連載小説
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闇夜の捕縛者
「くっ……。」
僕は苦戦を強いられていた。
僕は黄金に煌めく小剣と盾を持って、相手を睨む。
「そんなに抵抗しないで頂戴。まあ、そっちのほうが捕まえて、虐め甲斐があるけどね♪」
その相手は、上半身は人間の女性だが、蜘蛛のような下半身を持つ奴(アラクネ)だった。
どうして僕がこうなったのかは数時間前のことである。


僕はそもそも、この世界の住人ではない。
僕の世界では、人間に被害を及ぼす巨大な生き物を狩る『ハンター』が存在する。
僕はとある強力な白い龍を倒すために、とある山奥の村に仲間と一緒に向かったのだ。
ある村人は言った、そいつに立ち向かったハンター達は誰一人として生きて帰ってきてないと。
僕たちは覚悟を決め、そこにある禁足地と言われる場所で奴と対峙した。
すると奴は僕たちを見た瞬間、いきなり大きな翼を広げ、咆哮を上げた。
すると同時に、とてつもない量の禍々しい黒い煙が広範囲に広がったのだ。
僕たちは奴の咆哮に耐えられず耳を塞いでいたため、身動きが出来なかった。
そしてまともに禍々しい黒い煙に覆われてしまい、とてつもない目眩に駆られ、意識を失った。


そして僕がハッと目を覚まし、気付いた時には僕は、見たことがない奇妙な森に居たのだ。
「ここは…どこなんだ?…って、仲間が居ない!?」
最初は頭が混乱して発狂しかけたが、取り合えず冷静になって考えた。
・ここは僕達が住んでたものとは違うところ。
・原因は恐らく、奴(白い龍)の禍々しい黒い煙によって飛ばされた。
・恐らく元の世界に帰る手段がない。
「はぁ……。」
どうしようもない状況にため息をつき、荷物を確認する。
幸いにも狩りに使う道具は結構残っており、数日ならこれでなんとかなるだろうと思った。
「とりあえず…、街か村があるかもしれないな。」
僕がとりあえず歩きだした時に、顔にベタベタと何かがくっついた。
「なっ、なんだこれは!?…って、蜘蛛の糸か……。」
内心ホッとした次の瞬間だった。
上から先程の蜘蛛の糸よりも太い物が身体に巻き付いてきたのだ。
「なっ…!しまった…!」
振りほどこうにも、糸が巻き付くスピードが凄まじく、あっという間に身動きができなくなった。
「うふふ。可愛いハンターさんね♪」
そう言って現れたのが、先程言った彼女だった。
彼女は既に獲物を捕まえ、後は補食することを考えていたのだろう。
確かに普通の人間ならここで諦めるところだが…
(これぐらい…!なんて事はない!)
ハンターは蜘蛛の糸を千切り、拘束から解放された。
「うそっ!?信じられない!」
彼女にとっても予測してなかったみたいだ。
「なめるなよ…!僕だってお前みたいな奴とは何回も渡り合っているんだ!」
そう、僕の世界にも蜘蛛のような巨大な生き物がいる。
故に、普通の人間なら無理であっても僕からすればなんともないのである。
しかし、この程度では彼女は諦めない。
「大人しく捕まりなさい!」
蜘蛛の糸を自在に操り、捕まえようとした。
しかし僕は黄金の剣で糸を斬ると同時に発火し、焼く。
この黄金の剣と盾は、僕のお気に入りの武器で、斬る物に対して、焼き斬る事が出来る武器である。
「ここまで抵抗するなんて…。これは捕まえ甲斐があるわね♪」
普通ならここで諦めると思っていたが、逆に火に油を注ぐ事になってしまった。
「くそっ!捕まってたまるか!」
…僕は出来ればこの人を傷つける事はしたくない。
僕の世界にもいたような化け物ならまだしも、彼女を殺せば人間の女性を殺したも同義である。
故に僕は、彼女から逃げることを最優先させた。
「これでも喰らえ!」
僕はポーチからあるものを取りだし、彼女の前に投げた。
するとそれは彼女の前で破裂し、強烈な光を放つ。
「きゃあっ!?」
彼女も不意にも目を眩まし、ふらふらになっていた。
(逃げるなら今だ!)
そう思い、僕は彼女に背中を向けて逃げだした。


それからどれくらい時間が経っただろう。
「はぁっ…!はぁっ…!」
彼女の気配も薄くなったどころか、全く感じなくなった。
僕はその場で座り、呼吸を整える。
「ふぅ〜…。」
いきなりの出来事とはいえ、上出来であろうと自分をすこし誉めたくなった。
「さて、行くか。」
僕が立ち上がり、歩き出そうとした瞬間、僕は気を緩めていた事を後悔した。
「私から逃げようと思うなんて、ダ・メ・よ♪」
今度は身体じゅうに糸を巻き付くのではなく、手足だけを中心に巻き付けてきたのだ。
「くっ…!これぐらい!」
僕は引きちぎろうと必死にもがくが、糸は先程よりも何重にも重なっており、もはや引きちぎる事は不可能になっていた。
「本当にびっくりしたわ〜。まさか私の拘束から逃げるなんて…。ウフフ♪さて、どうしちゃおうかしら?」
彼女は舌なめずりをし、獲物を補食しそうな目をしていた。
嫌だ…!死にたくない…!
怖い…!殺されてしまう…!
しかしその抵抗も虚しく、残ったのは絶望だけ。
(もう…駄目だ…。)
分かっていた。
異世界と言えど、こうなってしまえば弱肉強食が全て。
弱き者は喰われ、強いものが生き残る。
故に、僕は死を覚悟した。
しかし、次に来たのは強烈な痛みでもなんでもなく、抱き締められた感触だった。
「怖がらせてごめんなさいね。私は貴方を殺すなんて事はしないわ。ただ…、性的に食べちゃうけどね♪」
彼女がそう言った瞬間、唇に柔らかい物が触れ合い、彼女から舌を押し込んできた。
そして彼女が僕の唇から離れた時に、お互いの唾液が線を引いた。
「ん…♪続きは私の家でヤりましょ♪大丈夫、私のモノになるなら、どんなことからでも守ってあげる。もう、何も怖がらなくても大丈夫だから…ね?」
「ああ……。」
僕はもう、何も考えられなくなった。
これからどうなるかはわからない。
僕は意識が朦朧とし、意識を失った。


その後、ハンターはそのアラクネに気に入られ、もう二度とその剣を取ることは無くなった。
ただひたすらに快楽に身を任せ、その快楽に溺れる日々を送るのであった。

ーBAD ENDー
14/05/28 03:10更新 / エロ書けない人
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■作者メッセージ
思いきってやってみた。
後悔は…してないかな!
何となく書いてて楽しいと思った自分がいた(笑)

書き始めたきっかけは、とある作者様がモン●ンのモンスター達がこっちの世界(魔物娘の世界)にきてイチャコラする話を読んで、ハンターが逆に行けば…と思ってやってみました!
調子のって(人;´Д`)ゴメンネ

相変わらずの駄文ですが、読んで頂いた読者様に感謝。

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