俺の命令は聞こうとはしなかった。
しょうがないので無理矢理彼女を脱衣所から追い出し「俺が良いって言うまで入ってくるなよー。」と言って服を脱いでいったのだが、パンツに手を掛けた時、どこからか視線を感じ扉の方へ視線を向けると彼女が恍惚な表情を浮かべながらこっちを見ていた。その事に気づいた俺は脱衣所の扉をでかい音が鳴るほど力強く閉め、それからパンツを脱ぎ、布を腰に巻いて、彼女に入って良いという許可を出した。
だが、彼女が裸のままだということを思い出し、そこに掛けていたバスタオルを掴み、それを脱衣所の外にいる彼女に手だけを出して「これを着てくれ」と、言いながら渡した。
正直、彼女が着てくれるかどうかは怪しかったが、無いよりもマシだと思った。

「むー、何で追い出したの?」

ふくれっ面になりながら彼女はそう聞いてきた。ちなみに彼女はちゃんと着てくれていたようだが、バスタオルを着ているせいで彼女のボディラインがよりはっきり分かり、正直エロい。

「そりゃそうだろ。お前に裸を見られちゃたまったもんじゃない。」

「別にいいじゃない!減るもんじゃないんだし!」

「俺は問題あるの!」

そう言い合いながら、彼女と俺は一緒に風呂に入っていった。




「うわー、あったか〜〜い!」

彼女はバスタオルを着たまま、湯船に入り気持ち良さそうに背を伸ばして満面の笑みを浮かべていた。
真っ先に湯船に浸かった時はどうなるかと思ったが、どうやら俺の杞憂だったようだ。

「気持ち良いか〜?」

「うん!気持ち良いよ〜!」

「ハハ、そうか!」

嬉しそうに呟く彼女に俺は微笑ましくなり、笑う。
そういや彼女はまだ体を洗っていなかったな。俺の体も洗い終えたし、洗ってやるか。

「おーい、体を洗うから湯船から出てくれー。」

「はーい!」

そう元気よく返事をすると、彼女は湯船から出て、俺の座るイスの目の前に座る。

「あ、後ろを向いてくれないかな?」

「うん、分かった。」

正直、そのままでも良かったが、俺の息子がいつ大きくなるか分からなかったので、後ろを向かせておくことにした。

「じゃあ、頭から先に洗うぞー。目閉じとけよー。」

「分かったー!」

俺はその返事を聞いた後、湯船に小さめのバケツを入れ、バケツに湯が貯まって事を確認した後、湯船から出し、彼女の頭に掛けていく。

「きゃあああ!」

お湯を掛けられた彼女は少しびっくりした様子で、犬のように水を飛ばしながら頭を左右に振っていく。

「おい!こら!おとなしくしてなさい!」

「だってびっくりしたんだもん!」

まぁ、長年水を頭から被ったことがなかったからしょうがないのかなと、思いながら2、3回彼女の頭にお湯を掛けていく。

「よし。今度はシャンプーだからなー。」

「シャンプー?何それー?」

「頭を洗うための道具だー。」

そう言った俺は、側にあるシャンプーが入った容器を見つけ、右手で上の部分を押しながらシャンプーを左の手のひらに流していく。
彼女の頭を洗える分出した後は、両手を擦りつけ、シャンプーが両手に満遍なく付いたのを確認すると、彼女の髪を優しい手つきで洗っていく。

「ひゃあ!?な、何これ...?」

「大丈夫だ。目を開けなければ染みることはないからなー。」

震える彼女を励ましつつ、彼女の髪を洗っていく。こうして洗っていくと、彼女の震えが止まり、遂には鼻歌まで歌い始め、とても気持ち良さそうにしていることが分かった。
そして、彼女の髪を洗い終えた俺は泡だった両手をバケツに汲んであったお湯に浸し、両手が綺麗になったところでそのバケツに入ったお湯を一回捨て、湯船に入れてまた注ぐ。

「おーい、今からお湯を掛けるからなー!」

「はーい!」

その返事を聞き、彼女の頭にお湯を掛けていく。お湯を掛けられた彼女の頭は拾ったときよりとても綺麗になっていた。
その後、お湯を2、3回掛けて、風呂場に掛けてあったバスタオルで彼女の頭を拭いていった。

「はい、終わったぞー。」

「えへへ、ご主人様ありがとー♥」

彼女は嬉しそうに笑いながら、そう呟いた。

「次、体だからなー。その着ているバスタオルを脱いでくれ。」

「わかったー。」

そう言い、彼女は着ていたバスタオルを脱いでいく。
裸になった彼女の体は後ろからでも分かるほどスタイルが良く、とても官能的に思えた。
しかし、この考えが俺の命運を分ける事になった。なんと、彼女の裸を見た俺の性欲と、風呂に入り暖まり血行が良くなった体が合わさり、俺の息子は勃起してしまったのだ。
そのことを彼女に知られてはいけないと思い、俺は黙り込んでしまう。

「ん?ご主人様どうしたのー?」

いつまでも洗わない俺を不信に思ったのか、彼女が振り向こうとする。

「待て!振り向くな!」

だが、俺はそう強く言い放ち、彼女が振り向こうとするのを阻止しようとする。
せめて、小さくなってくれればいいが、現実というのはそう簡単にいかず、気にすれば気にするほど息子はドンドンと大きくなっていくばかりであった。

「むー。そう強く言われると向きたくなる。」

しかし、彼女は振り向こうとしたため、彼女のモフモフの手を強引に手で押さえるが、彼女はとても力が強く、無理矢理こちらを見ようとしてくる。

「いや!待て!振り向くなって!」

「いやー!振り向きたいー!」

もう限界だと感じた瞬間、彼女が滑り、地面に転びそうになる。

「あ、危ない!」

その瞬間、俺はすぐさま倒れそうになる彼女の体を掴み支えるが、運悪く俺も滑ってしまい、二人仲良く転んでしまう。

「いってー...。」

後頭部を押さえながらそう呟く。しかし、彼女はどうなったのだろう。俺は頭を押さえるのやめ、彼女が倒れた方向に視線を向けるとそこには信じられない光景が広がっていた。
なんと、彼女が俺の股の間におり、そして完全に勃起した俺の息子をじっくりと見ているのであった。




なな、何これ...!?お、男の人のってこんなに大きいものなの!?そう思いながら、ご主人様のたくましくそびえ立った肉棒を見ていた。
確かに、お母さんから男の人のはとても大きいものだと聞いていたけど、こんなに大きいものなんて...。そう思うと、私の体が熱を帯びていき、私のどこかがが疼くような感覚を覚えた。

「あー、サクラ?ちょっとどいてもらえるとありがたいんだけど。」

唐突にご主人様がそう言ったきた。だが、体がどうにも動かない。今すぐにでもどきたいのに、ご主人様のイキリ立った肉棒から目線を逸らせない。その内、私からある欲望が生まれた。これを舐めてみたい。口いっぱいに頬張って、ご主人様を感じたいと思った。もちろん、ご主人様はそれを許してはくれないだろうが、もはや私にはご主人様の命令を聞くことすら放棄していて、ただ私の中にあったのは理性を失った獣の心だけだった。

「...サクラ?」

そうご主人様が聞いてきたが、その事に反応せず、私は舌を伸ばし、ご主人様の肉棒を舐めた。

「うぁ...!?」

舐めた瞬間、ご主人様の肉棒がビクッと震え、聞くことを放棄していた私の耳にご主人様の嬌声がはっきりと聞こえた。
その瞬間、私の中に残っていた微かな理性が無くなった。
そして、気がつくと私はご主人様の肉棒を口いっぱいに頬張っていた。

「ちょ、サクラ!?」

もう何も考えられなかった。肉棒を丹念に舐め、鈴口の部分やカリの部分を重点的に舐めていく。

「サクラ...うぁ..ちょっと......やめ....うぐぅ.....。」

ご主人様の嬌声は心地良いものであった。そして、私はもっとご主人様の嬌声を聞きたいと思い、肉棒を喉の奥まで突っ込み、突っ込みきれなくなったあとは、口元まで引き抜いていった。

「あぐぅ.....うあぁ...ああ!」

こうして上下に肉棒を舐めていくと、ご主人様の嬌声が一段と大きくなり、肉棒も一段とビクビクと震え、大きくなっていった。
それが、射精の兆候だと気づいた私は、今までの動きを早くしていく。

「うあぁぁぁ!!サクラ!もう、出る!」

それを聞いた瞬間、私は肉棒を喉奥まで突っ込んだ。

「うあああああああぁぁぁぁ!!!」

ご主人様の気持ち良さそうな叫び声と共に、大量の精を吐き出してきた。私はそれを一滴も零すことなく体の中に全て収めていく。1分ぐらい続き、やっとご主人様の肉棒から精が吐き出すことがなくなったのを確認すると、ご主人様の肉棒を口の中から離す。初めて精を飲んだ私だったが、お母さんが言ってたことと同じでとても美味しく、体の底から力が溢れていく感覚があった。そして、私はこの精を私の中に注ぎ込まれたらどうなるのだろう。と、思い、ご主人様のまだ衰えることのない肉棒を手で優しく掴み、私の秘所へと誘導させる。

「お、おい!サクラ!それはまずいって!」

ご主人様は息絶えたえにそれだけはさせまいと私の体を掴み、上に上げていく。しかし、疲れきったご主人様の力では到底私の力には及ぶことがなく、私はその申し訳程度の阻害行為を押しのけ、私の秘所にご主人様の肉棒の先端を入れていく。

「んん!」
「うあぁっ!!」

ご主人様と私の嬌声が同時に口から放たれる。先端が入っただけでもこんなに気持ち良いなんて...全部入ったらどうなるのだろうか。そんなことを考えていると、いてもたってもいられなくなり、もっと快感を得たいと思い、腰をゆっくり落としていった。

「ん...んん!んんんん!」
「うあああ!!」

ついにご主人様の肉棒が根本まで入り、私は快感のあまり身を震わせてしまう。
ご主人様も気持ち良さそうな表情で私を見つめてくる。

「どう、ですか....私の中....気持ち良い...ですか...?」

「ああ.....とても....気持ち良いよ...。」

「じゃあ....もっと気持ち良くしてあげます!」

そう言った私は、腰を再び上げ、ご主人様の肉棒の先端が近くなったところで一気に腰を下ろした。

「うああああああぁぁ!!!」

下ろした瞬間、ご主人様の口から気持ち良さそうな叫び声が上がる。それに味を占めた私は、腰を上下に動かしご主人様と快感を共有していく。
そうやっていると、ご主人様が両手を開きながらこっちに差し出してきた。その行為を握ってくれと解釈した私は、毛が生えた手でご主人様の指を、私の手の指と指の間に一本ずつ入れていく。確か、これはお母さんが言ってた恋人つなぎというやつだったと思う。こうしてあげるとご主人様の嬉しそうに口角を上げ、こちらをトロンとした目つきで見てきた。
その表情をみた私は、上下運動の速さを徐々に上げていった。

「はっ、はっ、はっ!ご主人様!キスしても良いですか!?」

「はぁ、はぁ、はぁ!くぅ!い、いいぞ!」

ご主人様の許可を貰った私はご主人様の厚い胸板に私の胸をくっつけ、顔をご主人様に近づけ、唇を奪った。

「んん!んんん....んん!」

「んんん!んん.....ん!」

ご主人様の口の中に舌を入れ、ご主人様の柔らかい舌と絡み合わせる。こうすると、どんどん気持ち良くなっていき、考えがおぼつかなくなっていく。もっとご主人様を舐めたいと思い、一旦ご主人様の唇から離れ、首筋、頬、胸板や乳首、色んなところを舐めていった。

「うくぅ!うあぁ!ご、ごめんサクラ!もう出る!」

その事を聞いた私は上下運動をやめ、一気に腰を落とし、ご主人様の肉棒の先端を私の子宮の入り口とキスをさせる。

「いい、ですよ!私の中で、思いっきり出しちゃって下さいーーー!!」

そう私が言った瞬間、ご主人様の肉棒がビクビクと震え、溶岩のように熱い液体を出してきた。それは、私が求めてきたものであり、今さっき私の上の口で味わったものであった。

「んんんんーーーーー!!!あああああぁぁーーーー!」

「うぐあああああぁぁぁぁ!!!!」

ご主人様と私は、あまりにも強い快感に互いに嬌声を上げていた。ご主人様の精液が私の子宮に注がれていっている。そんな事を考えると、私は至上の幸福と快感に身を包まれていった。
あまりにも長い射精であり、2回目だというのにおびただしい量の精液が私の子宮に注がれていく。それを私は一滴も逃すことなく、子宮に収めていった。
やっとご主人様の肉棒から精液が出なくなり、私は疲れてご主人様の体に私の身を預けた。

「き、気持ち良かった.....ですか...?」

「ああ.....とっても....気持ち....良かった。」

そう言って、口角を上げ私に微笑みかけ、同時にご主人様の右手が弱々しく私の頭に伸ばされ、撫でていく。
そのことに喜びを感じながら、ご主人様の顔に近づき、唇を重ねた。




「ご主人様!すいませんでした!あんなことをしてしまって!」

「いや、謝らなくていいよ!」

俺達は風呂での所為を終えた後、ご丁寧に掃除や体を洗いなどを終えた後、二人で風呂に入って一緒に会話をしていた。

「でも、ご主人様嫌だったんじゃないんですか...?」

そう言って、耳を折りたたみ、上目使いでこっちの様子をうかがってくる。
俺はそんな彼女を安心させようと、頭を撫で、微笑みながらこう言ってやった。

「こんな美人な女の子に襲われて嫌なわけないじゃないか。それに...俺だって気持ち良かったしな。」

気持ち良かったのは事実だし、人間じゃないがこんな可愛い子に童貞を奪われるなんて俺も願ったり叶ったりだった。

「ご主人様....♥大好きー!♥♥♥」

そう言うと、俺の体に腕を回し、抱きついてきた。

「お、おい!サクラ!狭いって!」

「私はこんなご主人様を貰って、幸せでーす!♥♥」

そう言いながら、俺の胸に頬ずりをしてくるサクラ。
まぁ、こうなると彼女は俺の言うことを聞かないし、俺も幸せだし、別にいっか。
そう思いながら、幸せそうに笑いながら頬ずりをしてくる彼女を微笑みながら見ていった。
しばらくすると彼女が頬ずりに飽きたのか、俺の胸から離れる。代わりに彼女は俺の顔に近づき、頬にキスをした。

「えへへ♥ご主人様、大好き!♥♥」

俺達の夜は深まっていった。

13/11/23 18:06更新 / こりき

■作者メッセージ
出来ました第4弾です!
友人に「ワーウルフで書いてほしい」と言われたので、頑張って書きました。
ワーウルフの魅力を十分に伝えられたと思います。
しかし、官能描写は難しい...。もっと頑張らなくては!
後誤字脱字等ありましたらご連絡お願いします。

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