読切小説
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アザラシが野ざらし
 その日、私はいつものように狩りに出かけていた。なのに・・・

「何なのよここぉ!メチャ暑い!」

澄み切ったエメラルドグリーンの海、照りつける太陽、見た事も無い植物。そう、寒い寒い北方の海から、何故か赤道直下の南国に来てしまったのである。原因はわからない。だが、頭の後ろがズキズキと痛い。きっと、流木か何かに当たって気絶。そのまま海流に流されてしまったのだろう。

「だとしても、良く生き残ったわよね私。」

いくら泳ぎが上手いセルキーだとしても、厳しい北方の海流で流されることは、命に関わる事だ。住みなれた場所から離れてしまったものの、命あっての物種だ(種出される方だけど)。この状況に感謝したい・・・が、

「とにかく暑い〜!!」

いつも住んでる所は、極寒の地。だが、今ここにいるのは常夏の地。当然、彼女の着ているアザラシの毛皮は、寒冷地用である。暑いのは当たり前である。

「はぁ・・・はぁ・・・あーもう駄目、このままだと干物になる!セルキーの干物になっちゃう!」

毛皮は、体を温かくする為の物である。それがあだとなり、彼女は汗をかき過ぎ、半ば脱水症状を起こしていた。あたりに飲み水がないか探したところ、偶然、中身が入っているボトル2本を見つけた。

「あ・・・水よ、水だわ・・・」

彼女は、ちゃんと中身を確認しないまま、一本目のボトルの封を開け、そのまま一気に飲み干してしまった。カラカラの体に染み渡る甘美な飲み物。彼女は、初めて、これほどまで飲み物が美味しいと思った事はなかった。

「はぁ〜生き返るわ・・・」

だが彼女は気付いていなかった。そのボトルのラベルは、文字がかすれていたが、「媚薬入り飲料水 即効性、持続性アリマス!!」と書かれていた事に・・・

 一応水分は補給で来た彼女。隣にあったボトルを手に取り、見てみたところ

「ぺドローション 媚薬入り」

(・・・カチン)

ヒュッ

「痛っ!」

思わず投げてしまった。何か声がしたと思うが、気のせいにする。

「さて・・・これからどうしようかしら?」

故郷に帰るにも、場所もわからない中で右往左往しても意味は無い。とりあえず、人を探そうと思ったその時、彼女の体に耐えがたい熱を感じた。そう、あの媚薬入り飲料水の効き目が表れ始めたのだ。

「んっ♥何なのよぉ?」

思わず色っぽい吐息が漏れる。これ以上体が熱くなったら、まずい。そう思ったセルキーは、着ている毛皮を脱いだ。

「はぁ・・・はぁ・・・、これで少しは落ち着く・・・ヒャッ!?今度は・・・寒い?」

周知の通りだが、セルキーは毛皮を脱ぐと、人肌が恋しくなる、つまり寒い状態に陥る。さらに、媚薬の効果も相まってか、その恋しさに拍車をかける形となってしまった。つまり、毛皮を着れば熱くなり、毛皮を脱げば寒くなるという、ややこしい状態に陥ったのだ。

「何で…こんなぁ・・・んっ♥あ、暑いけど・・・着なきゃ。」

このまま毛皮を脱いでいたら、体も心もおかしくなる。そう判断したセルキーは、やむを得ず毛皮を着る事にした。しかし、媚薬による効果は消えず、彼女はムラムラした気分になっていた。

「このままじゃ・・・ダメよ・・・何とかしなきゃ。」

確かに、このままではまずい事になってしまう。何とかしなければ。そう思った矢先、浜の向こう側から誰か来るのが見えた。よりによって男である。

「なっ、何でこんな時に男なのよぉ?」

故郷の地だったら、別にどうとも思わない。だがここは、遠く離れた異国の地。それも、かなり場違いな格好をして居るばかりか、体が異常になっている。それに、もし反魔物国家だったら何をされるかわからない。とりあえず、彼女は岩陰に隠れる事にした。

(こっ、ここならばれないわよね・・・)

大きな岩の陰に隠れる彼女。隠れた彼女は、岩の陰から恐る恐る通りがかる男を覗いた。その男は、彼女にとってどストライクな容姿であった。

(やだ!かっこいい!)

本当なら、今すぐにでも声をかけに行きたい。だが、もし反魔物領だったらの事を考えると、どうしても行けなかった。

(ああ、このまま押し倒したいのに・・・)

そう思う彼女の指は、自然と指が毛皮の中に入って行き、クリトリスを刺激し始めた。

(やだ!?何で私勝手に指が?)

彼女の指がクリトリスにコリコリ当たる。濡れて来たのか、徐々にアソコから水音が聞こえ始めて来た。

クチュ・・・クチュ・・・

(何で?何で指が勝手に?)

岩陰の隙間から見える男。今彼は、彼女のいる岩のすぐそこで何かを拾っている。

(か、彼がすぐ後ろにいるのに・・・ッ指が・・・止まらないよぉ♥)

彼女のオナニーは、激しさを増していった。波打ち際の音に交る、彼女のカウパー液の音、もし勘付かれ、見つけられたらどうなるかわからない。しかしそれでも、彼女の指が止まる事は無かった。

クチュ・・・クチュ・・・クチュ・・・

(もう駄目っ、熱い!体が熱い!!)

彼女の体温は、もはや限界に達していたほど火照っていた。すると彼女は、何を思ったのか、着ていた毛皮を脱ぎ始めた。だが、それは逆効果だった。

(ああっ、駄目っ、何でもっと熱くなるのよぉ!?)

毛皮を脱いだ事により、人肌恋しくなった彼女。それにより、彼女の自慰はより激しさを増す事になってしまった。

(ああっ、あの人がこの音に気付いてくれれば・・・って、なに考えてるの私?)

暑さと媚薬の効果で、彼女はもはや冷静さを失っていた。彼が親魔物領出身でも、反魔物領出身でもいい。とにかく今は、彼が欲しいと思う事しか考えられなくなっていた。

クチュ・・・ビシャッ・・・ニチャッ・・・

「ん?何の音だ?」

とうとう彼が、彼女の自慰の音に気が付いてしまった。

(やはっ、彼がこっち見てるぅ♥私のいやらしい音にぃ♥)

彼がこっちに気付いたと判ると、彼女の指はより、激しさを増し、音も大きくなった。

「・・・何だ?この水音?この岩の裏から聞こえるぞ?」

不審がった男は、セルキーのいる岩陰に様子を見ようと、恐る恐る向かって行った。

(もうらめぇ。見つけてぇ。見つけて私を犯してぇ♥)

もはや彼女は、彼に侵される事しか考えていなかった。口からはだらだらと涎を垂らし、右手は秘部をかき乱し、左手は乳首、アナルを弄り、愛液をだらしなく垂れ流していた。

(ああ、もう駄目!イク!イク!イっちゃうーーッ♥)

彼が岩陰にいる彼女を見つけようとした途端、彼女は盛大に潮を吹きイってしまった。何事かと思い、彼が見つけたものは、汗、愛液、涎等で体が体液まみれで、アソコからタラタラと愛液を垂れ流し続けるセルキーの姿であった。

「・・・大丈夫・・・ですか?」

「はぁ・・・はぁ・・・男ぉ・・・男ぉ・・・しゅきぃ・・・しゅきぃ!!」

「わっ何だこの痴女!?」

さっきイったばかりだったが、男がいるのを目の前にして理性を保つことは出来るわけがないセルキーは、そのまま彼に飛び付き、着ていた服を破き、彼の口に舌を突っ込んだ。

「んっ・・・ちゅっ・・・ぢゅっ・・・」

潮騒の音に混じり、いやらしい音が響き渡る。さっきまで彼を思って自慰をしていた時間が何時間、何日、いや何百年と感じるほどであった。

(この渇きを彼に満たして欲しい)

その衝動だけが、彼女を動かしていた。舌は、彼の口内を丁寧に舐めまわし、まるで舌に生命が宿ったかのように彼を愛した。体は、もう準備万端と言うところで、秘部はびしょ濡れだった。手、足、胸、腹、その全てを彼の体に擦りつけ、彼に対し、「いいメス」だと言う事を体全体で教え込ませようとしている感じだった。

「あっ、もうあなたのアソコ、カチンカチンだね♥」

「あ、ああ。」

「じゃあ、入れるね♥」

「ちょっと、まっ・・・アッ!」

「ふみゅうううっ♥は、入ったぁ〜、あなたのおチンポ、私の子宮とキスしてるよぉ♥」

挿入する時に、痛みは無かった。ただ、鍵が鍵穴に入るかのように、すんなりと入った。そして、彼女は腰を振り始める。その姿は、毅然とした美しさを持つ北海の女王、セルキーとは思えないほど乱れた姿であった。

「ああっ♥気持ちいっ!お願い、もっと私を滅茶苦茶にしてぇ!滅茶苦茶に犯してぇ♥」

彼の腰に跨り、腰を振る様はもはやアザラシではなく、発情期の雌犬であった。心地の良い潮騒の音、照りつける南国の太陽、熱を持ち熱い砂、目の前の愛しい彼。その一つ一つが、彼女にとって快感であり、彼女の全てであり、彼女を生に突き動かす為の原動力となっていた。

「にゃぁあっ、乳首コリコリしちゃらめぇ!クリちゃん弄っちゃらめぇ!私おかしくなっちゃうー♥」

最初は戸惑っていた彼だったが、次第に乗り気になり、彼女の体を弄り始めた。彼女の艶めかしい体を弄るたび、快楽が全身を伝わり、彼女は悶えたのだった。

「はぁぁあん♥好きよ!好き。もう絶対離さないんだから。」

犯されながら彼に抱きつくセルキー。この溶けそうなほど甘い一時は、まるで永遠に感じられた。二人の愛を邪魔する者はいない。ただ南国の太陽だけが、二人の交わりを見ていた。

「なぁ・・・もうそろそろ、出そうなんだが・・・」

「えっ、出るの?いいよぉ・・・いっぱい私の中に出してぇ♥私もそれを望んでいたのぉ♥」

魅かれるオスをメスは欲する。彼女の腰つきはさらに速くなり、彼も彼女の腰に合わせてより強く付きはじめた。この子宮が、いや、このから全体が彼の子種を欲している事が、嫌でもわかった。

「じゃあ、出すよ・・・ウッ!」

「ああーーーーっ!出てりゅううううっ♥あなたの精子が出てりゅうーーーっ♥いいよ、もっとビュクビュク出してぇー!私の子宮にいっぱい出してぇ!」

彼の精子が、子宮に流れ込む。ああ、あれだけ欲していた彼の精子。それが今、体に満ちている。そう、彼女が望んだ子種だ。

(ゆ、夢なら・・・覚めないで。)

彼女は、強く、優しく彼を抱きしめた。


 とある南国の島に、セルキーとその夫とその子供達が暮らしている。南国の地にセルキーとは驚きだが、実際に暮らしている。人生塞翁が馬。どうなるかわからない。だが、最終的には良い方に傾くのが常だと信じたい。

14/01/20 19:20更新 / JOY

■作者メッセージ
セルキーパーカーとかあったら絶対に買ってる。

ご意見、ご感想、お待ちしております。

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